【破調の有名俳句 30選】詠んで楽しい!!有名俳人が詠んだおすすめ俳句を紹介

 

今回は、「破調」に関するオススメ有名俳句を30句紹介していきます。

 

 

リス先生
ぜひ、俳句作りの参考にしてみてね!

そもそも破調とは?

 

破調とは、俳句の定型詩(五七五)で音数に多少が生じることです。

 

具体的には五七五の十七音以外になる俳句」「五七五の句の切れ目と言葉の意味が一致しない俳句」のことを言います。

 

  • 十七音以外になる俳句・・・「字余り」「字足らず」と呼ばれ、五八五で十八音になったり、四七五で十六音になったりする俳句のこと
  • 切れ目と言葉の意味が一致しない俳句・・・「句またがり」の俳句のこと

※例えば、「ふりやまず」は意味としてひとつの言葉ですが、五音や七音の切れ目としては「ふり/やまず」と分けられる場合は「句またがり」の俳句になります

破調の有名俳句集【前半15句】

 

リス先生
前半は江戸時代の著名な俳人、後半は明治以降の俳人の破調の句を紹介していくよ!

 

【NO.1】松尾芭蕉

かれ朶(えだ)に 烏のとまりけり 秋の暮

季語:秋の暮れ(秋)

現代語訳:気がつくと、枯れ枝にカラスがとまっている。静かな秋の夕暮れだ。

俳句仙人

五九五の破調の句です。「烏とまれり」と七音で詠まないことで中句を強調しています。

【NO.2】松尾芭蕉

『 芭蕉野分して 盥(たらい)に雨を 聞く夜かな 』

季語:野分(秋)

現代語訳:野分が吹き荒れ、庵の外の芭蕉に雨風が吹き付けている。家の中ではタライを打つ雨漏りの音をわびしく聞いている夜だなぁ。

俳句仙人

八七五の字余りの破調です。漢詩に思いを馳せていたときの句のため、どことなく漢詩的な趣があります。

【NO.3】松尾芭蕉

『 海暮れて 鴨の声 ほのかに白し 』

季語:鴨(冬)

現代語訳:日が暮れた海に鴨の鳴き声がほのかに聞こえ、白いものが見えてくる。

俳句仙人

「鴨の声ほのかに」が句またがりの破調です。「白し」については鴨の姿とも、声を白く感じたともどちらにも取れる句です。

【NO.4】松尾芭蕉

『 櫓(ろ)の声波をうつて 腸(はらわた)氷る 夜やなみだ 』

季語:氷る(冬)

現代語訳:川辺で櫓の音が鳴っている。はらわたが凍るような夜に涙が出てくる。

俳句仙人
十七五という、破調の中でも破格の一句です。「櫓の声」「波を打つ」など、漢詩の表現が多用されています。

俳句仙人
六七五の字余りの破調で、芭蕉の生前最期の句になります。無念とも回復を夢見ているとも言われ、多くの解釈がある一句です。

【NO.6】服部嵐雪

『 黄菊白菊 その外の名は 無くもがな 』

季語:菊(秋)

現代語訳:色とりどりに咲く菊の花だが、黄菊と白菊の他はむしろ無い方がよい。

俳句仙人
七七五の字余りの破調の句です。江戸時代には菊の改良が流行し、「百菊を揃へけるに」という前書がつくほどでした。

【NO.7】与謝蕪村

『 白梅に 明くる夜ばかりと なりにけり 』

季語:白梅(春)

現代語訳:白梅が夜明けに咲いている。私に残された時間は夜明けまでになりそうだ。

俳句仙人
五八五の字余りの句です。蕪村の辞世の句で、 未明に亡くなった蕪村の心境が「明くる夜ばかり」という言葉に表れています。

【NO.8】小林一茶

『 ざぶりざぶり ざぶり雨降る 枯野かな 』

季語:枯野(冬)

現代語訳:ざぶざぶと冬の枯れ野に雨が降っていることだ。

俳句仙人
六七五の破調ですが、ざぶりが3回重複する面白い句です。オノマトペを多用する一茶の特徴が表れています。

俳句仙人
五八七の有名な一句です。「馬」を文字通りの馬と取るか竹馬と取るかで情景が変わってきます。

【NO.10】小林一茶

『 さくらさくらと 唄はれし 老木かな 』

季語:桜(春)

現代語訳:これがかつては素晴らしいと唄われていた桜なのか。今や老木であることよ。

俳句仙人
七五五の破調です。「さくらさくらと唄はれし」は「娘道成寺」という長唄を踏まえています。

 

【NO.11】松尾芭蕉

『 火桶炭団(ひおけたどん)を 喰らふ事夜ごとに ひとつつづ 』

季語:火桶()

意味:火桶炭団が炭を夜ごとに一つずつくらっていくようだ。

俳句仙人

作者の時代の暖房器具は炭を使うものでした。火桶と呼ばれる暖房が夜になるたびに炭を一つずつ食べていくようなユーモラスさを七九五という破調で詠んでいる面白い一句です。

【NO.12】与謝蕪村

『 夜桃林(とうりん)を出て 暁(あかつき)嵯峨(さが)の 桜人(さくらびと 』

季語:桜人()

意味:夜に桃の林を出て、夜明けには嵯峨の桜を見ている。

俳句仙人

九七五と大幅に超過している一句です。これは漢詩調で俳句を詠むという芭蕉も好んだ作風でした。「桜人」とは桜の花をめでている人を指す季語で、桃から桜という花の移り変わりも詠んでいます。

俳句仙人

季語が3つ重なる有名な句です。六七五の字余りの句で、破調になっても美しい青葉の様子を詠みたいという作者の気持ちが感じ取れます。

俳句仙人
初句と二句に渡り「爪たてて」の部分が句またがりになっている一句です。空蝉とはセミのぬけがらのことで、ぬけがらにも関わらず岩に爪を立てている勇ましい様子を「爪」で区切ることで強調しています。

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この句は作者が戦地から送ってきた戦争俳句です。六八六の字余りの俳句は、今まさに戦端が開かれようとする戦地の緊張感を表しています。

 

破調の有名俳句集【後半15句】

 

リス先生
ここからは明治以降の俳人の破調の句を紹介していくよ!

 

【NO.1】小林一茶

『 下谷一番(したやいちばん)の 顔して ころもがへ 』

季語:更衣(夏)

意味:派手な服装を好む顔をして衣替えをしよう。

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八四五の破調で、当時の鞠付き歌から「下谷一番」という言葉を引用しています。

【NO.2】正岡子規

『 春や昔 十五万石の 城下かな 』

季語:春(春)

意味:栄華を極めた春は今や昔、ここが十五万石を誇っていた城下町であることだ。

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六七五の字余りの破調です。正岡子規の故郷である松山を歌っています。

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六七五の字余りの句で、正岡子規の辞世の句です。薬も既に効果のない身の上を「仏」という言葉で客観的に歌っています。

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六七五の字余りの句です。白と紅の対比、余韻を持たせた省略などの技法が駆使されています。

【NO.5】高浜虚子

『 凡そ天下に 去来程の小さき墓に 参りけり 』

季語:墓参り(秋)

意味:去来ほどの偉大な俳人は天下にいないが、そんな偉人には似つかわしくない小さなお墓にお参りした。

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七・十三・五で25音という規格外の句です。虚子は伝統的な俳句を推進していましたが、このような俳句も残しています。

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五六七の破調の有名な句です。体言止めを用いることで、円盤という比喩が一層際立ちます。

【NO.7】加藤楸邨

『 木の葉ふり やまずいそぐな いそぐなよ 』

季語:木の葉(冬)

意味:木の葉が散りやまない。急ぐな、急ぐなよ。

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「ふりやまず」の部分が句またがりになっている破調の句です。繰り返しが散らないでほしいという願いを表しています。

【NO.8】芥川龍之介

『 兎も 片耳垂るる 大暑かな 』

季語:大暑(夏)

意味:ウサギも片耳を垂れるほどの暑さの大暑の日だ。

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四七五の字足らずの一句です。いつもは立っているものが垂れてしまうほどの暑さが伺えます。

【NO.9】山口誓子

『 声なりしやと炎天を顧る(かえりみる) 』

季語:炎天(夏)

意味:声がしたと思って、暑い夏の中を振り返った。

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「声なりしやと」の部分が句またがりになっています。視線の先に蜃気楼や逃げ水が想像できる句です。

【NO.10】角川源義

『 天上大風(てんじょうたいふう) 地上に春の 花きそふ 』

季語:春の花(春)

意味:空は強い風が吹いているが、地上は春の花が競って咲いている。

俳句仙人

八七五の字余りの句です。天の大風と地上の花という対比が美しい一句になっています。

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この句は八七五の字余りの句で、自分の気性を火の鳥に例えた一句です。作者は自分自身を燃える炎の鳥と表現していますが、1粒だけくわえている雹が溶けていないことから、氷のような冷静さも持ち合わせていると主張しています。

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七七五の字余りの一句です。ここで詠まれている「鬼女」とは「鬼女紅葉」という伝説をモチーフにしており、紅葉という名の鬼女を紅葉狩りの宴で退治しています。見事な紅葉に、もしかしたら鬼女紅葉がいるのかもしれないと感動している一句です。

俳句仙人

この句は二句目と三句目の「かくれなき」が句またがりになっています。「かくれ」と「なき」が分かれることによってどこを見渡しても隠すもののない真冬の故郷の寂しさが強調されている一句です。

俳句仙人
六七六の字余り、かつ二句目と三句目の「つくつく法師」が句またがりになっています。散文的な俳句で、ツクツクホウシという鳴き声の激しいセミを強調することで作者の辟易とした感情がよく表れている一句です。

俳句仙人
七七五の字余りの句です。「待ちし一枚」を冒頭に持ってくることで、誰かから届く年賀状を心待ちにしている様子が強調されています。

以上、破調の有名俳句集でした!

 

 

俳句仙人

今回は「破調」の有名俳句を30句紹介しました。

五七五のリズムは守りつつ自由に表現していく技法は難しいですが、俳句を読む際にぜひ参考にしてみてください。

 

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