【小満の有名俳句 20選】意味や由来も簡単に解説!季語を含む有名句【二十四節気】

 

「小満(しょうまん)」は二十四節気の1つで、現在の暦では521日頃を指します。

 

初夏も終わり、あらゆる生命が満ちていく時期であり、田植えや麦の収穫など農作物にも影響を及ぼす時期です。

 

 

今回は、「小満(しょうまん)」を季語に含む有名俳句20句ご紹介します。

 

リス先生
ぜひ参考にしてみてね!

小満を季語に使った有名俳句【前半10句】

 

【NO.1】齊藤美規

『 小満や 一升瓶に 赤まむし 』

季語:小満(夏)

意味:小満の日だなぁ。一升瓶の中に赤マムシを漬けてある。

俳句仙人

マムシ酒を作っている最中の一句です。マムシ酒は水に漬けて老廃物を出させたあとに焼酎などに1年ほど漬けて作成しますが、暑くなってくる時期に精をつけるためにマムシ酒を買って飲んでいるのかもしれません。

【NO.2】太田嗟

『 小満の 人影ふゆる 田に畑に 』

季語:小満(夏)

意味:小満の頃は人影が増えるのだ。田んぼに畑に。

俳句仙人

小満の5月下旬は、田植えや麦の収穫など慌ただしくなり始める時期です。冬や春の間はあまり人がいなかった田畑がにわかに活気づいている様子を詠んでいます。

【NO.3】小島雷法子

『 小満や どの田も水を 湛へをり 』

季語:小満(夏)

意味:小満だなぁ。どの田んぼも水をなみなみと湛えている。

俳句仙人

田植えが終わり、水が張られた田んぼの様子です。水を湛えた田んぼは空を映し、美しい風景を生み出しているだろうという想像が広がります。

【NO.4】黛執

『 小満の 月へ開けおく 納屋の窓 』

季語:小満(夏)

意味:小満の頃の月が見えるように開けておく納屋の窓だ。

俳句仙人

まるで月の光を屋内に導くために、窓を開けておくような印象を持つ句です。初夏の夜に納屋で仕事をしている最中の句でしょうか。

【NO.5】藤田あけ烏

『 小満や 馬鹿貝採りの 膝の波 』

季語:小満(夏)

意味:小満の日だなぁ。バカガイを採っている最中に膝まで波が来た。

俳句仙人

バカガイは食用の貝の一種で、主に関東地方で食されます。アサリなどと同じく潮干狩りで採れますが少し沖の方に多く生息するため、ついつい膝まで波が来る方まで行ってしまったという一句です。

【NO.6】森澄雄

『 小満や みどりさしたる 寺の屋根 』

季語:小満(夏)

意味:小満だなぁ。緑がさしている寺の屋根だ。

俳句仙人

「みどりさしたる」については、コケなどで緑に見えているという解釈と、周囲の木々の緑が屋根に映えているという解釈の2つがあります。どこを見ても美しい緑が楽しめるお寺なのでしょう。

【NO.7】草間時彦

『 小満の 風を青しと 遊びけり 』

季語:小満(夏)

意味:小満の風は青いなぁと遊んでいる。

俳句仙人
「風を青し」とは、実際の色ではなく若葉の香りを「青い」と表現しています。梅雨が始まる前の初夏ではまだ若い葉が多く、青くさい香りがするものです。

【NO.8】星野麥丘人

『 小満や 箭竹(やだけ)篠竹(しのだけ) 生えしめて 』

季語:小満(夏)

意味:小満だなぁ。箭竹や篠竹が生えてきた。

俳句仙人

「箭竹」とはイネ科の植物で、4mほどに成長しかつては矢の材料として使われました。「篠竹」は根笹と呼ばれるイネ科の植物の総称で、鬱蒼と生い茂る山野を彩る草です。

【NO.9】鈴木しげを

『 山葵田の 小満の水 余りけり 』

季語:小満(夏)

意味:ワサビ田にある水が余っているように見える小満の日だ。

俳句仙人

ワサビ田は水の綺麗な清流で育てられます。雪解け水や雨の水で豊富な水量のワサビ田を見て、あふれてしまいそうだという感想を述べた一句です。

【NO.10】池田秀水

『 小満の 身を大いなる 樹下に容れ 』

季語:小満(夏)

意味:小満の日の日差しから守るために、体を大きな木の下の木陰に入れた。

俳句仙人

「大いなる」と誇張しているところがユーモアのある句です。暑くなってくる時期ですが風はまだそこまで暑くないため、木陰に入ることで涼しさを感じられることを称えています。

 

小満を季語に使った有名俳句【後半10句】

 

【NO.11】岡田詩音

『 小満や あやめにまじる 薄荷草 』

季語:小満(夏)

意味:小満の日だなぁ。アヤメにまじってハッカが混じっている。

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「薄荷草(はっかそう)」とはハッカのことで、アヤメに混じってスっとする独特の香りがしたのでしょう。ハッカは6月に収穫されることが多いですが、このハッカはアヤメに混じって生えているため種が飛ばされてきたものだと考えられます。

【NO.12】鳥居おさむ

『 小満や 川うごかして 手を洗ふ 』

季語:小満(夏)

意味:小満だなぁ。川の水を動かして手を洗おう。

俳句仙人

少し暑い日に川岸を歩いている様子が浮かんできます。川の流れを動かして手を洗いたいなぁというユーモアのある句です。

【NO.13】山西雅子

『 小満の みるみる涙 湧く子かな 』

季語:小満(夏)

意味:小満の日に、みるみる涙が湧いてくる子がいたことだ。

俳句仙人
「小満」という言葉から、「小さい」「満ちる」という言葉遊びを掛けている句です。子供の目から涙がどんどん湧いてくる様子を見守っています。

【NO.14】柿本多映

『 小満の まるき柱を 抱きをり 』

季語:小満(夏)

意味:小満の日の丸木柱を抱いている。

俳句仙人

「まるき柱」は「丸い柱」とも「丸木柱」とも取れる単語です。丸木柱とは木を切ったときのまま立てられた柱のことで、自然のおもむきをそのまま表しています。

【NO.15】栗栖恵通子

『 小満の湯桶に 泡立ちにけり 』

季語:小満(夏)

意味:小満の日の湯桶に泡が立っている。

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「湯桶に泡」の部分が句またがりになっています。湯桶にはお風呂で使う桶、茶道で参加者の手を温めるための道具、蕎麦湯などを飲むための容器の3つの意味があり、どの意味で使われるかによって受ける感覚が変わってくる句です。

【NO.16】能村研三

『 小満や 旅で借りたる 自転車に 』

季語:小満(夏)

意味:小満の日だなぁ。宿で借りた自転車に乗って実感する。

俳句仙人

宿で自転車を借りてサイクリングをしている時の句です。小満の頃は初夏の爽やかな陽気で梅雨が始まる前のため、絶好のサイクリング日和だったことでしょう。

【NO.17】伊藤白潮

『 小満の 佛花あれこれ 見つくらふ 』

季語:小満(夏)

意味:小満の日に仏花をあれこれと見繕っている。

俳句仙人

小満の日にお墓参りに行こうとしているときの一句です。春のお彼岸は過ぎていますが、四十九日の法要などが行われていたのでしょうか。

【NO.18】平間眞木子

『 小満や 母に八十二歳の日 』

季語:小満(夏)

意味:小満の日だなぁ。私の母は82歳の誕生日だ。

俳句仙人

小満という日にちは521日から23日くらいまで毎年変動します。この年はちょうど母親の誕生日だったということが「小満や」という感嘆から読み取れます。

【NO.19】柿沼盟子

『 小満や 四筋に折りて 神籤結ふ 』

季語:小満(夏)

意味:小満だなぁ。4つに折っておみくじを枝に結んでおこう。

俳句仙人

ちょうど神社によっておみくじを引いた時の句です。結果があまり良くなかったのか、境内に結って帰ろうとしています。

【NO.20】折橋綾子

『 小満の ひと日始まる 空真青 』

季語:小満(夏)

意味:小満の一日が始まる空は真っ青だ。

俳句仙人

初夏の青空をシンプルに表しています。一日の爽やかな始まりを感じる一句です。

以上、小満に関する有名俳句でした!

 

 

俳句仙人

今回は、小満に関する有名な俳句を20句ご紹介しました。

梅雨の直前の爽やかな陽気ということで、自然の様子を詠む俳句が多いのが印象的です。
年によっては天候があまりよくない年もありますが、初夏の心地よい風景を俳句に詠んでみてください。