冬と言えば・・・クリスマスに冬休み、お正月、バレンタインなど様々なイベントがあり、冬は私たちにとって「心躍る季節」となっています。
今回は、中学生向けの冬のおすすめ俳句集(有名俳人の名句+中学生俳句作品)を紹介していきます。
うまさうな
雪がふうはり
ふわりかな#小林一茶 pic.twitter.com/dSSxLep8wN— tommy ☆ 夢雀 (@tommy777_tommy) December 21, 2017
まどろみの
中ではしゃぐか
冬すずめ#haiku #俳句 pic.twitter.com/3exFpIEj34— 北風くるみ💙💛 (@kitakazekurumi) November 25, 2017
俳句作りの参考にもしてみてね!
俳句に冬らしさを出す!冬の季語を知ろう
俳句には必ず、【季語(きご)=季節を表す言葉】を盛り込まなければいけません。
この季節に表す言葉のことを季語と言い、春夏秋冬それぞれの季節によって決まった季語があります。
例えば、みなさん冬と聞けば何を思い浮かべますか?
「雪」や「クリスマス」「お正月」「バレンタイン」と言ったものなど、沢山出てくると思います。こう言った季節に関連する言葉たちのことを「季語」と言います。
中には難しいものや、昔の行事などでピンとこないものもあると思うので、現代にも通じる季語をピックアップしてみたよ!
中学生向け冬の季語
■行事についての季語■
大晦日(おおみそか)、お正月、雪だるま、大掃除、冬休み、クリスマス、お年玉、除夜の鐘など
…行事についての冬の季語には、わくわくするものがたくさんありますね。言葉の数も、5文字の季語が多いので、俳句を作りやすいかもしれません。
■生き物についての季語■
うさぎ、牡蠣(かき)、鴨(かも)、寒雀(かんすずめ)、鷹(たか)、千鳥(ちどり)、鶴(つる)、白鳥、ふぐ、ふくろう、水鳥、鷲(わし)など
…生き物についての冬の季語には、ほかの季節と比べると鳥の名前が多いです。白鳥や鶴、鷲などは冬のあいだに日本にやってくる渡り鳥です。
■植物についての季語■
落ち葉、枯れ尾花(かれおばな)、枯れ木、枯野(かれの)、枯れ葉(かれは)、寒椿(かんつばき)、さざんか、水仙(すいせん)、大根、人参(にんじん)、ねぎ、白菜、みかん など
…植物についての冬の季語の中には、ふだんからなじみの深い大根や人参、みかんなどがありますね。こたつにみかん!のように、生活の風景が想像しやすいかもしれません。また、寒椿(かんつばき)やさざんかと言った花は、あざやかな赤い色をしています。雪の降るなかにこれらの花が咲いているのを想像すると、とってもすてきですね!
■気象やお天気についての季語■
北風、氷、木枯(こが)らし、小春(こはる)、小春日(こはるび)、小春日和(こはるびより)、寒さ、時雨(しぐれ)、霜(しも)、霜柱(しもばしら)、短日(たんじつ)、冷たい、つらら、初雪、山眠る、雪、流氷など
…『小春』と聞いて、「えっ?春という字が使われているのに冬の季語なの?」と思いましたか?実は『小春』とは、冬の始まるころの、少しあたたかい春に似た日和(ひより)が続くころのことを言います。意外ですね。
■生活についての季語■
重ね着、風邪(かぜ)、家事、こたつ、七五三、障子(しょうじ)、除夜(じょや)、師走(しわす)、スキー、スケート、炭(すみ)、炭火(すみび)、咳(せき)、節分、たき火、竹馬、足袋(たび)、手袋、年の暮れ、火鉢(ひばち)、雪見など
…生活についての冬の季語の中には、みなさんの身近なものがたくさん並んでいます。風邪(かぜ)や火事など、用心しなければならないことも冬の季語に含まれていますね!そのほかにも、イメージがふくらみそうな季語ばかりです。
上手に【季語】を取り入れて俳句を詠めるといいね!
中学生向け!!冬のおすすめ有名俳句集【15選】
冬の季語をいくつか紹介したところで、ここからはさっそく有名な冬の俳句を紹介していきます。
お気に入りの一句を見つけてみてね!
【NO.1】高浜虚子
『 遠山(とおやま)に 日の当たりたる 枯野(かれの)かな 』
季語:枯野(冬)
意味:あたりは日がかげって、さむざむとした枯野であるが、遠い山にだけ冬の日が当たっていて明るい。
【NO.2】小林一茶
『 うまさうな 雪がふうはり ふわりかな 』
季語:雪(冬)
意味:空を見上げれば、うまそうな牡丹雪がふうわりふわりと舞い落ちてきたよ。
【NO.3】正岡子規
『 いくたびも 雪の深さを たずねけり 』
季語:雪(冬)
意味:何度も何度も、雪の深さはどれほどになったのかと問うてしまったよ。
【NO.4】北原白秋
『 瓦斯燈(ガスとう)に 吹雪かがやく 街を見たり 』
季語:吹雪(冬)
意味:冷えた空気の中、きらきらと光るガス燈に照らされ、吹雪が輝く街が見える。
【NO.5】星野立子
『 しんしんと 寒さがたのし 歩みゆく 』
季語:寒さ(冬)
意味:しんしんとした寒さが楽しい、私は歩いてゆく…。
【NO.6】松尾芭蕉
『 初雪や 水仙の葉の たわむまで 』
季語:初雪・水仙(冬)
意味:待ちに待った初雪が降った。その雪の重さにたえかねて、水仙の葉が折れ曲がっている。
【NO.7】中村汀女
『 雪しげく 何か家路(いえじ)の 急がるる 』
季語:雪(冬)
意味:雪がしきりに降っている。何とはなしに、家への道を急いでいる。
【NO.8】小林一茶
『 をさな子や 文庫に仕舞(しま)ふ はつ氷 』
季語:はつ氷(冬)
意味:幼い子が文庫(ぶんこ=小物を入れる箱のこと)の中にそっと初氷をしまっている。
【NO.9】正岡子規
『 さらさらと 竹に音あり 夜の雪 』
季語:雪(冬)
意味:夜の雪がさらさらと音を立てて、竹に当たっている音がする。
【NO.10】与謝野蕪村
『 草枯れて 狐の飛脚(ひきゃく) 通りけり 』
季語:草枯れて(冬)
意味:草は枯れ枯れる季節となり、狐が飛脚のように通っていく。
【NO.11】松尾芭蕉
『 旅に病んで 夢は枯野を かけめぐる 』
季語:枯野(冬)
意味:旅の途中で病に倒れても、夢の中ではあの枯野をかけめぐっている。
【NO.12】日野草城
『 みずみずし セロリを噛めば 夏匂う 』
季語:セロリ(冬)
意味:瑞々しいセロリを噛めば、冬でも夏の匂いがする。
【NO.13】山口誓子
『 スケートの 紐結ぶ間も はやりつつ 』
季語:スケート(冬)
意味:スケート靴の紐を結ぶ間も気がはやっている。
【NO.14】松本たかし
『 とつぷりと 後ろ暮れゐし 焚火かな 』
季語:焚火(冬)
意味:とっぷりと背後が暮れていった焚き火であることだ。
【NO.15】杉田久女
『 鶴舞ふや 日は金色の 雲を得て 』
季語:鶴(冬)
意味:鶴が舞っているなぁ。太陽は金色の雲を得てさらに輝いている。
中学生向け!!冬のおすすめ一般俳句作品集【15選】
ここまでは、冬の俳句の中でも特に有名な俳句を紹介してきました。
「やっぱり俳句はむずかしいなあ…」「こんなに上手に俳句を詠めるのかな…」と思った方も多いと思います。
しかし、不安にならなくても大丈夫!ここからは実際に中学生が詠んだ俳句作品を紹介していきます。
【No.1】
『 しもやけを 父にふまれて 大げんか 』
季語:しもやけ(冬)
意味:しもやけになってかゆいところを、父がまちがってふんでしまい、大げんかになりました。
【No.2】
『 本当の 空が来ている 冬木立(ふゆこだち) 』
季語:冬木立(冬)
意味:冬、葉を落としている木々を見上げると、空がいつもより広い。これが本当の空の広さなんだな。
【No.3】
『 この恋と 冬眠しよう 癒(い)えるまで 』
季語:冬眠(冬)
意味:つらい失恋の傷が癒えるまで、この恋と一緒に冬眠していよう。
【No.4】
『 病む吾子(あこ)と テレビの雪に 触れてみる 』
季語:雪(冬)
意味:風邪をひいて外に出られないわが子と一緒に、テレビ中継(ちゅうけい)で映る雪にそっと触れてみます。
【No.5】
『 雪が降る 前に空気が 澄(す)む不思議(ふしぎ) 』
季語:雪(冬)
意味:雪が降る前になると、いつもよりも空気が澄んでいる気がする。それがとても不思議だなぁ。
【No.6】
『 照れながら 切った髪から 冬の風 』
季語:冬の風(冬)
意味:恥ずかしいけれど思いきって髪を切った。短くなった髪から冬のつめたい風が入ってくる。
【No.7】
『 たしかめに 冬の寒さと これからを 』
季語:寒さ(冬)
意味:寒い外の中を、受験に受かったのかどうかたしかめに行ってきます。
【No.8】
『 白い息 みんなで汽車に なってみる 』
季語:白い息(冬)
意味:寒さで口から出る息が白くなるので、みんなでけむりを出す汽車のまねをしました。
【No.9】
『 雪の日は 東京さえも 雪の国 』
季語:雪(冬)
意味:雪の日は、雪国ではない東京でもまるで雪国のようだ。
【No.10】
『 ソプラノの ような雪だと 思う朝 』
季語:雪(冬)
意味:朝、雪を見ていると、きれいに透(す)き通っていて、まるで美しいソプラノの声のようだ。
【No.11】
『 雪つもり 庭で白猫 遊ぶの図 』
季語:雪(冬)
意味:雪が積もって、庭で白猫が遊んでいる図が出来上がった。
【No.12】
『 つけまつ毛 めがけて雪が 降ってきた 』
季語:雪(冬)
意味:つけまつ毛めがけて雪が降ってきた。
【No.13】
『 ストーブに 炙られ芋は 甘くなり 』
季語:ストーブ(冬)
意味:ストーブに炙られて、芋は甘くなるのだ。
【No.14】
『 珈琲と 推理小説 冬深し 』
季語:冬深し(冬)
意味:コーヒーと一緒に推理小説を楽しむ深まっていく冬だ。
【No.15】
『 お茶漬けや 冬の欲望 満たす夜 』
季語:冬(冬)
意味:お茶漬けを食べよう。冬の欲望を満たす夜だ。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は、中学生のみなさんに向けて「冬」の俳句をたくさん紹介してきました。
しずかに降る雪や冷たい風、そして楽しいお正月やドキドキの受験など、いつも心が動かされる季節、それが「冬」です。