【赤とんぼの俳句 30選】秋の俳句(季語)に最適!!おすすめ有名俳句&一般作品を紹介!

 

「俳句」は日常のちょっとした出来事や風景、季節の移り変わりなどをテーマに詠んだ短い詩です。

 

そんな俳句で詠まれる情景の一つに、秋を代表する「赤とんぼ」があります。

 

秋になるとどこからともなく出てくる「秋とんぼ」は、昔から人々になじみのある生き物で、童話や童謡の中にも登場します。

 

今回は、そんな「赤とんぼ」をテーマに詠まれたオススメ俳句集(有名俳人名句+一般俳句作品)を厳選してご紹介いたします。

 

 

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「赤とんぼ」に関する有名おすすめ俳句集【15選】

 

まずは、「赤とんぼ」をテーマに詠まれた有名俳句(過去に有名俳人が詠んだ句)をご紹介します。

 

俳句仙人
俳人ごとに並べましたので、参考にしてみてください。

 

【NO.1】与謝蕪村

『 染めあへぬ 尾のゆかしさよ 赤蜻蛉 』

季語:赤とんぼ(秋)

現代語訳:赤に染まりきっていないその尾は愛おしいよ、赤とんぼよ。

俳句仙人
赤とんぼはオスが鮮やかな赤色をしており、メスの方は黄色っぽいといわれています。この句は、完全に赤に染まりきっていないメスの赤とんぼを見て、どことなく心がひかれる様子を表現しています。江戸時代の人々も、赤とんぼを見かけると胸に迫ってくる感情があったようですね。

 

【NO.2】小林一茶

『 町中や 列を正して 赤蜻蛉 』

季語:赤蜻蛉(秋)

現代語訳:赤とんぼが飛ぶ季節になった。赤とんぼが、一列に並んで町の中を行進しているようだ。

俳句仙人
赤とんぼが飛ぶ季節になったことを喜ぶと同時に、赤とんぼという小さな生き物に愛情を感じている一句です。小さな生き物をテーマとする俳句を得意とした小林一茶らしい一句です。

 

【NO.3】正岡子規

『 赤とんぼ 筑波に雲も なかりけり 』

季語:赤とんぼ(秋)

現代語訳:赤とんぼが筑波山の秋空に飛んでいる、見上げると空には雲一つない。

俳句仙人
「雲もなかりけり」という表現から、空には雲が一つもないことを示しています。また、「けり」とは感動の中心を表す「切れ字」であることから、赤とんぼと空の美しさに感動している様子が読み取れます。

 

【NO.4】正岡子規

『 赤蜻蛉 飛ぶや平家の ちりぢりに 』

季語:赤蜻蛉(秋)

現代語訳:目の前を赤とんぼがそこ、ここに飛んでいる様子が、かつてちりぢりになった平家のように思えてならない。

俳句仙人
源平合戦において、源氏は白い旗を平家は赤の旗を掲げたことに由来する一句です。源平合戦で敗北した平家がちりぢりになる様子を赤とんぼが飛ぶ様子にたとえています。

 

【NO.5】夏目漱石

『 肩に来て 人懐かしや 赤蜻蛉 』

季語:赤蜻蛉(秋)

現代語訳:肩に赤とんぼが止まったよ。横目で見てみると、なんだか懐かしい人に会った感じで懐いています。

俳句仙人
赤とんぼが肩にとまっている様子を愛おしく眺める作者の様子が目に浮かぶようです。まるで懐かしい人に会ったかのように、人の肩の上で羽を休めている赤とんぼが可愛らしいですね。

 

【NO.6】夏目漱石

『 生きて仰ぐ 空の高さよ 赤蜻蛉 』

季語:赤蜻蛉(秋)

現代語訳:あぁ、自分はまだ生きている。天高く広がる清々しい秋の空に、赤とんぼが飛んでいるよ。

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冒頭の「生きて」が重要な意味を持ちます。病に倒れた夏目漱石はもしかしたら死んでしまって、もう二度と空を仰ぐことも赤とんぼを目にすることもなかったかもしれません。しかし、今こうして見上げる空はどこまでも青く、そして、とめどもなく高い。赤とんぼの舞う姿を見るにつけ、生きていることを実感し、その感動が込められている一句です。

 

【NO.7】種田山頭火

『 いつも一人で赤とんぼ 』

季語:赤とんぼ(秋)

現代語訳:赤とんぼが1匹、皆とはぐれたのか、自分に近づいてきたよ。

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孤独を好み、しかし同時に孤独から逃れようとしていた種田山頭火。そんな山頭火に近づいてきた赤とんぼに対し、自分を重ね合わせています。皆とはぐれたのか、それとも一人が好きなのか…なんだか自分と似ているなぁ…といった感じでしょうか。

 

【NO.8】種田山頭火

『 霧島は 霧にかくれて 赤蜻蛉 』

季語:赤蜻蛉(秋)

現代語訳: 霧島は霧にかくれて見えない。赤とんぼが目の前を舞っているよ。

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句碑にもなっているこちらの句は、山頭火が宮崎県(都城市高崎町)を訪れた際に詠んだ句です。遠くに見えるはずの霧島は、今日は霧にかくれてしまっていて見えません。いかにも高原らしい風が吹き、赤とんぼが舞っている…今にも天気が崩れそうな風景が思い浮かびます。

 

【NO.9】岡本眸

『 身を振つて 都電楽しや 赤とんぼ 』

季語:赤とんぼ(秋)

現代語訳:都電に揺られるがままに乗っていると、なんだか楽しくなってきた。外を見ると、赤とんぼが同じように身を振って舞っているよ。

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都電に乗っているときのちょっとした出来事が詠まれています。都電の振動で揺られる自分と同じように身を振って舞っている赤とんぼ。都会生活者のささやかな充足感を読み取ることができます。

 

【NO.10】川崎益次郎

『 赤とんぼ 戻らぬ一機 二機三機 』

季語:赤とんぼ(秋)

現代語訳:まるで赤とんぼのように見えるゼロ戦。一機、二機、三機…もう戻ってはこないんだろうなぁ。

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遠くの方に飛んでいく小さなゼロ戦の姿を赤とんぼにたとえています。今は平和な時代となりましたが、かつて日本には特攻機が飛び発っていた時代がありました。胸の痛む俳句ですね。

 

【NO.11】河東碧梧桐

『 から松は 淋しき木なり 赤蜻蛉 』

季語:赤蜻蛉(秋)

現代語訳:唐松は落葉してしまうので淋しい木だなぁ。赤とんぼが飛んでいる。

俳句仙人
松といえば常緑樹のイメージがありますが、唐松は落葉する松として有名です。赤とんぼが飛ぶ秋頃に葉を落とすため、「淋しき木」と表現されています。

【NO.12】三木露風

『 赤とんぼ とまつてゐるよ 竿の先 』

季語:赤とんぼ(秋)

現代語訳:赤とんぼが竿の先にとまっているよ。

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このフレーズは作者が作詞した「赤とんぼ」の四番の歌詞として知っている人も多いでしょう。この句は作者が13歳のときに作られており、32歳頃に作詞された「赤とんぼ」で子供時代の郷愁を表すものとして採用されています。

【NO.13】野村喜舟

『 わが町へ 流れ来にけり 赤蜻蛉 』

季語:赤蜻蛉(秋)

現代語訳:私の住んでいる町へ流れて来た赤とんぼだ。

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風に吹かれてやって来たように感じたのか、飛んでいる赤とんぼに対して「流れて来た」と表現しています。赤とんぼに対して町から町へ飛んでいく風来坊のような印象も持つ一句です。

【NO.14】星野立子

『 赤とんぼ 葉末にすがり 前のめり 』

季語:赤とんぼ(秋)

現代語訳:赤とんぼが葉の端にすがるように止まって前のめりになっている。

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赤とんぼが葉の端ギリギリに止まっているために重みで前のめりになっている様子を詠んだ句です。「すがり」とあるため、作者にはなんとか葉っぱに掴まっているように見えたのかもしれまさん。

【NO.15】中村汀女

『 一夜明け 山新しく 赤とんぼ 』

季語:赤とんぼ(秋)

現代語訳:一夜明けると、山には新しく赤とんぼが飛んでいる。

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一夜で季節が秋に切り替わったように赤とんぼが飛び交う様子を詠んでいます。空気がふと変わり、残暑から秋へと切り替わるように山が「新しく」なっている実感もわいてくる句です。

 

「赤とんぼ」に関する一般おすすめ俳句作品集【15選】

 

ここからは、一般の方が詠んだ俳句作品をご紹介していきます。

 

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上手な作品がたくさん揃っていますので、ぜひ俳句作りの参考にしてください。

 

【NO.1】

『 赤とんぼ じっとしたまま 明日どうする 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:赤とんぼは自分の居場所を見つけ、「さぁて、明日はどうなるのだろうか」なんてことを考えている。

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渥美清さんが詠まれた一句です。風に乗ってどこからともなく吹かれてきた赤とんぼはそれぞれの居場所を見つけ、枯れ枝や棒杭などに止まって、羽を休めています。その姿は、まるで「さぁて、明日はどうなるのだろうか(やっぱり風任せだよね)」と考えているようにさえ思えます。赤とんぼが止まっている様子を自分の気ままな気分と重ね合わせて詠んだ句です。風天の寅さんらしいですね。

 

【NO.2】

『 一筋の 道はいづこへ 赤とんぼ 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:向こうの方まで続く一本道。そんな一本道を無視して赤とんぼは自由気ままに飛んでいるよ。

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作者は一本道を歩いています。そこへどこからともなくやってきた赤とんぼ。赤とんぼは道なんてお構いなし。自由気ままに舞っています。そんな秋の風景が思い浮かぶ一句です。

 

【NO.3】

『 徒競走 追ひかけて行く 赤とんぼ 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:徒競走で、赤とんぼが追いかけてくるよ。

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秋の運動会の一コマを詠んだ一句です。一斉に走り出した子供たちの後ろを赤とんぼがまるで追いかけているかのような光景が目に浮かびます。

 

【NO.4】

『 赤とんぼ 夕日のおふろに とびこんだ 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:赤とんぼが、真っ赤な夕焼けが広がる空に、飛び込んでいったよ。

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夕暮れ時、この子はお母さんと一緒に歩いているのでしょうか。夕焼けが広がる空に赤とんぼが飛んでいる様を「夕日のおふろに飛び込んだ」と表現する8歳の子の感性に衝撃を受ける一句です。なんとも可愛らしいですね。

 

【NO.5】

『 晩年や コーヒーにうつる 赤とんぼ 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:コーヒーにうつる赤とんぼの姿。あぁ、年を取ったものだなぁ。

俳句仙人
秋の風物詩である赤とんぼがコーヒーの中にうつっている情景を詠んだ一句です。コーヒーを外で飲んでいたのでしょうか。晩年と秋を重ね合わせ、自分も年を取ったなぁと、ふと感じたのではないでしょうか。

 

【NO.6】

『 赤とんぼ 自由な空は 広すぎる 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:赤とんぼにとって、自由に飛べるこの空は、なんと大きいことか。

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大空に舞う赤とんぼ。その小さな体に、この大きな空は、あまりにも大きすぎやしないか!?といったユーモアあふれる一句です。

 

【NO.7】

『 指先の うへのあをぞら 赤とんぼ 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:指の先を青空に向け、赤とんぼが止まるかな。

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赤とんぼが指の先に止まらないかな、そう思って指の先を空に向かって伸ばしたことはありませんか?この句は赤とんぼに「この指とまれ」をしている光景が思い浮かびます。

 

【NO.8】

『 稲刈りの 村見回るか 赤とんぼ 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:稲刈りをする村の上を、赤とんぼがまるで見回りをしているかのように、飛んでいるよ。

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田んぼは黄金色になり、稲刈りも始まってきたようです。その上をまるで見回りをしているかのように赤とんぼが飛んでいます。黄金色の田んぼと赤とんぼの赤のコントラストが美しい一句です。

 

【NO.9】

『 赤とんぼ 群れて青空 あかね色 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:赤とんぼの群れで、青空があかね色に染まっているようだよ。

俳句仙人
見上げると何十匹もの赤とんぼの群れが飛んでいて、青空が赤とんぼの色で染まってしまったような錯覚に陥ったことを詠んだ句です。誰もが経験したことのあるような光景ですね。

 

【NO.10】

『 赤とんぼ なかよく夕空 とんでいく 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:赤とんぼが2匹、まるで手をつないでいるかのように仲良く飛んでいるよ。

俳句仙人
赤とんぼをお友達同士、あるいは恋人同士にたとえています。2匹の赤とんぼが仲良く空を舞う様子が思い浮かびます。

 

【NO.11】

『 赤とんぼ 君の頭に とまったね 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:赤とんぼが君の頭の上に止まったね。

俳句仙人
2人で赤とんぼの行方を目で追っていたのでしょうか、目の前で頭に止まった様子を詠んでいます。「君」からはどこに赤とんぼがいるのかわからないため、作者がどこか面白そうに感じている一句です。

【NO.12】

『 赤とんぼ 飛び上がっては またとまり 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:赤とんぼが飛び上がってはまた止まっている。

俳句仙人
赤とんぼが飛んでは止まり、止まっては飛んでを繰り返している様子を詠んだ句です。一般的なトンボのイメージとしては飛び続けていることが多いため、成虫になったばかりの赤とんぼなのかもしれません。

【NO.13】

『 すいと来て またすいすいと 赤とんぼ 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:すいと飛んできて、またすいすいと飛んでくる赤とんぼだ。

俳句仙人
赤とんぼは水平に飛んで移動する昆虫です。「すいと来て」とはまさにその状態を詠んでいて、たくさんの赤とんぼが飛んでいる様子を表しています。

【NO.14】

『 風来れば 風に向かひて 赤蜻蛉 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:風が吹いてくれば、風に向かって飛んでいく赤とんぼだ。

俳句仙人
追い風に乗って飛ぶのではなく、敢えて向かい風に挑んでいる赤とんぼを詠んだ句です。逆境に立ち向かおうとするようなその姿にエールを贈りたくなります。

【NO.15】

『 路地裏の 陰の暗さや 赤蜻蛉 』

季語:赤蜻蛉(秋)

意味:路地裏の陰はとても暗いなぁ。そんなところに鮮やかな赤とんぼが飛んでいる。

俳句仙人
「路地裏の陰」の黒と「赤蜻蛉」の赤を対比した一句です。薄暗い場所に飛ぶ赤とんぼには、ハッとするような美しさを感じたことでしょう。

 

以上、「赤とんぼ」に関するおすすめ俳句集でした!

 

 

俳句仙人
今回は、赤とんぼについて詠まれた俳句をたくさん紹介してきました。
童話や童謡の中にも登場する秋の風物詩「赤とんぼ」。その美しさは今も昔も多くの俳句に詠み込まれてきました。
美しい秋の光景が目に浮かぶような句や、「なるほど!たしかに…」と思うような句など、赤とんぼにまつわる俳句は意外とたくさんあります。
この機会にぜひあなたも一句詠んでみてはいかがでしょうか?

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