【面白い有名俳句 40選】クスッとくる&元気が出る!!季語を含むおもしろ名句を紹介

 

俳句は五七五の十七音で構成される詩で、季語を詠み込むことによって豊かな四季を表せます。

 

江戸時代から現代まで多くの俳人が俳句を詠んでいて、その作風はさまざまです。

 

今回はそんな俳句の中でも、クスッとくる面白い有名俳句40句紹介していきます。

 

 

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面白い有名俳句【前編10句】

 

【NO.1】松尾芭蕉

『 於春々(ああはるはる) 大哉(おおいなるかな) 春と云々 』

季語:春(春)

意味:ああ、新春だ、春が来た。おめでたいことだ、春は良いなあ。

俳句仙人
ここで言う「春」とは新春のことです。作者が作ったとは思えない句ですが、新春のあいさつに言いたいことがまとまらない状況だと思うと微笑ましくなります。

【NO.2】松尾芭蕉

『 納豆切る 音しばし待て 鉢叩き 』

季語:鉢叩き(冬)

意味:納豆汁を作るために納豆を切っているご家庭よ、少し待ってくれ。空也念仏の鉢叩きが聞こえてきたのに。

俳句仙人
生活音である「納豆叩き」と、冬の京都の風物詩である「鉢叩き」の音が被ってしまって頭を抱えている様子が見えてきます。冬の朝食としてよく作られた納豆汁は、どれだけ風流な音が聞こえてきたとしても庶民の生活に欠かせないものでした。

【NO.3】松尾芭蕉

『 あら何ともなや 昨日は過ぎて 河豚汁(ふぐとじる) 』

季語:河豚汁(冬)

意味:ああ何ともなかったなぁ。河豚汁にあたらないか不安だった昨日は過ぎ去ったのだ。

俳句仙人
河豚は現在でも中毒になる人がいるほど取り扱いが難しい食材ですが、作者の好物として知られています。朝無事に起きられたことにほっとしている様子が「あら」という、思わず漏れた言葉から伺える句です。

【NO.4】与謝蕪村

『 河豚汁(ふぐじる)の われ生きている 寝ざめ哉 』

季語:河豚汁(冬)

意味:河豚汁を食べたが、私はまだ生きている朝の寝覚めであることだ。

俳句仙人

前項の俳句とほぼ同じ感想を与謝蕪村も詠んでいます。作者の好物も同じく河豚であったため松尾芭蕉の句を意識したか、河豚汁を食べた当時の人たちはみな同じことを思っていたのか、想像すると楽しい句です。

【NO.5】与謝蕪村

『 ところてん 逆しまに銀河 三千尺 』

季語:ところてん(夏)

意味:白く霞むところてんが黒いお椀の中に落ちていく。まるで天地を逆さまにした三千尺の銀河のようだ。

俳句仙人
ところてんを銀河に例えるという大胆な一句です。中国の詩人である李白の句に「飛流直下三千尺」というフレーズがあり、参考にしたのではないかと言われています。

【NO.6】与謝蕪村

『 閻王(えんおう)の 口や牡丹を 吐かんとす 』

季語:牡丹(夏)

意味:閻魔大王の口が真っ赤で、真っ赤な牡丹の花を吐き出そうとしているように見える。

俳句仙人
閻魔大王の口や舌は真っ赤であると言われています。牡丹の美しい赤とは似ても似つかない閻魔大王を例に出してきているのが面白い句です。

【NO.7】小林一茶

『 そば時や 月の信濃の 善光寺 』

季語:そば時(秋)

意味:蕎麦の食べ頃だなぁ。信濃国といえば更科の月に善光寺だ。

俳句仙人
今で言うキャッチコピーのように信濃国の名産を挙げている句です。鉄道会社や旅行会社のキャッチコピーでもおかしくない一句になっています。

俳句仙人
「おらが春」を「初春」という意味で使っているため、季語になります。「中くらい」と聞くと中吉のように程々に良いように感じますが、ここでは「あいまいなもの」という意味のため、愚痴のようにも聞こえる句です。

俳句仙人
作者の有名な俳句です。「蛙」は春の季語ですが、ここではヒキガエルのことを意味しているため、季語は夏です。「一茶」と自身を俳句に詠んでいるところが面白い句になっています。

【NO.10】河合曽良

『 畳めは 我が手のあとぞ 紙衾(かみぶすま) 』

季語:紙衾(冬)

意味:その畳んである畳目は、私が畳んだものだぞ。師が使った紙衾の。

俳句仙人
この「紙衾」とは、師匠である松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅で使ったものです。旅に同行した曽良は紙衾を贈られた同門の人に対して、からかいまじりで私が手入れしていたのだぞとアピールしています。

面白い有名俳句【中編10句】

俳句仙人
前項の俳句やその元になった江戸時代の俳句を踏まえてさらに創作されています。2つの俳句を踏まえて読むと、綿毛が夕日に照らされている様子や、野焼きという言葉から本当に燃えている様子も浮かんでくる面白い句です。

俳句仙人
野に咲いている花ががんばって咲いているわけではないように、君もがんばるなんて言わないでくれよ、という気遣いの一句です。誰でも簡単に読めて意味が理解できる名句でしょう。

俳句仙人

「チチポポ」という擬音が面白い一句です。作者は能役者の家に生まれましたが、病気で役者の道はあきらめています。しかし趣味で舞を舞うことはあったようで、この句もそのときに詠まれたものでしょう。

俳句仙人

A面、B面という言葉は最近では聞かなくなりましたが、レコードやカセットテープなどでよく使われました。メインである旅行は終わってしまったけれど、まだ夏休みは残っているという元気な一句です。

俳句仙人
ツクツクホウシは秋の夕暮れから頻繁に鳴きだします。この句では相手の話し声のうるささをツクツクホウシに例えている面白い句です。

俳句仙人
この句はすべて平仮名で構成されているのが面白い一句です。軽やかに見える平仮名の句ですが、「はらりとおもき」と見た目よりずっしりしたススキであることに驚いた様子が強調されています。

俳句仙人
この句の「烏賊」はホタルイカのことで、自ら発行する生き物です。朝早くから蛍光灯を付けて仕事をしている銀行員たちを見て、まるでホタルイカのようだと例えている面白い一句です。

俳句仙人

「甘納豆」を題材とした12ヶ月の俳句の中の3月の句です。「うふふふふ」と笑い声で終わっているのが特徴的な句で、笑いが出るほど美味しい様子が伺えます。暖かくなってきた外の陽気と合わせて、作者が楽しげにしている一句です。

俳句仙人

一見「夏」が季語のように思える句ですが、「セロリ」という冬の季語が主題です。正反対の季節を詠んだ面白い句で、寒い冬でもセロリを噛めばみずみずしい香りがして、夏のような印象を受けると詠んでいます。

俳句仙人
輪廻転生の概念を取り入れた一句です。誰かとじゃんけんをして負けてしまったので蛍に生まれたのだと詠んでいます。蛍を指に止まらせて語りかけているのか、飛んでいるのを見ながら詠んだのか、作者の複雑な心情がこもっている句です。

面白い有名俳句【後編10句】

 

【NO.21】高浜虚子

『 川を見る バナナの皮は 手より落ち 』

季語:バナナ(夏)

意味:川を見ていると、バナナの皮が手から滑り落ちた。

俳句仙人
「川」と「皮」を洒落風に掛けていて、花鳥風月を重んじた作者らしからぬどこかとぼけた一句です。川を見ながらバナナを食べていて思いついたのかと思うほどユーモアのある句になっています。

【NO.22】高浜虚子

『 又例の 寄せ鍋にても いたすべし 』

季語:寄せ鍋(冬)

意味:客が来るので、今日の夕飯はまた例の寄せ鍋にでもしてください。

俳句仙人
こちらも作者にしては即物的な句ですが、きちんと「寄せ鍋」と季語が入り、韻律も俳句になっている見事な句です。思わず笑ってしまいそうな夕飯のリクエストになっています。

【NO.23】夏目漱石

『 東西(ひがしにし) 南北(みなみきた)より 吹雪哉 』

季語:吹雪(冬)

意味:東西南北あらゆる方向から吹雪が吹き付けていることだ。

俳句仙人
読み仮名を付けると五七五になっていることに気がつく一句です。とにかく四方八方から吹雪が吹き付けている状況を詠んでいます。

【NO.24】芥川龍之介

『 凧三角、四角、六角、空、硝子 』

季語:凧(春)

意味:三角や四角、六角形の凧が上がっている。色とりどりの凧が上がる空はまるでガラス細工のように美しい。

俳句仙人
「、」という読点が元々付けられている面白い一句です。ひたすら空に上がる凧の形を追ったあとに、それらの凧と空がガラス細工のように美しいと続けています。

【NO.25】山口誓子

『 長時間 ゐる山中に かなかなかな 』

季語:かなかな(秋)

意味:登山で長時間山の中にいると、かなかなかなとヒグラシの声が聞こえてくるなぁ。

俳句仙人
「かなかな」とはヒグラシの子季語です。「かなかなかな」とヒグラシの鳴き声のようにも聞こえ、「かなかな かな」と詠嘆の「かな」とも詠める面白い句にもなっています。

【NO.26】草間時彦

『 秋鯖や 上司罵る ために酔ふ 』

季語:秋鯖(秋)

意味:秋鯖を食べよう。今日は酔いにまかせて上司を罵るために酔うのだ。

俳句仙人
飲み会に向けて愚痴を言っているような一句です。秋の鯖を肴にしながら、親しい友人としたたかに酔って上司の愚痴を言い合っている居酒屋の風景が浮かんできます。

【NO.27】高野素十

『 餅板の 上に包丁の柄を とんとん 』

季語:餅(冬)

意味:餅を置いた板の上に包丁の柄をとんとんと叩きつけて調節する。

俳句仙人
昔の包丁は柄がきちんとはまっていないことがあり、まな板などで叩いて調節していました。「とんとん」と擬音で終わる表現がかわいらしい一句です。

【NO.28】稲畑汀子

『 三椏(みつまた)の 花三三が九 三三が九 』

季語:三椏の花(春)

意味:ミツマタの花が3本の枝ごとに3つ咲いている。三三が九、あちらも三三が九だ。

俳句仙人
ミツマタは枝が常に3本セットでのびていくために名付けられた植物です。「三椏」「三三」と3を繰り返すことでテンポよく、花や枝の様子もよくわかる句になっています。

【NO.29】永田耕衣

『 恋猫の 恋する猫で 押し通す 』

季語:恋猫(春)

意味:恋をしている猫が、恋しい猫に対して押し通すように思いを告げている。

俳句仙人
発情期の猫の様子とも、猫を擬人化して片思いの人にアピールしているとも取れる句です。「恋猫」を繰り返すことで勢いを表現しています。

俳句仙人

「たんぽぽのぽぽ」という表現は江戸時代にはすでに存在していました。この句は「たんぽぽの ぽぽともえ出る 焼野かな」という句を元にしています。

面白い有名俳句【おまけ編10句】

【NO.31】上島鬼貫

『 そよりとも せいで秋たつ ことかいの 』

季語:秋たつ(秋)

意味:そよりとも風と吹かないくせに立秋になったとはどういうことだろうか。

俳句仙人
暦の上では秋になってもまだまだ暑く、この日は涼しい風も吹かない暑さだったと考えられます。「ことかいの」などくだけた言い回しが、暑さに辟易している作者の様子をよく表した句です。

【NO.32】向井去来

『 たけの子や 畠隣に 悪太郎 』

季語:たけの子(夏)

意味:タケノコが生えてきたなぁ。畑の隣に住んでいる悪童が悪さをしないか心配だ。

俳句仙人
タケノコの季節をむかえ、これからタケノコ採りに勤しもうとしているときの句です。隣に住む悪太郎と呼ばれるほどのいたずらっ子が悪さをしないか心配しています。

【NO.33】正岡子規

『 おそろしや 石垣崩す 猫の恋 』

季語:猫の恋(春)

意味:なんとおそろしいことだ。石垣も崩すほどの春先の猫たちの恋模様よ。

俳句仙人
春の猫の発情期はものすごい勢いですが、ここでは「石垣を崩す」とまで表現されています。石垣の先にいる猫に会いたかったのか、面白おかしく執念深さを詠んでいる句です。

俳句仙人
「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、それでも春の彼岸入りの日は毎年寒いという愚痴めいた句です。暦の上では春や秋なのに、という嘆きはいつの時代も変わりません。

【NO.35】正岡子規

『 漱石が 来て虚子が来て 大三十日 』

季語:大三十日(冬/暮)

意味:夏目漱石があいさつに来て、高浜虚子もあいさつに来る大晦日だ。

俳句仙人
そうそうたるメンバーが大晦日のあいさつに訪れています。漱石は作者の友人であり虚子は弟子にあたります。作者は病気がちだったため、友人や弟子があいさつに赴いているのです。

俳句仙人
桜の花を詠む俳句は多いですが、この俳句は葉桜を詠んでいるめずらしい一句です。葉桜を詠んではいますが、作者の意識は今日の食事に集中しているのか帰宅してすぐに下ごしらえを始めます。同じ桜でも花と葉で意識が変わってくる面白い句です。

俳句仙人
「水枕」とはゴムなどで出来た枕の中に氷水を入れるもので、高熱を出した時に使います。作者は熱で朦朧とする中で、頭を動かした時に水枕がたてた音を海に例えています。

俳句仙人
「鞦韆」とは古い言葉でブランコのことを指し、春の行事に使うものであったことから春の季語になっています。ブランコを漕ぐのが当たり前なように、愛も奪うものなのだという作者の気質を現した一句です。

俳句仙人
全て体言止めを使用している面白い句です。秋の海を航海中に外に出てみると、一面が紺色の海でまるで円盤の中にいるように地平線がよく見えると感動しています。途切れ途切れの印象を受ける体言止めが作者の感動を強調している一句です。

俳句仙人
「こきこきこきと」と擬音を3回繰り返す面白い句です。缶詰めを開けている最中にふと空を見ると鳥が渡っていく様子が見えて、どこか寂しげな秋の風景が思い浮かびます。

 

以上、面白い有名俳句40選でした!

 

 

今回は、有名な俳人のどこか笑える句や面白い表現の句40句紹介してきました。

 

その作者の作風とは思えないとぼけた句や、どこか危なっかしい笑いを含んだ句など多くの面白い俳句があります。

 

俳句仙人
俳句には真面目で形式張ったものだけではなく、面白く陽気な句も多いので、ぜひお気に入りの一句を探してみてください。

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