【中村草田男の俳句 36選】代表作(有名句)はこれ!!俳句の特徴や人物像など徹底解説!

 

五七五のわずか17音で四季の美しさや人間の心情を詠みあげる「俳句」。

 

最近では小学校の国語の授業の中でも取り上げられるなど、認知度は急上昇しています。テレビ番組の影響もあり、俳句を実際に作っている方も多いのではないでしょうか。

 

 

今回は、強い個性と思想性で有名な「中村草田男」の俳句(代表作)を紹介していきます。

 

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草田男氏が詠んだ数多くの俳句の中から、春、夏、秋、冬の代表的な作品をそれぞれ紹介していきます。

 

中村草田男の人物像や作風

 

中村草田男(なかむら くさたお)は、明治34年(1901年)に 清国福建省で生まれた俳人です。本名は中村清一郎といいます。

 

日本への帰国後は、愛媛県の松山と東京をいったりきたりしながら成長しました。

 

若いころの草田男はドイツの哲学者であるニーチェの著書を愛読し、西洋思想にも影響されながら、いつしか文学の道を志すことになります。

 

加藤楸邨や石田波郷らとともに、人間探求派の俳人といわれた草田男は、自然を写生するように観察しながら心理描写を投影していく表現方法を作り上げました。

 

中村草田男は、思想や観念をテーマとする現代俳句の道筋を作った人物だといわれています。

 

 

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次に、中村草田男の代表的な俳句を季節(春夏秋冬)別に紹介していきます。

 

中村草田男の有名俳句・代表作【36選】

(写真:東京都あきる野市の五日市カトリック霊園にある中村草田男の墓地)

春の俳句【9選】

 

【NO.1】

『 勇気こそ 地の塩なれや 梅真白 』

季語:梅(春)

現代語訳:梅は小花でもよく香りが立ちます。塩は少量でも塩辛く、少しの勇気が世界を変えるのです。

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この句の背景は第二次世界大戦の学徒出陣です。「地の塩」は「唯一無二」を表し、出陣する学徒たちのことを思い、「あなたたちは唯一無二の存在(地の塩)なのだ。どうか死を選ばないといった勇気を持ってほしい」と祈ったのではないでしょうか。

 

【NO.2】

『 焼跡に 遺る三和土や 手毬つく 』

季語:手毬(新年)

現代語訳:空襲で焼け落ちてしまった家の跡に、わずかに残っている三和土(たたき)。そこで子どもたちが手毬をついていることだよ。

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敗戦直後の正月風景を描いています。通りがかりにふと見かけた子たちの毬をつく姿に、作者はどれほど癒されたことでしょうか。戦争ですべてを焼かれ、大切な人を失った絶望の中に、一筋の希望が見えたそんな瞬間を詠んだ句です。

 

【NO.3】

『 とらへたる 蝶の足がきの にほひかな 』

季語:蝶(春)

現代語訳:蝶を捕えたところ、蝶は逃げようと懸命に足をもがいている。全身でもがくものだから、蝶の匂いが香ってくるようだよ。

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無造作に捕まえた蝶が想像以上に暴れ、逃げようと必死に足をもがいている様子が思い浮かびます。足をもがき、全身で暴れることで、その匂いを周囲にばらまいているのでしょう。蝶の必死さが匂いを通して伝わってきます。

 

【NO.4】

『 校塔に 鳩多き日や 卒業す 』

季語:卒業(春)

現代語訳:卒業式当日。改めて校塔を見上げると、今日はなんと鳩の多いことか。

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淡彩的な描写が、卒業式の日のしみじみとした明るさを伝えている一句です。この春もまた学園を巣立っていく若者たちを「鳩」が象徴しているように捉えられます。

 

【NO.5】

『 ひた急ぐ 犬に会ひけり 木の芽道 』

季語:木の芽道(春)

現代語訳:ひた急ぐ犬にあった木の芽が芽吹いてきた春の道だ。

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現在はあまり見ませんが、かつては野犬が多く存在していました。この句で詠まれたのはそんな野犬なのか、リードをかなり長く持っていた飼い主と一緒にいた飼い犬なのか、解釈がわかれます。

 

【NO.6】

『 春の闇 幼きおそれ ふと復(かえ)る 』

季語:春の闇(春)

現代語訳:春の闇が幼い私にとってはおそろしかったのだとふと思い出した。

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「春の闇」とは月の出ていない春の夜のことです。湿度を含んだ空気が重く真っ暗な夜で、ふと目を覚ました子供にとってはとても恐ろしいものだったのかもしれません。

 

【NO.7】

『 春の月 城の北には 北斗星 』

季語:春の月(春)

現代語訳:春の月が出ている。松山城の北には北極星が輝いている。

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この句は作者が過ごした松山にある松山城を詠んだものです。現在では松山城の真北、北極星が見える場所にこの句の碑が立てられています。

 

【NO.8】

『 昔日の 春愁の場(にわ) 木々伸びて 』

季語:春愁(春)

現代語訳:昔、春の愁いを伴って過ごした庭の木々があの頃よりも伸びている。

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「場」と書いて「にわ」と読ませることで、学校や特定の公園など若い頃の作者のお気に入りの場所だということがわかります。何年か経って再び訪れると木々が成長していて、月日が経つのを実感しています。

 

【NO.9】

『 わが背丈 以上は空や 初雲雀 』

季語:初雲雀(春)

現代語訳:私の身長以上は空だぞ、初めて空を飛ぶ雲雀よ。

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上空を雲雀が飛んでいる風景を見て詠まれた一句です。初めての飛行でかなり低い場所を飛んでいたのか、雲雀を励ますような感情も込められています。

 

夏の俳句【9選】

 

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「長子は家を継ぐもの」という当時の風習を蟾蜍(ひきがえる)が象徴しています。このように古いしきたりによって長子である自らの宿命を表していると解釈することができます。俳句の世界でやっていこうといった決意表明の表れではないかといわれています。

 

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はるか沖の方まで広がる海。そして目の前に咲くはまなすの赤い花。遠近法を巧みに使い、奥行きのある情景が目に浮かびます。

 

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夏ならではの生い茂る草木の生命力に、草田男は純粋に感動しています。抱き上げ、けらけらと笑うわが子の口の中に小さな白い歯が見えます。「万緑」の力強さと「吾子」の可憐さが巧みに対比されています。

 

【NO.4】

『 六月の 氷菓一盞の 別れかな 』

季語:六月(夏)

現代語訳:六月のある日。最後は氷菓を一緒に食し、慌ただしく別れたよ。

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この句の「氷菓」はアイスクリームだといわれています。杯を交わして別れたいところですが、そんな時間もなく、氷菓「一盞(いっさん)」の別れとなったようです。慌ただしく分かれの時間が来てしまったことが伺えます。

 

【NO.5】

『 松葉牡丹 玄関勉強 腹這ひに 』

季語:松葉牡丹(夏)

現代語訳:松葉牡丹が咲いている。暑さに負けて玄関で腹ばいになって勉強をしている。

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松葉牡丹は日が沈むと花を閉じてしまうため、咲いているこの句は炎天下の昼下がりでしょう。子供が暑さに負けて少しでも涼もうと玄関に腹ばいになって宿題をしています。

 

【NO.6】

『 香水の 香ぞ鉄壁を なせりける 』

季語:香水(夏)

現代語訳:あの人の香水の香りだ。この香りこそが鉄壁のような感覚をもたらしている。

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大人の女性が付ける香水に衝撃を受けた様子を詠んだ句です。香水は目に見えないオシャレの一つであり、目に見えないからこそ「鉄壁」であると感じたのでしょう。

 

【NO.7】

『 毒消し飲むや わが詩多産の 夏来る 』

季語:夏来る(夏)

現代語訳:毒消し飲もう。私が詩をたくさん作る夏がやって来た。

俳句仙人
作者は夏の俳句が非常に多く、まさに「多産」と言える俳人でした。そんな作者でも少し体調を崩したのか、毒消しという名前の薬を飲んでこれからの夏に備えようとしています。

 

【NO.8】

『 夜の蟻 迷へるものは 弧を描く 』

季語:蟻(夏)

現代語訳:夜に蟻たちが歩いている。迷っているものは弧を描くように違う方向へ行ってしまう。

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夜のアリの行列があらぬ方向へ弧を描いている場面を詠んだ句です。人間でも山野で迷うと「リングワンダリング」と呼ばれる円状に動いてしまう性質があるので、似たようなものなのでしょうか。

 

【NO.9】

『 梅雨の夜の 金の折鶴 父に呉れよ 』

季語:梅雨の夜(夏)

現代語訳:梅雨の夜に君が折った金の折り紙の折り鶴を父におくれよ。

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子供の頃に折り紙セットを買うと、銀や金の折り紙が付いてきた想い出がある方も多いでしょう。宝物のような金色の紙で折った鶴をねだっている父親の姿を詠んでいます。

 

秋の俳句【9選】

 

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草田男が高浜虚子一行の北海道旅行に同行したとき、青函連絡船からの眺めを詠んだ一句です。紺青の海以外に何一つ見えない大海原と、遠くに見える水平線が目に浮かぶようです。海を題材にした非常にスケールの大きい作品ですね。

 

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葡萄の房から実を一粒一粒手でちぎり、よく噛み締めて食べる様子を、言葉を一語一語丁寧に、吟味しながら読んだり書いたりする行為にたとえています。言葉をもっと大切にすることを改めて意識させてくれる一句です。

 

【NO.3】

『 友もやや 表札古りて 秋に棲む 』

季語:秋

現代語訳:久しぶりに友を訪問したところ、表札がやや古び、落ち着いた感じの面持ちになっていた。「秋に棲む」といった表現がふさわしいほど、自然の趣が感じられるよ。

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「家の表札がやや古びていた」ことに焦点をあてることで、友とは長らくあっていなかったことが想像できます。日常生活の中でのちょっとした気づきが上手く五七五で表現されています。

 

【NO.4】

『 仔馬爽やか 力のいれ処 ばかりの身 』

季語:爽やか

現代語訳:天高く、仔馬が飛び跳ねるようにして、牧場を駆け回っているよ。

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全力で遊んでいる仔馬の様子は、いかにも爽やかです。仔馬は脚や首、胴、すなわち全身の筋肉という筋肉を使って躍動しています。それを「力のいれ処(ど)ばかりの身」と表現することで、仔馬の存在が生き生きと描かれています。

 

【NO.5】

『 牛乳屋 ちらと睹(み)し秋暁の 閨(けい)正し 』

季語:秋暁(秋)

現代語訳:朝方にやってくる牛乳屋がちらっと見た秋の夜明けの寝室はいつも通りだ。

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この句の読み仮名は作者が指定しています。難しい漢字が多いですが、いつもの朝の風景であることを確認しながらもどこか風情を感じる一句に仕上げています。

 

【NO.6】

『 空は太初の 青さ妻より 林檎うく 』

季語:林檎(秋)

現代語訳:空は大昔の頃のような青さだ。妻からリンゴを受け取る。

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この句は戦後すぐに詠まれました。戦争があっても空は大昔と変わらずに青く、妻が差し出してくれたリンゴの赤と共に美しい色彩を表現しています。

 

【NO.7】

『 妻二タ夜(ふたよ) あらず二タ夜の 天の川 』

季語:天の川(季語)

現代語訳:妻が二晩もいない。そんな二晩の間でも天の川が美しく見えた。

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作者は愛妻家として有名で、多くの句に妻を詠んでいます。この句では一年に一回しか会えないという天の川の伝説を引き合いに出しつつ、妻は二晩もいないと対比している句です。

 

【NO.8】

『 撫子や ぬれて小さき 墓の膝 』

季語:撫子(秋)

現代語訳:撫子が咲いているなぁ。濡れて小さく、墓の膝辺りに咲いている。

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「墓の膝」とは墓石の低い位置という例えで、撫子がお墓にそっと寄り添って咲いている様子を表現しています。露に濡れても健気に咲く小さな花に慰められているようです。

 

【NO.9】

『 紅葉焚きし 灰やしばらく 火を含む 』

季語:紅葉焚き(秋)

現代語訳:紅葉を焚いたあとの灰だなあ。しばらく火を含んでいるように赤くなっている。

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焚き火のあとに燃えきっていない赤い葉が残っている様子を詠んでいます。火のように赤い紅葉と、灰になってもまだ赤い火という2つの「赤」が掛かっている句です。

 

冬の俳句【9選】

 

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句碑にもなっているこちらの句は、高浜虚子をうならせたことでも有名な作品です。鏡のように正確に枝を映す冬の水面は、ピンと張りつめたような緊張が感じられます。

 

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「降る雪」の後に切れ字「や」を持ってくることで、しんしんと降り積もる雪を印象付けています。20年ぶりに母校の小学校を訪れた際に詠まれたといわれています。校舎から飛び出してきた子供たちの姿に、自分の少年時代を重ねています。

 

【NO.3】

『 木葉髪 文芸永く 欺きぬ 』

季語:木葉髪

現代語訳:秋から冬にかけて、抜け毛が多くなる季節だ。

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作者は、麗しく、未来を信じた文芸の世界だが、今こうして中年の秋、気づけばすべてが虚妄であったのではなかろうか…といった感情にとらわれています。秋から冬にかけて抜け毛が多くなることになぞらえ、これまで自分が信じてきた文芸そのものに裏切られるのではないか、といったふとしたわびしさが伝わってきます。

 

【NO.4】

『 あたゝかき 十一月も すみにけり 』

季語:十一月

現代語訳:11月とはいえ、まだ暖かい。そんな11月を暮らしているよ。

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1年の中でも11月という何の行事もない中途半端で地味な月に焦点をあてて詠んだ一句です。これから本格的な冬を迎える前の暖かい一日が伝わってきます。

 

【NO.5】

『 雪女郎 おそろし父の 恋恐ろし 』

季語:雪女郎(冬)

現代語訳:まるで雪女郎のようだ。恐ろしい、父の恋は恐ろしい。

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「雪女郎(ゆきじょろう)」とは雪女とも呼ばれる北国の妖怪の一種で、美しい姿をしながらも人を凍死させてしまいます。作者が何を雪女郎と例えたのか明言はされていませんが、「父」という他人に恋することが許されない立場の人間の振る舞いに怯えている様子が伝わる句です。

 

【NO.6】

『 寒星や 神の算盤(そろばん) ただひそか 』

季語:寒星(冬)

現代語訳:寒い冬の夜空に星だ。神様のそろばんの玉のような星は音を立てずにただ密かに輝いている。

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夜空の星を「算盤」の玉に例えたユーモアのある一句です。冬は一等星が多く星も見えやすいため、算盤のように星が連なって見えたことがわかります。

 

【NO.7】

『 降誕祭 睫毛は母の 胸こする 』

季語:降誕祭(こうたんさい)(冬)

現代語訳:クリスマスだ。子供は眠くてまつ毛を母の胸にこすらせるようにむずがっている。

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クリスマスは子供にとって、ケーキやご馳走、プレゼントと楽しいことばかりです。それでも長く起きていられないので、母親に抱かれて今にも眠りそうになっている子供を詠んでいます。

 

【NO.8】

『 白き息 はきつつこちら 振返る 』

季語:白き息/息白し(冬)

現代語訳:白い息を吐きながら相手がこちらを振り返った。

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知り合いだったのか、通り過ぎたあとにお互いに振り返っています。句の中では振り返ったのは相手だけですが、白い息まで見えているため作者も同じように振り返っていることがわかる句です。

 

【NO.9】

『 冬空を いま青く塗る 画家羨(とも)し 』

季語:冬空(冬)

現代語訳:冬空をいま青く塗っている画家が羨ましいなぁ。

俳句仙人
冬の空の色については、雪の降る場所と空気が乾燥して晴天が続く場所でイメージが違います。作者は冬の空を真っ青に描ける画家を羨ましがっているようです。

 

さいごに

 

今回は、中村草田男が残した俳句の中でも特に有名な作品を現代語に訳し、そこに込められた意味、簡単な感想を紹介してきました。

 

草田男氏の作品は、人々の日常生活や人間性に根ざした作風が特徴的です。

 

どの句も鋭い視点で描かれ、とても魅力的なものばかりですので、ぜひ他の俳句にも目を向けてみてください。

 

 

俳句仙人

最後まで読んでいただきありがとうございました。