【汗を使った俳句 40選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

 

暑い季節に限らず、緊張した時、運動した時などに汗をかくのは自然なことです。

 

普段はあまり意識しませんが、汗をかくことは健康を維持するのに大事な身体の働きです。

 

また、俳句の世界において「汗」は【夏の季語】に分類されます。

 

今回は、「汗」に関するおすすめ俳句を40句紹介していきます。

 

 

リス先生
有名俳句だけではなく、一般の方が作った作品まで紹介していくよ!ぜひ最後まで読んでね!

 

「汗」に関する有名俳句集【10選】

 

ここでは、季語「汗」を使った俳句を俳人ごとに紹介していきます。

 

リス先生
お気に入りの一句を見つけてみてね!

 

【NO.1】石田波郷

『 汗のハンケチ 友等貧しさ 相似たり 』

季語:汗(夏)

意味:汗を拭こうとハンカチをとり出したら、友達も同じようにハンカチを出していた。どれも使い古した質素なハンカチで、みな同じくらいの貧しさなのだなと思った。

俳句仙人
クーラーのない時代、青年たちはいまよりも夏のハンカチは必需品だったのです。汗のハンケチというのが青年らしく、貧しさを卑下するわけでもないとてもすがすがしい一句ですね。

 

【NO.2】水原秋桜子

『 汗ぬぐふ 捕手のマスクの 汗見ずや 』

季語:汗(夏)

意味:試合中、捕手がマスクをとって汗をぬぐったけど、マスクについた汗はみることもなかった。

俳句仙人
たしかに、捕手(キャッチャー)は試合中にマスクをとって汗をぬぐう機会があまりないですね。しかし、タイミングをはかってマスクを外し、さっとユニフォームの袖口で額の汗をぬぐうとマスクについた汗にはかまわずに、またさっとマスクをつける。この様なしぐさをみるとかっこよく感じます。作者は学生時代に野球に親しんでおり、プロ野球ファンでもあったそうです。

 

【NO.3】高尾年尾

『 羅に 汗さへ見せぬ 女かな 』

季語:羅(うすもの:夏用のひとえで上質な着物)/ 汗(夏)

意味:夏の暑さの中、薄物を着た女性が汗ひとつかかずたたずんでいる。品のあるたたずまいだ。

俳句仙人
絹の中でもより細い糸で織った上質なひとえの着物はいかにも涼し気で優雅です。とはいえ、夏の日に汗もかいてなさそうな女性。作者はきっと凛としたものを感じたのでしょう。

 

【NO.4】鷹羽狩行

『 ひとすぢの 流るる汗も 言葉なり 』

季語:汗(夏)

意味:顔や身体に流れるひとすじの汗。その人がたとえ何も語らなくも、その汗が何かを物語ります。

俳句仙人
笑顔で軽やかにパフォーマンスしている人にひとすじの汗をみつけたとき、思わずドキッとしてしまいますね。

 

【NO.5】橋本多佳子

『 スケートの 汗ばみし顔 なお周る 』

季語:スケート(冬)

意味:スケートの練習をしている。氷上とはいえ顔が汗ばんできましたが、まだコースを周っています。

俳句仙人
ひんやりとしたスケートリンクで練習している風景でしょうか。ウォーミングアップして顔に汗がにじんできます。調子があがってきてまだまだやるぞ!という意気込みが伝わってきます。

 

【NO.6】加藤秋邨

『 わが声を 出すラジオ堤げ 汗しをり 』

季語:汗(夏)

意味:自分の声が流れてくるラジオを手に提げて、汗をかいているところです。

俳句仙人
88歳でなくなるまで、俳人、国文学者として幅広く活躍した作者。ポータブルラジオが普及したころに、ラジオ出演したのでしょうか。自分の声が流れてきてラジオを手に冷や汗をかいているという様子がしっかり伝わってきます。

 

【NO.7】星野立子

『 二時頃は 山も汗する 蝉ぢぢと 』

季語:汗 / 蝉(夏)

意味:夏も午後二時ごろになると、蝉もぢぢと鳴いて、山も汗をかいていそうです。

俳句仙人
夏の午後、ミーンミーンと鳴き続けたあと、ぢぢぢといって観念したように鳴きやむ蝉。暑そうな雰囲気が伝わってきます。夏の午後二時ごろの空気感、むっと蒸しかえる山、そして蝉の声。五感に訴えてくる一句です。

 

【NO.8】上村占魚

『 人まかせ 出来ぬ性にて 汗かきで 』

季語:汗(夏)

意味:ひとまかせに出来ない性格なので、なにかと忙しくて汗かきです。

俳句仙人
ひとまかせに出来ない性格だと、当然忙しくなります。上五、中七は完ぺき主義で厳しそうな人を連想させますが、下五の「汗かきで」が人間くさく、なんだかホッとさせられる一句ですね。

 

【NO.9】鈴木真砂女

『 今年竹 皮剥ぐころの 汗少し 』

季語:竹皮剥ぐ(夏)

意味:今年の竹が皮を脱ぐ頃の竹林。もう夏ですこし汗ばみました。

俳句仙人
タケノコが皮を脱ぐ…羽織っているものを脱ぐ様を連想させてくれますね。

 

【NO.10】山口誓子

『 子の顔の 叱られて汗 滂沱(ぼうだ)たり 』

季語:汗(夏)

意味:叱られて泣いている子どもの顔は、汗も涙も一緒になってとめどなく流れています。

俳句仙人
滂沱とは、涙や汗などがとめどなく流れることです。ぬぐっても、ぬぐっても流れてくる涙。汗ばむ季節だと、汗も涙も区別がつかなく、ぐちゃぐちゃに泣いている子ども。かわいそうだったり、可愛らしかったりしますね。

 

「汗」に関する一般俳句作品集【30選】

 

ここからは、一般の方が詠んだオリジナルの俳句作品集を紹介していきます。

 

リス先生
上手な俳句がたくさんそろっているよ!

 

【No.1】

汗かいて 上ル下ルの 京の街 』

季語:汗(夏)

意味:汗をかきながら、上ル、下ルと京都の町を歩いています。

俳句仙人
京都の夏はとても暑い。そして上ル、下ルなど独特の地名の表記があり、はじめての人がすぐに理解するには難しい。作者は旅行者なのか、京都の方なのかは不明ですが、汗をかきながら夏の京都を歩いてめぐっているのでしょう。

 

【No.2】

気がつけば また汗光る 夏に入る 』

季語:汗(夏)

意味:気がつくと、会う人、会う人、また汗が額に光っている。夏に入ったのだなあ。

俳句仙人
作者は人にたくさん会うお仕事をされているのでしょうか。自分のことのみに没頭せず、さりげなく他者を観察し、季節の移ろいを感じ取ったさわやかな句ですね。

 

【No.3】

ひた走る ウールの小紋 冬の汗 』

季語:冬の汗(冬)

意味:ウールの小紋を着た女性が休むことなく駆けていった。あんなに走ったら冬でも汗をかいてしまいそうです。

俳句仙人
コートのポケットに手を突っ込んで、皆が速足で歩く人混みの中、小紋の女性は何か急ぎ事があったのでしょうか。「こんなに寒いけど、きっと汗かいてしまうだろうな、せっかく小紋を着ているのに…」という女性ならではの視点がくみこまれています。

 

【No.4】

手脱ぎ捨てて 抜け殻のごと 汗の服 』

季語:汗(夏)

意味:汗をかいて重くなった服を脱ぎすててみたら、抜け殻みたいにみえました。

俳句仙人
早く着替えてさっぱりしたいという気持ちで、パッと脱ぎ捨てた洋服がまるで抜け殻みたいというユーモラスな表現。殻を脱ぎ捨てた爽快感を思わせる一句ですね。

 

【No.5】

大汗を かいて終わりぬ 落語会 』

季語:無季

意味:落語会に出演し、大汗をかきながらも、無事に終えることが出来ました。

俳句仙人
舞台に立つときに汗はつきものかも知れませんね。ましてや落語はある意味独り芝居でもあり、座ってはいても「動」の話芸です。きっと熱演だったことでしょう。

 

【No.6】

大汗も また健康と 思いけり 』

季語:汗(夏)

意味:大汗をかいたとき、健康なのだとあらためて思います。

俳句仙人
外出先での汗はなるべくかきたくないですが、運動などで思いきり汗をかいたあとの身体が軽くなるような爽快感はまさに健康の証です。

 

【No.7】

緊張の 解けたる刹那 汗噴きぬ 』

季語:無季

意味:緊張が解けたその瞬間に汗が噴きだしました。

俳句仙人
緊張の最中に噴き出す汗もありますが、緊張が解けた瞬間に噴き出す汗とは、安堵感からくるホッとした汗なのでしょう。

 

【No.8】

診察の 待つ間の長し 手に汗を 』

季語:無季

意味:診察日、待ち時間が長くて、手に汗をかいてしまいました。

俳句仙人
診察は本人が受けるのか、家族なのか。いづれにしても病状がはっきりわかるまでの待ち時間は長く感じられ、本当に不安から手に汗をかく思いをしたのでしょう。

 

【No.9】

ためらひつつ 汗の手を出す 握手かな 』

季語:汗(夏)

意味:手の汗が気になり、ためらいつつも握手をしました。

俳句仙人
握手をもとめられて、自分の手の汗が気になることってよくありますね…。複雑な心持ちのままの握手になったことでしょう。

 

【No.10】

汗の手を 服でぬぐいつ 子の握手 』

季語:汗(夏)

意味:手の汗を洋服でぬぐってから、子どもが握手をしていました。

俳句仙人
幼いながらも相手を気遣って、無意識に洋服でごしごし手をぬぐう微笑ましい風景が浮かんできます。

 

 

【No.11】

出迎えて 思わず汗の 手を握り 』

季語:汗(夏)

意味:出迎えて、手を握ったらその手が汗ばんでいました。

俳句仙人
駅の改札か、空港のロビーでしょうか?出迎える方は相手に無事に会えるまでは、気が気ではいられんはずです。やっとあえて手を握ったらその手が汗ばんでいた…。旅してきた人も、はじめての場所で不安なまま、作者を待っていたのでしょう。

 

【No.12】

原紙切る ガリ版の 小手滲む汗 』

季語:汗(夏)

意味:製版作業。鉄筆でガリ版をしていると、腕の辺りに汗がにじみます。

俳句仙人
パソコンやコピー機が普及する前は、ガリ版でいろいろな印刷物を作っていました。パラフィンのような用紙に直接金属のペンで削るよう書きこんだものを型にして、版画のように印刷していたのです。「原紙切る」とは製版作業のこと。「小手」は手首と肘の間のことです。

 

【No.13】

応援席 球児と共に 玉の汗 』

季語:汗(夏)

意味:野球試合の応援席で、選手らと同じように玉の汗をかいています。

俳句仙人
野球の応援席…甲子園でしょうか?高校球児たちは汗だくになってプレイしていますが、応援席も全身全霊で応援しています。選手と応援席の一体感を詠んだすばらしい句です。

 

【No.14】

玉の汗 歯のクリニック 出しより 』

季語:無季

意味:歯の治療が苦痛だけど我慢して頑張った。歯医者の外に出たらホッとして玉の汗がでていたのに気づいた。

俳句仙人
歯医者さんが苦手な人は多いですね…。作者も受付で支払いをすませて、外にでてやっとほっとしたことでしょう。

 

【No.15】

古代ロマン 流るる汗を 忘れさせ 』

季語:汗(夏)

意味:古代のロマンを求めて旅にいきました。暑い日でしたが汗が流れるのも忘れていました。

俳句仙人
古代に思いをはせながら、汗も忘れて観光した作者。すばらしい風景だったことでしょう。

 

【No.16】

汗ぬぐい 涙ぬぐひつ 子の喧嘩 』

季語:汗(夏)

意味:汗と涙をぬぐいながら、子どもが喧嘩しています。

俳句仙人
汗と涙でぐちゃぐちゃな子ども。喧嘩は止まらないようですが、じっと見守ってあげているあたたかい大人の目があればきっと大丈夫です。

 

【No.17】

誇らかに 登頂の汗 拭いけり 』

季語:汗(夏)

意味:誇らしい思いで、登頂の汗をぬぐいました。

俳句仙人
登山の途中は苦しい場面もありますが、登頂すると全部忘れられるという話をきいたことがあります。山に挑んで山頂に到達するという体験を誇らしく思いながらゆっくり汗をぬぐう。とても素敵なひとときだったはずです。

 

【No.18】

汗しとど 最終章の タクト振る 』

季語:無季

意味:汗びっしょりになりながら指揮者が最終章のタクトを振っています。

俳句仙人
オーケストラの演奏会。演奏はもちろん、ここぞという時に大きくタクトを振る指揮者の姿に感動したことでしょう。

 

【No.19】

一心に 太鼓打つ子の 光る汗 』

季語:汗(夏)

意味:一心に太鼓を打っている子どもの汗が光っています。

俳句仙人
光る汗…真剣な瞳も輝いているようです。一心な姿はすがすがしく美しいものです。

 

【No.20】

工作に 励む汗の子 風を呼ぶ 』

季語:汗(夏)

意味:工作を一生懸命やっている子どもの汗を冷やそうとするように、窓から心地良い風がはいってきました。

俳句仙人
幼稚園の体験コースでの様子を詠んだ一句です。風を呼ぶとしたところにすばらしい表現力を感じます。

 

 

【No.21】

『 玉の汗 泥にしたたる ボランティア 』

季語:汗(夏)

意味:玉のような汗が泥の上に滴り落ちているボランティアたちだ。

俳句仙人
「泥」とあることから、水害にあった地域など泥が関係する場所に来たボランティアを詠んだ句です。「玉のような汗」と例えられますが、「玉」という宝物も表す言葉と「泥」が対比になっています。

【No.22】

『 浜風の ホームで汗を 拭いてをり 』

季語:汗(夏)

意味:浜風が吹くホームで汗を拭いている。

俳句仙人
浜から風が吹く日陰のホームで汗を拭いている様子を詠んだ一句です。旅行中なのか、仕事で出張しているのかで着ている服が変わってくるため、読む人によってこの句のイメージが変わってくるのではないでしょうか。

【No.23】

『 剪定枝 どっさり十束 春の汗 』

季語:春(春)

意味:剪定された枝がどっさり10束も出た。春なのに汗をかいている。

俳句仙人
春とはいえ10束もの枝の剪定で汗をかいています。気温はそこまで高くなくても肉体労働をすると汗をかくという経験がある人も多いのではないでしょうか。まだ春なのにもう汗をかいてしまった、という気持ちが「春の汗」という体言止めに表れています。

【No.24】

『 秋暑し 歩む畑道 汗しきり 』

季語:秋暑し(秋)

意味:秋なのに暑いなぁ。畑道を歩いているけれど汗がしきりに出てくる。

俳句仙人
「秋暑し」とは残暑が厳しく、まだまだ暑い様子を表す季語です。畑道は街路樹がなく日差しを遮るものがないため、直射日光が照りつけます。そのため、汗が次から次へと滴っているようです。

【No.25】

『 熊よけの 鐘に汗引く 遊歩道

季語:汗(夏)

意味:熊よけと鐘に汗がさっと引いていく遊歩道だ。

俳句仙人
それまでは暑さを感じていたのに、鳴った鐘の音が熊よけのためだと聞いて汗が引いてしまっています。熊よけの鐘があるということは熊が出てくる可能性が高い遊歩道なので、感じた恐怖でさっと汗が引いたのでしょう。

【No.26】

『 汗拭う ミットを睨む 振りかぶる 』

季語:汗(夏)

意味:汗を拭う。キャッチャーのミットを睨んで大きく振りかぶる。

俳句仙人
「振りかぶる」で止まり、具体的に野球をしていると表現していないところにユーモアを感じさせる一句です。ピッチャーの視点で詠まれており、一球ごとに汗を拭って真剣勝負をしている様子が伺えます。

【No.27】

『 クロネコも 飛脚も春の 汗滲み

季語:春(春)

意味:クロネコの配達業者も、飛脚の配達業者も春でも汗が滲んでいるようだ。

俳句仙人
「クロネコ」とはクロネコヤマト、「飛脚」とは佐川急便のことです。どちらも重い荷物を運んでいるため、春にもかかわらず制服に汗が滲んでいます。企業名ではなくトレードマークで詠んでいるのが面白い一句です。

【No.28】

『 山歩き 一筋の汗 処暑なりぬ 』

季語:処暑(秋)

意味:山歩きをしていると一筋の汗が滴り落ちる。季節は処暑だ。

俳句仙人
「処暑」とは822日前後のことで、最も暑さが厳しい時期です。そんな時期に登山をしている作者は汗をかいています。もしかするとかなりの高山なのに、暑さで汗をかいているのかもしれないと想像が膨らむ句です。

【No.29】

『 汗拭う 汗から汗が 湧いて汗 』

季語:汗(夏)

意味:汗を拭う。その汗から汗が湧いてまた汗が出る。

俳句仙人
「汗」を4回も繰り返しているテンポの良い面白い一句です。拭っても拭っても次から次へと汗が湧いて出てくるあまりの暑さを感じさせます。制汗剤も日焼け止めも効果をなさない様子に辟易としていそうです。

【No.30】

『 雪掻きの 汗滲みける 日和かな 』

季語:雪掻き(冬)

意味:雪掻きをしていると、汗が滲んでくる晴天の日だ。

俳句仙人
雪が止み、雪掻きができる晴天の日に作業をしている一句です。冬は汗とは程遠いと感じる人もいるでしょうが、雪掻きは重労働になります。作業を続けているうちに汗が滲んできている様子を詠んだ句です。

 

以上、季語「汗」を使ったおすすめ俳句集でした!

 

 

俳句仙人
同じ題材を扱ってもいろんな風景があって面白く、はっとするような表現もありました。

リス先生
心に映った風景をぜひ俳句にして楽しんで見てね!

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