【大暑・立夏・夏至・小満・小暑・芒種を使った俳句】有名句&おすすめ俳句作品を紹介!

 

みなさん突然ですが、夏という季節の中にもいくつかの分類があることをご存知でしょうか?

 

じつは二十四節気という分類では、一口に夏と言っても立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑と分かれているのです。

 

学校でこれらの言葉を使って俳句を詠んだり手紙を書いたりする宿題が出て、苦労された方も多いのではないでしょうか?

 

今回はそんな悩みの参考になるように、立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑を使った俳句作品集をご紹介していきます!

 

リス先生
それでは、さっそく見ていこう!

 

立夏を使った俳句作品集【5選】

 

 立夏は55日頃にあたり、この日から夏が始まるとされ、活気に満ちた季節の始まりです。

 

『 しまうまが シャツ着て跳ねて 夏来る 』

意味:しまうまがまるで白黒のシャツを着て跳ねているように見えました。まさに今夏が来たのだという感覚を覚えました。

俳句仙人
なんとも楽しい句じゃ。これから夏が始まるという明るさ、威勢の良さが感じられるのう。

 

『 おそるべき 君等の乳房 夏来る 』

意味:皆薄着になるこの季節。女性達の乳房が透けて見え、恐ろしさを覚えました。

俳句仙人
日こちらも言わずと知れた名句じゃ。恐ろしいと感じた点が新鮮じゃのう。その生命力やエネルギーに驚いたのじゃろう。

 

『 毒消し飲むや わが詩多産の 夏来る 』

意味:体調が悪くて毒消しを飲んでいる今日。しかし詩をたくさん書ける夏が来た、という喜びも感じています。

俳句仙人
毒消しも夏の訪れも、言葉を生み出すぞというエネルギーを彷彿させるのう。

 

『 叡王の 桂馬の跳ねる 立夏かな 』

意味:叡王という将棋の対戦で、桂馬をさしている場面です。勢いのある一手に、立夏の熱を感じました。

俳句仙人
叡王は将棋の新しいタイトルのことじゃ。駒なのに本当に馬が跳ねているような、フレッシュさがあるのう。

 

『 風はらむ 応援団旗 夏来る 』

意味:応援団の旗が風を受けて大きくなびいています。まさしく夏が来たのだ、という感慨がありました。

俳句仙人
応援団旗の質量感、景色の大きさが夏の到来を感じさせるのう。

 

小満を使った俳句作品集【5選】

 

 小満は521日頃にあたり、万物しだいに長じて満つるという意味。つまり植物も動物も皆が成長し輝く季節です。立夏に比べると詠まれる頻度は少ないかもしれません。

 

『 小満や 一升瓶に 赤まむし 』

意味:焼酎漬けになった蝮を見て、これから満ちていく季節、強さを感じました。

俳句仙人
蝮を焼酎漬けにした蝮酒を飲むと長生きができるのだとか…。まるまる漬けられた蝮、その生命感が伝わってくるのう。

 

『 小満や どの田も水を 湛へをり 』

意味:一面の田んぼに水が張ってある、日本の原始風景に小満の頃の光を感じました。

俳句仙人
この頃特有の満ち満ちていく様子、これから穀物が育っていく様子が目に浮かんでくるのう。

 

『 小満の みるみる涙 湧く子かな 』

意味:子供の目から涙が絶えず溢れています。作物が育つのと、どこか通ずるものを感じました。

俳句仙人
成長するのは身体だけでなくて、子供の感情もかもしれませんのう。切れ目なく泣くことができるのも、生きている証である気がするぞぉ。

 

『 小満の 風を青しと 遊びけり 』

意味:小満の頃の風のなかを歩いていると、まさに青いという感覚になりました。

俳句仙人
この頃の風は活気があって、青という色彩がよく合っておるのう。

 

『 足早に 小満の風 頬撫でる 』

意味:小満のこの季節、気持ちの良い風がさっと頬の横を通っていきました。

俳句仙人
風が頬を通過していく、この季節ならではの爽快感がある素晴らしい句じゃ。

 

芒種を使った俳句作品集【5選】

 

 芒種は65日頃にあたり、稲や麦など穂の出る植物の種を蒔く時期です。田植えも始まり、だんだんと梅雨がちになってきます。

 

『 ささやくは 芒種の庭の 番鳩 』

意味:庭に来ている番の鳩の鳴き声が、まるで何かをささやいているように聞こえました。

俳句仙人
他に騒音など聞こえないような田園風景が思い浮かんでくるのう。ささやくという把握が面白いぞぉ。

 

『 芒種なり 水盤に粟 蒔くとせむ 』

意味:いよいよこの季節になったので種を蒔くぞ、取り掛かるぞという決心を詠んでいます。

俳句仙人
水盤の水の光に明るさも見える、きらきらとした句じゃ。

 

『 朝粥や 芒種の雨が みづうみに 』

意味:作者が朝粥を食べている間のこと。雨は湖に降り注いで湖の一部となっている、という感覚を覚えました。

俳句仙人
実際に見ているわけではないのかもしれんが、言われてみれば確かにそうかもしれんのう。

 

『 島言葉 絶えて久しき 芒種なり 』

意味:島の昔の言葉はもう使う人もいなくなってしまいました。しかし穀物は今年も育ち、豊かな大地を育んでいます。

俳句仙人
沖縄など南の方の島言葉じゃろうか。昔からの言葉が薄れていく物悲しさと、芒種の豊かな季節感が相まっておるのう。

 

夏至を使った俳句作品集【5選】

 

 夏至は621日頃にあたり、北半球では一年で最も昼間が長い季節です。

 

『 夏至ゆうべ 地軸の軋む 音少し 』

意味:今日は夏至。地球の地軸がわずかに動き、軋んでいるのではないか、というように想像しました。

俳句仙人
もちろん実際に音は聞こえないはずじゃが、そのような想像をしたということじゃ。夏至だからこその繊細な違いを感じたのじゃ。

 

『 夏至の夜の 港に 白き船数ふ 』

意味:夏至の夜に港の船が白んで見え、一つ一つ数えている自分。美しい景色だと感じました。

俳句仙人
昼間が長いということは、日が沈むのも遅いということじゃ。夏至ならではの風景じゃなぁ。

 

『 地下鉄に かすかな峠 ありて夏至 』

意味:昼の長さが少しずつ峠を登るように、地下鉄にも緩やかな傾斜があることに気づき、面白く思いました。

俳句仙人
実際の景色と季節の特異性を取り合わせるとで、ユニークな句になっておるのう。

 

『 夏至らしき 風情捜しの 畑かな 』

意味:夏至の畑には花や葉など、生命感を感じさせるいろいろなものがあります。それらを探しにいくだけでも楽しいのです。

俳句仙人
夏至のエネルギーを感じさせる、生命感溢れる畑の様子が見えてくるのう。

 

『 染まる空 夕餉の支度 夏至の月 』

意味:空が夕焼けに染まっていき、自分はいつもの夕食の準備。夏至の月が日常を照らしてくれました。

俳句仙人
日常の一コマを詠んおるぞぉ。素晴らしい句じゃ。

 

小暑を使った俳句作品集【5選】

 

 小暑は77日ごろにあたり、梅雨が明けて本格的に夏に向かっていきます。

 

『 塩壺の 白きを磨く 小暑かな 』

意味:塩壺の内部を一生懸命に磨いています。外は小暑の季節、強い日差しを感じます。

俳句仙人
白という色彩が、これからかっと暑くなる様子を際立たせておるのう。

 

『 部屋ぬちへ 小暑の風の 蝶ふたたび 』

意味:部屋の中へまた蝶が揺られて入ってきました。小暑の風を伴いながら、しっかりと生きている様子に感動しました。

俳句仙人
小さな蝶の命に暑さを感じたという点が新しいぞぉ。

 

『 一本の 細書キを購ふ 小暑かな 』

意味:細筆を一本買いました。暑さに負けず、これから机に向かいます。

俳句仙人
筆を買うというだけのことじゃが、その筆で書くのだ、という日常の中の決意が見えてくるのう。

 

『 小暑を 経大暑を経たる 老二人 』

意味:老人二人にはきつい暑さですが、小暑も大暑もなんとかしのぐことができました。

俳句仙人
いつまでも元気でいそうな、老いを感じさせない活力を感じる句じゃ。

 

『 漢方を 煎じて越える 小暑かな 』

意味:うだるような今年の暑さ。漢方を飲んでこの暑さを耐えしのごうとしています。

俳句仙人
暑さを持って暑さを制するよう。いかに乗り越え難い暑さであるかが伝わってくるのう。

 

大暑を使った俳句作品集【5選】

 

 大夏は723日ごろ、最も暑い真夏の季節です。

 

『 念力のゆるめば死ぬる 大暑かな 』

意味:今年の暑さも耐え難いもので、念力が少しでも緩んでしまえば死んでしまいそうな暑さです。

俳句仙人
少しも油断できない暑さを、念力という滑稽な言葉で表しておるぞぉ。

 

『 兎も 片耳垂るる 大暑かな 』

意味:兎も片耳を垂れてしまうような、うだるような暑さです。

俳句仙人
暑さを感じるのは人間だけでなく動物も同じじゃ。観察眼が光っておるのう。

 

『 まのあたり 牛の貌ある 大暑かな 』

意味:ふっと顔を上げた時に牛の顔が目の前にありました。その勢いから暑さを感じました。

俳句仙人
実際に牛を飼っているのじゃろうか。農村部の大暑を感じさせてくる一句じゃ。

 

『 胎の子が 逆さにねむり 大暑なる 』

意味:外は大暑、しかしお腹の中にいる赤ちゃんはそうとは知らず静かに眠っています。

俳句仙人
静と動との対比が際立っている句じゃ。

 

『 大暑来る キャスターの声 熱気帯び 』

意味:いよいよ大暑の季節になりました。心なしか、キャスターの声も熱を帯びているように思います。

俳句仙人
テレビのキャスターも暑さに負けじと声を張っているのじゃろうか。無機質なところに季節感を認めた面白さがあるのう。

 

 

以上、立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑を使った俳句作品集でした!

 

俳句仙人
今回は夏を二十四節気でさらに分類した季節について、詳しく説明してきたぞぉ。

リス先生
少しでもみんなの俳句作りの参考になれば幸いだ!