俳句を作ったことがない方も、ペット飲料のラベルに書かれた俳句に共感したり、TV番組でタレントさんの俳句づくりを見ているとなかなか興味深くて自分でも作ってみたくなりますよね。
冬の季語を使った俳句の授業があったそうで、ノート見てみて!と言うので私もこっそり作ってみたw
静電気の句は意味分からなかったって言われた😥 会計あるあるだよね?乾燥する季節になるとレジの人に謝りまくる私⚡️⚡️ pic.twitter.com/jMGFTElUOL— きょこ炭酸 (@kyocotan3) December 15, 2018
俳句には二つの基本ルールがあり、そこを押さえておけば意外と簡単に作れます。
そこで今回は、冬にちなんだ季語を使った俳句の簡単な作り方とコツについてご紹介します。
目次
俳句とは?基本的なルールを知ろう!
俳句は五・七・五の言葉のリズムの中に、季節を表す言葉の「季語」を入れて作る定型詩です。
基本ルールは ①「五・七・五、あわせて十七音で作る」 ②「季語を使う」。この2つです。
松尾芭蕉の作った次の作品から、簡単に説明していきますね。
まずは俳句の内容からみていきましょう。
【作者】松尾芭蕉
『 いざ行かん 雪見にころぶ 所まで 』
季語:雪見(ゆきみ)
意味:さあ雪見にいくぞ。すべってころぶかもしれないが。
上記の俳句は、雪景色と宴を楽しみに早く出かけたいという気持ちが伝わってくるような気がします。
①五・七・五、あわせて十七音で作る
この句を例にとって、①「五・七・五、あわせて十七音で作る」を確認してみると・・・
い・ざ・い・か・ん(五)
ゆ・き・み・に・こ・ろ・ぶ(七)
と・こ・ろ・ま・で(五)
このように十七音は字数ではなく、音で数えます。五・七・五のリズムは百人一首をはじめとして古くから日本人が親しんできた言葉のリズムです。
(※あえて言葉を強調したり、意味を含ませるために、五・八・五などになっている句を字余りの句といいます)
②季語を使う
季語とは、季節を感じさせる言葉のことです。
季語を使わずに作る「無季俳句」もありますが、考え方によっては十七音という限られた言葉の中に季語があるからこそ「ああこの風景、なんだかわかる」という共感を得られます。
上の芭蕉の句では季語の「雪見」から、おそらく堆く積もった雪の風景や、美しい雪景色が鑑賞する人の脳裏に浮かんでくるでしょう。
十七音の中に詳しい説明を加えることができない分、季語はそのシーンのなかで作者が何をいいたかったのか、想像力を働かせるカギにもなってくれるのです。
簡単!!冬の季語や季語を使った俳句の作り方&コツ
それでは早速、冬の季語を用いた俳句の作り方やコツについて解説していきます。
①まずは冬の季語を選ぼう!
まずは、俳句に入れる秋の季語を選びましょう。
秋の俳句には以下ののようにたくさんありますので、お好きなものを選びましょう。
冬の季語【一覧】
「冬」「神無月」「霜月」「十二月」「一月」「冬至」「冬日和」「春近し」「冬の朝」「短日」「冷たし」「木枯らし」「初時雨」「小春」「冬の月」「オリオン」「冬の星」「北風」「すきま風」「冬の空」「冬北斗」「冬景色」「冬木立」「冬の海」「冬の山」「山眠る」「氷」「雪」「初雪」「吹雪」「霰」「樹氷」「ダイヤモンドダスト」「雪だるま」「雪合戦」「氷柱」「七五三」「勤労感謝の日」「クリスマス」「日記買う」「節分」「スキー」「アイスホッケー」「ラグビー」「コート」「マフラー」「セーター」「こたつ」「ストーブ」「河豚」「ずわい蟹」「まながつお」「牡蠣」「まぐろ」「大根」「人参」「葱」「ブロッコリー」「かぶ」「セロリ」「蜜柑」「冬林檎」「雑炊」「すき焼き」「鍋焼き」「湯豆腐」「おでん」「やきいも」「たいやき」「枯木」「菊」「カトレア」「ポインセチア」「クリスマスローズ」「水仙」「冬椿」「葉牡丹」「侘助」「山茶花」「帰り花」「枯野」「風邪」「インフルエンザ」「マスク」「息白し」「うさぎ」「こたつ猫」「白鳥」「鶴」「鷹」「きつね」「オオカミ」 など。
②「場面」や「気持ち」を切り取ってみよう!
好きな季語がみつかったら、さっそく一句作ってみたくなりますよね。
でも実際にどのような内容で、何を材料に組み立てたらいいのか迷ってしまうと思います。
最初は良いものを作ろうと気負わずに、リラックスした気持ちで、季節の空気感や目に映っている風景、聞こえてくる音や声、心に感じていることなどをあまり深く考えずにいろいろと観察してみましょう。
俳句の材料は日常の身近な出来事からたくさんキャッチすることが出来ます。ぜひ五感をフルに活用してみてください。
簡単な例をあげてみます。よかったらヒントにしてみてくださいね。
【身近な自然】
- お天気のこと
- 散歩道に咲いていた花、ベランダで咲いた花
- 風の音、小鳥のさえずり
【日常的な出来事やイベント】
- 休暇中に行った旅行の思い出
- 通勤、通学途中で見かけた風景
- 季節ならではのメニューや食材、果物やお菓子
【趣味、お気に入りの場所、人】
- ドライブ、釣、ゴルフ、テニス
- かわいいペット
- カフェ、図書館、コンサート、映画
- 大好きな友達、大切な家族
誰もが身を置くようなひとコマばかりなので、平凡に感じられますが、このように日常のどこにでもあることこそ、きらりと光る立派な俳句の材料なのです。
場面の材料を集めたら、先ほど好きだなあと思った季語を思い浮かべてみます。季語は変えてみてもいいですし、ここでは伝えたい気持ちとぴったりする季語と場面の材料を揃えてみてください。
そしてひととおり揃ったら、あまり深く考えずに、手紙や日記を書くつもりで材料を使って一つの文章を作ってみます。
③五・七・五の形にあてはめて読む
五・七・五のリズムに俳句が揃ったら、次は必ず音読してみましょう。
リズムに違和感がないか、読みにくいところがないかなどをチェックし、もしなにか違和感が残ったらひとつの言葉にこだわらず、同じ意味を持つ他の言葉を探して入れ替えてみましょう。
また、上の句(あたまの五句)と下の句(最後の五句)をいれかえて読んでみるのもよい確認になります。
そして最後に、季語が織り込まれているか、わかりやすくて気持ちがよく伝わるのか、もう一度確認してみましょう。
【番外編】切れ字を活用してみよう!
昔の俳句には切れ字十八字といって、言葉の切れ目に「かな・もがな・し・じ・や・らん・か・けり・よ・ぞ・つ・せ・ず・れ・ぬ・へ・け・いかに」を入れて、強調や余韻を表す手法もあります。
現在では「かな」「や」「けり」の3つのみ使われています。
例)山茶花を 雀のこぼす 日和かな (正岡子規)
季語・山茶花
※ふっくら咲いた山茶花のまわりに雀が飛び交うので花びらが散っているよ。それにしても良いお天気だなあ。
○「かな」は感動、感嘆の表現です。「~だなあ」という感じです。感動の気持ちをこれでまとめます。
例)寒月や 門無き寺の 天高し (与謝蕪村)
季語・寒月
※光が冷たく冴えた冬の月が出ている。門のないお寺の上には、澄みきった空がひろがっています。
○「や」は感嘆や呼びかけの表現です。直前の言葉の強調と、句のリズムを格調高く感じさせます。
例)草枯れて 狐の飛脚 通りけり (小林一茶)
季語・草枯または狐
冬になって草がすっかり枯れてしまったので、そこを狐がまるで飛脚のように走って通り抜けていった。
○「けり」は言い切りの表現です。「たしかに~だった」という意味です。句の最後で使います。
切れ字は俳句に「切れ」を出し、句のリズムを整えてくれますが、必ずしも使わなければならないものではありません。
気がついたら自然に使っていた、ということもあるでしょう。俳句に雰囲気も出ますので、使ってみたいときは思い切って取り入れてみましょう。
冬の有名な俳句&オリジナル俳句を紹介!
ここでは、参考のために冬をテーマにした有名俳句を5つご紹介していきます。
【NO.1】松尾芭蕉
『 初時雨 子猿も小蓑を 欲しげなり 』
季語:初時雨
意味:今年はじめての時雨が降った。子猿も小さい蓑を欲しそうにしているようだ。
(*時雨…秋の終わりから冬にかけて、一時的に降ったり止んだりする雨のこと)
【NO.2】山口誓子
『 海に出て 木枯帰る ところなし 』
季語:木枯(こがらし)
意味:冷たい木枯しが野山を越え、街も越え、吹きわたっているが、海に出てしまえば先は果てしなく、もう帰るところはないのですね。
【NO.3】高浜虚子
『 遠山に 日の当りたる 枯野かな 』
季語:枯野
意味:ひっそりとした枯野に立って、ふと遠くの山をみると、冬の静けさのなかにも、ぽっかりと陽が当たっている。
【NO.4】中野芽衣(※お~いお茶新俳句大賞・都道府県賞)
『 トーストに 冬の固さの ハチミツを 』
季語:冬
意味:焼きたてであつあつのトーストに、冬の気温で固まっているハチミツをのせてみよう。
【NO.5】阿部博子(※おーいお茶新俳句大賞・審査員賞)
『 かくしごと 言ひたくて見る 冬銀河 』
季語:冬銀河
意味:かくしごとがあって言えないまま。もう言ってしまいたいけど、どうしたものだろうかと、冬銀河を見上げてみる。
(*冬銀河…澄んだ夜空に雲のように細かな星影がひろがっている様子)