【花火の俳句 おすすめ30選】すごく上手い!!季語を含んだ有名句&オリジナル俳句作品を紹介!

 

花火の季節と言えば、夏!

 

ところが俳諧連歌の季語としては「秋」とされているので、どちらの季節として作ればいいのか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

しかし、歳時記には夏・秋どちらの季語としても詠まれているので、場面によってどちらの季節としても問題ありません。

 


今回は、花火の俳句の表現が「すごく上手い」有名句とおすすめの俳句作品をご紹介いたします。

 

リス先生
ぜひ参考にしてみてね!!それでは、さっそく見ていこう!

 

季語「花火」を使った有名俳句集【10選】

 

ここでは、季語「花火」を使った俳句を俳人ごとに紹介していきます。

 

リス先生
お気に入りの一句を見つけてみてね!

 

【NO.1】与謝蕪村

『 花火せよ 淀のお茶屋の 夕月夜 』

意味:夕方の夜に淀川のお茶屋から花火を打ち上げたいものだ

俳句仙人
「せよ」を命令形と読むか「しよう」と動詞と捉えるかは詠み手次第の感性で変わるのう。どちらにしても本人の強い希望だということは伝わってくるぞ。花火はあがらずとも淀の景色に夕月が登っている光景は風情があるのう。

 

【NO.2】与謝蕪村

『 もの焚いて 花火に遠き かがり舟 』

意味:何か焚いているかがり舟の遠い向こうに花火が見えている

俳句仙人
焚いているものをはっきり書かずに詠み手に想像させているところがいいのう。花火が「遠き」ところにも余韻を感じるぞぉ。

 

【NO.3】河東碧梧桐

『 海の月 花火彩る 美しき 』

意味:花火を彩るように出ている月が海に映ってなんと美しいことよ

俳句仙人
花火をさらに彩るように出ていた月と、それが映っている海を「美しき」で強調し、その優美さを讃えるとは素晴らしい表現力じゃ。

 

【NO.4】芥川龍之介

『 秋風に 吹かれて消えぬ 昼花火 』

意味:昼の花火が秋風に吹かれて消えていった

俳句仙人
昼花火は運動会の開会時にパンパンパン!と上がって煙だけが昇っていくあれじゃ。ここでは秋の句として詠んでおるのう。秋風で消えていく煙を目で追っていたのでじゃろうなぁ。

 

【NO.5】飯田蛇笏

『 花火見や 風情こごみて 舟の妻 』

意味:舟に乗っている妻が花火を見てとかがんでいる姿に風情を感じる

俳句仙人
こごみは「屈み」と書くぞ。かがんで上を見上げる姿は色っぽい浮世絵のようじゃな。

 

【NO.6】正岡子規

『 夕涼み 花火線香の 匂ひ哉 』

意味:夕涼みをしているとどこからか線香花火の香りがしてきた

俳句仙人
夏に外でぼーっと夕涼みをしているとすぐにわかるあの匂いが漂ってきたその風情がいいのう。線香花火ではなく逆にしているのは「線香」の香りを強調したかったのかもしれませんのう。

 

【NO.7】正岡子規

『 暗がりの 天地にひびく 花火哉 』

意味:夜暗い天地に花火の大きな音が響いている

俳句仙人
子規は「哉(かな)」を多用していることで有名じゃ。皆さんも詠んだ句を「花火かな」で終わらせれば子規っぽくなるかもしれませんぞぉ。

 

【NO.8】日野草城

『 閑けさや 花火消えたる あとの星 』

意味:賑やかだった花火が消えた後、閑かな空に光っている星たち

俳句仙人
祭りの後の静かさじゃな。漢字に「閑けさ」を使い「星」を体言止めで表現して静まり方を強調しておるぞ。

 

【NO.9】中村汀女

『 早打ちや 花火の空は 艶まさり 』

意味:次々に打ち上がる早打ちの花火で空が彩られて艶やかだ

俳句仙人
空一面に早打ちの花火が広がって華やかな様子を「艶まさり」と表現するのが女性らしいのう。

 

【NO.10】中村汀女

『 待ち受けし 花火の空の 響あふ 』

意味:花火を待ち受けていた空が打ち上がった音に響き合っている

俳句仙人
「待ち受けし」ていたのは人ではなく「空」。擬人法で花火と空が仲良しの様子が響き「あう」に繋がっているのが秀逸じゃ。

 

こんな俳句もある!オリジナル俳句集【20選】

 

ここからは、一般の方が詠んだオリジナルの俳句集をご紹介していきます。

 

リス先生
上手な俳句がたくさんそろっているのでぜひ参考にしてみてね!

 

【No.1】手花火の ポツリと落ちて 波の音

意味:手に持った花火(線香花火)の火がポツリと落ちた後は波の音だけになった

俳句仙人
線香花火をしていた場所を「海」と書かずに悟らせる表現が素晴らしいのう。

 

【No.2】花火待つ 君の睫毛の 長きかな

意味:次の花火が上がるのを待っている君を見ると睫毛の長いことに気づいた

俳句仙人
この場の主役は花火ではなく「君」。その睫毛の長さに気づけるほど近しい人にしか作れない句じゃな。

 

【No.3】あれこれと 買い込みて待つ 大花火

意味:食べ物飲み物をあれこれたくさん買い込んで大花火が始まるのを待っている

俳句仙人
そうそう!な場面じゃな。あれこれ買いすぎて花火もしばらくしたら飽きて飲み食いの方を楽しんだりするのじゃ。

 

【No.4】寂しさと 線香花火が 散っていく

意味:線香花火が散っていくと同時に寂しさも散っていった気がする

俳句仙人
線香花火の小さくてなんとなく物悲しい雰囲気を「寂しさ」と表現しているんじゃな。

 

【No.5】青春の 一ページをなす 花火かな

意味:花火は誰にとっても青春の一ページに思い出としてあるものだ

俳句仙人
出ました子規流の「花火かな」。確かに若い頃の花火にまつわる思い出は誰しも持っていおるのう。

 

【No.6】片思い 打ち上げ花火と ともに消え

意味:打ち上げ花火を見に行ったら自分の想っている相手が誰かと一緒にいて失恋しちゃった

俳句仙人
切ないのう。でもショックな思いも、大きく打ち上がる綺麗な花火をずっと見て一緒に吹っ切れてほしいのう。

 

【No.7】心臓の 鼓動と花火 響く夜

意味:心臓のドキドキしている鼓動が花火と同じくらい響いている夜

俳句仙人
きっと大きな音でドキドキするくらいときめく相手と一緒に花火を見ているのじゃろう。自分にしかわからない感情をうまく表現しているのう。

 

【No.8】初めての デートの線香 花火かな

意味:初めてデートした時に線香花火をした

俳句仙人
これも子規流「花火かな」じゃな。線香花火をあえて5と7の間に分かれさせたことでテンポが出ていいのう。

 

【No.9】花火の輪 僕の周りは 家族の輪

意味:花火が輪が上がっているのを見ている僕の周りには、輪になって見ている家族ばかりだ

俳句仙人
輪と輪が上にも下にも広がっているんじゃな。幸せな構図じゃ。

 

【No.10】夏終わる 火薬の薫る 静寂(しじま)かな

意味:花火の後の火薬の香りが漂う静けさに夏の終わりを感じる

俳句仙人
「花火」という単語を出さずに花火を表現できているのが素晴らしいのう。ちなみに、この俳句の季語は「夏終わる」じゃ。

 

 

【No.11】しあわせは 花火のごとく はじけ散る

意味:幸せが花火のようにはじけ散ってしまった

俳句仙人
悲しい句じゃな。幸せだと思っていたことが花火のように一瞬でダメになってしまったのじゃろうか…。

 

【No.12】大輪の 花火の照りを 満面に

意味:大きな花火の照りを顔満面に受けている

俳句仙人
「花火の照り」で光を受けた顔が赤々と照らされている様子が目に浮かんでくるのう。

 

【No.13】目をとじて まだ迫り来る 大花火

意味:目をとじてもさっきの大花火の映像がまだ迫ってくるようだ

俳句仙人
わかるぞぉ!どーん!と目の前に迫ってくる空いっぱいに広がる大花火を見た後、しばらくまぶたに焼き付いている経験をうまく表しているのう。

 

【No.14】Tシャツに 昨夜の花火の 匂ひけり

意味:朝Tシャツに鼻を近づけると昨夜の花火の匂いが残っていた

俳句仙人
花火をしたのは昨夜、それを次の日のTシャツ視点で描いているのが上手いのう。

 

【No.15】ディズニーより 音聞こえくる 花火の夜

意味:ディズニーランドから花火の音が聞こえてくる夜

俳句仙人
東京ディズニーランドでは毎晩のように花火が上がっているので周辺の方は聞き慣れてしまっている日常の表現かもしれんのう。

 

【No.16】人混みと 渋滞苦し 花火かな

意味:花火大会では人の多さと渋滞に困る

俳句仙人
ワシも本当にいつもこの二つの大変さと花火の魅力を天秤にかけて、行くかどうかを決めるぞ。

 

【No.17】大花火 僕と地球が 震えてる

意味:夜空いっぱいの大花火の音で僕も震え地球まで震えているようだ

俳句仙人
地面ではなく「地球」と大きく表現したことで音の大きさも花火の大きさもより伝わってくるのう。

 

【No.18】下駄の緒の 指美しき 草花火

意味:草はらでの花火をしている子が履いている下駄から見えている指が綺麗だ

俳句仙人
視点は花火ではなく、下駄から見える綺麗な足の指に釘付けだったんじゃな。指と花火の美しさをかけた表現が美しくまとまっておるのう。

 

【No.19】花火果て ライター灯りの 赤さかな

意味:用意していた手花火は全て終わってしまって、残ったライターの灯りだけが赤くなっている

俳句仙人
たくさん用意していても手花火はあっという間に終わってしまうのう。終わった後に焦点を持ってきた素晴らしい作品じゃ。

 

【No.20】一斉に 引き揚げて行く 花火舟

意味:花火が終わると同時に一斉に花火を見ていた舟が引き上げて行く

俳句仙人
陸で一斉に大混雑と大渋滞じゃが、舟は一斉に引き上げてもスムーズに移動できるので風情があるのう。

 

 

以上、季語「花火」を使った有名俳句とオリジナル俳句集でした!

 

俳句仙人
有名な句では上級な表現もあるが、自分でも使えそうなものを見つけたらぜひ使ってみるのじゃ。

リス先生
自分が体験した、もしくは空想したことでもいいから、ぜひ花火の俳句作りにチャレンジしてみてね!