【秋の有名俳句 40選】秋を感じるおすすめ名句!!季語を含むおすすめ俳人名句【一覧】

 

秋は段々と涼しくなり、紅葉や秋雨、仲秋の名月などの自然現象を詠む俳句が多くなります。

 

旧暦と新暦のズレにより、体感はまだ夏であるため季節を間違いやすい季語もありますが、涼しさや味覚、行事などさまざまな季語で表せる時期です。

 

 

今回は、「秋の季語」を含む有名俳句40選を紹介していきます。

 

リス先生
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まずは秋を代表する季語を紹介!

 

俳句には、季節を表す「季語」を入れて詠むという決まりがあります。

 

秋の季語は、旧暦で7月から9月、新暦でいう8月から10月頃のものを指します。

 

秋の季語には、次のようなものが挙げられます。

 

【秋の季語

秋・夜長・露・月・霧・枝豆・イワシ・鮭・鹿・虫・渡り鳥・稲・芋・菊・芒(すすき)・梨・残暑・立秋・天の川・踊り・七夕・盂蘭盆会・ヘチマ・キリギリス・鈴虫・朝顔・桔梗・撫子・萩・桃・トウガラシ・仲秋・名月・野分・十六夜・葡萄・秋深し・朝寒・稲刈り・重陽・秋刀魚・雁・柿・紅葉・曼珠沙華・林檎・秋雨

俳句仙人
七夕やお盆など、現在の感覚では夏の季節の行事がありますが、季語では秋になるので注意しましょう。

秋のおすすめ有名俳句【前編 20句】

 

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海、島、天の川と雄大な大自然をのびのびと詠んだ句です。まるで写真のように天の川の光に照らされた黒々とした佐渡ヶ島が見えるような表現になっています。

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この句は、作者が病床についていた時の句です。芭蕉はこの句を詠んだ日から回復することなく、翌月に亡くなっています。

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この俳句は菊の節句と言われる99日に奈良を訪れたときに詠まれました。菊と古い仏たちという格調高い古都の風景を表現しています。

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文月六日とは76日のことで、七夕である77日の前日の夜を表しています。当時からさまざまな行事が行われていたため、前日の夜はいろいろいな準備で慌ただしかったことでしょう。

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名月自体を見ているのか、池に映った名月の姿を見ているのかで解釈が別れる句です。池と月を同時に描写していることから、水面に映った月を見ているとする説が一般的になっています。

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「野分」とは秋の嵐のことで、今で言う台風のことです。台風一過の空の青と、草の緑の上に散らばる唐辛子の赤という色彩豊かな一句です。

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俳句で「踊り」とだけ詠まれた場合は、盆踊りを意味する秋の季語になります。踊っていたら月が出て、気がつけば数人の男女だけになっていた光景を詠んでいる、江戸時代ならではの句です。

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朝顔は8月に最盛期を迎えるため、現在の感覚では夏ですが季語としては秋になります。一面に咲く朝顔の中で、一輪だけ深い淵を覗き込んだような藍色をしているという作者の観察眼が光ります。

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「かくれ貌」はかくれんぼのことです。野菊という種類の花はありませんが、キク科の野花を総称しています。子狐たちが隠れるほど花が咲いている野原の情景を詠んだ句です。

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山と野の対比と、夕日を受けて光るススキが美しい風景を想像させる句です。秋という冬に向かっていく寂しい季節を「黄昏」という言葉が表しています。

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作者が自分の子供を背負っているときに、子供に言われた言葉を元にして詠んだ句です。子供好きな作者の様子がよく表現されています。

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この句は作者が病床についているときに詠まれたと言われています。病床についていながら、障子の穴から覗く天の川の美しさに感動している句です。

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この句は作者の子供が亡くなったときに詠まれています。露のようにいなくなってしまった我が子の死を嘆きながら、それでも生きていかなくてはならないという世の中の無情さを歌った句です。

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「むかご」とはヤマイモなどの茎につくコブ状のもので、食べられる食材です。秋雨に打たれてムカゴが触れていないのにホロホロと落ちていく様子を観察しています。

【NO.15】小林一茶

『 散る芒 寒くなるのが 目に見ゆる 』

季語:芒(秋)

意味:散っていくススキを見ていると、冬が近づいて寒くなっていくのが目に見えるようだ。

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秋の終わりが近づき、ススキすらも散っていく様子を詠んでいます。寒さが散っていく野山にある葉や穂の状態から可視化されていくという面白い句です。

 

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「有磯海」とは万葉集の時代から歌に詠まれていた名所で、現在でいう富山湾の西側のことです。秋の気配を感じながら有磯海を目指して道を進む作者の様子が詠まれています。

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太陽はまだ強く照りつけて暑さは残るけれど、風は秋の涼しい風であるという夏と秋の境目を詠んだ句です。残暑が厳しい中でふと吹いた涼しい風に秋を感じています。

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この句は歴史上の出来事を詠んだ句です。鳥羽上皇の死により保元の乱が起き、緊迫した状況に陥ることを野分という自然災害で表しています。

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この句は作者の長女が亡くなったすぐ後に詠まれた句で、「むしりたがりし」は子供のことを指します。ふと吹いてきた秋の風に亡くなった我が子を思い出し、懐かしさと悲しさを詠んでいる一句です。

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月光に照らされた松の影が畳にうつっている、という写真のような一句です。この句は月光に照らされる花の影という漢詩を元にしているという説があります。

 

秋のおすすめ有名俳句【後編 20句】

 

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今自分が食べている柿と、昔の人も聞いていたであろう法隆寺の鐘の音を対比させています。古代のロマンに浸りつつ現在の出来事を詠んでいる名句です。

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三寸とは9cmほどで、ちょうど実を出そうと押したところでぽんと飛んで口に入った状態です。作者はよく食べることで知られていて、この時も晩酌を楽しんでいたのでしょうか。

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秋の雲は夏の入道雲とは違い、高い位置に薄く発生するのが特徴です。清々しい秋の朝に薄く雲がかかる晴れの天気が想像できます。

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赤とんぼの赤と青空の青を対比しています。この句は作者が東京にいた時に郊外を散歩しながら作ったとされていて、快晴の空の下に見える遠くの筑波山を思って詠んだ句です。

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ヘチマは咳や痰の薬とされていて、特に十五夜に取れたものが良い薬になると言われていました。作者は病床についていて、ヘチマの水も取れないほど弱り、この句を絶筆として亡くなっています。

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「桐一葉」とは中国の古典から取られた季語で、秋の到来を実感するという意味を持ちます。秋の日差しに照らされて落ちてきた桐の葉に、その古典を思い出して詠んだ一句です。

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秋の物寂しい空気を「秋の蔭」と称しています。本来季語にはならない単語ですが、この句では「秋の蔭」そのものを季語とする説が多くあるため、全体を季語としました。

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上を見上げた時に、空が真っ二つに見えるほど巨大な椎の木が立っています。秋の澄んだ青空にそびえる椎の木は、それは大きかったのでしょう。

【NO.9】高浜虚子

『 秋雨や 身をちぢめたる 傘の下 』

季語:秋雨(秋)

意味:秋雨が降っているなぁ。傘の下に身を縮めるようにして歩いていく。

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夏の雨と違って秋雨は気温が低く、自然と濡れないように身を縮めることになります。行き交う人も自分も身を縮めて足早に歩いていく様子を詠んだ句です。

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深い青色と鮮やかな赤色を対比させた句です。曼珠沙華は彼岸花とも呼ばれて不吉なものとされることもありますが、この句では鮮やかな赤色の生命力あふれる花として表現されています。

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「行水」とは、身体を洗ったり拭いたりすることです。その行水に使った水を外に捨てようとしたところ、あちらこちらで虫が鳴いていて捨てる場所がないなぁ、という秋の夜の風景を詠んでいます。

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秋の味覚である秋刀魚を焼いている夕方の句です。今ではめずらしくなりましたが、当時は七輪を使って焼いていたため、屋外で夕日を見ながら夕食の支度をしていたのでしょう。

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航海中の海の様子と、その中にぽつんと浮かんでいる自身を詠んだ句です。作者の句は客観的に、写生するように描写されるため、俳句を詠むとどのような風景か浮かんできます。

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擬音語を使用して、今まさに缶詰を開けている最中に外を見て渡り鳥を見つけた、という構成になっています。この句は終戦直後に詠まれた句で、缶詰もようやく手に入れた食料だったと後に作者は語っています。

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この句も終戦直後に詠まれたため、今のような電灯などの明かりがない時期の夜の風景です。淡い光に照らされた真っ赤なリンゴが、美しい星空に向かうようにたくさん積まれている様子が浮かんできます。

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「風鈴」は夏の季語ですが、ここでは秋になっても出しっぱなしにされているという意味のため「秋」が季語になります。忘れられているのか秋になっても鳴っている風鈴にどこか寂しさを感じる句です。

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この句が詠まれたのは日中戦争が始まった頃と言われています。この時期には新興俳句弾圧事件という思想統制もあり、思っていることを口に出せない葛藤を詠んだものと考えられています。

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この句は実際の紅葉と「鬼女紅葉」という伝説を掛けた一句です。見事な紅葉に、名前の同じ伝説の鬼女に自分もなってしまいそうなほど圧倒されると詠んでいます。

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ツクツクホウシは何度も同じ調子の鳴き声をあげます。この句では同じことを繰り返す相手にうんざりとしている様子をツクツクホウシに例えた一句です。

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「草の花」とは野に咲く花の総称で、ひとつの植物を指したものではありません。そんなささやかな花たちにがんばって咲かなくても良いのだとエールを送っている句です。

 

以上、「秋の季語」を含む有名俳句40選でした!

 

 

俳句仙人
秋の美しい空やおいしい食べ物、名月やススキなどの秋ならではの風物詩など、さまざまな季語が使用される季節です。
七夕やお盆など、現在の感覚では夏に含まれる季語に注意する必要がありますが、暑さから解放されて涼しくなってくる秋の季語を使って一句詠んでみてはいかがでしょうか。

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