【秋の有名俳句 30選】秋を感じるおすすめ名句!!季語を含むおすすめ俳人名句【一覧】

 

秋は段々と涼しくなり、紅葉や秋雨、仲秋の名月などの自然現象を詠む俳句が多くなります。

 

旧暦と新暦のズレにより体感はまだ夏であるという季節を間違いやすい季語もありますが、涼しさや味覚、行事などさまざまな季語で表せる時期です。

 

 

今回は、「秋の季語」を含む有名俳句30選をご紹介します。

 

リス先生
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秋の季語とは

 

俳句には、季節を表す「季語」を入れて詠むという決まりがあります。

 

秋の季語は、旧暦で7月から9月、新暦でいう8月から10月頃のものを指します。

 

秋の季語には、次のようなものが挙げられます。

 

【秋の季語

秋・夜長・露・月・霧・枝豆・イワシ・鮭・鹿・虫・渡り鳥・稲・芋・菊・芒(すすき)・梨・残暑・立秋・天の川・踊り・七夕・盂蘭盆会・ヘチマ・キリギリス・鈴虫・朝顔・桔梗・撫子・萩・桃・トウガラシ・仲秋・名月・野分・十六夜・葡萄・秋深し・朝寒・稲刈り・重陽・秋刀魚・雁・柿・紅葉・曼珠沙華・林檎・秋雨

 

リス先生
七夕やお盆など、現在の感覚では夏の季節の行事がありますが、季語では秋になるので注意しよう。

秋のおすすめ有名俳句【前半15句】

 

俳句仙人
海、島、天の川と雄大な大自然をのびのびと詠んだ句です。まるで写真のように天の川の光に照らされた黒々とした佐渡ヶ島が見えるような表現になっています。

俳句仙人
この句は、作者が病床についていた時の句です。芭蕉はこの句を詠んだ日から回復することなく、翌月に亡くなっています。

俳句仙人
この俳句は菊の節句と言われる99日に奈良を訪れたときに詠まれました。菊と古い仏たちという格調高い古都の風景を表現しています。

俳句仙人

文月六日とは76日のことで、七夕である77日の前日の夜を表しています。当時からさまざまな行事が行われていたため、前日の夜はいろいろいな準備で慌ただしかったことでしょう。

俳句仙人
名月自体を見ているのか、池に映った名月の姿を見ているのかで解釈が別れる句です。池と月を同時に描写していることから、水面に映った月を見ているとする説が一般的になっています。

俳句仙人
「野分」とは秋の嵐のことで、今で言う台風のことです。台風一過の空の青と、草の緑の上に散らばる唐辛子の赤という色彩豊かな一句です。

俳句仙人
俳句で「踊り」とだけ詠まれた場合は、盆踊りを意味する秋の季語になります。踊っていたら月が出て、気がつけば数人の男女だけになっていた光景を詠んでいる、江戸時代ならではの句です。

俳句仙人
朝顔は8月に最盛期を迎えるため、現在の感覚では夏ですが季語としては秋になります。一面に咲く朝顔の中で、一輪だけ深い淵を覗き込んだような藍色をしているという作者の観察眼が光ります。

俳句仙人
「かくれ貌」はかくれんぼのことです。野菊という種類の花はありませんが、キク科の野花を総称しています。子狐たちが隠れるほど花が咲いている野原の情景を詠んだ句です。

俳句仙人
山と野の対比と、夕日を受けて光るススキが美しい風景を想像させる句です。秋という冬に向かっていく寂しい季節を「黄昏」という言葉が表しています。

俳句仙人
作者が自分の子供を背負っているときに、子供に言われた言葉を元にして詠んだ句です。子供好きな作者の様子がよく表現されています。

俳句仙人
この句は作者が病床についているときに詠まれたと言われています。病床についていながら、障子の穴から覗く天の川の美しさに感動している句です。

【NO.13】小林一茶

『 露の世は 露の世ながら さりながら 』

季語:露(秋)

意味:この世は露のようなに儚く消えてしまう世であるとわかっていながら、それでもあきらめきれず生きていく世であるよ。

俳句仙人
この句は作者の子供が亡くなったときに詠まれています。露のようにいなくなってしまった我が子の死を嘆きながら、それでも生きていかなくてはならないという世の中の無情さを歌った句です。

【NO.14】小林一茶

『 ほろほろと むかご落ちけり 秋の雨 』

季語:秋の雨(秋)

意味:ほろほろとムカゴが落ちていく秋の雨の日だ。

俳句仙人
「むかご」とはヤマイモなどの茎につくコブ状のもので、食べられる食材です。秋雨に打たれてムカゴが触れていないのにホロホロと落ちていく様子を観察しています。

【NO.15】小林一茶

『 散る芒 寒くなるのが 目に見ゆる 』

季語:芒(秋)

意味:散っていくススキを見ていると、冬が近づいて寒くなっていくのが目に見えるようだ。

俳句仙人
秋の終わりが近づき、ススキすらも散っていく様子を詠んでいます。寒さが散っていく野山にある葉や穂の状態から可視化されていくという面白い句です。

 

秋のおすすめ有名俳句【後半15句】

 

俳句仙人
今自分が食べている柿と、昔の人も聞いていたであろう法隆寺の鐘の音を対比させています。古代のロマンに浸りつつ現在の出来事を詠んでいる名句です。

俳句仙人
三寸とは9cmほどで、ちょうど実を出そうと押したところでぽんと飛んで口に入った状態です。作者はよく食べることで知られていて、この時も晩酌を楽しんでいたのでしょうか。

俳句仙人
秋の雲は夏の入道雲とは違い、高い位置に薄く発生するのが特徴です。清々しい秋の朝に薄く雲がかかる晴れの天気が想像できます。

俳句仙人
赤とんぼの赤と青空の青を対比しています。この句は作者が東京にいた時に郊外を散歩しながら作ったとされていて、快晴の空の下に見える遠くの筑波山を思って詠んだ句です。

俳句仙人
ヘチマは咳や痰の薬とされていて、特に十五夜に取れたものが良い薬になると言われていました。作者は病床についていて、ヘチマの水も取れないほど弱り、この句を絶筆として亡くなっています。

俳句仙人
「桐一葉」とは中国の古典から取られた季語で、秋の到来を実感するという意味を持ちます。秋の日差しに照らされて落ちてきた桐の葉に、その古典を思い出して詠んだ一句です。

【NO.7】高浜虚子

『 もの置けば そこに生まれぬ 秋の蔭 』

季語:秋の蔭(秋)

意味:物を置けば、そこに生まれる秋の気配を感じる物陰だ。

俳句仙人
秋の物寂しい空気を「秋の蔭」と称しています。本来季語にはならない単語ですが、この句では「秋の蔭」そのものを季語とする説が多くあるため、全体を季語としました。

俳句仙人
上を見上げた時に、空が真っ二つに見えるほど巨大な椎の木が立っています。秋の澄んだ青空にそびえる椎の木は、それは大きかったのでしょう。

【NO.9】高浜虚子

『 秋雨や 身をちぢめたる 傘の下 』

季語:秋雨(秋)

意味:秋雨が降っているなぁ。傘の下に身を縮めるようにして歩いていく。

俳句仙人
夏の雨と違って秋雨は気温が低く、自然と濡れないように身を縮めることになります。行き交う人も自分も身を縮めて足早に歩いていく様子を詠んだ句です。

俳句仙人

深い青色と鮮やかな赤色を対比させた句です。曼珠沙華は彼岸花とも呼ばれて不吉なものとされることもありますが、この句では鮮やかな赤色の生命力あふれる花として表現されています。

俳句仙人
「行水」とは、身体を洗ったり拭いたりすることです。その行水に使った水を外に捨てようとしたところ、あちらこちらで虫が鳴いていて捨てる場所がないなぁ、という秋の夜の風景を詠んでいます。

俳句仙人
秋の味覚である秋刀魚を焼いている夕方の句です。今ではめずらしくなりましたが、当時は七輪を使って焼いていたため、屋外で夕日を見ながら夕食の支度をしていたのでしょう。

俳句仙人

航海中の海の様子と、その中にぽつんと浮かんでいる自身を詠んだ句です。作者の句は客観的に、写生するように描写されるため、俳句を詠むとどのような風景か浮かんできます。

俳句仙人

擬音語を使用して、今まさに缶詰を開けている最中に外を見て渡り鳥を見つけた、という構成になっています。この句は終戦直後に詠まれた句で、缶詰もようやく手に入れた食料だったと後に作者は語っています。

俳句仙人
この句も終戦直後に詠まれたため、今のような電灯などの明かりがない時期の夜の風景です。淡い光に照らされた真っ赤なリンゴが、美しい星空に向かうようにたくさん積まれている様子が浮かんできます。

 

 

以上、「秋の季語」を含む有名俳句30選でした!

 

俳句仙人
秋の美しい空やおいしい食べ物、名月やススキなどの秋ならではの風物詩など、さまざまな季語が使用される季節です。
七夕やお盆など、現在の感覚では夏に含まれる季語に注意する必要がありますが、暑さから解放されて涼しくなってくる秋の季語を使って一句詠んでみてはいかがでしょうか。