みなさん、夏休みに俳句の課題を出されて悩んでいませんか?
現代文の宿題は俳句
夏も冬も同じ俳句の宿題だけど
苦手なのに書けるわけないよね😂 pic.twitter.com/hcmoMe3yg7— ほ の か (@hk_mcz_46) January 3, 2018
俳句には「季語」を入れるルールがありますが、夏の季語を知らなければどう作り始めればいいかもわからないですよね…。
そこで今回は、「季語とは何なのか?」の説明からみなさんの身近にある夏の季語、さらに夏の季語を使った有名作品から中学生オリジナルの句までたくさん紹介していきます。
ぜひ参考にしてご自分の俳句にチャレンジしてみてください。
俳句に夏らしさを出す!夏の季語を知ろう
まずは「季語」とは何だろう?からご説明します。
俳句は季節感を感じる言葉遊びから始まったもので、”春夏秋冬”を表す言葉が大事なポイントになります。この季節を表す言葉を「季語」と呼びます。
ここに使いやすい夏の季語をご紹介しますが、旧暦が基準ですので今の季節とは少しズレていると感じるものもあるかもしれません。
(※旧暦の4、5、6月(新暦の5、6、7月)
中学生向け夏の季語
■気候・天文の季語■
初夏、立夏、夏至、暑さ、大暑、極暑、梅雨明け、炎天
■風景・地理の季語■
天の川、鯉のぼり、入道雲、虹、涼風、西日、夕立、夕焼け、夕凪、雷、風薫る、土用、夏の山、夏の海、夏の川、夏の月、夏の雨、夏の夕、夏の朝、夏の夜、泉
■生活行事や食べ物の季語■
夏服、汗、夏休み、夏の海、滝、海水浴、プール、登山、花火、扇風機、冷蔵庫、昼寝、風鈴、浴衣、うちわ、田植え、日焼け、ナイター、昆虫採集、サングラス、柏餅、アイスクリーム、タケノコ、さくらんぼ、キャンプ、ソーダ水、冷や素麺、苺、スイカ割り、梅干し、枝豆
■動物や生き物の季語■
蟻、鮎、うなぎ、カブトムシ、金魚、蝉、蛍、あまがえる、かたつむり
■植物や野菜の季語■
新緑、若葉、菖蒲、あやめ、紫陽花、ひまわり、瓜、ナス、トマト、夕顔、パイナップル
夏の季語を使った有名俳句集【15選】
ここからは、有名俳人が詠んだ夏の俳句(名句)を紹介していきます。
【NO.1】松尾芭蕉
『 夏草や つわものどもが 夢の中 』
季語:夏草(夏)
意味:この場所はその昔、武将たちがそれぞれの夢を見て戦った場所である。しかし今は深く夏草が生い茂っているだけだ。
【NO.2】松尾芭蕉
『 しずかさや 岩にしみ入る 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:森閑とした山の中、他は何も聞こえずあまりの静けさで蝉の声さえ岩にしみ入っていくような感じがすることだ。
【NO.3】松尾芭蕉
『 五月雨を 集めてはやし 最上川 』
季語:五月雨(さみだれ)(夏)
意味:五月雨を集めたかのように流れの早い最上川だ。
【NO.4】山口誓子
『 さじなめて 童たのしも 夏氷 』
季語:夏氷(夏)
意味:夏のかき氷を食べている子どもがさじをなめている様子が楽しそうなことだ。
【NO.5】小林一茶
『 ざぶざぶと 白壁洗ふ 若葉かな 』
季語:若葉(夏)
意味:若葉があふれる中で、冬に汚れた白壁を水をいっぱいかけてざぶざぶと洗っている。
【NO.6】正岡子規
『 紫陽花や きのふの誠 けふの嘘 』
季語:紫陽花(あじさい)(夏)
意味:昨日の真実も、今日には一転して嘘に変わってしまう人の気持ちは紫陽花の色のように移ろいやすい。
【NO.7】与謝蕪村
『 青梅に 眉あつめたる 美人かな 』
季語:青梅(夏)
意味:青梅を食べて酸っぱさに眉をひそめている女性の仕草の色っぽいことよ。
【NO.8】山口素堂
『 目には青葉 山ほととぎす 初がつを 』
季語:青葉・ほととぎす・初がつを(夏)
意味:初夏に嬉しいものは何と言っても青葉を見ること、ホトトギスの鳴き声を聞くこと、初鰹を食すことである。
【NO.9】加賀千代女(かがのちよじょ)
『 朝顔に つるべとられて もらひ水 』
季語:朝顔(秋)
意味:水を汲もうと井戸に行ったら朝顔のツルが釣瓶(水を汲み上げる桶)に巻き付いていました。切ってしまうのも可哀想なので近所に水を貰いに行きました。
【NO.10】加賀千代女
『 散れば咲き 散れば咲きして 百日紅 』
季語:百日紅(さるすべり)(夏)
意味:百日紅は散っては咲き、散っては咲きをよく続けている。
【NO.11】高浜虚子
『 白牡丹と いふといへども 紅ほのか 』
季語:牡丹(夏)
意味:白牡丹という名前だが、中心部は赤い色がほのかについている。
【NO.12】水原秋桜子
『 滝落ちて 群青世界 とどろけり 』
季語:滝(夏)
意味:滝の水が滝つぼに落ちて、木々と滝つぼの群青色の世界に音がとどろいた。
【NO.13】西東三鬼
『 算術の 少年しのび 泣けり夏 』
季語:夏(夏)
意味:算術の宿題をしている少年が、しのび泣いている夏だ。
【NO.14】日野草城
『 ところてん 煙のごとく 沈みをり 』
季語:ところてん(夏)
意味:器に盛られていくところてんが、まるで煙のようにゆったりと皿の底に沈んでいく。
【NO.15】大高翔
『 何もかも 散らかして発つ 夏の旅 』
季語:夏(夏)
意味:何もかも散らかして出発してしまおう、夏の旅に。
中学生が作った!オリジナル一般俳句集【15選】
ここまでは、夏の俳句の中でも特に有名な句を紹介してきました。
「こんなに上手に俳句を詠めるのかな?」「やっぱり俳句はむずかしいかも!」と思った方もいるのではないでしょうか?
しかし、不安にならなくても大丈夫です!俳句には色々な種類があり、さまざまな人が俳句を詠んで楽しんでいるんですよ♪
ここからは、一般の方が詠んだオリジナルの俳句集を紹介していきます。
【No.1】
『 かたつむり 紫陽花の葉で 雨宿り 』
季語:かたつむり・紫陽花(夏)
意味:かたつむりが紫陽花の葉の下で雨宿りをしている。
【No.2】
『 星空に パッと咲いたよ 夏の華 』
季語:夏(夏)
意味:夏の星空に(花火が)華のようにパッと咲いたように見えた。
【No.3】
『 熱帯夜 クーラーなしには 眠れない 』
季語:クーラー(夏)
意味:暑い熱帯夜はクーラーをかけないと眠ることはできない。
【No.4】
『 夏祭り 憧れのきみ 探す夜 』
季語:夏祭り(夏)
意味:夏祭りの夜、憧れのあの人が来ていないか探した。
【No.5】
『 通学中 うちわとタオル 欲しくなる 』
季語:うちわ(夏)
意味:暑い日の通学中は汗が止まらずうちわとタオルが欲しくなる。
【No.6】
『 新緑で 私のこころ 落ち着くよ 』
季語:新緑(夏)
意味:初夏の新緑を見ているとざわついた私の心が落ち着いてくる。
【No.7】
『 衣がえ 半袖だけじゃ まだ寒い 』
季語:衣がえ(夏)
意味:衣替えが開始しても半袖だけではまだ寒さを感じる。
【No.8】
『 球を追う 夕暮れ時が 長くなる 』
季語:夕暮れ(夏)
意味:夕方にボールが見えなくなる時間が遅くなった。
【No.9】
『 五月雨で 部活が休み 何しよか 』
季語:五月雨(夏)
意味:雨が続いて部活が休みだよ。何して過ごそうか。
【No.10】
『 一番は 俺だ俺だと セミの声 』
季語:セミ(夏)
意味:一番の大声は俺だとセミが鳴き競っている。
【No.11】
『 風鈴や 昼の日射しと 眠る君 』
季語:風鈴(夏)
意味:風鈴が鳴っているなぁ。昼の日射しの下で君が眠っている。
【No.12】
『 夏の風 電柱の影 ひといきす 』
季語:夏の風(季語)
意味:夏の風が吹いてきた。電柱の影に隠れて日射しを遮って一息つこう。
【No.13】
『 涼風や 自転車みちの 鼻唄と 』
季語:涼風(夏)
意味:涼しい風が吹いているなぁ。自転車用の道を鼻歌交じりに走っていく。
【No.14】
『 熱帯夜 天気予報は 繰り返し 』
季語:熱帯夜(夏)
意味:今夜も熱帯夜ですと天気予報はずっと繰り返している。
【No.15】
『 眼裏に 夢の続きの 蛍の火 』
季語:蛍(夏)
意味:目の中に夢の続きのような蛍の光が見えるようだ。
以上、中学生向け夏の季語を使ったおすすめ俳句集でした!
意外だったかもしれませんが、季語はみんなの身近にあるものがそのまま使えるのです。クーラーやうちわを使ったことがない人はいないでしょうし、アイスクリーム、かき氷も食べるでしょう。