【俳句の切れ字の覚え方】簡単にわかりやすく解説!意味や効果・種類など

 

俳句は、五七五という十七の音でできています。

 

この短い中で感動を強めたり、余韻を残したりするなどの効果として、「切れ字」という表現技法があります。

 

そんな切れ字はたくさんの種類があるため、覚えるのがとにかく大変です。

 


 

今回は、切れ字の意味や効果・覚え方について簡単にわかりやすく解説していきます。

 

リス先生
ぜひ参考にしてみてね!

 

俳句の切れ字の覚え方

 

俳句には切れ字十八「かな・けり・もがな・らむ・し・ぞ・か・よ・せ・や・つ・れ・ぬ・ず・に・へ・け・じ」があります。

 

俳句の中で十八字を見分けるのは大変ですが、次のように分けて覚えると分かりやすいです。

 

  • 動詞の命令形語尾につくもの・・・「せ」「れ」「へ」「け」
  • 形容詞の終止形・・・「し」
  • 副詞「いかに」・・・「に」
  • 終助詞・・・「かな」「もがな」「ぞ」「か」「や」「よ」
  • 助動詞終止形・・・「けり」「ず」「じ」「ぬ」「つ」「らむ」

 

しかし、切れ字十八字は、多くてなかなか覚えるのが大変ですね。

 

そこで、おすすめの暗記方法をご紹介します。

 

①語呂合わせで覚える

動詞の命令形語尾につくものは、全て「え行」なので、「せ れ へ け 命令」と覚えましょう。

 

②リズムに合わせて覚える

「大きな栗の木の下」の替え歌で、十八字を楽しく覚えることができます。

 

せー  れー  へー  けー  しー  にー

(おお きな くり の  きの した  で )

 

かーな もーがな ぞー  かー  やーよ

(あな たと わ た し )

 

けーりー  ずーじー   ぬーつ らむ 

(なか よく あそびましょ)

 

また、よく使われる切れ字八字だと、「かな けり やー よー ずー ぬー らむ ぞ」を早く唱えて覚える方法があります。

 

 

③シンプルに自力で覚える

そのまま唱えながら、下記を紙に何度も書いて覚えます。

 

「せ れ へ け」命令

「し」形容詞

「に」いかに

「かな もがな ぞ か や よ」終助詞

「けり ず じ ぬ つ らむ」助動詞終止形

リス先生
自分の覚えやすい方法で、暗記してね!

 

再確認!俳句の切れ字について

 

俳句では、リズムを整えるために「切れ字」が使われてきました。

 

切れ字は、俳句の意味の切れるところ(句読点の「。」を置く位置)に入れて使います。

 

意味としては、「~だなあ」「~であることよ」となり、切れ字によって前の言葉を強調することができます。

 

「夏草 兵どもが 夢の跡」(松尾芭蕉)

ここでは、「夏草」の後の「や」が切れ字となります。

 

「夏草」に「や」の切れ字を用いることにより、「夏草であることだなあ」といった詠嘆の意味を表しています。

 

このように、切れ字は言葉の意味が切れるところに使うと、その句をわかりやすくすることができます。そして、余韻を深めたり句のリズムを整える効果もあります。

 

では、切れ字には、どのような種類や効果があるのかを見ていきましょう。

 

切れ字には、切れ字十八字といわれ、連歌、俳諧で秘伝とされたものが、鎌倉~室町時代より使われてきました。

 

切れ字十八字とは、「かな・けり・もがな・らむ・し・ぞ・か・よ・せ・や・つ・れ・ぬ・ず・に・へ・け・じ」です。

 

しかし、現代の俳句では、「や」「かな」「けり」3つが使われています。

 

切れ字を使った有名俳句【5選】


 

俳句仙人
切れ字「や」を使い、「香におどろくや」とすることで、枯れ木を切ってみたときの香りに包まれた感動が伝わります。

 

俳句仙人
切れ字「かな」を使い、「泣く子かな」で「泣いている子だなあ。」と作者の詠嘆の思いが込められています。

 

俳句仙人
「桜かな」とし、作者が目の前にある大木の桜に感動している様子が伝えています。

 

俳句仙人
一句に切れ字が二つあります。そのことにより、目の前の情景「降る雪」と「明治は遠くになりにけり」の思い二つの感動が合わせて伝わってきます。

 

俳句仙人
高いセンス力を感じる、芥川龍之介の句です。切れ字「か」を使い、「お前もペンキ塗りたてか」と青蛙に直接話しかけているような面白い情景が浮かび上がります。

 

さいごに

 

切れ字を使うことで、俳句には間や句切れが生まれ、読み手にさまざまな情景を想像させます。

 

現代では、「や」「かな」「けり」の3つを俳句では使いますが、他にも俳句十八字の知識があると、より深く俳句を鑑賞することができます。

 

句のイメージを膨らませることができる、切れ字の効果をぜひ学んでいきましょう。

 

リス先生
最後まで読んでくれてありがとう!