中学生のみなさん、夏休みの課題で俳句作りに困っていませんか?
今年は賑やかに聞こえてくる「蝉の声」を使って俳句を作ってみましょう。「蝉」はもちろん夏の季語です。
蝉(蟬、せみ)は夏の季語。私の住む近くでも鳴いていますが、それ程たくさんはいません。油蝉、みんみん、熊蝉、朝蝉、夜蝉、蝉時雨など同じ。セミ科の昆虫の総称。梅雨が明ければ、色々な蝉の声が聞こえる。鎌倉に行ったとき、シャーシャーと熊蝉が鳴いていた
やがて死ぬけしきは見えず蝉の声 芭蕉 pic.twitter.com/tiuN8aaDlh
— 夢郎(ぼうろう) (@FrTaxz) August 5, 2019
今回は、みなさんにぴったりの「蝉の声」に関するオススメ俳句を30句紹介いたします。
俳句作りの参考になる句ばかりですので、ぜひ参考にしてくださいね。
「蝉の声」に関する有名俳句集【15選】
ここでは、季語「蝉の声」を使ったオススメ有名俳句を紹介していきます。
【NO.1】松尾芭蕉
『 閑さや 岩にしみ入る 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:森閑とした山の中、他は何も聞こえずうるさい蝉の声さえ岩にしみ入っていく感じがするほどの静けさだ。
【NO.2】松尾芭蕉
『 撞鐘も(どうしょうも) ひびくやうなり 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:つりがねにも響き渡るような大きな蝉の声だ。
【NO.3】松尾芭蕉
『 やがて死ぬ けしきは見えず 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:元気な蝉の声を聞いているともうすぐ死が近い様子は全く感じられない。
【NO.4】与謝蕪村
『 半日の 閑を榎や(かんをえのきや) せみの声 』
季語:せみ(夏)
意味:半日空いた時間にくつろいでいると榎の木から蝉の声が聞こえてきた。
【NO.5】原石鼎(はらせきてい)
『 青空や 今日はじめての 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:青空を見ていると今日はじめて聞くせみの声が聞こえてきた。
【NO.6】加藤曉台(かとうきょうたい)
『 薄雲の 山路をすます せみの声 』
季語:せみ(夏)
意味:薄い雲が広がる山道で蝉の声に耳をすませている。
【NO.7】星野立子
『 捕らわれし 蝉の鳴声 突然に 』
季語:蝉(夏)
意味:子どもたちに捕まってしまったのか、突然蝉の鳴き声が聞こえた。
【NO.8】高井几董(たかいきとう)
『 かげろひし 雲又去て 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:雲で陰った時に止んでいた蝉の声が、雲が去っていき日が差すと同時に聞こえ始めた。
【NO.9】中村草田男
『 山頂の 丘や上なき 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:それ以上には丘や上に何もない山頂で蝉は鳴いている。
【NO.10】室生犀星(むろうさいせい)
『 ふるさとや 松の苔づく 蝉のこゑ 』
季語:蝉(夏)
意味:苔が生えている松の木から蝉の声が聞こえてくるのが故郷を思い出させる。
【NO.11】加賀千代女
『 松風も をのがのにして 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:松風を自分の物にするように蝉の声がする。
【NO.12】正岡子規
『 名も知らぬ 大木多し 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:名も知らない大木が多いなぁ。蝉の声がする。
【NO.13】日野草城
『 人間の 声をつらぬき 蝉のこえ 』
季語:蝉(夏)
意味:人間の声を貫くように蝉の声がする。
【NO.14】小林一茶
『 今しがた 此の世に出し 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:今しがたこの世に出てきた蝉の声だ。
【NO.15】山口誓子
『 瀬に沁みて 奈良までとどく 蝉のこえ 』
季語:蝉(夏)
意味:川の急流で蝉の声がしみ込んで、奈良まで届く気がする。
「蝉の声」に関する俳句作品集【25選】
ここからは、一般の方が詠んだ俳句作品を紹介していきます。
【No.1】
『 蝉の声 風と一緒に 部屋の中 』
季語:蝉(夏)
意味:開けた窓から風と一緒に蝉の声が部屋の中に入ってきた。
【No.2】
『 夏運ぶ 季節の音(ね)かな 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:蝉の声が夏の季節を運んできたようだ。
【No.3】
『 蝉の声 聞こえた日から 夏到来 』
季語:蝉(夏)
意味:蝉の声が聞こえたその日が夏が来た日だ。
【No.4】
『 初夏の朝 蝉の声聞き 目が覚める 』
季語:蝉(夏)
意味:初夏の朝に蝉の声が聞こえてきて目が覚めた。
【No.5】
『 カナカナの 蝉の声聞く 日暮れかな 』
季語:蝉(夏)
意味:蝉の声がカナカナカナと鳴き始めたらもう日暮れ時だ。
【No.6】
『 山の中 止むと寂しや 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:山の中では今まで鳴いていた蝉の声がパタッと止むと少し寂しくなる。
【No.7】
『 樹を変えて 新しき音 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:樹を移り変わった蝉が気分も変わったのか鳴き声も変わった。
【No.8】
『 蝉の声 響きわたるよ 山を越え 』
季語:蝉(夏)
意味:蝉の声が山を越えて響き渡っているようだ。
【No.9】
『 墓参り ご先祖様かな 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:墓参りをした時に聞こえてきた蝉の声がご先祖様かもしれないな。
【No.10】
『 朝起こす 母より早い 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:朝起こしてくれる母よりも早く鳴き始める蝉の声がする。
【No.11】
『 電柱や ビルの壁にも 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:電柱やビルの壁にはりついて鳴いている蝉がいる。
【No.12】
『 青空に 楽譜いらずの 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:青空に楽譜を使わずに歌っている蝉の声が広がっている。
【No.13】
『 蝉の声 朝晩ひんやり 変化なり 』
季語:蝉(夏)
意味:朝晩が少しひんやりしてきたら蝉の声も少し変わっていた。
【No.14】
『 朝練や 蝉の声より 元気よく 』
季語:蝉(夏)
意味:部活の朝練で大きな蝉の声に負けないくらい元気に活動している。
【No.15】
『 蝉の声 野球中継 盛り上げる 』
季語:蝉(夏)
意味:野球中継をしている背後から蝉の声が応援しているように聞こえてきて盛り上げている。
【No.16】
『 説教に 耳栓がわりの 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:聞きたくない説教中に大きな蝉の声が聞こえてきて耳栓がわりになった。
【No.17】
『 蝉の声 言葉途切れる 初デート 』
季語:蝉(夏)
意味:初デートの時、蝉の声が大きすぎて会話が途切れてしまった。
【No.18】
『 帰り道 友の声と 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:学校からの帰り道で友達の声と一緒に蝉の声が聞こえてくる。
【No.19】
『 せみの声 ひびいて空が 丸くなる 』
季語:せみ(夏)
意味:せみの声が響くと空が丸くなるような気がする。
【No.20】
『 せみの声 鳴って彼女は 旅立った 』
季語:せみ(夏)
意味:せみの声が聞こえてきた季節、彼女は旅立っていった。
【No.21】
『 多重奏 ひろがる空へ 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:蝉の声の多重奏が空へ広がっていく。
【No.22】
『 夏草や 今夏最初の 蝉の声 』
季語:夏草(夏)
意味:夏草が茂っているなぁ。今年の夏最初の蝉の鳴き声がする。
【No.23】
『 蝉の声 畳に猫が 昼寝する 』
季語:蝉(夏)
意味:蝉の声が聞こえる。猫は畳の上で昼寝をしている。
【No.24】
『 夏疲れ 頭の中も 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
意味:夏の暑さに疲れてしまった。頭の中にも蝉の声がするようだ。
【No.25】
『 蝉の声 夕日が沈み さあ休憩 』
季語:蝉(夏)
意味:蝉の声がする。夕日が沈み、さあ休憩だ。
以上、「蝉の声」に関するおすすめ俳句集でした!