
「10月」は気候も落ち着き、暑くもなく寒くもなく、過ごしやすい時期です。
日本では旧暦の10月を「神無月(かんなづき・かみなしづき)」と呼び、新暦10月の別名としても用いられています。
空もきれいに澄み渡り、美しい風景が多くみられる10月。皆さんはどのような想いを感じているでしょうか。
10月入って急に空綺麗になったなぁ pic.twitter.com/vrbRWLTGYN
— さわい かずと (@kazut0728) October 6, 2016
今回は、「10月」の季語を使用したオススメ俳句ネタを20句ご紹介します。
10月の季語を使ったオススメ俳句ネタ【前半10句】
【NO.1】
『 風に乗り 木から飛び立つ もみじかな 』
季語:もみじ(秋)
風が吹き、もみじが木から落ちる様子を「木から飛び立つ」と表現しています。「落ちる」という少しマイナス的な悲しい言葉を、「飛び立つ」という前向きで、とてもセンスのある言葉で表現しています。もみじが風に乗って美しく舞う光景が目に浮かびます。
【NO.2】
『 稲刈って ザクリと響く 手に耳に 』
季語:稲(秋)
稲を刈り取る時の音をとても上手に表現しています。作者が手と耳から感じた「ザクリ」という重く響く音がとてもよく伝わる一句です。
【NO.3】
『 栗ひろい とげがささって 飛び上がる 』
季語:栗(秋)
栗ひろいに行ったのでしょう。とげがささってしまった作者の様子がとても上手に表現されています。漫画のようなワンシーンで、痛いけれども笑ってしまうような楽しい光景が想像できます。
【NO.4】
『 きのこがね リスが忘れた かさみたい 』
季語:きのこ(秋)
きのこを見つけた作者。きのこの形を「かさみたい」ととても可愛らしく表現しています。そして、「リスが忘れた」「かさみたい」…と絵本の世界のような素敵な物語が展開されています。とても可愛らしい世界観を感じることができ、心があたたかくなります。
【NO.5】
『 ランドセル おろすとひらり 紅葉かな 』
季語:紅葉(秋)
ランドセルからひらりと落ちた紅葉。通学もしくは帰宅途中で作者のランドセルの中に入り込んでいたのでしょう。この時期ならでは、季節を感じる微笑ましい一コマですね。

【NO.6】
『 新米や 噛む毎になお 甘くなり 』
季語:新米(秋)
新米を幸せそうにかみしめながら味わう作者の様子が目に浮かびます。「噛む毎になお」という表現から、新米の甘さがとてもよく伝わります。美味しいものを食べると自然と笑顔になりますよね。きっと作者も笑顔があふれていることでしょう。
【NO.7】
『 ゆず風呂に ちょっぴり長く 父とぼく 』
季語:ゆず(秋)
ゆず風呂を楽しむ「父とぼく」。とてもほのぼのとした暖かい空気を感じます。「ちょっぴり長く」という言葉がとても可愛らしいですね。いつもとは違うお風呂をじっくりと楽しんでいる様子がとてもよく伝わります。
【NO.8】
『 運動会 席取り走る お父さん 』
季語:運動会(秋)
運動会の朝。お父さんたちの戦いがすでに始まっているのかもしれませんね。こどもの為に一生懸命走って席を取るお父さんの姿が目に浮かびます。お父さんは良い席を取ることができたのか?、その後が気になる一句です。
【NO.9】
『 友だちと 肩ぐるまして 柿をとる 』
季語:柿(秋)
高いところにある柿の実。さてどうやってとろうかな?と考えている作者とお友達の姿が想像できます。よし!肩車をしよう!となったのでしょうか。バランスを取りながら皆で協力しながら柿を取ろうとする微笑ましい様子が目に浮かびます。
【NO.10】
『 夕焼けに 赤とんぼが飛ぶ 帰り道 』
季語:赤とんぼ(秋)
空が赤くきれいに染まる夕焼け空に赤とんぼが飛ぶ素敵な光景が想像できます。この時期ならではのとても美しい光景ですね。作者は少しゆっくりと歩きながらこの素敵な光景を楽しんだのではないでしょうか。
10月の季語を使ったオススメ俳句ネタ【後半10句】
【NO.11】
『 新米を 届けにくるよ おじいちゃん 』
季語:新米(秋)
おじいちゃんが新米を持って、笑顔いっぱいに作者のところへ来る様子が想像できます。きっと真っ先に大好きなお孫さんに新米を食べてもらいたいのでしょうね。作者もおじいちゃんが来るのを心待ちにしている様子が伝わります。
【NO.12】
『 帰り道 ぼくをおいこす トンボたち 』
季語:トンボ(秋)
トンボと一緒に帰り道を歩いていた作者。でも、作者を追い越し別の道へと飛んでいくトンボたちに少し寂しい気持ちを感じたことでしょう。トンボと進む帰り道、この時期ならではの素敵な光景ですね。
【NO.13】
『 夕暮れに 君と見上げた 秋の空 』
季語:秋の空(秋)
作者にとって「君」とはきっととても大切な人なのでしょう。そのあたたかい想いがとてもよく伝わる一句です。「君」と見上げた空はどのような空だったのでしょうか。もしかしたら、本当に見ていたものは空ではないのかもしれませんね。
【NO.14】
『 稲刈鎌を おそるおそると くきに当て 』
季語:稲刈(秋)
作者は初めて稲刈鎌を体験したのでしょうか。「おそるおそると」という言葉から、作者のたくさんのドキドキが伝わります。なかなか体験できることではないと思いますので、とても良い経験になったのではないでしょうか。
【NO.15】
『 ビデオ見る 運動会で 駆ける孫 』
季語:運動会(秋)
お孫さんの運動会の様子を嬉しそうに見る作者の姿が目に浮かびます。ビデオにうつるお孫さんが一生懸命走る姿に成長を感じながら、運動会のビデオを楽しんだのではないでしょうか。直接会えなくても、このような形でお孫さんの姿を見ることができ、とても幸せな想いが伝わる一句です。

【NO.16】
『 さんま焼き 故郷恋し 母の味 』
季語:さんま(秋)
さんまを焼き、その香りから故郷を思い出す作者。この時期はいつも、お母様がさんまを焼いて、いろいろなお料理をつくってくれたのでしょう。また一緒に食べたいな…そんな作者の心の声が聞こえてくるようです。
【NO.17】
『 かまきりの かまがこわくて 動けない 』
季語:かまきり(秋)
作者の前にあらわれたかまきり。かまを大きくあげて威嚇しているのでしょう。「動けない」という言葉から、作者が恐怖で顔と体が固まってしまっている様子が想像できます。さて、この後どうなったのでしょうか。かまきりから逃げることができたのか?気になる一句です。
【NO.18】
『 あかとんぼ ぼくの右手に 止まってる 』
季語:あかとんぼ(秋)
近くを飛んでいた赤とんぼが、ふと作者の右手に止まったのでしょう。「ぼくの右手に」止まった赤とんぼにびっくりしながらも、少し自慢げに周りの人に教えている、嬉しそうな作者の様子が目に浮かびます。赤とんぼは作者とお友達になりたかったのかもしれませんね。
【NO.19】
『 騎馬戦に 歓声あがる 運動会 』
季語:運動会(秋)
運動会のメインイベントともいえる騎馬戦。大きな歓声が、運動場いっぱいに広がる光景が想像できます。皆の想いがたくさん詰まった「がんばれ!」の歓声は、大きな力になったことでしょう。運動会がとても盛り上がっている様子が目に浮かびます。
【NO.20】
『 生まれた日 祖父母が植えた 柿実る 』
季語:柿(秋)
作者が生まれた日に、祖父母が植えてくれた柿の木。愛する孫のために一所懸命植えてくれた祖父母の大きな愛情を感じます。柿が実り、とても嬉しい気持ちになったことでしょう。心がとてもあたたかくなる素敵な一句です。
以上、10月に関するオススメ俳句ネタでした!
「10月」になると、いよいよ秋本番という雰囲気になってきます。
美しく色づく葉っぱや、きれいに澄み渡る空等、周りの風景も色合いが少しずつ変わってくる時期です。
秋といえば、「食欲の秋」という言葉を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
10月の季語には、「柿」「秋刀魚」「栗」など、秋ならでは食べ物も多くあります。
秋の味覚を楽しみながら俳句を詠んでみてはいかがでしょうか。