【10月の有名俳句 20選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

 

俳句といえば「季語」。

 

しかし、ピンポイントで10月の季語と言われてもすぐには思いつかないですよね。

 

そもそも10月は旧暦でいうと秋でしょうか?初冬でしょうか?

 

その基準も含めて、今回は10月の季語とその季語を使った上手い表現のおすすめ俳句集をご紹介いたします。

 

ぜひ俳句を作る際の参考にしてくださいね。

 

リス先生
それでは、さっそく見ていこう!

 

俳句に10月らしさを出す!10月の季語を知ろう

 

まずは俳句作りのキーとなる「季語」は、漢字の通り春・夏・秋・冬という四つの「季節」を表す「言葉」のことです。

 

ただ、その季節の基準となるのは旧暦ですので、今の季節感とは少しずれているところに注意が必要です。

 

旧暦で立春(1月)、立夏(4月)、立秋(7月)、立冬(10月)がそれぞれの季節のスタートとされていたことから

 

  • 春:1月〜3月 (新暦 2〜4月)
  • 夏:4月〜6月 (新暦 5〜7月)
  • 秋:7月〜9月 (新暦 8〜10月)
  • 冬:10月〜2月 (新暦 11〜1月)

 

という分類になることを覚えておいてくださいね。

 

今回は新暦で10月の俳句についてですので「晩秋」になります。さっそく、たくさんある10月の季語の中から、身近で使いやすいものをご紹介しましょう。

 

リス先生
ここでは、そんな10月の季語を紹介していくよ!

 

10月の季語【一覧】

 

【時候・天文・地理

十月・晩秋・肌寒・朝寒・夜寒・秋深し・暮れの秋・秋惜しむ・秋時雨・野山の色・刈田・高潮

 

【生活・行事】

新米・稲刈り・柚味噌・きりたんぽ・干柿・紅葉狩り・菊花展・夜なべ・体育の日・ハロウィン

 

【植物・動物

柿・りんご・栗・柚子・金柑・紅葉・レモン・椎の実・銀杏(ぎんなん)・銀杏(いちょう)散る・稲の穂・どんぐり・松ぼっくり・カボス・生姜・金木犀・松茸・無花果(いちじく)・柘榴(ざくろ)・秋刀魚・雁・もず・バッタ

 

 

10月の季語を使った有名俳句集【10選】

「ac 写真 柿木」の画像検索結果

 

ここからは有名な俳人の句をご紹介いたします。

 

10月の季語を使った有名な俳句と言ってもなかなか思いつきませんが、「柿」を詠んだものと言えばピンとくるのではないでしょうか?

 

まずはその有名な1句からご紹介します。

 

リス先生
お気に入りの一句を見つけてみてね!

 

【NO.1】正岡子規

『 柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺 』

季語:柿

意味:柿を食べたと同時に法隆寺の鐘が鳴った

俳句仙人
柿を食べた瞬間に鐘の音が聞こえるという「口」「耳」「目」の感覚をすべて表現しているところに豊かな感性と表現力を感じるのう。

 

【NO.2】松尾芭蕉

『 この道や 行く人なしに 秋の暮 』

季語:秋の暮

意味:秋の夕暮れに歩く人のいないひとすじの道が続いている

俳句仙人
「秋の暮」「行く人なし」と物寂しい表現が続いているところから、芭蕉の生涯にわたって孤独だった気持ちも伝わってくるのう。

 

【NO.3】松尾芭蕉

『 秋深き 隣は何を する人ぞ 』

季語:秋深き(秋深し)

意味:こんなに深まってきた秋の日に隣の人は何をして過ごしているのだろうか

俳句仙人
この句には芭蕉の詠んだ時の状況を重ねていろんな解釈があるが、「秋深し」ではなく「秋深き」となっているのが特徴的で印象に強く残る表現になっておる。隣の人(俳諧の人)に何かを伝えたい気持ちがあったのかもしれんのう。

 

【NO.4】与謝蕪村

『 秋雨や 水底の草を 踏みわたる 』

季語:秋雨

意味:秋雨が降っている中を水底の草を踏みながら川を渡った

俳句仙人
秋の雨というだけでも肌寒い中、川を水底を踏みながら渡るという行為にちょっと身震いしてしまいそうじゃ。しかし、底の草が見えるほど水が綺麗だという清々しい風景も伝わってくるのう。

 

【NO.5】夏目漱石

『 秋の山 静かに雲の 通りけり 』

季語:秋の山

意味:紅葉した秋の山に静かに雲が通っていく

俳句仙人
赤や黄色に紅葉した山の上をゆっくりと雲が通り過ぎていくいい天気の様子が目に浮かんできて、ゆったりとした気持ちになるのう。

 

【NO.6】高浜虚子

『 松茸の 香も人に よりてこそ 』

季語:松茸

意味:いい香りだと言われている松茸もどう思うかは人によるものだ

俳句仙人
これは松茸の話だけを言っているのではないことがわかる。物事のよさは人によって「こそ」決まるのだと強調して表現しておるのじゃ。

 

【NO.7】杉田久女

『 西日して 日毎に赤らむ 柿の数 』

季語:柿

意味:西日にあたっているように日毎に赤くなる柿の数が増えているようだ

俳句仙人
「西日」という名詞に「して」と動詞が繋がっている表現が独特じゃ。1日ごとに赤くなり西日もあたってキレイな色の柿が見えてくるのう。

 

【NO.8】飯田蛇笏(いいだだこつ)

『 いわし雲 大いなる瀬を さかのぼる 』

季語:いわし

意味:川に映ったいわし雲が流れで瀬を遡っているように見えている

俳句仙人
「いわし」雲がさかのぼる=泳ぐ様子から「大いなる瀬」で川を表現し、大きな自然の流れを短い言葉で表しているところが流石じゃ。

 

【NO.9】中村汀女

『 銀杏が 落ちたる後の 風の音 』

季語:銀杏

意味:銀杏(ぎんなん)が下に落ちた後に風の音が聞こえてきた

俳句仙人
同じ漢字で「いちょう」とも読めるが、季語で使う場合は「銀杏散る」なので、この場合は「ぎんなん」じゃ。風が木々の間を「ヒュー」と通ったのか、「カサカサ」と落ち葉を鳴らしたのじゃろうか。想像がふくらむのう。

 

【NO.10】松本たかし

『 山栗の 大木のある なつかしき 』

季語:栗

意味:山栗がなっている大きな木があるのを見るとなつかしい思いがする

俳句仙人
山に自生している栗の木はとても大きくなるそうじゃ。そのため、故郷にそういうシンボルツリーがあったのじゃろうな。大木を見て懐かしい思いを抱いた感情がよく伝わってくるぞぉ。

 

こんな俳句もある!オリジナル俳句集【10選】

「ac 写真 イチョウ」の画像検索結果

 

ここからは、一般の方が詠んだオリジナルの俳句集をご紹介していきます。

 

リス先生
上手な俳句がたくさんそろっているのでぜひ参考にしてみてね!

 

【No.1】レモン好き 妹(いも)が頬張る 口すぼめ 

季語:レモン

意味:酸っぱいレモンが好きだという妹がそのまま頬張って口をすぼめている

俳句仙人
目の前でレモンをほお張られると見ている方も口がすぼみそうじゃ。お兄ちゃんかお姉ちゃんの観察句じゃな。

 

【No.2】ハロウィンの 泣きてお化けに 菓子もらひ

季語:ハロウィン

意味:ハロウィンで怖くて泣きながらもお化けにお菓子をもらっている

俳句仙人
自分の経験じゃろうか、子どもを見たのじゃろうか。怖くてもお菓子だけはしっかりもらっている微笑ましい様子が伺えるのう。

 

【No.3】不器用は 不器用なりに りんごむく

季語:りんご

意味:不器用な人は不器用なりのやり方でりんごを剥く

俳句仙人
不器用な方の心のつぶやきが聞こえてくるのう。その通りじゃ。自分なりにやれる範囲でいいのじゃ!

 

【No.4】美味しそう 隣の柿が 鈴なりに

季語:柿

意味:隣の家の柿が鈴なりに美味しそうに実っている

俳句仙人
たくさんの柿がたわわに美味しそうになっているのに放置されているのを見て思わず言ってしまうセリフじゃな。お隣さんに指差して教えてあげたくなる一句じゃ。

 

【No.5】いわし雲 ペンギンたちが 空を見る

季語:いわし

意味:いわし雲が広がっている空をペンギンたちが見上げている

俳句仙人
「いわし」雲と魚のイワシが好きなペンギンたちとをかけているのじゃろう。上記の有名俳句のいわし雲を川に流した一句と似た感性を感じるのう。

 

【No.6】白き雲 より白米の 一袋

季語:白米

意味:白い雲よりも白い米の一袋の方がいい

俳句仙人
風情より食欲じゃ。なんといってもまだ食欲の秋なのじゃから!同じ「白」で連想させたところが上手い表現じゃなぁ。

 

【No.7】銀杏を 踏みて匂ひて 恥ずかしき

季語:銀杏(ぎんなん)

意味:銀杏を踏んだあとの靴の匂いが取れず恥ずかしい思いをした

俳句仙人
これは踏んだ人にしかわからない気持ちがこもっておるのう。周りも匂を嗅いでも「ああ、ぎんなん踏んでしまったんだな」と見守ってくれると思うが、「恥ずかしき」で気持ちがよく伝わってくるのう。

 

【No.8】金木犀 トイレの香りよ 都会人

季語:金木犀

意味:都会人にとっては金木犀はトイレの芳香剤としてしかわからない

俳句仙人
少し寂しい気もするが、金木犀を全く見たことも本物の花の香りを嗅いだこともない人の方が多いはず。名詞だけを並べているが、意味は繋がっておるぞぉ。

 

【No.9】紅葉狩り 何獲るのかと 聞く子ども

季語:紅葉狩り

意味:紅葉狩りとは何を獲りに行くのかと子どもが聞いている

俳句仙人
あるある場面じゃな。「狩に行く」から子どもは「紅葉」という生き物なのかと想像してしまうのう。この場面を側から見たのか、自身が親に聞いた経験を詠んだのかもしれんのう。

 

【No.10】稲刈りを やってと金色 踊ってる

季語:稲刈り

意味:稲刈りをやってと金色に輝いている稲穂が踊るように揺れている

俳句仙人
一面に広がる金色に輝く稲穂が見えてくるぞぉ。そして「踊ってる」のは秋風が穂を揺らしている様子。秋の実りの嬉しさが伝わってくるのう。

 

 

以上、10月の季語を含んだおすすめ俳句集でした!

 

俳句仙人
10月にだけ楽しむことができる事象を10月の季語としているので場面が想像しやすいのう。同じ秋でも初秋(8月)、中秋(9月)、晩秋(10月)では季節感が変わっていくことも面白いところじゃ。

リス先生
美味しい秋、まずは10月季語の中から自分の好きな食べ物を見つけて1句詠んでみてね!