【飛蝗(ばった)の俳句 20選】知っておきたい!!季語を含むおすすめ有名&素人俳句を紹介!

 

みなさんは昆虫採集をしたことがありますか?

 

「虫を直接さわるのは苦手!」という方もいるかもしれません。

 

そんな方も、俳句で虫について触れてみてはいかがでしょうか。

 


今回は、草むらでよく見かける身近な昆虫「飛蝗(ばった)」にまつわる俳句20句紹介します。

 

リス先生
有名俳句だけではなく、一般の方が作った作品まで紹介していくよ!ぜひ最後まで読んでね!

飛蝗(ばった)をテーマにした有名俳句【10選】

 

リス先生
まずは俳人が詠んだ有名俳句を紹介していくよ!

【NO.1】加藤楸邨(しゅうそん)

『 しづかなる 力満ちゆき 螇蚸(はたはた)飛ぶ 』

季語:螇蚸(秋)

現代語訳:しずかに全身に力をみなぎらせて、今まさにバッタが飛ぼうとしている

俳句仙人

螇蚸(はたはた)は、バッタの別の読み方です。バッタと言えば、ジャンプ力がずば抜けています。音を立てず、今まさに飛ぼうとするバッタの姿勢に緊張感すら感じてしまう句です。

【NO.2】山口誓子

『 螇蚸(はたはた)は わぎもが肩を 越えゆけり 』

季語:螇蚸(秋)

現代語訳:バッタが恋人の肩をぴょんと飛び越えていったよ

俳句仙人
螇蚸(はたはた)は、バッタの別の読み方です。わぎも(吾妹)は、自分の妻や恋人の女性を、親しみを込めて呼ぶ呼び方です。デートの途中に詠んだのでしょうか、ほほえましい情景が浮かんできます。

【NO.3】坪内稔典

『 バッタ飛ぶ アジアの空 うすみどり 』

季語:バッタ(秋)

現代語訳:バッタが飛ぼうとしている、その羽根の色がアジアの空を映した薄い緑色をしている

俳句仙人
バッタの羽の色は、緑色や灰褐色などさまざまです。作者は、空の色を映した色だと述べています。アジアの空の広さを、小さなバッタの背中に映している、発想がとても見事な句です。

【NO.4】富安風生

『 きちきちと いはねばとべぬ あわれなり 』

季語:きちきち(秋)

現代語訳:バッタが飛ぼうとしている、キチキチキチと音を鳴らさないと飛べないのは、もの悲しい

俳句仙人

きちきちとは、バッタの飛ぶ音を指します。ショウリョウバッタは、オスが飛ぶときにキチキチキチと羽根を鳴らすため、キチキチバッタと呼ばれます。バッタの特徴を、違う視点から表現しています。

【NO.5】村上鬼城

『 街道を キチキチととぶ ばったかな 』

季語:ばった(秋)

現代語訳:街道を、きちきちとバッタが飛んでは落ち、飛んでは落ちて進んでいく

俳句仙人
秋の日に、人通りも少なくなった静かな街道を、のどかにバッタが進んでいきます。少しさびしいような、のんびりとした田舎の風景が想像できます。

【NO.6】小林一茶

『 肩先に 泊つてきつち きつちかな 』

季語:きつちきつち(秋)

現代語訳:肩先にとまったバッタがきちきちと音を立てている

俳句仙人
歩いていると、きちきちと音がしてバッタが肩に飛んできたました。泊まって休もうとしているのか、もしくは、また飛ぼうとしているのか、作者のバッタを見つめる視線が優しい句です。

【NO.7】山西雅子

『 反らしたる 指を離れぬ ばつたかな 』

季語:ばつた(秋)

現代語訳:バッタのいる指を反らして飛ばそうとするけれど、離れていかない

俳句仙人
バッタを飛ばそうとしても飛びもせず、離れもしない状況がよくわかります。なかなか離れないバッタを何かに例えているのかもしれない、そうした深読みもできそうな句です。

【NO.8】飯田蛇笏

『 地をあるく 飛蝗に秋暑 極まれり 』

季語:飛蝗(秋)

現代語訳:地面を歩いているバッタよ、厳しい夏の暑さがその身にじりじりと集まっていることだよ

俳句仙人
秋暑とは、立秋を過ぎても、残暑が厳しいことをいいます。熱い地面を歩いているバッタに、「暑いよな」と語りかけている作者の様子が浮かびます。

【NO.9】石田波郷

『 はたはたも 靴の埃も 楽しけれ 』

季語:はたはた(秋)

現代語訳:ぴょんぴょんと飛び跳ねているバッタよ、靴のほこりですら楽しいのであろうか

俳句仙人
ぴょんぴょんと跳ねているバッタに、何が楽しいのかとほほえましく見ている作者の優しさが感じられます。

【NO.10】津田清子

『 飛ぶ意思なき はたはた次は だれと遭ふ 』

季語:はたはた(秋)

現代語訳:近づいても飛ぶ意思のないバッタよ、次は誰と遭おうとしているのか

俳句仙人

螇蚸(はたはた)は、バッタの別の読み方です。近づいても飛ぼうとしないバッタ、もし誰も気づかなかったなら、踏まれてしまうこともあるかもしれません。たくさんの人が行きかう中で、小さなバッタを心配し、また、そのちっぽけな存在の寂しさを感じさせる句です

飛蝗(ばった)をテーマにした素人オリジナル俳句【10選】

 

リス先生
ここからは一般の方が詠んだ俳句を紹介していくよ!

【NO.1】

『 きちきちが 跳んで子供が 転びけり 』

季語:きちきち(秋)

意味:バッタが跳んだのにびっくりして子供が転んでしまったよ

俳句仙人
バッタにびっくりして転んでしまった、子供がほほえましい句です。バッタもきっと、びっくりしたことでしょう。

【NO.2】

『 ばつた跳ぶ 母校跡地を 測量す 』

季語:ばつた(秋)

意味:ばったが跳んでいる、まるで母校の跡地を測量しているようだ

俳句仙人
今はもうなくなってしまった母校。その跡地に跳ねているばったの様子を詠んでいます。広大な土地に跳ぶ小さなばったに、ユーモアとさみしさを感じます。

【NO.3】

『 ばった来ぬ 擦れし面干す 剣道部 』

季語:ばった(秋)

意味:剣道部が、擦れた面などの防具を干している。その横でばったが飛び跳ねているよ

俳句仙人

明るい学生生活の様子が浮かびます。竹刀を振って打ち込みの練習をしますが、ばったが跳ねている様子に重ねたのでしょうか。

【NO.4】

『 ばったさん ジャンプがじょうず 金メダル 』

季語:ばった(秋)

意味:ばったさんがじょうずにジャンプしたよ、金メダルあげたいね

俳句仙人
こちらは幼児の作品です。オリンピックを見たのでしょうか、一生懸命跳ぶバッタをじっと観察していて、かわいらしい句です。

【NO.5】

『 バッタがね ぼくを大きく 見上げてる 』

季語:バッタ(秋)

意味:バッタの目になって見てみると、バッタがぼくを見上げているよ

俳句仙人
小学生の作品です。バッタの大きな目に、バッタの視点に立って詠んでいます。発想がユニークです。

【NO.6】

『 驚かぬ 飛蝗に驚か されている 』

季語:飛蝗(秋)

意味:じっとしている飛蝗に、こちらが驚かされた

俳句仙人
思いがけないところにバッタがいたのでしょうか、びっくりしている人と驚きそうなのにじっとしているバッタの対比が面白い句です。

【NO.7】

『 問題は 着地点なり 飛ぶ飛蝗 』

季語:飛蝗(秋)

意味:飛蝗が飛んできた、問題はどこに着地するかだ

俳句仙人
勢いよく飛んだバッタの様子を見届けて、応援するような句です。

【NO.8】

『 話止む 目がきちきちを 追いかけて 』

季語:きちきち(秋)

意味:目がばったを追いかけてしまって、話が途中で止まってしまった

俳句仙人
一生懸命話をしていたのに、目はばったを追ってしまった。話をしている方か聞いている方か、大人か子供か、想像がふくらみます。

【NO.9】

『 田園に ばつたと風を 見てをりぬ 』

季語:ばつた(秋)

意味:田んぼにばったが飛んでいる、風に乗って飛んでいて風も目に見えるようだ

俳句仙人
秋ののどかな風景が浮かびます。目に見えない風が、バッタによってよくわかります。

【NO.10】

『 保護色の ばつたや命 全うす 』

季語:ばつた(秋)

意味:ばったはその保護色を使って命を全うしようとしている

俳句仙人
バッタの緑色は、草むらでは保護色になり、敵に見つかりにくくなります。草むら以外に飛んで行ってしまっても、保護色を使って生きようとする、健気でもあり、少し悲しい句でもあります。

 

 

以上、飛蝗(ばった)をテーマにした俳句集でした!

 

俳句仙人
飛蝗(ばった)は、「きちきち」「きちきちばった」「はたはた」などの語も季語となっています。
身近な草むらに目をこらし、バッタを観察しながら一句詠んでみてはいかがでしょうか?