【小暑の有名俳句 20選】二十四節気の一つ!!夏の季語(しょうしょ)を使った有名俳句を紹介

「あぎと」とは顎のことです。病気の後のためか、一生懸命噛み砕いて食事をしている様子が浮かんできます。

「部屋ぬち」とは部屋の中という意味になります。暑さ対策で窓を開けていたのか、吹き込んでくる風に乗って何度も蝶が出入りしている様子を詠んだ句です。

「桂子夫人」とはおそらく渡辺水巴の妻である桂子夫人のことでしょう。作者は俳句雑誌の『曲水』に参加しており、桂子夫人はその選者として選ばれています。

「碧雲居（へきうんきょ）」とは、1952年に亡くなった大谷碧雲居のことです。上の句と同じ俳句集に載っている句のため、この2句は碧雲居のお葬式の様子を表しています。

「追善（ついせん）」とは法要の1つで、死者の冥福を祈って善事を行う法要のことです。その際に響いた鼓の音が、暑さで気が弛みがちな心を引き締めた様子が詠まれています。

「細書キ」とは文字を細く書くための筆、もしくは筆記用具のことです。外の暑さと比べて細かい作業を必要とすることが伺えるのが対比になっています。

「序破急」とは日本の芸能における起承転結のようなもので、徐々に物事が展開していくことを表します。少しずつ夏に近づき、小暑をむかえて暑さと湿度で不快指数が高まっていく様子は身に覚えがある人も多いでしょう。

注射の跡が残ってしまう様子を詠んでいます。夏の暑さは体調を崩しやすいものですが、作者は健康診断に来たのかどこか調子を崩したのか、どちらでも解釈できる句です。

四十九日の法要まで、とても悲しんでいたことが伝わってくる句です。どうにか日々を暮らしてきたことが「小暑なり」という言い切りから感じ取れます。

引き連れているのは家族なのか友人なのか、読んだ人の印象によって変わってきます。朝市に向かって急いでいる様子が浮かんでくる句です。

真っ白な角砂糖が小暑の強い日の光を浴びて照っている様子を詠んでいます。テラスのあるカフェの風景や日が差し込むキッチンなどさまざまな光景が思い浮かぶ句です。

「ケチな」という表現がユーモアあふれる句です。これからどんどんと熱くなっていく時期ですが、暑さ以外に恩恵がないことが「ケチ」と言わしめる原因でしょうか。

これから産卵をむかえる虫が暑さの中を前進している様子を詠んでいます。草の影を移動する虫をじっと眺めている作者の観察眼が光ります。

目薬をさしていてふと涼しい風を感じたような心地の句です。気温が高くとも湿度が低ければ風や日陰は涼しいため、涼しく感じる午後だったのでしょう。

投票所は締め切られていることがなく、常に風通しがいい状態です。そんな投票所の中を少し暑い小暑の風が通り抜けていく様子が浮かんできます。

ピアノの鍵盤は少し力を入れると音が鳴ってしまいます。音がしないようにそっと拭き掃除をしている様子を詠んだ句です。

朝食の支度をしていたのでしょうか。2つ作っていた玉子焼きの片方が焦げてしまうほど暑い小暑の朝の風景です。

夜の散歩に隅田川沿いを歩いている風流な様子の句です。小暑とはいえ夜は涼しいため、涼しい夜風を堪能している様子が浮かんできます。

今回は、小暑の季節に詠まれた有名な俳句を20句ご紹介しました。

本格的な夏の始まりということで、暑さを詠んだ句がとても多かった印象です。
年によってはまだ梅雨が明けていないこともある小暑ですが、季節の移り変わりを感じたら一句詠んでみてはいかがでしょうか。