【美しい有名俳句集 40選】春夏秋冬!!感動してしまう俳句(季語付き)を紹介

 

俳句には四季折々の美しい風景を詠んだ句がたくさんあります。

 


 

今回は、美しい四季(春夏秋冬)を詠んだ俳句40句紹介していきます。

 

リス先生
俳句は季節(春夏秋冬)別に紹介していくよ!ぜひ俳句作りの参考にしてみてね!

美しいおすすめ有名俳句集【春編 10選】

 

俳句仙人

「のっと」という表現が特徴的な俳句です。春を呼ぶ梅の香りに誘われて出てくる太陽という、牧歌的な風景を表しています。

俳句仙人

雪深い村でずっと家の中にいた子供たちが、雪解けと同時にわっと集まってくる光景が目に浮かびます。

【NO.3】与謝蕪村

『 曙の むらさきの幕や 春の風 』

季語:春の風(春)

現代語訳:明け方の空の色はまるで紫色の幕を張ったようだ。春の風が吹いている。

俳句仙人

「春はあけぼの」を彷彿とさせる、紫がかったグラデーションの春の朝の色です。春の少し湿った風を感じます。

俳句仙人
最も有名な春の俳句の一つです。菜の花畑という地平を中心に、東西、日月という対比が光ります。

俳句仙人
花といえば桜です。月と花という春の夜の名物を歌い上げています。

俳句仙人
カエルそのものではなく、飛び込んだ時に響いた音とその音が聞こえるほどの静けさに焦点を当てた句です。「静か」とは詠んでいませんが、「古池」と詠むことで古く静かな池の様子が浮かんできます。

俳句仙人
「高嶺星(たかねぼし)」と詠まれていることから、標高の高い山の上に星が輝いている様子が伺えます。ひっそりと寝静まった村と周りを囲む山、美しく輝く星という絵画のような一句です。

俳句仙人
ふと空を見上げたときに、桜の花びらが塊となって風に吹かれて飛んで行った様子を詠んだ句です。はらはらと落ちるのではなく「ひとかたまり」と詠んだところにユーモアがあります。

俳句仙人
この句は知人宅から帰宅中に空を見上げたときに詠まれた句だと言われています。「外にも出よ」という呼びかけは、この素晴らしい月を見せたいという作者の心が伝わってくる表現です。

俳句仙人
「たんぽぽのぽぽ」という表現は、加藤楸邨が綿毛に掛けていたり、江戸時代の俳諧が芽の出る例えとして使っていたりといくつか使用例があります。そのような句を踏まえた上で、あえて作者は「ぽぽのあたり」と明言をせずに火事と例えて読者の想像力に委ねている一句です。

美しいおすすめ有名俳句集【夏編 10選】

俳句仙人
季語が3つ重なる有名な俳句です。視覚・聴覚・味覚と五感に働きかける初夏の名物を歌っています。

【NO.2】井原西鶴

『 長持ちに 春ぞくれ行く 更衣 』

季語:更衣(夏)

現代語訳:長持ちに春の着物をしまって衣替えをすると、春までも長持ちの中にしまわれて暮れていくようだ。

俳句仙人
暑くなってくると衣替えが必要になります。春物の服をしまっていくと、春の終わりを感じるのは今でも共通の感覚ではないでしょうか。

俳句仙人
五月雨を使用した有名な俳句です。梅雨の大雨で増水し、流れが早くなった最上川が目に浮かびます。

俳句仙人
暑い夏と冷たい川の水の対比、履物を手に渡る川遊びの風景が浮かんできます。

俳句仙人
立石寺で詠まれた有名なセミの俳句です。セミの声しか聞こえないほどしんと静まった山寺の音が聞こえてきます。

俳句仙人
作者が住んでいた江戸の町の風景で、狭い裏路地を持つ長屋で暮らしていました。この句では、そんな狭い長屋にも涼しい風が吹き込んでくることの喜びを詠んでいます。

俳句仙人
白牡丹の花の美しさを詠んだ句です。名前は白と付いていますがほんのりと中心部分に近づくにつれて赤くなっていて、コントラストが美しい花です。

俳句仙人
「夏氷」とはかき氷のことで、明治時代に入ってから庶民の間にも普及しました。この句では花鳥風月ではなく人々の暮らしを切り取って詠んでいるため、当時としては斬新な俳句であったと言われています。

俳句仙人
プラタナスは街路樹としてよく植えられている木です。夜になってもはっきりと目立つ緑色の葉を見て、季節が夏になったことを実感しています。

俳句仙人
半透明なところてんを煙に例えている面白い句です。押し出されたところてんが皿に盛られていく様子を見て、煙が溜まっていくようだと感じています。

 

美しいおすすめ有名俳句集【秋編 10選】

俳句仙人

波の高い海、黒々とした島、空に輝く天の川と雄大な光景を歌い上げた有名な俳句です。

俳句仙人
夏の入道雲と違い、秋の雲は薄く流れていく雲です。雲の色や形から秋の訪れを感じます。

俳句仙人
子供を詠むことの多い一茶の代表的な俳句です。空を見上げて親にねだる子供の姿が浮かんできます。

俳句仙人
とても有名な秋の俳句です。柿という味覚と鐘という聴覚を同時に詠みつつ、秋の奈良を詠んでいます。

【NO.5】高浜虚子

『 一枚の 紅葉かつ散る 静けさよ 』

季語:紅葉かつ散る(秋)

意味:一枚の葉が紅葉しつつひらひらと散っていく、その静けさよ。

俳句仙人
鮮やかな紅葉を歌いつつ、静かに散っていく葉で秋の終わりを感じさせる句です。

俳句仙人
「むかご」とは自然薯などにできるコブのことで、食用になります。秋の雨にうたれて自然に地面に落ちていく様子を「ほろほろ」と表現している美しい一句です。

俳句仙人
この句は11世紀頃の漢詩に出てくる「月移花影上欄干」という一節を元にしています。元の漢詩では月光は花の影を映しましたが、ここでは松の影とより日本らしい風景になりました。

俳句仙人
「天上の紺」と「曼珠沙華」という青と赤を対比した一句です。秋特有の高い青空に咲く曼珠沙華の花が写真のように想像できます。

俳句仙人
全てが平仮名で書かれているめずらしい俳句です。平仮名を使うことで柔らかい印象を読者に与え、ススキの穂が弧を描いている様子をよく表現しています。

俳句仙人
この句は昭和24年の戦後直後に詠まれています。復興中の町中に真っ赤なリンゴがうずたかく盛られているのを見て、リンゴの赤と夜空の黒、星の光をメルヘンチックに詠みあげています。

美しいおすすめ有名俳句集【冬編 10選】

【NO.1】松尾芭蕉

『 木枯らしや 竹に隠れて しづまりぬ 』

季語:木枯らし(冬)

意味:強く葉をゆらして吹いていた木枯らしが、竹林の中に吸い込まれると静まってしまった。

俳句仙人
強い風が竹林では分散されて静かになっていく、まるで防風林の中にいるような冬の初めの風景です。

俳句仙人
青々としていた山がすっかり枯れて、山肌に日が直に当たっている、冬の山を的確に詠んだ一句です。

【NO.3】北原白秋

『 ガス灯に 吹雪輝く 街を見たり 』

季語:吹雪(冬)

意味:ガス灯に照らされた吹雪がキラキラと輝いている街を見た。

俳句仙人

街灯が普及したことで表れた光景です。吹雪が街灯の光を反射して輝いている様子を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

【NO.4】杉山杉風

『 晴天も 猶つめたしや 寒の入 』

季語:寒の入(冬)

意味:空は晴れているが、なお空気は冷たいことだ。まだ寒の入りである。

俳句仙人

「寒」とは1月の最も寒い時期のことを言います。空は青く晴れ渡っているものの、吹く風が冷たい冬の情景です。

俳句仙人

前書きに寒梅とある句のため、俳句自体の季語は梅ですが冬の俳句とされます。

俳句仙人

お寺というと立派な門を持っているお寺を想像しがちですが、この句では門のない小さなお寺が舞台です。冬の冴え渡る月と雲のない空がさえぎられることなく良く見えている風景を詠んでいます。

俳句仙人

作者はこの俳句で有名になり、「木枯らしの言水」とも呼ばれました。地上を吹く風を追っているとやがて海に出て波になるというダイナミックな一句です。

俳句仙人

この句は「客観写生」という近代俳句の姿勢をよく表していると言われる一句です。風などで水面が揺らいでも、収まってしまえばそこに映る枝の影は全く変わらず水面に映り続けます。

俳句仙人

この句はツルの渡来地で詠まれたもので、金色と表現していることから朝方の時間帯の風景を詠んでいます。鶴や金色の光というおめでたい組み合わせに喜んでいる様子が伺える句です。

俳句仙人

牡丹は夏に咲く花ですが、品種改良などをされずに冬に花を咲かせる牡丹もあります。この寒牡丹は栄養分を花に集中させるために葉がなく、二輪の牡丹の花がより一層際立って見えたことでしょう。

以上、美しいおすすめ有名俳句集でした!

 

 

俳句仙人

今回は、春夏秋冬の美しい風景を詠んだ名句から10句ずつ選んで紹介しました。
四季の風景を表す季語は他にもたくさんありますので、ふと目にした光景を詠んでみてはいかがでしょうか。

 

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