【紫陽花の俳句 40選】中学・高校生!!季語を含んだ有名句&おすすめ俳句作品集を紹介!

 

梅雨に入るとジメジメと蒸し暑い日が続きますね…。

 

せっかくの休みの日も雨が降って外に出られず、家でぐーたらしてしまいます。憂鬱になる雨の日、何か心が晴れるようなものはないかと考えてしまいますよね。

 

そんな憂鬱な時には気持ちを晴れやかにしてくれる俳句を作ってみてはいかがでしょうか?

 

今回は、そんな梅雨の日にぴったりな「紫陽花(あじさい)」のおすすめ俳句集を紹介していきます。

 

 

リス先生
ぜひ、昔の人々に習ってまったりと俳句を詠んでみてね!それでは、さっそく見ていこう!

 

季語「紫陽花」を使った有名俳句集【15選】

あじさい, 花, アジサイの花, 青, 明るい, ブルーム, 観賞用低木, 観賞植物, 青アジサイ, フローラ

 

梅雨に咲く美しい花「紫陽花」。降る雨の成分によって色が変わる飽きさせない花ですよね。

 

ここからは、季語「紫陽花(あじさい)」を使った有名俳句を紹介していきます。

 

リス先生
もしかしたら教科書などで目にしたものもあるかもしれないよ!お気に入りの一句を見つけてみてね!

 

【NO.1】加賀千代女

『 紫陽花に 雫あつめて 朝日かな 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花に朝露の雫が集まっている中、朝日が出ている。

俳句仙人
紫陽花にのる雫は朝日の光を反射させている情景が浮かんでくきます。美しい素敵な句です。

 

【NO.2】阿部みどり女

『 紫陽花の 藍をとばして 雨あがる 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花の藍色を飛ばしたように薄くさせて雨が上がった。

俳句仙人
雨の後、紫陽花の藍色が薄くなった様子を「藍をとばして」と表現している所に心を打たれました。

 

【NO.3】正岡子規

『 紫陽花や きのふの誠 けふの嘘 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が昨日とは違う色に変わっていて、まるで昨日の色が本当で、今日の色が嘘のようだ。

俳句仙人
紫陽花の色の変化を擬人化して詠んでいるところに作者の表現力の豊かさが出ていて、すばらしい句ですね。

 

【NO.4】原 石鼎(はら せきてい)

『 紫陽花の 白とは云へど 移る色 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が白色で咲いたと言えどそのうち色がうつるのだ。

俳句仙人
裏白の紫陽花を詠んだ句はなかなかないですね。紫陽花が白で咲いている期間は短くそんな儚い紫陽花の美しさを感じさせる句です。

 

【NO.5】松本たかし

『 紫陽花の 大きな毬(まり)の 皆褪せし 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が丸く咲いている姿は大きな鞠に似ている。その色はみんな褪せてしまった。

俳句仙人
裏紫陽花が丸くボール状に咲いている姿を鞠と具体的に表現していて読み手にイメージさせやすくなっています。

 

【NO.6】阿部みどり女

『 紫陽花の 夕の藍に 羽織りけり 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が夕べの空の色を羽織っているように藍色に咲いている。

俳句仙人
紫陽花の藍色を夕べの空の色と例えていることで、紫陽花をより美しく表現できています。

 

【NO.7】正岡子規

『 紫陽花や 赤に化けたる 雨上り 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が藍色だったのに雨が上がると赤に変わっていた。

俳句仙人
紫陽花は酸性やアルカリ性の雨によって色が変化します。それを化けると詠んでいるところに他の句とは違う良さがでています。

 

【NO.8】石田波郷

『 紫陽花や 帰るさの目の 通ひ妻 』

季語:紫陽花(夏)

意味:帰ろうとしている通い妻の目は紫陽花と同じ色だ。

俳句仙人
通い妻とは、必要に応じて夫のところに通う妻という意味です。交際中のカップルで女性が男性の家に顔を出す場合、婚姻関係にない状態であったとしてもそれは通い妻ということになります。愛する人が帰ろうとしている瞬間を紫陽花と共に切なく詠んだ句です。

 

【NO.9】久保田万太郎

『 あぢさゐの 藍のやうやく 濃かりけり 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花の藍色がようやく濃くなっている。

俳句仙人
紫陽花の藍が濃くなるとその美しさに思わず嬉しくなります。

 

【NO.10】久保田万太郎

『 あぢさゐの いろ濃きうすき 宿世かな 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花の色が濃かったり薄かったりするのは前世からの因縁が関係しているのだろうか。

俳句仙人
紫陽花の色さえも人間と同じで前世から決まっているのかもしれません。そんなことを思いながら詠んだ句なのでしょうか?

 

【NO.11】松尾芭蕉

『 紫陽花や 帷子(かたびら)時の 薄浅黄 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が咲いているなぁ。帷子を着る季節に咲く薄い浅葱色の花だ。

俳句仙人
「帷子」とは夏に着る一重の衣、「浅黄」とは薄い水色のことです。ちょうど衣替えの時期に紫陽花が咲いていることを詠んでいます。

【NO.12】鈴木花蓑

『 紫陽花の 浅黄のままの 月夜かな 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花の花の色で浅黄色のままの月夜だなあ。

俳句仙人
「浅黄」とは淡い藍色のことです。月夜がぼんやりと青い紫陽花を照らすことで、周囲一帯が浅黄色に見えると感動しています。

【NO.13】渡辺水巴

『 紫陽花や 白よりいでし 浅みどり 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が咲いているなぁ。白色だった花びらが薄い緑色に移り変わっていく。

俳句仙人
紫陽花は「七変化」と呼ばれるほど花の色が変わります。白かった花が薄い緑色になっていく様子を観察している一句です。

【NO.14】正岡子規

『 あぢさいや 一かたまりの 露の音 』

季語:あぢさい(夏)

意味:紫陽花の花だなぁ。一かたまりになった露の音がする。

俳句仙人
紫陽花は小さな花が集まったような形をしています。そこから落ちる露は普通の花のものよりも大きく、一滴ではなく一かたまりなのだと詠んでいる面白い句です。

【NO.15】飯田蛇笏

『 雨に剪る 紫陽花の葉の 眞青かな 』

季語:紫陽花(夏)

意味:雨の日に剪る紫陽花の葉が青々としていることだ。

俳句仙人
紫陽花は剪定をしないとどんどん大きく成長し、花が視線より高いところで咲いてしまうこともあります。そのために剪定していますが、葉が青々としていることに感心している一句です。

 

季語「紫陽花」を使った一般俳句作品集【25選】

猫, ねこ, ペット, 動物, かわいい, 生き物, 花, あじさい, アジサイ, 紫陽花, ハローキティー

 

ここからは、一般の方が詠んだ俳句作品をたくさん紹介していきます。

 

リス先生
上手な俳句がたくさん揃っているからぜひ俳句作りの参考にしてみてね!

 

【No.1】

紫陽花や 雨のにおいの カレンダー 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花の色変化と降った後の雨の匂いはカレンダーのようだ。

俳句仙人
降った雨によって色が変わり、紫陽花も日に日に色を濃くしていきます。それをカレンダーと一緒に詠んでいるところが面白いですね。

 

【No.2】

紫陽花は 空の色から 日の色へ 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花は空の色である藍色から赤い日の色に変わった。

俳句仙人
紫陽花の色の移り変わりを空の色と日の色に例えていて、纏まりのある綺麗な句になっています。

 

【No.3】

朝からの 雨の紫陽花 日和かな 』

季語:紫陽花(夏)

意味:朝から雨が降っている今日は紫陽花日和だ。

俳句仙人
雨の日を梅雨の花である紫陽花日和だと詠んでいるところに微笑ましく感じます。

 

【No.4】

紫陽花を 揺らしてきたる 宅急便 』

季語:紫陽花(夏)

意味:玄関のそばにある紫陽花を揺らして来るのは宅急便だ。

俳句仙人
梅雨の時期は紫陽花が揺れると、誰かが来るという合図なのでしょう。誰の家にも来る宅急便なのですが、作者の家だけはどこか特別なものに感じます。

 

【No.5】

あぢさゐに ネイルの色を 相談す 』

季語:あぢさゐ(夏)

意味:紫陽花の色を見てネイルの色を考える。

俳句仙人
女性らしい句ですね。梅雨の色といえば紫陽花…ワクワクしながらネイルを紫陽花に相談している作者の様子が浮かんできます。

 

【No.6】

紫陽花や 空を見上げて 雨恋し 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が空を見上げて雨が恋しいと思っているようだ。

俳句仙人
梅雨に咲く紫陽花はきっと雨が恋しいと思っているはずです。作者の想像力に感動しました。

 

【No.7】

紫陽花は 香りなくとも 色香あり 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花は他の花のように香りはしなくても色の香りがある。

俳句仙人
紫陽花の特徴を「色香あり」と詠んでいて心を打たれる句になっています。

 

【No.8】

紫陽花や 小さき嘘ある 日記帳 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花よ。小さな嘘がある日記帳を書いている。

俳句仙人
宿題なんかで出る日記帳。紫陽花を見ながら書いている日記帳は間に合わなくて嘘を少し混ぜて書いているのでしょうか?共感できる行動を美しく詠んでいて素晴らしいです。

 

【No.9】

紫陽花や 出会いは傘の 取り違え 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花よ。2人の出会いは傘の取り違えだった。

俳句仙人
恋の句でしょうか。紫陽花に傘の取り違えという運命的な出会いを話していて心がキュンとなります。

 

【No.10】

紫陽花に 始まる旅も 晴天に 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が咲いている梅雨の時期から始まる旅も出発の時は晴れていた。

俳句仙人
梅雨の時期で心配になる中、晴れてほっとしている作者の様子が浮かんできます。

 

 

【No.11】

紫陽花の 吸い切りたるや 今朝の雨 』

季語:紫陽花(夏)

意味:今朝の雨は紫陽花が全て吸い切ってしまったのだろうか。

俳句仙人
今朝の雨とは反対に空は晴れ、そのかわり紫陽花が綺麗な藍色になっています。そんな情景が浮かび上がり、思わずため息が出るほど綺麗な句です。

 

【No.12】

紫陽花を 生けたる瓶 の不安定 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花を生けようと瓶に入れるとどこか不安定である。

俳句仙人
紫陽花は頭が大きく重たいので瓶に入れると少し偏ってしまいます。あるあるですね~。

 

【No.13】

紫陽花や 雨宿りする 和菓子店 』

季語:紫陽花(夏)

意味:雨宿りを和菓子店でさせてもらった時に、紫陽花がひっそり咲いていた。

俳句仙人
梅雨の時期は急に雨が降ってきたりします。そんな時に偶然雨宿りをさせてもらった和菓子店に咲く、紫陽花。何気ない日常に物語を添えてくれます。

 

【No.14】

紫陽花に 聞く愛猫を 埋める場所 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花に亡くなった愛猫をどこに埋めようかと聞いている。

俳句仙人
なんとも悲しい句で胸が締め付けられます…。良い場所が見つかるといいですね。

 

【No.15】

この寺も 紫陽花寺と 呼ばれおり 』

季語:紫陽花(夏)

意味:境内に沢山の紫陽花が咲くこの寺も紫陽花寺と呼ばれるようになった。

俳句仙人
紫陽花寺とは、境内に紫陽花の花を多く植えている寺院のことを「通称紫陽花寺」と呼びます。

 

【No.16】

あぢさゐや 別邸までの 石畳 』

季語:あぢさゐ(夏)

意味:紫陽花が咲いている別邸までの石畳の道だ。

俳句仙人
紫陽花が咲いている別邸。想像するだけで美しいのが伝わってきます。

 

【No.17】

紫陽花の ような正義の 味方なり 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花のような正義の味方だ。

俳句仙人
紫陽花にはそれぞれ色によって花言葉があり、青の紫陽花の花言葉は「辛抱強い愛情」です。まさに正義の味方が持った感情で、それを俳句として簡潔に詠んでいる作者がとてもかっこいいです。

 

【No.18】

あじさゐの とほくとほくに 鳴るチャイム 』

季語:あぢさゐ(夏)

意味:紫陽花の遠く遠くに鳴るチャイムの音が聞こえる。

俳句仙人
紫陽花と郷愁を感じさせるチャイムの音…。なんだか寂しくもあったかい俳句になっていて素敵です。

 

【No.19】

紫陽花の 青きわだたせ 酸性雨 』

季語:紫陽花(夏)

意味:酸性雨が紫陽花の青を濃く際立たせている。

俳句仙人
酸性の雨が降ると紫陽花の色は青に変色します。その青をさらに際立たせようと酸性の雨が降っています。そんな美しい自然の色彩を詠んでいて感動しました。

 

【No.20】

紫陽花に おはよう今日が 動き出す 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花におはようと一言声をかけて今日が動き出す。

俳句仙人
カーテンを開けて庭に咲く紫陽花におはようと一言言っている作者の様子は微笑ましいですね。生活を豊かにする上で花に挨拶をするというのは良いことです。

 

【No.21】

『 濃紫陽花 人待ち顔の 猫の昼 』

季語:紫陽花(夏)

意味:濃い紫陽花の花が咲いている。人を待っている顔の猫がいる昼だ。

俳句仙人
紫陽花の花と猫の組み合わせを詠んでいます。猫がいることから雨が上がっていて、紫陽花の花の色がより濃く見えるのかもしれません。

【No.22】

『 紫陽花や 金平糖が 爆ぜる朝 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が咲いているなぁ。金平糖のように花が爆ぜているように見える朝だ。

俳句仙人
紫陽花は小さな花が集まっているように見えます。11つを金平糖に例えて、ポップコーンのように爆ぜていると表現している面白い句です。

【No.23】

『 あぢさゐの ふくらみに雨 やはらかし

季語:あぢさゐ(夏)

意味:紫陽花のふくらみに雨が柔らかく降っている。

俳句仙人
紫陽花の花はこんもりとしたふくらみを持ちます。そのふくらみに弱い雨が柔らかく降り注いでいるという優しい句です。

【No.24】

『 紫陽花や 雨が恋しい いろをして 』

季語:紫陽花(夏)

意味:紫陽花が咲いている。雨が恋しい色をしているなぁ。

俳句仙人
雨がなかなか降らない年だったのでしょうか。様々な色に咲く紫陽花が、雨が恋しいと言っているような色をしていると例えています。

【No.25】

『 あぢさゐに 迷い込むふり ふたりきり

季語:あぢさゐ(夏)

意味:紫陽花の咲いている道に迷い込むふりをして2人きりになった。

俳句仙人
紫陽花はお寺や公園など散策路によく植えられています。迷い込んだ振りをして2人きりになった後が気になる一句です。

 

以上、中学•高校生向けの紫陽花のおすすめ俳句集でした!

 

 

俳句仙人
紫陽花は梅雨の時期に丸く咲く青色の花というの第一印象ですが、アルカリ性の雨でまた赤く変色する場合もあります。そんな様子を多くの人々は美しいと捉え、様々な表現で俳句を詠んできました。

リス先生
みんなもジメジメと暑い梅雨を乗り越える方法として俳句を詠んでみてね!嫌いな雨も好きになれるかもしれないよ!

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