【10月の一般俳句ネタ 30選】小•中学生向け!!秋に関する面白い&上手な俳句例を紹介

 

「10月」は気候も落ち着き、暑くもなく寒くもなく「過ごしやすい時期」です。

 

日本では旧暦の10月を「神無月(かんなづき・かみなしづき)」と呼び、新暦10月の別名としても使われています。

 

空もきれいに澄み渡り、美しい風景が多くみられる10月。皆さんはどのような想いを感じているでしょうか。

 

今回は、「10月」の季語を使用したオススメ俳句作品30句紹介していきます。

 

 

リス先生
上手な俳句がたくさん揃っているから、ぜひ俳句作りの参考にしてみてね!

 

10月の季語を使ったオススメ俳句作品【前編10句

 

【NO.1】

『 風に乗り 木から飛び立つ もみじかな 』

季語:もみじ(秋)

俳句仙人

風が吹き、もみじが木から落ちる様子を「木から飛び立つ」と表現しています。「落ちる」という少しマイナス的な悲しい言葉を、「飛び立つ」という前向きで、とてもセンスのある言葉で表現しています。もみじが風に乗って美しく舞う光景が目に浮かびます。

【NO.2】

『 稲刈って ザクリと響く 手に耳に 』

季語:稲(秋)

俳句仙人

稲を刈り取る時の音をとても上手に表現しています。作者が手と耳から感じた「ザクリ」という重く響く音がとてもよく伝わる一句です。

【NO.3】

『 栗ひろい とげがささって 飛び上がる 』

季語:栗(秋)

俳句仙人

栗ひろいに行ったのでしょう。とげがささってしまった作者の様子がとても上手に表現されています。漫画のようなワンシーンで、痛いけれども笑ってしまうような楽しい光景が想像できます。

【NO.4】

『 きのこがね リスが忘れた かさみたい 』

季語:きのこ(秋)

俳句仙人

きのこを見つけた作者。きのこの形を「かさみたい」ととても可愛らしく表現しています。そして、「リスが忘れた」「かさみたい」…と絵本の世界のような素敵な物語が展開されています。とても可愛らしい世界観を感じることができ、心があたたかくなります。

【NO.5】

『 ランドセル おろすとひらり 紅葉かな 』

季語:紅葉(秋)

俳句仙人

ランドセルからひらりと落ちた紅葉。通学もしくは帰宅途中で作者のランドセルの中に入り込んでいたのでしょう。この時期ならでは、季節を感じる微笑ましい一コマですね。

【NO.6】

『 新米や 噛む毎になお 甘くなり 』

季語:新米(秋)

俳句仙人

新米を幸せそうにかみしめながら味わう作者の様子が目に浮かびます。「噛む毎になお」という表現から、新米の甘さがとてもよく伝わります。美味しいものを食べると自然と笑顔になりますよね。きっと作者も笑顔があふれていることでしょう。

【NO.7】

『 ゆず風呂に ちょっぴり長く 父とぼく 』

季語:ゆず(秋)

俳句仙人

ゆず風呂を楽しむ「父とぼく」。とてもほのぼのとした暖かい空気を感じます。「ちょっぴり長く」という言葉がとても可愛らしいですね。いつもとは違うお風呂をじっくりと楽しんでいる様子がとてもよく伝わります。

【NO.8】

『 運動会 席取り走る お父さん 』

季語:運動会(秋)

俳句仙人

運動会の朝。お父さんたちの戦いがすでに始まっているのかもしれませんね。こどもの為に一生懸命走って席を取るお父さんの姿が目に浮かびます。お父さんは良い席を取ることができたのか?その後が気になる一句です。

【NO.9】

『 友だちと 肩ぐるまして 柿をとる 』

季語:柿(秋)

俳句仙人

高いところにある柿の実。さてどうやってとろうかな?と考えている作者とお友達の姿が想像できます。よし!肩車をしよう!となったのでしょうか。バランスを取りながら皆で協力しながら柿を取ろうとする微笑ましい様子が目に浮かびます。

【NO.10】

『 夕焼けに 赤とんぼが飛ぶ 帰り道 』

季語:赤とんぼ(秋)

俳句仙人

空が赤くきれいに染まる夕焼け空に赤とんぼが飛ぶ素敵な光景が想像できます。この時期ならではのとても美しい光景ですね。作者は少しゆっくりと歩きながらこの素敵な光景を楽しんだのではないでしょうか。

10月の季語を使ったオススメ俳句作品【中編10句

【NO.11】

『 新米を 届けにくるよ おじいちゃん 』

季語:新米(秋)

俳句仙人

おじいちゃんが新米を持って、笑顔いっぱいに作者のところへ来る様子が想像できます。きっと真っ先に大好きなお孫さんに新米を食べてもらいたいのでしょうね。作者もおじいちゃんが来るのを心待ちにしている様子が伝わります。

【NO.12】

『 帰り道 ぼくをおいこす トンボたち 』

季語:トンボ(秋)

俳句仙人

トンボと一緒に帰り道を歩いていた作者。でも、作者を追い越し別の道へと飛んでいくトンボたちに少し寂しい気持ちを感じたことでしょう。トンボと進む帰り道、この時期ならではの素敵な光景ですね。

【NO.13】

『 夕暮れに 君と見上げた 秋の空 』

季語:秋の空(秋)

俳句仙人

作者にとって「君」とはきっととても大切な人なのでしょう。そのあたたかい想いがとてもよく伝わる一句です。「君」と見上げた空はどのような空だったのでしょうか。もしかしたら、本当に見ていたものは空ではないのかもしれませんね。

【NO.14】

『 稲刈鎌を おそるおそると くきに当て 』

季語:稲刈(秋)

俳句仙人

作者は初めて稲刈鎌を体験したのでしょうか。「おそるおそると」という言葉から、作者のたくさんのドキドキが伝わります。なかなか体験できることではないと思いますので、とても良い経験になったのではないでしょうか。

【NO.15】

『 ビデオ見る 運動会で 駆ける孫 』

季語:運動会(秋)

俳句仙人

お孫さんの運動会の様子を嬉しそうに見る作者の姿が目に浮かびます。ビデオにうつるお孫さんが一生懸命走る姿に成長を感じながら、運動会のビデオを楽しんだのではないでしょうか。直接会えなくても、このような形でお孫さんの姿を見ることができ、とても幸せな想いが伝わる一句です。

【NO.16】

『 さんま焼き 故郷恋し 母の味 』

季語:さんま(秋)

俳句仙人

さんまを焼き、その香りから故郷を思い出す作者。この時期はいつも、お母様がさんまを焼いて、いろいろなお料理をつくってくれたのでしょう。また一緒に食べたいな…そんな作者の心の声が聞こえてくるようです。

【NO.17】

『 かまきりの かまがこわくて 動けない 』

季語:かまきり(秋)

俳句仙人

作者の前にあらわれたかまきり。かまを大きくあげて威嚇しているのでしょう。「動けない」という言葉から、作者が恐怖で顔と体が固まってしまっている様子が想像できます。さて、この後どうなったのでしょうか。かまきりから逃げることができたのか?気になる一句です。

【NO.18】

『 あかとんぼ ぼくの右手に 止まってる 』

季語:あかとんぼ(秋)

俳句仙人

近くを飛んでいた赤とんぼが、ふと作者の右手に止まったのでしょう。「ぼくの右手に」止まった赤とんぼにびっくりしながらも、少し自慢げに周りの人に教えている、嬉しそうな作者の様子が目に浮かびます。赤とんぼは作者とお友達になりたかったのかもしれませんね。

【NO.19】

『 騎馬戦に 歓声あがる 運動会 』

季語:運動会(秋)

俳句仙人

運動会のメインイベントともいえる騎馬戦。大きな歓声が、運動場いっぱいに広がる光景が想像できます。皆の想いがたくさん詰まった「がんばれ!」の歓声は、大きな力になったことでしょう。運動会がとても盛り上がっている様子が目に浮かびます。

【NO.20】

『 生まれた日 祖父母が植えた 柿実る 』

季語:柿(秋)

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作者が生まれた日に、祖父母が植えてくれた柿の木。愛する孫のために一所懸命植えてくれた祖父母の大きな愛情を感じます。柿が実り、とても嬉しい気持ちになったことでしょう。心がとてもあたたかくなる素敵な一句です。

 

10月の季語を使ったオススメ俳句作品【後編10句

 

【NO.21】

『 懐かしき いつか来た道 秋深し 』

季語:秋深し(秋)

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秋も深まる中で、以前訪れた場所に来ています。実際にある場所なのか、「いつか来た道」を人生の経験としてとらえているのかで意味が変わってくる一句です。

【NO.22】

『 秋深し 木々それぞれに 実を宿し 』

季語:秋深し(秋)

俳句仙人

木の実がなる季節を「秋深し」と表現しています。栗やどんぐりなど様々な木の実がなる季節はまさに恵みの秋です。

【NO.23】

『 秋寒や 豚汁つくる 気分増し 』

季語:秋寒(秋)

俳句仙人

少し肌寒い日なので、暖かい豚汁を作ろうと意気込んでいる一句です。「気分」と詠んでいることから、献立を考えながら買い物をしている最中でしょうか。

【NO.24】

『 行く秋に 手を伸ばしても つかまらず 』

季語:行く秋(秋)

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過ぎていく秋に手を伸ばしても捕まえられないという抽象的な一句です。秋はあっという間に過ぎ去って冬の気配が漂ってくるため、どこか寂しさを感じています。

【NO.25】

『 遮断機の 音よく響く 夜寒かな 』

季語:夜寒(秋)

俳句仙人

遮断機の音がいつもよりもよく響いてくる肌寒い夜の様子です。寒くなったことで人が出歩かなくなったからか、いつもよりも寒い事でどこか緊張感のある空気だったからか、どちらを思い浮かべたでしょうか。

【NO.26】

『 紅葉狩 そろいの服や 家族写真 』

季語:紅葉狩(秋)

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紅葉狩りを楽しむ際に、お揃いの服を着て写真を撮る仲のいい家族を詠んだ句です。お揃いの服ということから小さい子供連れの家庭を連想しますが、皆さんはどのような家族が浮かんできたでしょうか。

【NO.27】

『 黄昏の 窓ふるわせて 雁の声 』

季語:雁(秋)

俳句仙人

黄昏の窓をふるわせるように雁の声が響いているという、実際に雁の鳴き声を聞いたことがない人でもかなりの大音量だとわかる一句です。雁は群れで行動するため、鳴き声が響き渡ることでも有名です。

【NO.28】

『 友来る 手には林檎の 五つ六つ 』

季語:林檎(秋)

俳句仙人

友人がリンゴをいくつか抱えて遊びに来た様子を詠んでいます。2人で食べ切れるかどうかわからない量なので、何人かの友人たちが集まって遊ぶ約束をしていたのかもしれません。

【NO.29】

『 美味しさは ただひとひらの 柚子の皮 』

季語:柚子(秋)

俳句仙人

おいしさの決め手としてほんの少しの柚子の皮を添えている様子を詠んだ句です。味を求めるならばゆず胡椒などもありますが、香りをより際立たせるのはやはり柚子の皮でしょう。

【NO.30】

『 こもれびの どんぐり日時計 午後3時 』

季語:どんぐり(秋)

俳句仙人

木漏れ日が作り出すドングリの日時計は午後3時を示している、という偶然出来た日時計なのか、意図して作った日時計なのかどちらでも成り立つ一句です。木陰で読書などをしていて時間を忘れていたのでしょうか。

 

以上、10月に関するオススメ俳句作品集でした!

 

 

俳句仙人

10月」になると、いよいよ「秋本番」という雰囲気になってきます。

美しく色づく葉っぱやキレイに澄み渡る空など、周りの風景も色合いが少しずつ変わってくる時期です。

秋といえば、「食欲の秋」という言葉を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。10月の季語には「柿」「秋刀魚」「栗」など、秋ならでは食べ物も多くあります。

この機会にぜひ秋の味覚を楽しみながら俳句を詠んでみてください。

 

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