【高校生向けの俳句 全40選】おすすめ!!春・夏・秋・冬の季語を使った有名俳句作品を紹介!

 

今回は、高校生の皆さんへ向けておすすめの俳句を紹介していきます。

 

俳句は『俳諧(はいかい)の句』という言葉だったものが略されて、『俳句』と呼ばれるようになったと言われています。

 

これだけ聞くと、なんだか難しそうと感じる方もいらっしゃると思います。

 

 

しかし、そんなことはありません!今回紹介する俳句は、比較的簡単な有名俳句を紹介していきます。

 

リス先生
難解な句はないから、安心してね。それでは、さっそく見ていこう!

 

俳句に季節の雰囲気を出す!春・夏・秋・冬の季語を知ろう

 

俳句とは、575317音からなる、日本独自の定型詩のことです。

 

俳句には「季語」と呼ばれる季節を表す言葉を含まなければならないというルールがあります。

 

それぞれの季節によって、たくさんの種類の季語がありますので、ここではその一部を紹介したいと思います。

 

リス先生
現代に生きる私たちに身近な季語をピックアップしたので、見てみよう!

 

春・夏・秋・冬の季語【一覧】

 

【春の季語】

春、立春(りっしゅん)、雪解(ゆきどけ・ゆきげ)、雪崩(なだれ)、残雪(ざんせつ)、ひなぎく、ほうれん草、水菜、梅、紅梅(こうばい)、鶯(うぐいす)、雛祭り、春雷(しゅんらい)、春めく、田螺(たにし)、蜆(しじみ)、若鮎(わかあゆ)、春の雨、雉(きじ)、燕(つばめ)、卒業、春の野、陽炎(かげろう)、蕨(わらび)、菫(すみれ)、タンポポ、エイプリールフール、のどか、うららか、入学、入社、初桜 など

 

【夏の季語】

5月、初夏、牡丹(ぼたん)、葉桜、菖蒲(しょうぶ)、鯉幟(こいのぼり)、祭り、新緑、若葉、筍(たけのこ)、薔薇(ばら)、穴子(あなご)、鯖(さば)、飛魚(とびうお)、山女(やまめ)、初鰹(はつがつお)、みかんの花、紫陽花(あじさい)、葵(あおい)、鈴蘭(すずらん)、梅雨、うなぎ、蟹(かに)、雨蛙(あまがえる)、さくらんぼ、田植え、夏休み、避暑、土用、暑中見舞い、トマト、晩夏(ばんか) など

 

【秋の季語】

9月、八朔(はっさく)、台風、三日月、秋の夜、七草(秋の七草)、桔梗(ききょう)、松虫、鈴虫、きりぎりす、月見、枝豆、芋(いも)、とんぼ、雁(かり)、秋刀魚(さんま)、鰯雲(いわしぐも)、コスモス、生姜(しょうが)、秋晴れ、秋の空、初紅葉(はつもみじ)、松茸(まつたけ)、椎茸(しいたけ)、茸狩(きのこが)り、稲、新米、木の実、桃、林檎(りんご)、梨、柿、無花果(いちじく)、鹿、銀杏 など

 

【冬の季語】

大晦日(おおみそか)、お正月、雪だるま、大掃除、冬休み、クリスマス、お年玉、除夜の鐘、うさぎ、牡蠣(かき)、鴨(かも)、寒雀(かんすずめ)、鷹(たか)、千鳥(ちどり)、鶴(つる)、白鳥、ふぐ、ふくろう、水鳥、鷲(わし)、落ち葉、枯れ尾花(かれおばな)、枯れ木、枯野(かれの)、枯れ葉(かれは)、寒椿(かんつばき)、さざんか、水仙(すいせん)、大根、人参(にんじん)、ねぎ、白菜、みかん など

 

 

今回紹介した季語は、ほんの一部にすぎず、それぞれの季節にまだまだたくさんの季語があります。

 

リス先生
日本語って、本当にたくさんの言い回しがあっておもしろいね!興味のある方はぜひ調べてみてね!

 

高校生向け!! 春・夏・秋・冬の季語を使った俳句集【40選】

 

ここからは、それぞれの季節の季語を使ったおすすめ有名俳句を紹介していきます。

 

春の季語を使ったおすすめ俳句【10選】

日本の桜の木, 花, ピンク, 白, 木, Blütenmeer, 花の木, 日本の花桜, 桜の花, 全盛期

 

俳句仙人
春の始まりと一日の始まりを表現しているような、豊かでやさしい一句です。

 

俳句仙人
とても美しい一句です。ひねもすとは「終日」と書き、一日中という意味です。のたりという表現が春の海のおだやかさを見事に表現しています。

 

俳句仙人
こちらも与謝蕪村の詠んだ一句です。菜の花の黄色、月の白、夕陽の赤という3色がとても美しく融合している様子が目に浮かんできます。

 

【No.4】小林一茶

『 雪とけて 村いっぱいの 子どもかな 』

季語:雪どけ(春)

意味:長かった冬も終わりに近づき、雪どけの季節になった。待ちかねていた子どもたちはいっせいに外に飛び出して、春の日を浴びて遊んでいる。村にはこんなにたくさんの子どもがいたのかと驚くばかりだ。

俳句仙人
春を待ちわびていた子どもたちのうれしそうな姿が、いきいきと詠まれた一句です。

 

【No.5】正岡子規

『 野に出()でて 写生する春と なりにけり 』

季語:春(春)

意味:野に出て、写生をする暖かい季節になったことだ。

俳句仙人
正岡子規は俳句を詠む上で、写実主義(しゃじつ主義…よけいな表現を加えずに、見たままありのままを詠むということ)を大切にしていたそうです。シンプルだからこそ、春の訪れがよく表された一句になっています。

 

俳句仙人
春の風は新しい季節だけではなく、色々なものを運んできてくれます。出会いや別れ、新しい挑戦。作者のいきいきとした姿が輝いている一句です。

 

俳句仙人
「夕東風(ゆうこち)」とは夕方に東の方向から吹く風です。隅田川は水運の要であり、あそこに停まっている船は海から来たのだろうかと作者が興味深く見つめています。

 

俳句仙人
この句で詠まれている「大路」とは、大学時代を過ごした東京都の神田の通りのことです。当時はまだバスが普及しておらず、新しいものと新しい環境、季節の始まりである春という心躍る組み合わせにそわそわしている様子が伝わってきます。

 

俳句仙人
作者は能役者の家に生まれており、病気によって役者の道を断念してからも時おり鼓を打ったり舞ったりしていました。桜の花と満月の組み合わせに喜んで、鼓を打って遊びたいとワクワクしています。

 

俳句仙人
この句は1月から12月まで甘納豆を題材にして詠まれた「甘納豆十二句」の一句です。「うふふふふ」という表現が音声をそのまま俳句に詠んだ画期的なものになっています。

 

夏の季語を使ったおすすめ俳句【10選】

ヒマワリ, ひまわり畑, 黄色, 夏, 花, 自然, ブルーム, 工場, フィールド, 色

 

俳句仙人
夏に向かって、力強く流れていく川の姿を詠んだ一句です。

 

【No.2】高浜虚子

『 夏の蝶 日かげ日なたと 飛びにけり 』

季語:夏の蝶(夏)

意味:夏の日に一匹の蝶が、日かげに入ったり、日なたに入ったりしながら、ひらひらと飛んでいる。

俳句仙人
夏の暑さをものともせず、優雅にとんでいる蝶の姿が美しいです。

 

俳句仙人
初夏の季語を3つも重ねている有名な一句です。視覚、聴覚、味覚と五感をフルにつかって夏を楽しんでいる、とてもいい一句です。

 

俳句仙人
こちらも松尾芭蕉の代表的な一句です。人間のはかなさをよくとらえています。

 

【No.5】小林一茶

『 蟻の道 雲の峰(みね)より つづきけん 』

季語:蟻、雲の峰(夏)

意味:ありの行列が長く続いている。これはきっと、あの空に見える入道雲から続いてきたに違いない。

俳句仙人
おもしろい一句です。空に見える雲から続く蟻の行列、なんだか夢があってステキ…。蟻と雲の峰という、季語がふたつ入った素晴らしい句です。

 

俳句仙人
夏休みの宿題といえば、これもまた夏の風物詩のひとつです。

 

俳句仙人
ハエが手足を擦り合わせている動作を、人間の命乞いのようだと例えている一句です。小さな虫にも慈しみの心を忘れない作者らしい句になっています。

 

俳句仙人
「夏嵐」とは夏に吹く南からの強い風のことです。窓を開けたままだったのでしょうか、急な風で机の上の紙があちこちに散らばってしまっています。

 

俳句仙人
滝は水が滝つぼに落ちる際にかなりの音を立てます。水と木々による群青色に染まっていた静かな世界に轟音を立てて落ちていく水に、自然の躍動感を感じさせる一句です。

 

俳句仙人
夏の旅というどこか心が弾む旅へ行くために、色々なものを散らかしたままでも出発してしまおうという作者の弾む心が感じ取れる句です。「散らかして」いったのは自分の部屋なのか、自身の心境なのか、解釈がふくらみます。

 

秋の季語を使ったおすすめ俳句【10選】

ツリー, 秋, 秋の色, 秋を葉します, 黄金の秋

俳句仙人
かわいらしい一句です。春の句でも紹介したが、小林一茶は子どもの姿を詠むのが上手です。

 

俳句仙人
この句はもしかしたら教科書に載っているかもしれません。秋の味覚である柿を食べていると、聞こえてくるお寺の鐘…。なんともいいムードです。

 

【No.3】高浜虚子

『 秋の暮れ 道にしゃがんで 子がひとり 』

季語:秋の暮れ(秋)

意味:秋の日は早くも暮れようとしている。しかし、道ばたにひとりしゃがんでいるあの子どもは、まだ帰ろうとしない。

俳句仙人
秋も終わりに近づいてくると、暗くなるのがずいぶん早くなってくる…。虚子の句に詠まれた子どもは、まだ遊び足りないのかもしれません。

 

俳句仙人
作者の名前は飯田蛇笏(いいだ・だこつ)と言うそうです。はらり、という表現がすすきの穂の感じをうまく表現しています。

 

【No.5】渡辺水巴

『 歯にあてて 雪の香ふかき 林檎(りんご)かな 』

季語:林檎(秋)

意味:さくっとかむと冷たくて雪の香りがすると思いました。そういえばこの林檎の産地は、もう深い雪でしょう。

俳句仙人
林檎は、雪国などの寒い地方で栽培されています。句を詠んだ頃にはまだ秋ですが、作者はひと足早い、冬の訪れを感じているのでしょうか。

 

【No.6】夏目漱石

『 肩に来て 人なつかしや 赤とんぼ 』

季語:赤とんぼ(秋)

意味:肩へ赤とんぼが止まった。横目で見ると、懐かしい人に会ったような感じで、羽を休めている。

俳句仙人
赤とんぼと言えば、秋の風物詩。なんともほほえましい一句です。

 

俳句仙人
海、大地、星空とダイナミックな秋の日本海の様子を詠んだ句です。波や佐渡の島影が黒く見える中で、天の川だけが燦然と輝いています。

 

俳句仙人
咲いている野菊の花の影から、ひょっこりと子狐が顔を出しそうな雰囲気の一句です。ここでは作者は実際に狐を見たかどうかはわかりませんが、野菊の咲く草原を駆け回る子狐たちの姿が見えてくる一句になっています。

 

俳句仙人
朝顔のツルをどかしてまで水を汲まない作者の優しい感性で有名な一句です。江戸時代では井戸から水を汲むか、「もらい水」として隣から水をもらうなどして生活に使う水を調達していました。

 

俳句仙人
3句全てが名詞で区切られているめずらしい技法の一句です。ともすれば途切れ途切れの言葉の羅列に見える句にすることで、見事な風景に言葉が続かず感動している様子がよく表れています。

 

冬の季語を使ったおすすめ俳句【10選】

冬の風景, サンセット, 冷たい, 雪, 木, 自然, ホワイト

 

俳句仙人
しんとした冷たい空気の中に浮かぶ月を、美しく詠んだ一句です。

 

俳句仙人
小林一茶のユーモアな一面がよく出ている一句です。

 

【No.3】井原西鶴

『 大晦日(おおみそか) 定めなき世の さだめかな 』

季語:大晦日(暮)

意味:今日は大晦日。何が起こるか決まっていない世の中ですが、一年の終わりの大晦日は、決まりどおりきちんとやってきましたよ。

俳句仙人
井原西鶴(いはら・さいかく)は江戸時代の人ですが、この句は現代の私たちにも共感できるものではないでしょうか。

 

俳句仙人
正岡子規の生涯は短く、34歳という若さで亡くなってしまいます。そんな彼の生涯を思うと、なんとも切なくなります。

 

俳句仙人
あなたはこの句を読んで、さみしいと感じないでしょうか?それとも、自由だと感じましたか?本当のところは、木枯らしにしかわからないのかもしれません。

 

俳句仙人
冬の日の光って、なぜだかすごくあたたかく感じないでしょうか?そんな静かなあたたかさがにじみ出ている一句です。

 

俳句仙人
この句は作者の絶筆の句として有名です。旅の途中で病に倒れた作者は、最後までこの句を「なほかけめぐる夢心」にするかどうか悩んでいたというエピソードが伝えられています。

 

俳句仙人
この句は作者が大学の試験勉強中に夜中になり、寝静まった街並みに寂しさを覚えているときに詠まれた句です。当時の暖房器具は炭を使うものが主流で、白くなってしまった炭を継ぎ足してまだ勉強を続けようとしています。

 

俳句仙人
母校の小学校に20年振りに訪れた昭和6年に詠まれたものです。たった20年ほどしか経っていないのに、明治、大正、昭和と年号が変わり、遠い昔のことのように感じています。

 

俳句仙人
湯豆腐をつつきながら立ち上る湯気に、人生の終わりを考えるという寂寥感を感じさせる句です。作者はこの句を詠んだ半年後に亡くなっているため、命の儚さを湯気に感じ取っていたのかもしれません。

 

さいごに

 

今回は、高校生の皆さんへ向けておすすめの俳句を紹介しました。

 

俳句は「春夏秋冬、それぞれの季節の良いところを表現してくれる」。これが俳句の良さだと思います。

 

そして、そんな俳句がたくさん詠まれているのも、豊かな四季の自然がある日本だからこそかもしれません。

 

俳句仙人

みんなは、どの季節が好きでしたか?苦手な季節はありますか?

好きな俳句が見つかることで、「苦手だな」と思っている季節のいいところを見つけるきっかけになるかもしれません。

リス先生
ぜひ、みんなもお気に入りの一句を見つけてみてね!

 

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