5・7・5の17音という短い文の中で、日本の春夏秋冬・情景を切り取り描写する「俳句」。
兵長への気持ちで俳句を作りました。
兵長よ
ああ兵長よ
兵長よかぽーん……(画像で風流を演出) pic.twitter.com/I2mzPwPzmz
— chiaki@金欠 (@levi2335) June 3, 2017
みなさんは俳句を書いたことがありますか?
今回はそんな季節の中でも夏に着目して、夏の季語や夏の季語を使った俳句の作り方、コツについて紹介していきます。
目次
俳句とは?基本的なルールを知ろう!
俳句とは五・七・五のリズムで作る定型詩ですが、必ず知っておかなければならないルールがふたつです。
- 五・七・五の十七音で作る
- 季語を入れる
①五・七・五の十七音で作る
これは俳句で最も重要なルールです。
俳句は「よむもの」なので、短い文の中でもリズムの良い「5・7・5」としています。
そして、17音という短い文の中でつくるので、精錬された言葉たちが並び、表現がより奥深いものになっていくのです。
【作者】与謝蕪村
『 菜の花や(5) 月は東に(7) 日は西に(5) 』
季語:菜の花
意味:愛らしい菜の花をしばらく見ているうちに夕暮れになり、東の空には月がのぼり、西の空は夕日がしずみつつあります。
ここで、俳句を作るにあたって1つ注意点があります。
「蝶々」や「今日」もしくは「学校」や「しっかり」と言った言葉がありますが、これらの言葉には「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」が入っていて、俳句を作るときに注意しなければなりません。
例えば、「蝶々」の「ちょ」。
これは文字で書くと2文字になります。しかし、声に出して読むと一気に発音しますよね。
つまり俳句の場合、これは1音とカウントされるのです。
②季語を入れる
季語とは、季節を感じさせる言葉のことです。
季語を用いて読まれる俳句は、それぞれの季節を感じさせてくれる効果があります。
【季語の例】
- 春・・・「桜」や「雛祭り」「入学式」
- 夏・・・「海」や「プール」「夏休み」
- 秋・・・「紅葉」や「文化の日」「運動会」
- 冬・・・「雪」や「正月」「バレンタインデー」
季語を使うことにより、具体的にその句が読まれた情景や作者の状況、気持ちなどが分かります。
本屋さんや図書館にもあるから、是非手に取って調べてみてね!
夏の季語を使った俳句の作り方&コツを紹介!
それでは早速、夏の季語を用いた俳句の作り方やコツについて解説していきます。
①まずは夏の季語を選ぼう!
まずは、俳句に入れる夏の季語を選びましょう。
夏の俳句には以下ののようにたくさんありますので、お好きなものを選びましょう。
夏の季語
「暑き日」「暑し」「涼し」「夏」「夏の日」「夏の夕」「夏の夜」「雷」「夏の雨」「夏の霧」「夏の雲」「入道雲」「夏の空」「夏の月」「夏の星」「夕立」「清水」「滝」「夏の海」「川」「湖」「夏の水」「山」「アイスクリーム」「アイスコーヒー」「アイスティー」「汗」「扇」「夏服」「日傘」「冷奴」「氷菓」「ビール」「風鈴」「ラムネ」「水遊び」「祭」「向日葵」「麦藁」「夕凪」「サングラス」「プール」「キャンプ」「海水浴」「冷房」「蝉」「メロン」「茄子」「昆布」「パイナップル」「滝浴び」「夏休み」「梅酒」「梅干」「夕焼」「梅雨」「梅雨明」「蛍」「牛蛙」「五月雨」「海月」「てんとう虫」「バンガロー」「サイダー」「襟シャツ」「草刈」「ハエ」「蜘蛛」「玉ねぎ」「初夏」「夏至」「秋近し」「暑中見舞」
②「場面」や「気持ち」を切り取ってみよう!
季語を決めたら、そこからどんな場面があったか、それをみて自分はどう思ったかを切り取ってみましょう。
今回は夏をテーマとしているので、その時セミは鳴いていたか、自分や周りの人はどんな服装だったかなどを具体的に思い出します。
ついでに、嬉しかったとか・悲しかったとか・美味しかったとか・暑かったとか、気持ちなども考えましょう。
③5・7・5の形に当てはめてみよう!
「場面」や「気持ち」を書き出したら、早速5・7・5に当てはまるように読んでみましょう。
先ほど選んだ季語と場面、気持ちを組み合わせ、5・7・5の形に当てはめてみましょう。
当てはめたら声に出して読んでみましょう。
⑤読んでみて違和感があれば言葉を変えてみよう
5・7・5の形に当てはまっていなかったという場合は、同じ意味を持った別の言葉を調べたり考えたりして書きましょう。
例えば、「暑い」という言葉にも「猛暑」や「極暑」などと言った別の言葉があります。
自分の俳句に適した言葉をさがしてみてくださいね。
また、季語や場面、気持ちを組み合わせて読んだ時に何か違和感を感じたという方。それは、もしかしたら「字余り」や「字足らず」という表現を含んでいる可能性もあります。
じつは俳句の中には、5・7・5の形から字が超えたり字が足りなかったりするものもあります。
これらは「字余り」「字足らず」と言って、作品の印象を強調するために作者が意図的に用いたりする場合もあります。
⑥切れ字を入れてみよう!
切れ字とは主に「や・かな・けり」の3つのことを指します。
切れ字には、言葉の表現を切ったり、余韻を持たせることができます。
例えば、松尾芭蕉の有名な句・・・・
古池や 蛙飛び込む 水の音
古池の後に「や」という切れ字が入っています。
現代の方は「古池に蛙飛び込む水の音」と、最後まで一気に読めますが、切れ字が入っていると「古池や、蛙飛び込む水の音」と、一呼吸置いてから読むようになります。
ちょっとの間ですが、読み手はその部分で古池のイメージをしっかり持たせることができます。
うまい!お手本となる夏の俳句を紹介!
今回は、夏をテーマにした俳句を5つ紹介したいと思います。
【NO.1】稲畑汀子
『 絵日記に 残りし頁 夏休 』
季語:夏休
意味:夏休みがもうすぐ終わるのに絵日記には空白のページが残っている。
【NO.2】与謝蕪村
『 みじか夜や 毛虫の上に 露の玉 』
季語:みじか夜
意味:意味:夏の短い夜が明ける頃、庭一面に朝露がついている中、毛虫の上にも露の玉が付いていてとても美しい。
【NO.3】桂信子
『 樹々の香の なかへ入りゆく 立夏かな 』
季語:立夏
意味:立夏の頃、樹木の間の道に入れば、木々の匂いがする
【NO.4】皆吉爽雨
『 さうめんの 真白き昼餉 夏休 』
季語:夏休
意味:夏休みの昼食には真っ白な素麺を食べています。
【NO.5】正岡子規
『 涼しさを 風鈴一つ そよぎけり 』
季語:風鈴
意味:意味:風鈴の風で揺れ動いた小さな音色の一つに涼しさを感じます。