【桜の季語を使った俳句ネタ 20選】小学生&中学生向け!!おすすめ面白い俳句例を紹介

 

桜は昔から俳句でとてもよく詠まれる春の花です。

 

季語の季節としては「晩春」で、桜が散れば初夏が来るという時期になります。

 

 

そのため、咲いている様子や散っていく様子、葉桜に変わっていく様子など、他の花にはない表現が見られるのが特徴です。

 

桜に関する季語は、咲く時期と種類、散っている様子、花が散って葉になった様子など、多くの種類があります。

 

【桜に関連する季語一覧】

  • 三冬…冬桜、寒桜、緋寒桜
  • 晩春…桜、山桜、遅桜、落花、飛花、花吹雪、桜吹雪、花散る、散る桜、花筏
  • 初夏…葉桜、花は葉に

 

今回は、【桜の俳句20選】と題し、桜を題材に表現した俳句を20句ご紹介します。

 

リス先生
ぜひ俳句作りの参考にしてね!

 

小学生向け!桜の季語を使ったオススメ俳句ネタ【10選】

 

リス先生
まずはおすすめ俳句を10句紹介していくよ!

【NO.1】

『 桃色の 桜トンネル 通りぬく 』

季語:桜(春)

意味:桃色の桜の花のトンネルを通り抜けるよ。

俳句仙人

桜並木が枝をのばし、まるで桃色のトンネルのようになっている通学路を詠んでいます。トンネルを通り抜ける前のわくわく感が感じられる一句です。

【NO.2】

『 桜さき 春のゆうびん とどいたよ 』

季語:桜(春)

意味:桜が咲いて、春になったという自然からの郵便が届いたよ。

俳句仙人

桜の開花を「春のゆうびん」と表現する、ユーモアある発想になっています。自然の営みから春になったよという報せを受け取った、季節の移り変わりを実感する句です。

【NO.3】

『 雨止んで 桜模様の 通学路 』

季語:桜(春)

意味:雨が止んで、雨で落ちた桜の花びらが模様のようになっている通学路だ。

俳句仙人

まだ散る時期ではなくても雨が降ると多少花びらは散ってしまいます。この句では、黒いアスファルトに落ちた花が「桜の模様」のようになっていると詠むことで、花弁を際立たせる表現です。

【NO.4】

『 桜舞い ピンクの風が 村包む 』

季語:桜(春)

意味:桜の花が舞い、まるでピンク色に染まったような風が村中を包んでいるよ。

俳句仙人

花吹雪が起きると、空気がピンク色に染まったように見えます。多くの桜が植えられた村の中というシチュエーションが目に浮かぶようです。

【NO.5】

『 バックミラー また来年ねと 桜ゆれ 』

季語:桜(春)

意味:バックミラーに、また来年来てねと言っているように桜が揺れている。

俳句仙人

里帰りなのか、毎年お花見に来ているのか、恒例の行事なのでしょう。帰りの車のバックミラーという「去っていく」状況を、桜がまるで手を振っているように揺れていることで表現しています。

【NO.6】

『 満開の しだれ桜は 雨のよう 』

季語:しだれ桜(春)

意味:満開のしだれ桜はまるで雨のように花が咲いて降り注いでいる。

俳句仙人

横に向かって枝をのばす普通の桜と違い、しだれ桜は名のとおり枝を垂らしています。しだれ桜の真下に立てば、桜の花がまるで雨のように降り注いでくる印象を持つでしょう。

【NO.7】

『 俺の打球 桜吹雪の 中を行く 』

季語:桜吹雪(春)

意味:俺の打った打球が桜吹雪の中を飛んで行く。

俳句仙人

校庭で野球をしているシチュエーションを詠んでいます。桜が散り始めて桜吹雪になっている中で、元気に野球をする子供たちの声が聞こえてくるようです。

【NO.8】

『 撮り鉄の めがねへひざへ 飛花落花(ひからっか) 』

季語:飛花落花(春)

意味:電車を撮ろうとしている人の、メガネや膝に散った桜の花びらが降り積もっている。

俳句仙人

飛花落花とはその名の通り、花が飛び落ちることで花吹雪と同じ意味の季語です。撮り鉄の人達はシャッターチャンスのためにじっと動かずにいるため、花びらが色々なところに積もってしまっている様子を詠んでいます。

【NO.9】

『 桜だね 桜ですよの 声は風 』

季語:桜(春)

意味:桜だね、桜ですよと声が風に乗って聞こえてくる。

俳句仙人

桜の咲き始めの頃の会話でしょうか、桜が咲いているなぁとのどかな会話が交わされています。はっきりと姿が見えている訳ではないのが「声は風」という表現から伝わってくる句です。

【NO.10】

『 夜桜が 家出の僕を 帰らせる 』

季語:桜(春)

意味:夜桜が家出した僕を帰ろうと思わせる。

俳句仙人

親とのケンカの末に飛び出してきてしまった子を、見事な夜桜が出迎えた光景が浮かびます。「帰らせる」という表現から、ひとしきり夜桜を見て冷静になったのでしょうか。

中学生向け!桜の季語を使ったオススメ俳句ネタ【10選】

 

リス先生
ここからは残りの10句を紹介していくよ!

【NO.1】

『 墨田川 桜の中を 流れけり 』

季語:桜(春)

意味:墨田川は桜の中を流れている。

俳句仙人

墨田川といえば桜の名所として知られています。隅田公園の対岸にある墨堤や、両国、浅草など多くの名所を流れる川は、まさに「桜の中」を流れているといっても過言ではありません。

【NO.2】

『 隧道(すいどう)の 上の古道の 山桜 』

季語:山桜(春)

意味:隧道の上にある古道に山桜が咲いている。

俳句仙人

隧道とはトンネルの古い言い方で、旧道と呼ばれる昔の道によく設置されています。かつてはトンネルを使わないさらに古い道が通っていて、古道とは山の中を登っていく道でしょう。かつては人の往来のあった古道を、今は山桜だけが静かに見守っています。

【NO.3】

『 とぎれなき 人とめどなく 花吹雪 』

季語:花吹雪(春)

意味:お花見の人が途切れない。花吹雪もとめどなく散っていく。

俳句仙人

句またがりと倒置法を駆使した一句です。「とぎれなき」「とめどなく」と人と花を対比しているのが見事な表現になっています。

【NO.4】

『 さいはての アンコールかな 花筏(いかだ) 』

季語:花筏(春)

意味:川が流れていく最果ての地からのアンコールなのだな。この水面の花びらは。

俳句仙人

花筏とは、川の水面などに桜の花が落ち、水面に敷き詰められている状況のことを言います。桜が散ってしまったあとですが、花びらが流れていく先を「さいはてのアンコール」と表現するのがユーモアと優しさを感じる句です

【NO.5】

『 水底の 静かなりけり 花筏 』

季語:花筏(春)

意味:川の水の底は静かな流れなのだ。水面には桜の花が敷き詰められている。

俳句仙人

水面に花びらが敷き詰められていると川の流れもゆっくりとしたものに感じられます。もしも流れが早い川ならば、桜の花びらも水底に沈んであっという間に見えなくなってしまうでしょう。

【NO.6】

『 明日散ると 月に囁(ささや)く 桜かな 』

季語:散る桜(春)

意味:明日散るよと、月にささやくような桜であることだ。

俳句仙人

満開の桜は段々と散り始めます。月夜に咲く桜は見事ですが、明日には全て散ってしまうとわかるほどにはらはらと花弁を落としていることがよくわかる一句です。

【NO.7】

『 冬桜 舞台の先に そよと咲き 』

季語:冬桜(冬)

意味:冬に咲いている桜だ。舞台の先にそよそよとした風と共に咲いている。

俳句仙人

神社で詠まれた一句です。舞台とは神楽や能を奉納する際のもので、まるで桜も奉納されているかのように咲いています。

【NO.8】

『 自販機の コールド増えて 花は葉に 』

季語:花は葉に(夏)

意味:自動販売機がコールドの飲み物が増えた。桜の花が葉に変わる初夏だ。

俳句仙人

自動販売機の飲み物がホットからコールドに変わると、季節が変わったという実感が出てきます。現実的な飲み物のあたたかさの対比と、桜の花と葉の対比が面白い表現です。

【NO.9】

『 葉桜に 転じる一夜 月明り 』

季語:葉桜(夏)

意味:花が散り、葉桜に変わる一夜だ。桜の木を月明かりが照らしている。

俳句仙人

実際には一斉に花が散ってしまうわけではありませんが、まるで一晩で葉に変わってしまったようだと詠んでいます。月明かりの照らす誰もいない夜に、花から葉に色を変えてしまったような幻想的な雰囲気のある句です。

【NO.10】

『 飛行機は 雲無き空に 花は葉に 』

季語:花は葉に(初夏)

意味:飛行機が雲のない晴天の空に飛んでいる。葉桜の初夏の季節だ。

俳句仙人

雲ひとつない晴天にぽつんと飛ぶ飛行機と、初夏の陽気を感じさせる葉桜という写実的な俳句です。朧や霞などに代表されるように薄曇りなことが多い春から、晴天の清々しい初夏への移り変わりを感じます。

 

以上、桜を題材にして詠んだオススメ俳句でした!

 

 

桜の花そのものを詠む俳句が多いですが、散る様子も多く詠まれているのが他の花の季語とは違うところです。

 

俳句仙人

桜の花を見かけたら、花の様子を観察して一句詠んでみてはいかがでしょうか。