子どもから大人までが楽しめる夏祭り。
地域によって様々な伝統やスタイルがあって、地元の祭りも旅行先での祭りも楽しいものです。
とくに学生時代に行った夏祭りは忘れられない思い出になることもしばしば…俳句にするにはぴったりのイベントです。
今回は「夏祭り」にちなんだ有名俳句と小学生・中学生向けの俳句をご紹介いたします。
ぜひ俳句作りの参考にしてみてください。
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リス先生
それでは、さっそく見ていこう!
夏祭りの有名俳句集【10選】
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ここでは、季語「汗」を使った俳句を俳人ごとに紹介していきます。
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リス先生
お気に入りの一句を見つけてみてね!
【NO.1】相馬遷子
『 綿菓子も 紅もて装ふ 夏祭り 』
意味:綿菓子も紅をつけて装って、夏祭りなのですね
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俳句仙人
紅白幕や赤い提灯、赤い法被など、お祭りといえば赤い装飾が目につくものじゃ。また、踊り手の女性も紅であでやかにお化粧しておる。作者は薄紅色の綿菓子をみつけて、「おや、綿菓子もお祭り風にお化粧しいてるな」と思ったのじゃろう。
【NO.2】森澄雄
『 娘らも 勢子の鉢巻き 夏祭 』
意味:夏祭りだ。娘たちも勢子の鉢巻きをしています
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俳句仙人
祭りで神輿を担いだり、山車を曳く人を勢子(せこ・せご)というぞぉ。本来なら男性用の鉢巻きをきりりとしめた若い女性。いつもとは違うりりしい横顔が見えてくるようじゃ。
【NO.3】中村汀女
『 真円き 月と思へば 夏祭 』
意味:今夜の月はまん丸だなあと見ていましたが、そうか、今日は夏祭りでした
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俳句仙人
「真円き」の読みは「まんまるき」じゃ。きれいな月を眺めていたら、お囃子がきこえてきたのか、あるいは提灯の明かりが見えたのか、満月のころがお祭りと知っていたのか、どれともいえんが、ふっと祭に気づいた作者の楽しい気持ちが伝わってくるのう。
【NO.4】杉田久女
『 夏祭 髪を洗つて 待ちにけり 』
意味:夏祭りなので、きれいに髪を結ってもらえるよう洗ってまっています
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俳句仙人
夏祭りに出かけるため、髪を洗って髪結いさんを待っているのじゃろうか?ですが最終的に作者が待っているのは夏祭り。身ぎれいにして出かけたいという女性らしい気持ちが詠まれておるのう。
【NO.5】久保田万太郎
『 どぜうやの 大きな猪口や 夏祭 』
意味:どじょうやへ行ってみたら、大きな猪口が置いてありました。夏祭りなんですね
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俳句仙人
猪口(ちょく、ちょこ)とは、お酒をつぐ陶器の小さな杯のことじゃ。どじょう鍋などを食べさせる店に立ち寄ってみたら大きなお猪口が並んでいた(お神輿の担ぎ手などにお神酒を振るまうため)ので、ああ夏祭りだと実感した作者の様子がしっかりつたわってくるのう。
【NO.6】桂信子
『 原色の 土産物屋の 夏祭 』
意味:夏祭りに出店している土産物屋は原色ばかり。なんと楽しいことでしょう
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俳句仙人
夏祭りの土産物屋(みやげものや)さんは、テントやのぼり、売っているものも派手な原色ばかり。夏の光のせいもあるでしょう。目をひかれる楽しさを詠っておるのう。
【NO.7】山口誓子
『 崎の海は 荒びたれども 夏祭 』
意味:岬に立つと海は荒れてるいが、今は夏祭りです
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俳句仙人
岬の向こうの海は荒れて波がたっているが、何はともあれ今日は夏祭りであるという、少々波が荒れていても気にせずに皆祭りを楽しんでいる風景じゃろうか?ちなみに能登半島の最先端である禄剛崎には作者の記念碑があるぞぉ。
【NO.8】林翔
『 冷めがての 飴はびいどろ 夏祭 』
意味:夏祭りの飴細工はまだ冷めきれていなくて、まるでびいどろのようです
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俳句仙人
お祭りで買った飴細工。作りたてでまだ熱がのこっているのでとろりとしている。そこがびいどろのように美しいと感じた一句じゃ。
【NO.9】山口誓子
『 妹が居の 宰相山も 夏祭り 』
意味:妻の居る宰相山も夏祭りだなあ
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俳句仙人
妹とは、妻のことを万葉風に詠んだものじゃ。結婚したばかりの妻の故郷である宰相山(さいしょうやま)に新居を構えた頃に詠まれたものといわれておるぞ。
【NO.10】長谷川かな女
『 雨をよぶ 山車を出しけり 夏祭 』
意味:夏祭りの山車を出していますが、まるで山車が雨を呼んだように雨が降りそうです。
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俳句仙人
祭りで山車を出す日、お天気がいいのが望ましいのはいうまでもないが、山車をだすと降るんだよねというジンクスもよく耳にするのう。作者の見た光景も、おそらく今にも降りそうなお天気だったのじゃろう。山車(だし)は祭のときに飾り物をして引き出す車のことじゃ。
小学生向け!!夏祭りの素人俳句集【10選】
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ここからは、小学生が詠んだオリジナルの俳句集をご紹介していきます。
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リス先生
上手な俳句がたくさんそろっているのでぜひ参考にしてみてね!
【No.1】夏祭り ひみつのぬけ道 かけぬける
意味:夏祭りに、ひみつの抜け道をかけぬけて向かっています
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俳句仙人
祭りで混雑する人混みをさけて通れるぬけ道。大人には思いつかない小さな冒険を子どもたちは知っているんだなあと思わされるのう。
【No.2】夏祭り やまからたくさん かみふぶき
意味:夏祭りの山車から紙吹雪がたくさん降ってきました
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俳句仙人
お祭りのクライマックス。舞い踊る紙吹雪を見上げるたくさんの笑顔が想像できるぞぉ。
【No.3】なつまつり 楽しくおどる げたの音
意味:夏祭りで下駄の音が楽しく踊っているようでした
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俳句仙人
夏祭りにいって、下駄の音に耳を澄ませた作者。祭りの盛り上がりで、下駄の音も楽しく踊っているように聞こえたのじゃろう。
【No.4】夏まつり 父さん母さん 子どもみたい
意味:一緒に夏祭りにきたお父さんとお母さんがまるで子どもみたいです
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俳句仙人
夏祭りは不思議と大人を童心にもどる。いかにも楽しそうな家族の風景が詠まれている句じゃ。
【No.5】夏祭り ゆうれいたちも おどってる
意味:お盆の夏祭り。ゆうれいたちも踊っているんだなあ
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俳句仙人
夏祭りでみんなが踊るなか、ご先祖さまたちもきっと一緒に楽しく踊っているのだなあと想像した作者。ユーモアのなかに死者への敬いも感じるのう。
【No.6】どれにしよ 店ならんでる 夏まつり
意味:夏祭りではお店がたくさん並んでます。どれにしようかな
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俳句仙人
ずらっとならんだお店をみてまわりながら、好きなものをちょこちょこ買うのも夏祭りの楽しさじゃ。
【No.7】どどんどん たいこがひびく なつまつり
意味:夏祭りで太鼓の音がどどんどん、と響いています
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俳句仙人
最初のどどんどん、がとても句にインパクトをつけているのう。街にも、耳にも、ときにはお腹にも響いてくるぞぉ。
【No.8】はじめての ゆかたきていく なつまつり
意味:はじめて浴衣を着て、夏祭りにいきます
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俳句仙人
はじめての浴衣。とてもうれしいものじゃ。華やぐ気持ちが伝わってくるぞぉ。
【No.9】はなれても みんなにあえる なつまつり
意味:はなれてしまっても、夏祭りでみんなにあえるのがうれしいです
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俳句仙人
作者は引っ越ししたのじゃろうか。もしくは別々の小学校に通うことになったお友達がいたのでしょうか。めったに会えないお友達に会えるのもお祭りの楽しみじゃな。
【No.10】思い切り あばれるつもり 夏祭り
意味:夏祭りだ。思いきりあばれるぞ
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俳句仙人
作者はきっとお神輿をひいたり、担いだりする役目があるのじゃ。地域によってはいろいろなパフォーマンスもある。男の子らしい意気込みが伝わってくるすばらしい句じゃ。
中学生向け!!夏祭りの素人俳句集【10選】
![「ac 写真 夏祭り」の画像検索結果]()
ここからは、中学生の方が詠んだオリジナルの俳句集をご紹介していきます。
【No.1】久しぶり 会話が続く 夏祭り
意味:夏祭りで会った友とひさしぶりの会話が続きます
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俳句仙人
日頃なかなか会えない旧友と会えるのもお祭りのいいところじゃな。話題はつきないことじゃろう。
【No.2】誘われた だけで嬉しい 夏祭り
意味:一緒にいこうよと誘われただけでも、夏祭りってうれしいものです
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俳句仙人
もうすぐ夏祭り。一緒に行こうよとさそわれたところから、お祭りのわくわくする楽しさははじまるのじゃ。嬉さの伝わる一句じゃな。
【No.3】からんころん 下駄の音響く 夏祭り
意味:夏祭りの日、下駄の音がからんころんと響いています
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俳句仙人
日頃聞きなれない下駄の音。浴衣でそぞろ歩く見物客の下駄の音じゃろうか。それとも作者の履いた下駄の音じゃろうか。すばらしい句じゃ。
【No.4】ばあちゃんの 歩幅にあわせ 夏祭り
意味:おばあちゃんの歩幅にあわせて夏祭りにいきました
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俳句仙人
歩幅の小さいおばあちゃんにあわせて、ゆっくり歩いてあげたという、優しい気持ちが伝わる一句じゃ。
【No.5】夏祭り 君の背中を 探してる
意味:夏祭りにきているけど、気がついたら気になる人の背中を探しています
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俳句仙人
祭りの人混みの中、気になる人の背中を偶然みつけると、なんだかとってもうれしいものじゃ。
【No.6】夏祭り 友を待ち待ち 足踏を
意味:夏祭りに一緒に行く友達を、足踏みしながらまっている
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俳句仙人
お友達はすこし遅れているのじゃろうか。待ち待ちという表現がとても上手いのう。早く来ないと先にいっちゃうよ!という感じじゃ。
【No.7】夏祭り 屋台のすきま なく並び
意味:夏祭りの屋台が隙間のないほど並んでいます
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俳句仙人
夏祭りにいって、所せましとならんでいる屋台をみたときの率直で冷静な感想がつたわってくるぞぉ。
【No.8】今年から 祖母の手をひく 夏祭り
意味:今年から夏祭りは僕が祖母の手をひいていくことにしました
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俳句仙人
ずっと以前はおばあちゃんが作者の手をひいて、夏祭りに行っていたのかもしれんのう。今年からは自分が手をひいてあげるという、作者の心優しさがしみる一句じゃ。
【No.9】夏祭り 父の背中が 大きくて
意味:夏祭りに、父の背中がいつもより大きくみえるようです
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俳句仙人
作者のお父さんは浴衣姿が法被姿じゃろうか?仮にいつもと服装はかわらなかったとしても、夏祭りという非日常のなかで、お父さんの背中が広くてたのもしいことに気づいたのじゃろう。自分の心の素敵な一瞬をとらえたすばらしい一句じゃ。
【No.10】夏祭り たけをのばして ゆかた着る
意味:夏祭りなので、丈をのばして浴衣を着ました
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俳句仙人
背が伸びた作者。浴衣を大切にして着ている感じが伝わり、きっとお気に入りの浴衣だったのじゃろう。
以上、季語「夏祭り」を使ったおすすめ俳句集でした!
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俳句仙人
夏祭りはにぎやかでとても華やかじゃが、終わってしまうと帰り道は妙に淋しい気持ちになったりするのう。
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リス先生
あっという間に過ぎてゆく楽しさや美しさ・おもしろく感じたことなどを、ぜひ俳句にして思い出づくりをしてみてね!