日本の伝統的な芸能「俳句」は、古くから人々に親しまれ、愛されてきました。
最近では学校の授業で取り上げられるなど、小学生や中学生も活発に作品を詠んでいます。
娘の俳句がおもしろいwww pic.twitter.com/ho0meIqx0i
— Chiaki (@chanchi_330) April 11, 2018
近所のショッピングセンターで定期的に貼り出される、中学生の俳句。女子は、彼が待ってるのでなれない浴衣で小走り、みたいな句を詠んじゃうのに男子は面白い。 pic.twitter.com/GwPdaKjylc
— そりまち【SORIMATIKA】 (@yononaka_poison) January 26, 2014
味わい深い俳句から、鋭い視点で詠まれた俳句まで、さまざまなものがあります。
今回は、中学生が詠んだ面白い俳句作品を厳選して30句紹介いたします。
中学生が作った!!面白い俳句【前編10句】
ここからは中学生が詠んだ面白い俳句作品を紹介していきます。
【NO.1】
『 水筒を 垂直にして 飲んだ夏 』
季語:夏(夏)
意味:夏の暑い日、最後の一滴まで飲み干そうと水筒を垂直に立てて飲んだよ。
【NO.2】
『 母の日は 少し控え目 反抗期 』
季語:母の日(夏)
意味:今日は母の日だから、反抗するのは少しにしておこう。
【NO.3】
『 ただいまの 静かに響く 金魚鉢 』
季語:金魚鉢(夏)
意味:「ただいま」と帰ったら、自分の声が静かな家の中に響いたよ。人の気配に反応してか、金魚鉢の金魚がこちらを見ている。
【NO.4】
『 いつ見ても 父と夕日は うしろすがた 』
季語:無季
意味:お父さんと夕日は、いつも後ろ姿しか見ていないなぁ。
【NO.5】
『 霜柱 昨日の夜が そこにある 』
季語:霜柱(冬)
意味:朝起きると霜柱があった。あぁ、昨日の夜は外は凍えるような寒さだったことだろう。
【NO.6】
『 金魚鉢 ガラス一枚 別世界 』
季語:金魚鉢(夏)
意味:金魚鉢の中で泳ぐ金魚と自分は、ガラス一枚を隔てて全く別の世界に住んでいるよ。
【NO.7】
『 いじわるな 夏の大雨 君のよう 』
季語:夏(夏)
意味:突然の大雨で傘を持たない私は立ち往生している。意地悪な雨はまるであなたのようだ。
【NO.8】
『 図書カード あの人も これ借りたんだ 』
季語:無季
意味:図書カードの履歴を見ると気になるあの人の名前を発見。あの人もこの本を借りたことがあるのね。
【NO.9】
『 片耳の イヤホンとられ 急接近 』
季語:無季
意味:イヤホンをしていたところ、突然片方のイヤホンを取られ自分の耳に…。突然の急接近に舞い上がる。
【NO.10】
『 転勤の 父にも出そう 年賀状 』
季語:年賀状(新年)
意味:転勤で一人離れたところで暮らす父。今年は父にも年賀状を出そうかな。
中学生が作った!!面白い俳句【中編10句】
【NO.11】
『 父の日に やっちまったぜ 反抗期 』
季語:父の日(夏)
意味:今日は父の日。よりによってそんな日に父と喧嘩をしてしまったよ。
【NO.12】
『 じゃがいもや 籠いっぱいの 頑固かな 』
季語:じゃがいも(秋)
意味:籠いっぱいに頑固な面持ちをしたじゃがいもが、押し込められているよ。
【NO.13】
『 夕立ちや 優しい人が 怒るとき 』
季語:夕立(夏)
意味:突然の夕立はまるで優しい人が突然怒り出したときのようだよ。
【NO.14】
『 風車 色とりどりに 風を待つ 』
季語:風車(春)
意味:色とりどりの風車が、風が吹くのを今か今かと待っているようだよ。
【NO.15】
『 夏の朝 母のピアノで 目が覚める 』
季語:夏(夏)
意味:もう少し寝ていたい夏の朝。遠くの方ではお母さんが弾くピアノの音が聞こえてきたよ。
【NO.16】
『 朝起きて 足跡がない 雪の国 』
季語:雪(冬)
意味:朝起きて窓の外を見ると、足跡一つない銀世界が広がっていたよ。
【NO.17】
『 白い息 自分の声が 見えるみたい 』
季語:白い息(冬)
意味:口から出る白い息。まるで自分の声が目に見えるようだよ。
【NO.18】
『 再試験 遠いところにある 花火 』
季語:花火(秋)
意味:再試験を受けなければならないから、今年の花火はお預けだな…。
【NO.19】
『 彼の名が どんどんでてくる 炭酸水 』
季語:無季
意味:付き合い始めた彼氏の名前が、炭酸水の泡のように次から次へと頭に浮かんでくるよ。
【NO.20】
『 いつからか 僕を見上げて 叱る母 』
季語:無季
意味:いつの間にか僕は母の身長を超えた。いつから母は僕を見上げて叱るようになったのだろうか。
中学生が作った!!面白い俳句【後編10句】
【NO.21】
『 彼岸過ぎ 桜待ち待ち 春寒し 』
季語:春寒し(春)
意味:お彼岸が過ぎて、桜が咲くのが待ち遠しい。まだ春は寒いけれど。
【NO.22】
『 搾りたて ホイップ梅が 咲いている 』
季語:梅(春)
意味:搾りたてホイップのような梅の花が咲いている。
【NO.23】
『 渾身(こんしん)の 力で扉 春疾風 』
季語:春疾風(春)
意味:渾身の力で扉が破れそうな春の強風だ。
【NO.24】
『 スイカ割り 地面を割って やいのやんや 』
季語:スイカ割り(夏)
意味:スイカ割りをしている。地面を割ってやいのやんやと歓声が上がった。
【NO.25】
『 夏休み 瞼を閉じたら 終わってた 』
季語:夏休み(夏)
意味:夏休みは瞼を閉じていたら終わっていた。
【NO.26】
『 柿食べた 鐘は鳴らぬが カラス鳴く 』
季語:柿(秋)
意味:柿を食べた。かの子規の句のように鐘は鳴らないが、カラスが鳴いた。
【NO.27】
『 秋惜しむ コンビニスイーツ まとめ買い 』
季語:秋惜しむ(秋)
意味:秋が過ぎ去ってしまうのが惜しい。コンビニスイーツをまとめ買いしよう。
【NO.28】
『 わた菓子の 大盤振る舞い もち雪ふる 』
季語:もち雪(冬)
意味:綿菓子の大盤振る舞いのようにもち雪が降ってくる。
【NO.29】
『 山茶花が 古墳番かな 丘の上 』
季語:山茶花(冬)
意味:山茶花が古墳の番をしている丘の上だ。
【NO.30】
『 正月の 用意コロッケ 三十四個 』
季語:正月(新年)
意味:お正月の用意としてコロッケを34個準備した。
以上、中学生が作った面白い俳句作品集でした!
今回は、中学生が詠んだ面白い俳句作品を紹介してきました。
中学生ならではの「反抗期」や「恋」をテーマに様々な角度から切り込んだ作品は、思わずうなってしまうものや笑ってしまうものなど、情景が目に浮かぶようで面白かったですね。