【冬の俳句 おすすめ30選】中学生向け!!冬の季語を使った俳句作品集を紹介!

 

冬と言えば・・・クリスマスに冬休み、お正月、バレンタインなど様々なイベントがあり、冬は私たちにとって「心躍る季節」となっています。

 

今回は、中学生向けの冬のおすすめ俳句集(有名俳人の名句+中学生俳句作品)を紹介していきます。

 

 

リス先生
この記事を読み終わるころには、きみだけのお気に入りの一句が見つかるかもしれないよ♪
俳句作りの参考にもしてみてね!

 

俳句に冬らしさを出す!冬の季語を知ろう

 

 

 

俳句には必ず、【季語(きご)=季節を表す言葉】を盛り込まなければいけません。

 

この季節に表す言葉のことを季語と言い、春夏秋冬それぞれの季節によって決まった季語があります。

 

例えば、みなさん冬と聞けば何を思い浮かべますか?

 

「雪」や「クリスマス」「お正月」「バレンタイン」と言ったものなど、沢山出てくると思います。こう言った季節に関連する言葉たちのことを「季語」と言います。

 

リス先生
冬の季語には以下のようなものがあるよ!
中には難しいものや、昔の行事などでピンとこないものもあると思うので、現代にも通じる季語をピックアップしてみたよ!

中学生向け冬の季語

 

■行事についての季語■

 

大晦日(おおみそか)、お正月、雪だるま、大掃除、冬休み、クリスマス、お年玉、除夜の鐘など

 

…行事についての冬の季語には、わくわくするものがたくさんありますね。言葉の数も、5文字の季語が多いので、俳句を作りやすいかもしれません。

 

■生き物についての季語■

 

うさぎ、牡蠣(かき)、鴨(かも)、寒雀(かんすずめ)、鷹(たか)、千鳥(ちどり)、鶴(つる)、白鳥、ふぐ、ふくろう、水鳥、鷲(わし)など

 

…生き物についての冬の季語には、ほかの季節と比べると鳥の名前が多いです。白鳥や鶴、鷲などは冬のあいだに日本にやってくる渡り鳥です。

 

■植物についての季語■

 

落ち葉、枯れ尾花(かれおばな)、枯れ木、枯野(かれの)、枯れ葉(かれは)、寒椿(かんつばき)、さざんか、水仙(すいせん)、大根、人参(にんじん)、ねぎ、白菜、みかん など

 

…植物についての冬の季語の中には、ふだんからなじみの深い大根や人参、みかんなどがありますね。こたつにみかん!のように、生活の風景が想像しやすいかもしれません。また、寒椿(かんつばき)やさざんかと言った花は、あざやかな赤い色をしています。雪の降るなかにこれらの花が咲いているのを想像すると、とってもすてきですね!

 

■気象やお天気についての季語■

 

北風、氷、木枯(こが)らし、小春(こはる)、小春日(こはるび)、小春日和(こはるびより)、寒さ、時雨(しぐれ)、霜(しも)、霜柱(しもばしら)、短日(たんじつ)、冷たい、つらら、初雪、山眠る、雪、流氷など

 

…『小春』と聞いて、「えっ?春という字が使われているのに冬の季語なの?」と思いましたか?実は『小春』とは、冬の始まるころの、少しあたたかい春に似た日和(ひより)が続くころのことを言います。意外ですね。

 

■生活についての季語■

 

重ね着、風邪(かぜ)、家事、こたつ、七五三、障子(しょうじ)、除夜(じょや)、師走(しわす)、スキー、スケート、炭(すみ)、炭火(すみび)、咳(せき)、節分、たき火、竹馬、足袋(たび)、手袋、年の暮れ、火鉢(ひばち)、雪見など

 

…生活についての冬の季語の中には、みなさんの身近なものがたくさん並んでいます。風邪(かぜ)や火事など、用心しなければならないことも冬の季語に含まれていますね!そのほかにも、イメージがふくらみそうな季語ばかりです。

 

リス先生
このように、ひとくちに【冬の季語】と言っても、本当にたくさんのものがあるよ!
上手に【季語】を取り入れて俳句を詠めるといいね!

 

中学生向け!!冬のおすすめ有名俳句集【15選】

 

冬の季語をいくつか紹介したところで、ここからはさっそく有名な冬の俳句を紹介していきます。

 

リス先生
もしかしたら教科書で見たことがある俳句もあるかもしれないよ!
お気に入りの一句を見つけてみてね!

 

俳句仙人
高浜虚子(たかはま・きょし)は、明治・大正・昭和時代の俳人です。俳人とは、俳句を詠む人のこと。日本の近代文学に大きな影響をおよぼした、正岡子規(まさおか・しき)の弟子として、俳句雑誌「ホトトギス」で活やくしました。

 

俳句仙人
牡丹雪(ぼたんゆき)とは、牡丹の花びらのように大きなかたまりとなって降る雪のことです。小林一茶(こばやし・いっさ)は、江戸時代を代表する俳人の一人。与謝蕪村(よさぶそん)、松尾芭蕉(まつお・ばしょう)とならぶ有名な俳人です。なんと一茶は、生涯に2万以上もの句を詠んだと言われています!ユーモアたっぷりでお茶目だったという、彼の性格がよく出ている一句です。

 

俳句仙人
正岡子規(まさおか・しき)は、子どもの頃から身体が弱く、亡くなるまでの7年間は肺結核(はいけっかく)をわずらい、34歳という若さで亡くなってしまいました。正岡子規はこの句を詠んだころ、病気のせいで起き上がって外を見ることもできなかったそうです。シンプルに思える句が、そんな正岡子規の気持ちを思うと、味わい深い一句ですね。

 

【NO.4】北原白秋

『 瓦斯燈(ガスとう)に 吹雪かがやく 街を見たり 』

季語:吹雪(冬)

意味:冷えた空気の中、きらきらと光るガス燈に照らされ、吹雪が輝く街が見える。

俳句仙人
北原白秋(きたはら・はくしゅう)は、俳人であり詩人、そして童謡作家としても有名で、彼の作った歌は現代でも子どもたちにうたわれています。冬の美しい幻想的な風景が、目の前に広がるような一句です。

 

俳句仙人
星野立子(ほしの・たつこ)は昭和に活やくした俳人で、高浜虚子の次女です。親子で俳人だなんて、なんだかすごいですね。寒さはつらくて嫌になることもありますが、この句では寒さを「楽しい」と表現したのが印象的です。寒さも楽しみたいですね♪

 

【NO.6】松尾芭蕉

『 初雪や 水仙の葉の たわむまで 』

季語:初雪・水仙(冬)

意味:待ちに待った初雪が降った。その雪の重さにたえかねて、水仙の葉が折れ曲がっている。

俳句仙人
松尾芭蕉は江戸時代の俳人で、紀行文「おくのほそ道」を書いた人物でもあります。紀行文とは、現代でいうエッセイのようなものです。「おくのほそ道」の中でもたくさんの俳句が詠まれています。この句は、初雪と水仙というふたつの季語が入っています。

 

【NO.7】中村汀女

『 雪しげく 何か家路(いえじ)の 急がるる 』

季語:雪(冬)

意味:雪がしきりに降っている。何とはなしに、家への道を急いでいる。

俳句仙人
中村汀女(なかむら・ていじょ)は、昭和を代表する女流俳人です。家庭の中にある日常を、豊かな表現で俳句にすると評判だったそうです。雪の道の中を急いで帰る様子が目に浮かびます。

 

【NO.8】小林一茶

『 をさな子や 文庫に仕舞(しま)ふ はつ氷 』

季語:はつ氷(冬)

意味:幼い子が文庫(ぶんこ=小物を入れる箱のこと)の中にそっと初氷をしまっている。

俳句仙人
再び、小林一茶の句です。子どもはこの季節に初めてできた氷がうれしくて、自分の小物入れにしまったのでしょうか。氷はいずれとけてしまいますが、大切にとっておきたい!といういじらしい気持ちが伝わってきます。

 

【NO.9】正岡子規

『 さらさらと 竹に音あり 夜の雪 』

季語:雪(冬)

意味:夜の雪がさらさらと音を立てて、竹に当たっている音がする。

俳句仙人
正岡子規の俳句です。「さらさらと」という5文字が、静かに雪が降る様子をうまくとらえています。寒さに静まりかえった中で、雪が竹に当たっている音だけが聞こえてきそうです。

 

【NO.10】与謝野蕪村

『 草枯れて 狐の飛脚(ひきゃく) 通りけり 』

季語:草枯れて(冬)

意味:草は枯れ枯れる季節となり、狐が飛脚のように通っていく。

俳句仙人
飛脚とは、現代で言う郵便屋さんのことです。乗り物のない時代のことですから、みな自分の足をつかい、走って手紙や知らせを届けたそうです。早く走っていく飛脚の様子と、身軽な狐の姿が重なったのでしょう。印象的な表現です。

 

俳句仙人
松尾芭蕉の最期の俳句として有名な一句です。旅の途中で倒れた作者は、最後までこの句の推敲を続けていたと言われています。

俳句仙人
「セロリ」が冬の季語になります。冬の野菜とされているセロリですが、その瑞々しさが夏を感じさせるという面白い一句です。

俳句仙人
早く遊びたいとソワソワしながらスケート靴の紐を結んでいる様子を詠んだ句です。「はやりつつ」とまさに結んでいる最中であることを強調することで、今にも遊びに行きそうな様子を表現しています。

俳句仙人
焚き火を見つめていると、周囲が暗くなっていることに気が付かないという一句です。アウトドアの醍醐味とも言えるゆったりとした時間帯を楽しんでいます。

俳句仙人
鶴に太陽、金色の雲とおめでたいものを合わせた一句です。朝焼けに照らされた美しい風景が思い浮かびます。

 

中学生向け!!冬のおすすめ一般俳句作品集【15選】

 

ここまでは、冬の俳句の中でも特に有名な俳句を紹介してきました。

 

「やっぱり俳句はむずかしいなあ…」「こんなに上手に俳句を詠めるのかな…」と思った方も多いと思います。

 

しかし、不安にならなくても大丈夫!ここからは実際に中学生が詠んだ俳句作品を紹介していきます。

 

リス先生
上手な俳句作品がたくさん揃っているよ!ぜひ俳句作りの参考にしてみてね!

 

【No.1】

しもやけを 父にふまれて 大げんか 』

季語:しもやけ(冬)

意味:しもやけになってかゆいところを、父がまちがってふんでしまい、大げんかになりました。

俳句仙人
しもやけをふまれたら、とても痛そうです…!かわいそうですが、お父さんとけんかしている様子がほほえましいです。

 

【No.2】

本当の 空が来ている 冬木立(ふゆこだち) 』

季語:冬木立(冬)

意味:冬、葉を落としている木々を見上げると、空がいつもより広い。これが本当の空の広さなんだな。

俳句仙人
厳しい寒さで木々も葉っぱを落としてしまいますが、だからこそ見られる冬の空というものもありますね。

 

【No.3】

この恋と 冬眠しよう 癒()えるまで 』

季語:冬眠(冬)

意味:つらい失恋の傷が癒えるまで、この恋と一緒に冬眠していよう。

俳句仙人
ああ、切ない!とっても切ない一句です。早く傷が治りますように。

 

【No.4】

病む吾子(あこ)と テレビの雪に 触れてみる 』

季語:雪(冬)

意味:風邪をひいて外に出られないわが子と一緒に、テレビ中継(ちゅうけい)で映る雪にそっと触れてみます。

俳句仙人
吾子とは、かわいいわが子という意味です。子どもを思う親の気持ちが伝わってきます。

 

【No.5】

雪が降る 前に空気が 澄()む不思議(ふしぎ) 』

季語:雪(冬)

意味:雪が降る前になると、いつもよりも空気が澄んでいる気がする。それがとても不思議だなぁ。

俳句仙人
たしかに雪が降る前になると、空気が澄んでいるような気がします。一体どうしてなんでしょうか…?

 

【No.6】

照れながら 切った髪から 冬の風 』

季語:冬の風(冬)

意味:恥ずかしいけれど思いきって髪を切った。短くなった髪から冬のつめたい風が入ってくる。

俳句仙人
かわいらしい一句ですね。髪が短くなってむきだしになった首に、冷たい風があたる様子が目に浮かんできます。

 

【No.7】

たしかめに 冬の寒さと これからを 』

季語:寒さ(冬)

意味:寒い外の中を、受験に受かったのかどうかたしかめに行ってきます。

俳句仙人
冬の寒さとこれから、という言葉を使って、受験生のドキドキを表している一句です。合格しているといいですね。

 

【No.8】

白い息 みんなで汽車に なってみる 』

季語:白い息(冬)

意味:寒さで口から出る息が白くなるので、みんなでけむりを出す汽車のまねをしました。

俳句仙人
口から出る息を汽車のけむりにたとえた、かわいらしい一句です。白い息を出して遊ぶのは、楽しいですね。皆さんもよくするのではないでしょうか?

 

【No.9】

雪の日は 東京さえも 雪の国 』

季語:雪(冬)

意味:雪の日は、雪国ではない東京でもまるで雪国のようだ。

俳句仙人
雪が降ると色々と大変なこともありますが、いつもとは違う非日常を楽しめる気がします。

 

【No.10】

ソプラノの ような雪だと 思う朝 』

季語:雪(冬)

意味:朝、雪を見ていると、きれいに透()き通っていて、まるで美しいソプラノの声のようだ。

俳句仙人
とても美しい一句です。ソプラノとは、女性の歌声のいちばんたかい音域(おんいき)のこと。楽器などではいちばん高い音のことを言います。目に見えている「雪」を、目には見えない「音」にたとえているところがステキですね。

 

【No.11】

『 雪つもり 庭で白猫 遊ぶの図

季語:雪(冬)

意味:雪が積もって、庭で白猫が遊んでいる図が出来上がった。

俳句仙人
雪と白猫というどちらも白いものを詠んだ句です。童謡では「猫はこたつで丸くなる」とありますが、作者の家の白猫は庭を駆け回っているのが面白い描写です。

【No.12】

『 つけまつ毛 めがけて雪が 降ってきた 』

季語:雪(冬)

意味:つけまつ毛めがけて雪が降ってきた。

俳句仙人
つけまつ毛は視界に入ることが多いため、上に雪が乗っている状況を面白がっています。まるでつけまつ毛めがけて降ってきたようだと例えているユーモラスな一句です。

【No.13】

『 ストーブに 炙られ芋は 甘くなり

季語:ストーブ(冬)

意味:ストーブに炙られて、芋は甘くなるのだ。

俳句仙人
ストーブでじっくりと熱を通して甘くなっていく芋を想像して詠まれた一句です。上で加熱調理しているので、電気ストーブよりは灯油や石油ストーブを詠んでいます。

【No.14】

『 珈琲と 推理小説 冬深し 』

季語:冬深し(冬)

意味:コーヒーと一緒に推理小説を楽しむ深まっていく冬だ。

俳句仙人
寒いため家の中で過ごしている冬に、コーヒーと推理小説を楽しんでいるという一句です。ゆっくりとした昼下がりや長い夜の過ごし方など、読む人によって感じた時間帯が変わる句になっています。

【No.15】

『 お茶漬けや 冬の欲望 満たす夜 』

季語:冬(冬)

意味:お茶漬けを食べよう。冬の欲望を満たす夜だ。

俳句仙人
「欲望」とあることから、夜食にお茶漬けを食べようとしている一句だとわかります。温かいお茶漬けを美味しく食べられるのは冬ならではの幸せです。

 

さいごに

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回は、中学生のみなさんに向けて「冬」の俳句をたくさん紹介してきました。

 

しずかに降る雪や冷たい風、そして楽しいお正月やドキドキの受験など、いつも心が動かされる季節、それが「冬」です。

 

俳句仙人
たくさん心が動く季節ですので、良い俳句が沢山詠まれていましたね。

リス先生
冬の寒さは厳しいけど、あたたかいこたつでのんびりとしながら、ぜひこの機会に一句詠んでみてね!

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