【8月の有名俳句 30選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

 

猛暑日が続く「8月」…。

 

唸るような暑さであるからこそ記憶に残りやすい月でもあります。

 

過去の人々に習ってゆっくりと俳句を詠んでみたくなりますね。また、趣味で書くという方以外にも、学校の宿題で俳句を書かなくてはならない人もいるかもしれません。

(※ちなみに、8月19日は「俳句の日」です)

 

 

そこで今回は、そんな方の参考になるような「8月」の季語を含んだ有名俳句(+一般の方が詠んだ俳句)を紹介していきます。

 

俳句仙人

ぜひ参考にしてください。

 

俳句に8月らしさを出す!8月の季語を知ろう

 

まず、俳句を書くにあたって「季語を使うこと」「5・7・5の17音にすること」の2つのルールがあることを覚えておきましょう。

 

5・7・5という短い文の中でさまざまな情景や心情を映し出す俳句にするには、作者が見たことをわかりやすく説明する必要があります。

 

その時に用いられるのが「季語」と呼ばれるものなのです。

 

季語とは日本にある春夏秋冬、いわゆる四季とよばれるもの。これらにはそれぞれ特徴があり、その特徴を表した言葉たちのことを言います。

 

リス先生
と、言われてもあまりピンとこない人も多いと思うから、8月の季語をいくつか紹介していくよ!

 

8月の季語【一覧】

 

花火 / 盆踊り /  浴衣  / 向日葵  / 八月 / 初秋 / 立秋 / 残暑 / 秋めく / 処暑 / 八月尽 /盆の月 / 秋の初風 / 初嵐 / 秋の雷 / 秋扇 / 終戦記念日 / 竿燈 / 墓参 / 送り盆 / 送り火 / 大文字 / 燈籠流 / 精霊舟 / 踊 / 風の盆 / 盆竈 / 盆綱引 / 盆休 / 盆節季 / 中元 / 三島祭 / 鰹の烏帽子 / 秋の蛍 / 蜩 / つくつく法師 / 蜉蝣 / 鈴虫 / 松虫 / 刺虫 /木槿 / 芙蓉 / 山茱萸の実 / 桃の実 / 棗の実 / 桐一葉 / 秋の芽 / 桐の実 / 臭木の花 / 山椒の実 / 秋桑 / 楤の花 / 蘡薁 / 山葡萄 / 野葡萄 / カンナ / ジンジャーの花 / 朝顔 / 夜顔 / 仙翁花 / 模様莧 / 鬱金の花 / 落葵 / 鳳仙花 / 秋海棠/ 女郎花 / 男郞花 / 水引の花 / 苔桃 / 釣船草 / 矢の根草 / 大文字草 / ぬめり草 / 鼠の尾 / 点突草 / 星草 / 草牡丹 / 松虫草 / 露草 / 弟切草 / 蓼の花 / 赤のまんま / 溝蕎麦 / 茜草 

 

 

これらの言葉を聞くと8月又は夏を思い浮かべませんか?

 

このような言葉を俳句の中に入れると、作者の見たもしくは周りにある状況などをわかりやすく伝えることができます。

 

リス先生
次に、俳句釣りの参考になる有名俳句を紹介ていくよ!

 

8月の季語を使った有名俳句集【15選】

 

それでは早速、8月の季語を使った有名な俳句を15句紹介していきます。

 

【NO.1】正岡子規

『 涼しさの 腹にとほりて 秋ちかし 』

季語:秋近し(夏)

意味:涼しさをお腹に感じて秋が近いなぁと感じた。

俳句仙人
涼しさを感じる8月の終わり。もうすぐ秋が来るんだなぁと感じるのは季節がある日本だからこそなのかもしれません。

 

【NO.2】山口青邨

『 咲きつづく 朝顔市の 朝顔よ 』

季語:朝顔(秋)

意味:ずっと前から咲き続く朝顔市の朝顔だ

俳句仙人
江戸時代から続いていると言われている入谷朝顔祭りのことを朝顔市と呼びます。その祭りの歴史と、並ぶ朝顔の美しさを詠んだ美しい一句です。

 

【NO.3】久保田万太郎

『 へなへなに こしのぬけたる 団扇(うちわ)かな 』

季語:団扇(夏)

意味:あまりの暑さに使いこなされたへなへななうちわがある

俳句仙人
8月の暑さをしのぐ道具である団扇。あまりの暑さに団扇も大活躍でへなへなになってしまったのでしょう。

 

【NO.4】日野草城

『 白玉の 雫を切って 盛りにけり 』

季語:白玉(夏)

意味:白玉を洗った水を切ってお皿に盛り付ける。

俳句仙人
白玉粉で作る白玉は簡単にできて美味しいスイーツです。外見もどこか涼しげで夏には思わず作ってしまいたくなります。

 

【NO.5】原 石鼎

『 うつし世に 妻はきよけし 夏の月 』

季語:夏の月(夏)

意味:この世に妻を明るく照らす夏の月がある。

俳句仙人
夏の月で輝く妻はそれはそれは綺麗だったでしょう。思わずため息が出るくらい美しい一句です。

 

【NO.6】永田耕衣

『 墓を去る 時に笑ふや 墓参り 』

季語:墓参り(秋)

意味:墓参りをした後墓を去る時に墓に向かって笑う。

俳句仙人
お盆に行く墓参り。ご先祖様に向かってまたねと笑う作者の優しい笑顔が浮かんできます。

 

【NO.7】富安風生

『 八月の 桜落葉を 掃けるかな 』

季語:八月(秋)

意味:八月に桜の葉の落ち葉を掃いている。

俳句仙人
桜の木から落ちる落ち葉を懸命に掃いている作者の様子が見えてきます。秋の始まりをしみじみと感じている句です。

 

【NO.8】山口誓子

『 紅くして 黒き晩夏の 日が沈む 』

季語:晩夏(夏)

意味:暗くなるのが早くなった晩夏の頃、暗い空を赤くしながら日が沈んでいる。

俳句仙人
日が沈んでいくところだけ赤く染まる幻想的な風景に心が打たれます。

 

【NO.9】加藤暁台

『 美しや 月の中なる 盆の人 』

季語:盆(秋)

意味:美しいな。月が出た盆の夜にお供えや精霊船を流す人々は。

俳句仙人
お盆の夜は灯篭などで明るくなり、ご先祖様を思う人々の姿も美しく映ったのでしょう。

 

【NO.10】阿波野青畝

『 てのひらを かへさばすすむ 踊かな 』

季語:踊(秋)

意味:手のひらを重ねながら進む盆踊りかな。

俳句仙人
夏祭りなどで行う盆踊り。最近ではあまり見なくなりましたが、やはり日本の夏といえば盆踊りですね。

 

【NO.11】松尾芭蕉

『 暑き日を 海にいれたり 最上川 』

季語:暑き(夏)

意味:暑い日の太陽を海に入れるように日が沈んでいった最上川だ。

俳句仙人
あまりの暑さをもたらした太陽を冷やすように海に沈んでいく太陽を詠んだ句です。最上川の河口から海へと続く風景に、夕日が沈んでいく様子が想像できます。

 

【NO.12】与謝蕪村

『 四五人に 月落ちかかる をどりかな 』

季語:をどり/踊(秋)

意味:45人ほどの人に、月の光が落ちかかっている盆踊りだなぁ。

俳句仙人
月の光がさしこむ夜まで踊り続けた人々を詠んだ句です。「月落ちかかる」という言葉を月が西に沈みそうになっていると解釈し、夜通し踊っていたとする説もあります。

 

【NO.13】与謝蕪村

『 夕立や 草葉をつかむ むら雀 』

季語:夕立(夏)

意味:夕立が降ってきたなぁ。雨宿りなのか、草葉の裏をしっかりとつかんでいるスズメたちの群れだ。

俳句仙人
急に降り出した夕立から逃れるように、草葉をつかんでとまっているスズメの群れを詠んだ句です。あちこちに草葉にぶら下がっているスズメたちが見えるような面白い句になっています。

 

【NO.14】加賀千代女

『 朝顔に 釣瓶とられて もらひ水 』

季語:朝顔(秋)

意味:朝顔の弦に釣瓶をとられてしまった。弦を切るのもしのびないので隣家から水をもらおう。

俳句仙人
作者の時代では水は公共の井戸から汲むのが一般的でした。弦が絡んだ釣瓶を動かすことができずに、隣家に水をもらいに行く日常の風景が詠まれています。

 

【NO.15】黛まどか

『 旅終へて よりB面の 夏休 』

季語:夏休(夏)

意味:メインだった旅が終わって、これからはB面のサブ曲のような夏休みの残りが始まる。

俳句仙人
B面」とはレコードやカセットテープにあったもので、メインの曲をA面、サブの曲をB面と呼んでいました。A面に相当するメインである旅が終わったので、これからはB面の夏休みだとどこか残念がっています。

 

こんな俳句もある!一般オリジナル俳句集【15選】

 

上にあげた有名な俳句以外にも、様々な人が書いたオリジナルの俳句も存在します。

 

ここでは、参考のために一般の方が作ったオリジナル俳句も15句紹介していきます。

 

【No.1】

落ちる火を 惜しむ線香 花火かな 』

季語:線香花火(夏) 

意味:線香花火の火の玉が落ちることを惜しんでいる。

俳句仙人
花火の締めにやる線香花火。美しい火花が咲きその後に静かに消えていく…、どこか寂しさを感じる一句です。

 

【No.2】

妻は絹 我れは木綿や 冷奴 』

季語:冷奴(夏)

意味:妻は絹豆腐で自分は木綿豆腐で冷奴をつくる。

俳句仙人
それぞれの好みに合わせて冷奴を楽しむ夫婦の姿が浮かんで、とても微笑ましい気持ちになっています。

 

【No.3】

ふる里の 小さくなりし 踊の輪 』

季語:踊(秋)

意味:ふるさとの盆踊りの輪は年々小さくなっている。

俳句仙人
夏の風物詩である盆踊りも年々若い子供が踊らなくなり輪も小さくなっています。少し切なさを感じる句です。

 

【No.4】

なほ残る 暑さ日暮の アスファルト 』

季語:暑さ(夏)

意味:日暮れのアスファルトに暑さがなお残っている。

俳句仙人
夏の暑さは日が落ちても残っています。それを日暮れのアスファルトと表現しているところに感動します。

 

【No.5】

庭花火 匂い残して 闇戻る 』

季語:花火(秋)

意味:夏の夜、庭で花火をした後に匂いだけを起こしてまわりは真っ暗闇へもどった。

俳句仙人
花火が終わった後の独特な匂いと、闇が戻った時の少し切ない感情をまとめた素敵な一句です。

 

【No.6】

律儀にも 炎暑の中に ポスト立つ 』

季語:炎暑(夏)

意味:炎暑の中、律儀にポストが立っている。

俳句仙人
唸るような暑さの中、ポストは同じ場所でずっと立っています。その様子を律儀と呼んでいてとても可愛らしい句に仕上がっています。

 

【No.7】

人の世は 花火のやうな 夢ばかり 』

季語:花火(秋)

意味:この世にいる人たちが望む夢は花火のように明るく鮮やかに散りやすいものだ。

俳句仙人
人が願う夢を花火の華やかさと儚さに例えて詠んだ美しい句です。

 

【No.8】

風鈴を 吊るや飛びつく 風のあり 』

季語:風鈴(夏)

意味:風鈴を吊るとすぐに風鈴へと風が吹いてまるでありのようだ。

俳句仙人
風鈴は微かな風でも感じると揺れて音を奏でる。これを風のせいにして風のありと例えているところに作者の遊び心が出ていて素敵です。

 

【No.9】

八月尽 閉店告げる 百貨店 』

季語:八月尽(秋)

意味:8月の終わり、閉店を告げる百貨店がある。

俳句仙人
夏の終わりと共に閉店する百貨店。作者にとっては思い出のある百貨店だったのでしょうか?夏の終わりの切なさを閉店する百貨店で表現しているところに心を打たれます。

 

【No.10】

悩むより 今日を生きよと 蝉鳴けり 』

季語:蝉(夏)

意味:未来のことを悩むよりも一週間しか命のない蝉が今日を一生懸命に生きろと鳴いている。

俳句仙人
人間は未来に不安を感じて悩んでしまいがちです。しかし、人間も生き物なので命はいつか尽きてしまう。悩む人間に対して蝉が一週間という短い命でも懸命に今日を生きているんだということを鳴きながら証明してくれています。未来に不安を抱きながら生きていくより今日を一生懸命に生きてみてはどうでしょうか。

 

【No.11】

『 この人と また手を繋ぎ 初浴衣 』

季語:初浴衣(夏)

意味 この人とまた手を繋いで出かけたいな。今年初めての浴衣だ。

俳句仙人
初浴衣を着て手を繋いで出かけたいなという、来年の2人の関係に対する願望を詠んだ句です。「また」という再びを願う言葉と、「初浴衣」の今年初めてという言葉が対になっています。

 

【No.12】

『 打ち揚げの 花火に映ゆる 夜の雲

季語:花火(秋)

意味:打ち上げ花火が上がる度に夜の雲が映えて見える。

俳句仙人
雲が出ているときの打ち上げ花火では、パッと明るくなる瞬間に雲も白く照らし出されます。花火ではなく邪魔者扱いされることの多い雲に焦点を当てた面白い句です。

 

【No.13】

『 秋立つや 高層階に そよぐ風

季語:秋立つ(秋)

意味:立秋の日が来たなぁ。高層階にそよぐ風が心地よい。

俳句仙人
「秋立つ」とは立秋の日のことです。まだ暑さも厳しいですが、高層階という地上の喧騒からは離れた場所では、そよぐ風もどこか涼しげなのでしょう。

 

【No.14】

『 ふるさとは 遠きにありて 盆の月 』

季語:盆の月(秋)

意味:故郷は遠くにあると感じるお盆の日の月だ。

俳句仙人
この句は室生犀星の「ふるさとは遠きにありて思ふもの」というフレーズがある「小景異情(その二)」という詩が下敷きになっています。お盆の日の月を見て、故郷からは遠く離れた場所でもしみじみ思い出される郷愁の念を詠んだ句です。

 

【No.15】

『 西瓜割り 右か左か あれ後ろ 』

季語:西瓜割り(夏)

意味:スイカ割りをしよう。右か左か、あれ、後ろにある。

俳句仙人
スイカ割りをしていて、「もっと右!」「左!」などはやし立てている人々の様子が浮かんできます。実際に振り下ろしても手ごたえはなく、目隠しを外してみたら後ろにあったという驚きが「あれ」という表現から伝わってくる句です。

 

以上、8月の有名俳句(+オリジナル俳句)30選でした!

 

さいごに

 

今回は、8月の季語を使った有名俳句をたくさん紹介してきました。

 

8月は夏祭りやお盆があったり、何かと忙しい月である反面、猛暑日が続いたりすると何もしたくなくなる季節でもあります。

 

そんな時にはひんやりした床に寝転がりながら、もしくは風通しが良いベランダで、ぜひ俳句を一句詠んでみてはいかがでしょうか?

 

 

俳句仙人

普段生活をしている風景の中に新たな発見が出来たり、日常生活に物語を添えてくれますのでとてもおすすめです。

リス先生
ぜひ一句詠んでみてね!

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