夏といえば、蝉(せみ)。
ミンミン・じーじー・カナカナカナなどの様々な鳴き声とともに、子供達の夏休み、暑い夏の太陽、夏の夕暮れ等がイメージできるかと思います。
蝉の種類は、アブラゼミ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ(カナカナカナと鳴きます)、ツクツクボウシ、クマゼミ(ワシャワシャワシャと鳴きます)等たくさんあります。
蝉の種類や鳴き声をイメージして俳句を読んでみても楽しいかもしれません。
彼岸過ぎ…あぁ逝きそびれの…セミが鳴く#ちろ川柳#川柳#俳句#ちろ俳句 pic.twitter.com/zbvWioW5Y4
— Bowziee (@tdf1986) September 29, 2015
今回、俳句作りの参考になる蝉の俳句(俳人名句+一般俳句)を40句紹介していきます。
蝉(せみ)の季語を使った有名俳句【20選】
【NO.1】松尾芭蕉
『 閑さや 岩にしみ入る 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:あたりはなんと静かなのだろうか。まるで蝉の鳴き声が岩にしみこんでいくようだ。
【NO.2】松尾芭蕉
『 やがて死ぬ けしきは見えず 蝉の聲(こえ) 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:もうすぐ死んでしまうのに、そんな様子も見せずに精一杯声をあげて鳴いているな。
【NO.3】高浜虚子
『 秋蝉も 鳴き蓑虫も 泣くのみぞ 』
季語:秋蝉(秋)
現代語訳:秋蝉も蓑虫も泣きたいだけ思う存分なけばよいのだ。
【NO.4】松尾芭蕉
『 撞鐘(つきがね)も 響くようなり 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:まるで釣り鐘が響いているようにあたり一面蝉の鳴き声がしている。
【NO.5】室生犀星
『 ふるさとや 松の苔づく 蝉のこゑ 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:苔むした松の古木から蝉の声が聞こえてくると、故郷が懐かしく思える。
【NO.6】与謝蕪村
『 半日の 閑を榎や せみの声 』
季語:せみ(夏)
現代語訳:半日のんびりしていたら、榎の木から蝉の声がきこえてきた。
【NO.7】与謝蕪村
『 蝉鳴や行く人絶ゆる橋ばしら 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:橋には通る人もいなくなくなり、蝉だけが橋ばしらで鳴いている。
【NO.8】小林一茶
『 蝉なくや つくづく赤い 風車 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:蝉が盛んに鳴いている中、むなしく回っている風車のなんと赤いことであろう。
【NO.9】正岡子規
『 ぬけがらの 君うつせみの うつつなや 』
季語:うつせみ(夏)
現代語訳:セミの抜け殻をみると、この世の現実はなんとはかないのであろう。
【NO.10】星野立子
『 捕らわれし 蝉の鳴声 突然に 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:子供たちに捕まってしまったのだろうか、突然に蝉の鳴き声がきこえだした。
【NO.11】中村草田男
『 山頂の 丘や上なき 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:それ以上の上がない山頂で蝉が鳴いているよ。
【NO.12】中村汀女
『 おいて来し 子ほどに遠き 蝉のあり 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:遠くに聞こえる蝉の鳴き声が頼りなく、家に置いてきた我が子が気にかかる。
【NO.13】山口青邨(やまぐちせいそん)
『 この森の 蝉取の子に 木は高く 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:蝉を取りに来た子供たちにはこの森の木は高くて難しいであろう。
【NO.14】山口誓子
『 あかつきの蝉と聞きつつまた眠る 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:夏の明け方に蝉の声がきこえてきたが、また眠ってしまった。
【NO.15】水原秋桜子(みずはらしゅうおうし)
『 みんみん蝉 立秋吟じ いでにけり 』
季語:立秋(秋)
現代語訳:ミンミンゼミが秋の訪れである立秋をうたいに出てきたな。
【NO.16】西東三鬼
『 岩に爪 たてて空蝉 泥まみれ 』
季語:空蝉(夏)
現代語訳:岩に爪を立てたままのセミの抜け殻が泥まみれになっている。
【NO.17】加藤楸邨
『 蝉しぐれ 中に鳴きやむ ひとつかな 』
季語:蝉しぐれ(夏)
現代語訳:セミがたくさん鳴いている中で、一匹が鳴き止んだことだなぁ。
【NO.18】正岡子規
『 名も知らぬ 大木多し 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:名前も知らない大木が多い蝉の声が響く場所だ。
【NO.19】中村汀女
『 暁の その始りの 蝉一つ 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:夜明けが来る、その始まりの蝉の声が1つ高らかに響く。
【NO.20】阿部みどり女
『 蝉鳴くや 暑く掴める ポンプの柄 』
季語:蝉(夏)
現代語訳:セミが鳴いているなぁ。掴んだポンプの柄がとても暑く感じる。
小学生向け!!蝉(せみ)の季語を使った一般俳句【20選】
【NO.1】
『 夏のせみかなしい声がまじってる 』
季語:夏のせみ(夏)
【NO.2】
『 めざましの おとよりはやく せみのこえ 』
季語:せみ(夏)
【NO.3】
『 せみの声 夜までつづく 大合唱 』
季語:せみ(夏)
【NO.4】
『 おとうとが なきわめいてる あぶらぜみ 』
季語:あぶらぜみ(夏)
【NO.5】
『 風に乗る せみの声また 近くなる 』
季語:せみ(夏)
【NO.6】
『 空蝉(うつせみ)を 求めて歩く 子供たち 』
季語:空蝉(夏)
【NO.7】
『 いもうとと せみのがっしょう ききにいく 』
季語:せみ(夏)
【NO.8】
『 蝉の声 風と一緒に 部屋の中 』
季語:蝉(夏)
【NO.9】
『 カナカナの 蝉の声聞く 日暮れかな 』
季語:カナカナ(秋)
【NO.10】
『 電柱や ビルの壁にも 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
【NO.11】
『 蝉の声 野球中継 盛り上げる 』
季語:蝉(夏)
【NO.12】
『 とばっちり 姉弟喧嘩に 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
【NO.13】
『 広島は あの日も蝉の うるそうて 』
季語:蝉(夏)
【NO.14】
『 悩むより 今日を生きよと 蝉鳴けり 』
季語:蝉(夏)
【NO.15】
『 山小屋の 蝉とりの 網懐かしき 』
季語:蝉(夏)
【NO.16】
『 空仰ぐ かたちのままに 蝉の殻 』
季語:蝉の殻(夏)
【NO.17】
『 蝉鳴いて 夏の日差しに なりにけり 』
季語:蝉(夏)
【NO.18】
『 八月や あれよあれよと 蝉が鳴く 』
季語:蝉(夏)
【NO.19】
『 法師蝉 午後の授業は うわの空 』
季語:法師蝉(秋)
【NO.20】
『 お別れの 鳴き声かすか 秋の蝉 』
季語:秋の蝉(秋)
以上、蝉(せみ)のおすすめ俳句40選でした!
さいごに
蝉といえば「夏の代名詞」ともいえる存在です。
有名俳句は少し言葉が難しく感じるかもしれませんが、内容を理解しながら鑑賞することで、昔の俳人達の気持ちが少しずつ感じられるようになってきます。
一般の方の俳句のように柔らかな表現で年齢に関係なく、感じたことを楽しく五七五に表現してみてください。
最後まで読んでくれてありがとう!ぜひみんなも一句詠んでみてね!