【夏の有名俳句 30選】夏を感じる句・一覧!季語を含むおすすめ俳人名句を紹介

 

夏は山や川、海、食べ物など多くの季語を用いて、暑さや暑さの中の涼しさを詠むことが多い季節です。

 

初夏から梅雨を経て真夏へとうつり変わっていく様子は多くの俳句の題材となっています。

 

 

今回は、「夏の季語」を含む有名な俳句30選をご紹介します。

 

リス先生
お気に入りの俳句を見つけてみてね!

夏の季語とは

 

夏の季語は、旧暦の4月から6月、現在の暦で5月から7月頃のものを指します。

 

以下に夏の季語の一例を挙げていきます。

 

夏の季語

夏・暑し・涼し・風薫る・雷・雲の峰・汗・団扇・ところてん・昼寝・浴衣・祭・郭公・ヒキガエル・ホトトギス・蠅・夏草・夏木立・青葉・麦の秋・立夏・柏餅・更衣(ころもがえ)・初鰹・卯の花・薔薇・牡丹・タケノコ・麦・葉桜・五月雨・梅雨・蛍・紫陽花・秋近し・梅干・炎天・瓜・向日葵・蓮・夕顔・鮎・夕立・コガネムシ・百日紅

 

リス先生
8月などのお盆の時期は、秋の季語になることに注意しよう。

夏のおすすめ有名俳句【前半15句】

 

俳句仙人
この句は山形県の立石寺で詠まれた句です。立石寺は山の中に建つお寺のため、蝉の声以外が聞こえず、まるで岩に吸い込まれていくような蝉の鳴き声を詠んでいます。

俳句仙人
この俳句は当初「集めて涼し」と詠まれていました。その後、作者は最上川の川下りを体験し、『おくのほそ道』では激流を示すように「集めてはやし」と変更されています。

俳句仙人
この句は『おくのほそ道』の旅の最中に、山形県の出羽三山に訪れた際に詠まれました。「月の山」とは月山のことで、入道雲が崩れて山になったと感じる壮大な景色を詠んでいます。

俳句仙人

この句は『おくのほそ道』で、奥州平泉の古戦場を一望したときの一句です。あれほどまでに栄華を極め争った奥州藤原氏の居城も、今や夏草の生い茂る跡地になっているという無常観をよく表しています。

俳句仙人
太陽の光としての日光と、地名としての日光を掛けた句です。日光山に参拝に訪れたときの句で、初夏の青々とした葉に覆われた生命力あふれる日光山が目に見えるようです。

俳句仙人
鮎を釣ってきた友人が夜遅くに届けに来てくれたときの様子を詠んでいます。やすんでいけという家主に対して、門の前であいさつだけをして去っていく友人を見送っています。

俳句仙人
雨が降り続いて水量を増した川の前で、為す術なく家が二軒隣り合って建っている様子の句です。今のような治水技術が発達していない頃なので、住んでいる人も見ている人もさぞハラハラとしていたことでしょう。

俳句仙人
童心にかえったように裸足で川を渡る喜びにあふれています。裸足で渡れるほどの川で、小さい頃に川遊びをした記憶がある人もいるのではないでしょうか。

【NO.9】与謝蕪村

『 ほととぎす 平安城を 筋違に 』

季語:ほととぎす(夏)

意味:ホトトギスが鳴きながら、平安京の跡地を筋違いに飛んでいった。

俳句仙人
平安京は現在の京都市の中心、京都駅や京都御所に位置していました。現在でも碁盤の目の道が残されていて、京都ではなく平安城と表現したところに、古の時代に想いを馳せています。

俳句仙人
「むら雀」とは雀の群れのことで、夕立にあった雀たちの行動を観察した句です。人間のように雨宿りをする姿を面白がっています。

俳句仙人
ハエが手足をすっているような動きを命乞いと捉えているユーモアのある表現です。小さなハエの動きも逃さずとらえる作者の観察眼が光ります。

俳句仙人
蛙は本来春の季語ですが、ここでいう「やせ蛙」とはヒキガエルのことを意味しているため、夏の季語になります。やせている蛙を自分自身に見立てているとの説もあり、自分を鼓舞するための句でもあります。

【NO.13】小林一茶

『 大の字に 寝て涼しさよ 淋しさよ 』

季語:涼し(夏)

意味:大の字になって誰に気兼ねすることなく寝て涼しさを感じるなぁ。だが独りの淋しさも感じることだ。

俳句仙人
この句は、作者が長年家族と争ってきた遺産相続問題が解決した後に詠まれています。大の字になって眠れる清々しさと、1人きりの淋しさを詠んだ句です。

俳句仙人
江戸の街は長屋が多く、大通りから外れると曲がりくねった道が多くありました。作者が住んでいたのもそんな長屋の1つだったのでしょうか、わざわざ「曲がりくねって」と表現していることから、家屋の密集具合が思い浮かびます。

【NO.15】小林一茶

『 蟻の道 雲の峰より つづきけん 』

季語:雲の峰(夏)

意味:このアリの行列は、彼方の入道雲の方から続いてきているのだろうか。

俳句仙人
アリと入道雲という、小さいものと大きいものの対比が見事な一句です。延々と続くアリの列が、彼方の入道雲まで続いていくというユーモアのある句になっています。

 

夏のおすすめ有名俳句【後半15句】

 

俳句仙人
長雨の最中の晴れ間に出てきたアリを見ての一句です。水たまりも多い中で器用によけながら行列を作っていたのでしょうか。

俳句仙人
紫陽花は植えられている土地の土壌によって花の色が変わってきます。同じ庭に植えられているのに花の色が違い、どの紫陽花の色が本当なのだろうかと考え込んでいる表現です。

俳句仙人
最上川の激しい流れが、まるで夏を流していくように見える様子を詠んでいます。「ずんずんと」という勢いよく進んでいくような表現で、川の様子が目に見えるようです。

俳句仙人
「夏嵐」とは夏に吹く強風のことです。窓をあけて仕事をしていたのでしょうか、急に吹いた突風に机の上のものが飛ばされている様子がよくわかります。

俳句仙人
作者が高校生の頃にはすでに野球が普及していて、作者も野球を楽しんでいたと言われています。この句はその頃の思い出を夏草越しの野球場を見て思い返している一句です。

俳句仙人
コガネムシを放り投げると闇の中に消えた、という意味の俳句です。しかし、このシンプルな意味の中に、放り投げられて落ちていったのか、飛んでいって見えなくなったのか、さまざまな想像の余地があります。

【NO.7】高浜虚子

『 夏山や よく雲かかり よく晴るる 』

季語:夏山(夏)

意味:緑が鮮やかな夏の山だなぁ。山頂にはよく雲がかかっていて、空はよく晴れている。

俳句仙人
緑の山、白い雲、青い空と真夏の山の風景を絵画のように描写しています。写真を見ているかのように風景が想像できる一句です。

俳句仙人
百日紅の花の色には赤やピンク、白、薄紫などがありますが、「炎天」という表現から真っ赤な百日紅が想像できます。地上の暑さの中に鮮やかに咲く花はさぞ印象に残ることでしょう。

俳句仙人
白い牡丹の花を見ての一句です。白牡丹は真っ白な花というわけではなく、中心がほんのりとピンク色になっています。自然の風物を愛する作者の代表作となっている俳句です。

俳句仙人
季語が3つ重なる有名な初夏の俳句です。五感を最大限に使用した表現が、初夏の訪れを喜んでいる様子を表しています。

俳句仙人
「赤き鉄鎖」と河という表現から錆びている様子が思い浮かぶ句ですが、作者は「赤いペンキの塗られた鎖である」と後に解説しています。端だけが水に浸かっている鎖を見て、より一層の暑さを感じる句です。

俳句仙人
この句は敗戦直後の価値観がものすごいスピードで変わっていく最中に詠まれました。そんな中で、女性たちの服装が体型を隠さず堂々としたものに変わっていく様子を「おそるべき」と評しています。

俳句仙人

この句の作者はおそらく浴衣姿で夕涼みをしているものと思われます。当時の浴衣はまだ下着のような意味合いが強く、女性が外に着ていくのははばかられる服装でした。

俳句仙人
束になって押し出されていくところてんを、白い煙に例えています。曲線的な軌跡を描くところも煙によく似ていると思わせる一句です。

俳句仙人
滝が群青色をした滝つぼに轟音を立てて落ちていく様子を詠んだ句です。「群青世界」と漢字で表現することで、この俳句を引き締める効果があります。

 

 

以上、「夏の季語」を含む有名俳句30選でした!

 

俳句仙人
夏の俳句は、五感を駆使してさまざまな表現や季語で夏の様子を詠んでいる俳句が多い印象です。
旧暦と新暦に1ヶ月程度の違いがあって少しわかりにくいところがある夏の季語ですが、暑さを風物詩として楽しみながら一句詠んでみてはいかがでしょうか。