【7月の有名俳句 20選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!   

 

梅雨から夏へと移り変わるという日本の季節らしさがある「7月」。

 

夏休みがはじまる月でもあり、旅行に出かける方も多いことと思います。

 

そして、空も海も山も美しい7月は、俳句を作るのにはぴったりの季節です。

 

身近な生活のひとコマやほっこりした出合いなど、今年の夏を俳句にのこしてみませんか?

 

今回は、そんな俳句作りの見本となる7月の季語を含んだ俳句集をご紹介します。

 

ぜひ参考にしてみてください。

 

リス先生
それでは、さっそく見ていこう!

 

俳句に7月らしさを出す!7月の季語を知ろう

 

俳句には、「十七音で作る」「季語を入れる」という2つのルールがあります。

 

四季の彩り豊かな日本では季節にまつわる言葉がたくさんあり、俳句の世界は季節の言葉をとても大事にしてきました。

 

「季節を入れないといけないなんてむずかしい…」と最初は思われがちですが、季語を使うことで作者の表現したいことが鑑賞者にはより伝わりやすくなります。

 

季語を使うことは俳句の持つ面白さのひとつでもあります。まずは実感がもてる好きな言葉をみつけてみましょう。

 

リス先生
ここでは、そんな7月の季語を紹介していくよ!

 

7月の季語【一覧】

 

【季節や気候・自然】

秋近し 秋を待つ 炎暑 炎昼 極暑 三伏 七月 小暑 盛夏 大暑 土用 夏の果 夏深し 熱帯夜 炎ゆ 灼く 夜の秋 冷夏 朝曇 朝凪 朝焼 雲海 炎天 梅雨明 送り梅雨 風死す 喜雨 御来迎 涼風 土用東風 西日 熱風  旱星 夕凪 夕焼青田  土用波 熱砂 日焼田

 

【生活】

梅酒 泳ぎ 水着 海水浴 汐浴び 夏期講習 夏期手当 川開き 帰省 キャンプ 草取 昆虫採集 サングラス サンドレス 夜濯ぎ 暑気払 除草機 夏休み 暑中見舞 西瓜割り 納涼 ダイビング 滝浴び 登山 土用鰻 ナイター 日射病 花氷 避暑 氷室 冷し西瓜 プール 虫干 野外演奏 山開き 誘蛾灯 冷房 海の日 海開き 祗園会 茅の輪 薄翅蜉蝣 空蝉 天牛 蝉 玉虫 夏茜

 

【植物

青瓜 青柿 青胡桃 青山椒 青芒 青唐辛子 青葡萄 青鬼灯 青林檎 麻 瓜 亜麻の花 芋の花 含羞草 蒲の穂 胡瓜 烏瓜の花 草いきれ 孔雀草 グラジオラス 月下美人 午時花 胡蝶蘭 胡麻の花 ささげ 沙羅の花 紫蘇 睡蓮 新生姜 千日草 ダリア 千鳥草 月見草 蔓手毬 芭蕉の花 玉蜀黍の花 トマト 茄子 韮の花 合歓の花 はまなす 浜木綿の花 瓢の花 棉の花 向日葵 百日草 糸瓜の花 烏瓜の花 蛍草 甜瓜 茗荷の子 紫草 夕顔 松葉牡丹

 

 

7月の季語を使った有名俳句集【10選】

 

ここからは、7月の季語を使った有名俳句をご紹介します。

 

もしかしたら教科書などで目にしたものもあるかもしれません。

 

リス先生
お気に入りの一句を見つけてみてね!

 

【NO.1】松尾芭蕉

『 閑かさや 岩にしみいる 蝉の声 』

季語:蝉

意味:岩にしみいるように蝉の声が響いています。今わたしの心はこの目の前にひろがる風景に非常に深い静けさを感じています

俳句仙人
このとき芭蕉は山寺の山上に立ち、眼下にひろがる大地と梅雨明けの果てしなくつづく大空を見ていたとのことじゃ。蝉の声を聞いているうちに芭蕉は広大な天地に満ちる閑さを感じ取ったのだといわれておるぞぉ。

 

【NO.2】山口青邨

『 夕顔の 花咲き女 いそがしく 』

季語:夕顔

意味:夕顔が咲いてもう気がつけば夕方だ。なるほど女性たちは夕餉の準備で忙しそうです

俳句仙人
夕顔とは、夕暮れ時に咲いて翌朝にしぼむウリ科の花じゃ。夕顔の花が咲いているのを見つけ、ふと周囲をみてみると、女性たちは夕食の支度などで忙しそう。しみじみと夕暮れを感じさせてくれる素敵な一句じゃのう。

 

【NO.3】森川暁水

『 夜濯ぎに ありあふものを まとひけり 』

季語:夜濯ぎ(よすすぎ)

意味:夜中にありあわせの衣服をひっかけて洗濯をやっています

俳句仙人
まだたらいに水をいれて手洗いでの洗濯していた頃、夏なので寒くもなく、すずしい夜だとなおさら気楽に洗濯ができたのじゃろう。ありあわせの衣類をまとって、ササッと洗濯してしまおうという作者の気持ちが表現されておる。ちなみに、作者は高浜虚子から「昭和の一茶」と呼ばれた俳人じゃ。

 

【NO.4】星野立子

『 旅なれば この炎天も 歩くなり 』

季語:炎天

意味:せっかく旅に出てきたのですから、この暑い天気のなかでも歩いていきます

俳句仙人
炎天とは、夏の燃えるような暑い天気のことをいうぞぉ。どこを旅していたのじゃろうか?またとない地にきているのじゃから、少々暑くても歩いて行きますともという、旅の意気込みを感じるのう。ちなみに、作者は高浜虚子の次女で昭和の俳人として活躍したぞ。ブラジルやインドなど海外経験が豊富だったようじゃ。

 

【NO.5】山口誓子

『 一点の 偽りもなく 青田あり 』

季語:青田

意味:この見渡す限り青々とした水田の美しさは、まったくもって美しく、私はとても感動しています

俳句仙人
これぞまさに青田だ!という作者の感嘆と感動を詠んだ一句じゃ。美しい水田をたたえる気持ちが表れておるのう。

 

【NO.6】山口青邨

『 梅酒を かもすと妻は 梅おとす 』

季語:梅酒

意味:梅酒をつけるのだと言って、妻が梅の実を枝から落としています

俳句仙人
今年は梅酒をつけますといって、がんばって梅の実を落としている奥さんを微笑ましくみている作者。一句詠んだあと、手伝ってあげたでじゃろうか?

 

【NO.7】波多野爽波

『 西日さし そこ動かせぬ ものばかり 』

季語:西日

意味:西日が部屋にさしている。大切なものに日が当たらないようにと思うものの、そこは動かせないものばかりだ

俳句仙人
夏の西日は暑いばかりではなく、大事な家具や本などを日焼けさせてしまうぞ。当らないようにしたいと、よくよく見ると動かせないものばかりと判明。がっかりしたあとに、ちょっと苦笑いしているような一句じゃ。

 

【NO.8】ふけとしこ

『 おとうとを トマト畑に 忘れきし 』

季語:トマト

意味:トマト畑に行ったとき、おとうとを置いてきぼりにしてしまった

俳句仙人
作者の幼い日の思い出でじゃろうか?トマトをもぎにいくお姉ちゃんについてきた弟。まだ小さくてお姉ちゃんのいうことをよくきかない。トマトをもぎ終えたお姉ちゃんは、弟が後からついてきているものと思っていたら、実は置いてきぼりに…というところじゃろうな。ほのぼのとしたなかに郷愁のある絵本を見るような一句じゃ。

 

【NO.9】中村草田男

『 松葉牡丹 玄関勉強 腹這いに 』

季語:松葉牡丹

意味:松葉牡丹が咲くある夏の暑い日、玄関の板張りで腹這いになって子どもが勉強をしている

俳句仙人
クーラーのない時代、風の通るひんやりした玄関の板張りで、腹這いになって勉強する子供の傍らに咲いているのは松葉牡丹。美しい花のじゃが、あまり涼しげではないのかもしれんのう。

 

【NO.10】水原秋桜子

『 跳躍台 人なしプール 真青なり 』

季語:プール

意味:飛び込み競技がはじまる前の飛び込み台はまだ人の姿がなく、プールの水も波ひとつなく真っ青に澄みきっています

俳句仙人
やがて始まる競技の前の緊張した静けさ。競技が始まれば騒然となっていくが、競技開始直前の静かな瞬間を詠んでおるのう。すばらしい句じゃ。

 

こんな俳句もある!オリジナル俳句集【10選】

花, 自然, 庭, 植物, 夏, 7月, 韓国, 野生の花, Flower

 

ここからは、一般の方が詠んだオリジナルの俳句集をご紹介していきます。

 

リス先生
上手な俳句がたくさんそろっているのでぜひ参考にしてみてね!

 

【No.1】波音に まだ寝付かれず 浜キャンプ

季語:キャンプ

意味:海辺でのキャンプ。夜になると思いがけなく波音が耳について、まだ寝付くことができません

俳句仙人
昼間はそれほど意識することのなかった波の音。皆が寝静まった夜の海は波音だけがひびいておる。漆黒の夜の波の音が聞こえてきそうな一句じゃな。

 

【No.2】潮騒や 浜木綿の花 傾きて

季語:浜木綿の花

意味:満ち潮の浜辺。波の音と勢いに押されるように浜木綿の花が傾いています

俳句仙人
浜木綿とは海岸沿いに咲く、彼岸花によく似た白い花のことじゃ。まるで潮騒に押されたように傾いていたのかもしれんのう。

 

【No.3】子供らの 好みそれぞれ 花氷

季語:花氷

意味:花氷を子どもたちと見ていると、だんだんみんなそれぞれが好きな花氷のところへいって、見たりさわったりしている。いろいろ好みがあるのだなあ

俳句仙人
花氷は中に花を入れて凍らせた氷の柱。色とりどりの花が入った花氷を前に、子どもたちがさっと散って好きな花氷のところへ行く様子が目に浮かんでくるのう。花氷よりも子どもたちをあたたかく見守っていた作者の視線が優しいのう。

 

【No.4】クレーン車の 夕焼雲を 眺めをり

季語:夕焼

意味:高くそびえたクレーン車が、今日の仕事を終えて夕焼雲を眺めています

俳句仙人
街中で夕焼け空を見ようとすると、工事中のクレーン車が視界にはいることがよくあるのう。工事につかう機械とせずに、擬人化してみることで、クレーン車が夕焼け雲をみている恐竜ようにもみえてくる。今日もおつかれさまという、しみじみさとユーモアを兼ね備えた一句じゃな。

 

【No.5】青柿の 短き命 ころげ落ち

季語:青柿

意味:短命の青柿なのに、さらに地面に転げ落ちています

俳句仙人
青柿は赤くならずにそのまま収穫されるか、自ら青いまま落ちてくるぞ。甘柿のように赤くて甘くなるまで枝でゆっくりすることがない運命を短き命と詠んだのじゃろう。転げ落ちていてもそれは立派な命だという作者の視点を感じるのう。

 

【No.6】烏瓜 一夜の花の 白く裂け

季語:烏瓜の花

意味:烏瓜の一夜だけの花が咲いた。夜の闇のなかで裂けるように咲いた白い花でした

俳句仙人
烏瓜は赤い実をつけるが、その花は真っ白なレース編みのような不思議な花なのじゃ。しかも夕方から夜中に咲くため、あまり人の目にとまる機会もない。そんなひそやかな花に、作者は咲くというよりも裂くという生命力を感じたのじゃろうな。

 

【No.7】葉の波に 飛天の如き 合歓の花

季語:合歓の花

意味:葉が波のように広がる上にまるで飛天のように合歓の花が咲いています

俳句仙人
合歓の花は、とても可憐な花じゃ。波のようにひろがる葉の上に咲いて揺れる合歓の花は、まるで飛天→羽衣をまとった天女のように見えたのじゃろう。

 

【No.8】梅雨明けの それがどうした 風呂掃除

季語:梅雨明け

意味:ニュースでは梅雨明けと言ってるけど「それがどうした」とつぶやきつつ風呂掃除をしています

俳句仙人
気合いをいれて風呂掃除をしているところに梅雨明けのニュース。今、足元を濡らして風呂掃除をしている瞬間に梅雨明けもなにも関係ない。また最近の天候不順に対する複雑な思いから出たつぶやきでもあるかもしれんのう。ユーモラスな一句じゃな。

 

【No.9】糠床へ 一本刺して 初胡瓜

季語:胡瓜

意味:ぬか床に一本差し入れたのは、今年の初キュウリです

俳句仙人
初採りのキュウリを自家製のぬか床にいれて、楽しみに翌日漬かるのを待つ。そんな生活の楽しさが伝わってくる一句じゃ。大切にしたい食文化じゃなぁ。

 

【No.10】不揃ひの 砂場の棚の 青葡萄

季語:青葡萄

意味:子どもが遊ぶ砂場の上の葡萄棚に、不揃いのまだ青い葡萄がなっています

俳句仙人
日よけで設置された砂場の上の葡萄棚に、気がついたら小さな葡萄がなっている。子どもたちが遊ぶ砂場に日陰を作ることが主な目的だった葡萄棚だったと思われるが、つるや葉だけでなく、かわいらしい実までがついたというささやかな発見と喜びを感じさせる一句じゃな。

 

 

以上、7月の有名俳句とオリジナル俳句を20選でした!

 

俳句仙人
7月にちなんだ色々な俳句はいかがじゃったろうか?俳句はひとりで作るのもよいが、ゲーム感覚でみんなでわいわい作るのもきっと楽しいぞぉ。

リス先生
7月のひとときにぜひ俳句に親しんでみてね!