【子供がテーマの俳句 20選】知っておきたい!!おすすめ有名俳句を紹介!

 

日常のちょっとした出来事やその時に感じたこと、季節の風景など、俳句にはさまざまなテーマがあります。

 

どの時代にも、子供や赤ちゃんをテーマとする俳句が数多く詠まれています。

 

子供の笑顔や泣き顔、成長を感じたときに生まれた物語は、俳句という一つの形を通して、語り継がれています。

 

今回は、子供をテーマにしたおすすめの有名俳句をご紹介いたします。

 

リス先生
お気に入りの俳句を見つけてみてね!

 

子供がテーマの有名俳句【前半10選】

 

俳人ごとに並べてみましたので、参考にしてみてください。

 

【NO.1】小林一茶

『 鳴く猫に 赤ん目をして 手まりかな 』

現代語訳:猫が女の子が遊ぶ手鞠にじゃれついて、遊んでほしいと鳴いてきた。女の子は猫に「アッカンベー」をして、鞠つきをしているよ

俳句仙人
猫と鞠をつく女の子の一場面が、まるで絵画のように描かれています。鞠にじゃれついてきた猫に「アッカンベー」をする女の子。「アッカンベー」は今も江戸時代も変りなく使われていたようですね。

 

【NO.2】小林一茶

『 寝せつけし 子の洗濯や 夏の月 』

現代語訳:子供が寝静まった夏の晩。洗濯物を干そうと外に目をやると、あぁ、今夜は月がきれいだなぁ

俳句仙人
子供を寝かしつけたあとの洗濯。子供の成長を感じ、生きていることの実感を噛みしめているように感じられる一句です。「夏の月」がすべてを物語っているほのぼのとした余韻が特徴です。

 

【NO.3】小林一茶

『 名月を とってくれろと 泣く子かな 』

現代語訳:背中に背負われた幼な子が、煌々と輝く満月を指し「お月様を取ってくれ」とねだっているよ

俳句仙人
幼子が月に向かって手を伸ばしている姿がめにうかぶような一句です。現代とは異なり江戸時代の空気は澄み渡り、冴えわたる空には、手が届きそうな程身近かに月が見えたのかもしれませんね。

 

【NO.4】小林一茶

『 雪とけて 村いっぱいの 子どもかな 』

現代語訳:長い長い冬がようやく終わり、待ちかねていた春の到来。村の方々から子供たちが出てきて遊びまわっていることよ

俳句仙人
降り積もった雪が解けはじめ、春の気配を感じます。冬の間は外で遊ぶこともできず、家の中でじっとしていた子供たちが家の中から飛び出し、走り回っている姿が想像できます。村中に活気に満ちてくる様子を読み取ることができます。

 

【NO.5】小林一茶

『 あこが手に 書て貰ふや 星の歌 』

現代語訳:吾が子の手に、星の歌を書いてもらったよ

俳句仙人
吾が子の小さな手に描かれた「星の歌」に想像が膨らみ、ほのぼのと心温まる一句です。

 

【NO.6】中村汀女

『 咳の子の なぞなぞあそび きりもなや 』

現代語訳:風邪を引いた子供の看病でなぞなぞ遊びの相手をしているが、なかなか放してくれないよ

俳句仙人
寝こむほどではありませんが、風邪を引き、外に出してもらえない子供は、時間をもてあましています。母親となぞなぞ遊びで気を紛らわしていますが、子供はいつまでも母を放し ません。母は少し困っています。少し困りながらも、子供を愛おしく思い、相手を続ける母親の愛情が溢れている一句です。

 

【NO.7】中村汀女

『 咳をする 母を見上げて ゐる子かな 』

現代語訳:咳をする母親のことを心配そうに見上げている子供がいるよ

俳句仙人
咳をしている母親を見上げている子供。何もできない自分は心配して、ただただ、お母さんのことを見上げているしかない。この句には、そんな無力ながらも自分のことを心配そうに見上げる子供を愛しげに見つめる母親の暖かい眼差しがうかがえます。

 

【NO.8】中村汀女

『 引いてやる 子の手のぬくき 朧かな 』

現代語訳:繋いでいる子の手が温く感じられる。空を見上げると、今夜は朧月の夜だなぁ

俳句仙人
幼子の手を引く母の行為によって、情愛でつながる母子を表現しています。そんな二人を朧月が優しく包み込んでいるイメージの一句です。

 

【NO.9】中村汀女

『 あはれ子の 夜寒の床の 引けば寄る 』

現代語訳:晩秋の夜、寒さを感じ、子供の眠っている様子を見ると、いかにも寒そうだ。布団を自分の方に引くと、すっと寄ってきたよ

俳句仙人
寒い季節、我が子が寒くはないかと心配した母親が子の布団を自分の方に引き寄せるという母性溢れる一句です。

 

【NO.10】中村汀女

『 手渡しに 子の手こぼるる 雛あられ 』

現代語訳:子供の手のひらに雛あられを乗せたところ、手があまりにも小さく、雛あられがこぼれてしまったよ

俳句仙人
雛祭りの季節、雛あられをせがむ子供の姿が描かれています。愛らしい子供の小さな手のひらが思い浮かぶ一句です。

 

子供がテーマの有名俳句【後半10選】

 

【NO.11】中村草田男

『 緑力の 中や吾子の歯 生え初むる 』

現代語訳:万緑鮮やかな夏のある日、抱き上げた我が子の口の中に、白い歯が生えているのをみつけたよ

俳句仙人
生え始めたばかりの白い歯を見せ、けらけらと笑っている赤ちゃん。それをながめて微笑むお母さんとお父さんの姿が目に浮かびます。みなぎるような生命力を感じさせる「緑力」という言葉が一層この句を引き立てています。

 

【NO.12】中村草田男

『 赤んぼの 五指がつかみし セルの肩 』

現代語訳: 赤ん坊の小さな手がセルを着る自分の肩をしっかりとつかんでいることよ

俳句仙人
背負っている赤ん坊が、小さな手でしっかりと自分の肩にしがみついていることを感じ、子を愛おしく思う気持ちが表現されています。

 

【NO.13】中村草田男

『 馬多き 渋谷の師走 吾子と佇つ 』

現代語訳:師走に子供と一緒に訪れた渋谷は、いつもよりも馬の往来が多いな

俳句仙人
年の瀬に、子供と渋谷の街を訪れたと思われる一句です。普段よりも心持ち馬の往来が多く、子供と二人で行きかう馬の姿を見送っている姿を想像することができます。

 

【NO.14】中村草田男

『 童話書く セルの父をば よぢのぼる 』

現代語訳:童話を書く父親の背中によじ登ってくる子供がいる。

俳句仙人
子供の傍らで童話を書く父親。子供はお構いなしに、その背中をよじ登ってきます。そんな父親と子供のほほえましい日常の一コマが見事に表現された一句であるといえます。

 

【NO.15】中村草田男

『 朧三日月 吾子の夜髪ぞ 潤へる 』

現代語訳: 朧三日月の夜、我が子の髪の毛が艶やかに潤っている

俳句仙人
字余りの句です。ぼんやりとやわらかい光を放つ三日月の夜、我が子の髪の毛が艶やかであることを愛情とともに詠んでいます。朧月に、優しさや、やんわりとした艶を滲ませています。

 

【NO.16】斉藤三樹雄

『 赤ん坊に 太陽が来る 髭が来る 』

現代語訳:赤ん坊に太陽が来る、そして父親となる

俳句仙人
太陽を生命を育むものの象徴として赤ん坊の輝かしい未来を表現しています。同時に、成長すれば、その赤ん坊もいずれは髭を生やした父親になります。「髭」という言葉でより未来を具体的に表しているのではないでしょうか。

 

【NO.17】山西雅子

『 子の冬や 吸切啜の喉 波打てる 』

現代語訳: 寒い冬、乳首に吸い付き、ごくごくと喉を波打たせながら母乳を飲む我が子

俳句仙人
赤ん坊が母乳をごくごくと飲んでいる様子を、喉の動きに着目して詠んでいます。小さいながら、その喉の波立ちは力強く、生命力に溢れています。生命の輝きを表現した一句ではないでしょうか。

 

【NO.18】中林明美

『 小春日の 鐘撞堂から 赤ん坊 』

現代語訳:小春日和のある日、鐘撞堂を訪れると、中から赤ん坊が出てきたよ

俳句仙人
鐘撞堂から赤ん坊が出て来た日常の風景を描いています。特別な修飾や技法はなく、ありのままを詠んでいますが、まるで鐘の音から赤ん坊が生み出されるような、不思議な情景を思い描かせる幻想的な一句です。

 

【NO.19】橋本幹夫

『 羽子板の うらに長女の 名前書く 』

現代語訳:初めて生まれた女の子。羽子板を買ってあげたので、裏にその名前を書いたよ

俳句仙人
羽子板は、正月に女の子達が遊ぶ道具です。我が子のために、お店に並ぶたくさんの羽子板の中から選んだ一枚。句では「裏に名前を書いた」としか言っていませんが、初めての女の子を持った喜びが伝わってきますね。

 

【NO.20】黒澤麻生子

『 ひとの子の 思わぬ重さ 春満月 』

現代語訳:自分の子ではないけれど、抱っこをしてみたら、意外と重たかった。あぁ、今日は満月だなぁ

俳句仙人
自分の子を抱くことはなかった筆者。他人の子を抱き上げたときに、意外と重さがあることを知り、命の重さを実感したのではないでしょうか。ふと、空を見上げると、丸々と太った満月が自分とその子供を包み込んでいる…なんとなく、満月が自分をなぐさめてくれる、そんな気分になったのかもしれませんね。

 

以上、子供がテーマの俳句でした!

 

母が子を、子が母を想う気持ちは、いつの時代も、誰にでもある普遍的なものです。

 

今回は、江戸時代の作品から現代の作品まで、子供をテーマとする俳句を厳選して紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

俳句仙人
ほっこりする句やちょっと切なくなる句などがありますが、楽しんでいただけたら幸いです。