【12月の有名俳句 20選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

 

めっきり冷え込んで、いよいよカレンダーのページも最後に差し掛かってきました。

 

なかなか家から出たくなくなる季節ですが、冬だからこその情景も綺麗なものです。

 

そこで今回は、12月の季語を含んだ有名俳句&一般の方が作ったオリジナル俳句をご紹介していきます。

 

リス先生
それでは、さっそく見ていこう!

 

俳句に12月らしさを出す!12月の季語を知ろう

 

俳句では11月から1月までが冬とされていて、さらに初冬・仲冬・晩冬と分かれています。

 

つまり、大まかに言うと12月は冬の真ん中、仲冬に当たるのです。

 

リス先生
ここで、今すぐ使える仲冬の季語をいくつか分類別に見ていこう!

 

【時候】

  • 十二月
  • 大雪:「おおゆき」ではなく「たいせつ」と読み、二十四節気のひとつ。雪の多い127日ごろに当たります。
  • 冬至/一陽来復:1222日ごろ、一年間で最も日が短い日です。

【天文】

  • 冬晴/冬日和:特に太平洋側は晴れわたる日が続きます。寒いなかにも明るさを感じさせる季語です。

【生活】

  • 冬休:いわゆる学校の冬休みのこと。お正月も挟むので、親戚で集まることも多いのではないでしょうか。
  • 羽子板市:年末に羽子板を売っている市のこと。浅草寺が有名です。
  • 柚子湯:冬至の日に柚子の実を入れてお風呂に入ること。無病息災でいられるとか。

【行事】

  • クリスマス:イエスキリストの誕生日。日本でも教会がミサをしたり、街をイルミネーションで飾ったりしますね。
  • 漱石忌:文豪夏目漱石が亡くなった日。「坊ちゃん」「吾輩は猫である」などは教科書に載ることもあり有名です。

【動植物】

  • 冬の蝶/凍蝶:冬に見られる蝶のこと。多くは蛹で冬を越しますが、そのままじっと春を待つものも。
  • ポインセチア:クリスマスによく見かける観賞用の花。鮮やかな赤い葉が目を引きます。

 

リス先生
上記の季語はあくまで一部だよ!他にもたくさんあるから、下記に12月の季語【一覧】を紹介するね!

 

12月の季語【一覧】

 

霜月・寒波・短日・冬の日・冬の朝・冬の空・冬の雲・冬霞・冬霧・冬の雷・冬の虹・冬夕焼・冬の暮・冬の夜・冬の月・冬の星・冬銀河・火事・火の番・冬の鳥・冬の雁・冬の鵙・越冬燕・水鳥・浮寝鳥・鴨・鶴・白鳥・夜神楽・顔見世・杜氏来る・雪催・雪起し・初雪・雪・寒し・冷たし・息白し・冬木・冬木立・枯木・枯木立・枯柳・冬枯・霜枯・冬ざれ・枯芝・枯菊・冬林檎・蜜柑・冬蕨・枇杷の花・冬柏・冬桜・針供養・大根焚・漱石忌・ぼろ市・羽子板市・年の市・風呂吹・雑炊・根深汁・白菜・人参・納豆汁・闇汁・寄鍋・おでん・焼鳥・焼藷・湯豆腐・葛湯・熱燗・鰭酒・玉子酒・冬の山・山眠る・冬野・枯野・冬田・冬眠・熊・狩人・罠・薬喰・猪鍋・狸・兎・笹鳴・都鳥・冬鴎・冬の海・波の花・鮫・鯨・河豚・鮟鱇・鮪・柳葉魚・海鼠・牡蠣・味噌搗・冬の蝶・冬の蜂・冬の蠅・冬の虫・枯蟷螂・屏風・障子・炭焼・湯ざめ・風邪・咳・褞袍・羽織・ねんねこ・毛皮・重ね着・セーター・冬服・冬シャツ・ショール・マスク・手袋・足袋・コート・懐手・毛糸編む・紙漉・北風・空風・冬凪・鎌鼬・霜・霜夜・霜柱・雪囲・雪吊・雁木・藪巻・霧氷・樹氷・水涸る・冬旱・冬の川・狐火・一茶忌・冬至・柚子湯・天皇誕生日・ポインセチア・クリスマス・師走・賀状書く・暦売・古暦・日記買ふ・ボーナス・年用意・春支度・飾売り・注連飾る・煤払・畳替・冬休み・歳暮・年忘・ご用納め・餅搗・餅・年の暮・年の内・数へ日・行く年・大晦日・大年・なまはげ・若布刈神事・年の火・年守る・年の宿・晦日蕎麦・年越・除夜・年惜しむ・年取・除夜詣・除夜の鐘

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12月の季語を使った有名俳句【10選】

 

それでは、さっそく12月の季語を使った有名な俳句をご紹介していきます!

 

【NO.1】長谷川かな女

『 亡き母を 知る人来たり 十二月 』

季語:十二月

意味:だいぶ昔に亡くなった母を、知っているという人が訪ねてきました。十二月という年末の忙しさのなかに、時の流れと懐かしさを感じました。

俳句仙人
十二月という季節が一見関係ないようでありながら、年末だからこそ昔や母のことを懐かしく思いおこしている情景が浮かんでくるのう。

 

【NO.2】岡田史乃

『 冬晴や できばえのよき 雲ひとつ 』

季語:冬晴

意味:冬の晴れ渡った一日。空に一つだけ浮かんでいる雲は澄んでいて整った形をしていて、まさに「出来栄えのよい」もの。晴れやかな気持ちになりました。

俳句仙人
冬青空のなかに一つだけかかる雲。まさに想像できそうじゃ。「できばえ」と表現しただけで雲の形・色・雰囲気まで伝わってくるのう。どこか開放的な気分を味わうことができる句じゃ。

 

【NO.3】鈴木鷹夫

『 鍵束の ひかりを投げて 冬休 』

季語:冬休

意味:天に向かって軽く投げたのか、鍵束がひとつの光のように見えました。冬休みというわずかな期間のなかでの、明るい一面を切り取りました。

俳句仙人
冬休なので主体は学校の生徒じゃろうか。もしかしたら鍵っ子かもしれんが、その鍵束がひかりのようであるという把握が、お休み中の少し弾んだ気分を表しておるぞ。

 

【NO.4】高浜虚子

『 うつくしき 羽子板市や 買はで過ぐ 』

季語:羽子板市

意味:絢爛できらびやかな羽子板市に多くの人が見にきています。結局買わずに過ぎてきてしまいましたが、豪華な空気感に包まれています。

俳句仙人
羽子板市に行ってはみたものの何も買わず。少し冷やかな目線も感じるが、やはり豪華な気分を味わいたいという作者の感覚もしっかり伝わってくるのう。

 

【NO.5】富安風生

『 よその子に 買ふ羽子板を 見て歩く 』

季語:羽子板市

意味:羽子板市に来ているが、見ているのは自分の家用ではなく、他の家のお子さんにプレゼントするもの。何を買ったら喜ばれるのだろう、など考えながらそぞろ歩いています。

俳句仙人
「羽子板」は本来新年の季語じゃが、この句は内容から「羽子板市」が季語と取ってよいじゃろう。「よその子」という特殊性が羽子板市の特別感を高めておるぞぉ。

 

【NO.6】川崎展宏

『 柚子風呂に 浸す五体の 蝶番 』

季語:柚子風呂

意味:寒さで全身の関節はドアの蝶番のように固まっています。しかし柚子風呂に入って、固まった体も解きほぐれていくようです。

俳句仙人
「蝶番」という機械的な言葉を使ったことでいかに冷え切っているかがわかるのう。柚子風呂で体も心も癒されていくようじゃ。

 

【NO.7】秋元不死男

『 へろへろと ワンタンすする クリスマス 』

季語:クリスマス

意味:クリスマスといえば七面鳥やケーキなどご馳走を食べるもの。しかし自分はワンタンを、しかもへろへろと啜っています。

俳句仙人
クリスマスとは思えない質素な食事風景じゃが、これもまた日常の一コマじゃ。クリスマスにワンタン、という点も少しおかしみがあるのう。

 

【NO.8】小笠原和男

『 冬の蝶 日溜まり一つ 増やしけり 』

季語:冬の蝶

意味:冬の蝶がふっと飛んできました。まるでその蝶のための日溜まりが、一つ増えたようでした。

俳句仙人
冬のなかでの明るい一コマじゃ。蝶という小さな命、小さな日溜まりが温もりを思い起こさせるのう。

 

【NO.9】小林一茶

『 冬の蝿 逃せば猫に 取られけり 』

季語:冬の蝿

意味:冬の蝿を捕らえようとしたのに逃してしまいました。と思ったら、すかさず家の猫が捕まえてしまいました。

俳句仙人
小林一茶は動物の俳句を多く詠んだ俳人。蝿、人間、猫とストーリーのように入れ替わるところが滑稽で笑ってしまいそうじゃ。

 

【NO.10】古賀まり子

『 ポインセチア どの窓からも 港の灯 』

季語:ポインセチア

意味:部屋には真っ赤なポインセチアが飾ってあり、部屋の数あるから窓から外を覗くと、港の灯りが美しく灯っています。

俳句仙人
ポインセチアの赤と灯の橙、海の蒼といった色彩豊かな、クリスマスの景色が見えてくぞぉ。

 

こんな俳句もある!オリジナル俳句集【10選】

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つづいて、一般の方が作った12月のオリジナル俳句集をご紹介します。

 

【No.1】パレットに バラ色足して 年惜しむ

季語:年惜しむ

意味:絵を描いていて、パレットにバラの色を足しました。今年も終わっていくのだなという感慨があります。

俳句仙人
バラ色を加えるというのが、明るさを感じさせるのう。

 

【No.2】着ぶくれて 四肢の在り処 の定まらず

季語:着ぶくれ

意味:寒いのでたくさん着込んで着ぶくれてしました。手も足も動かしにくくなっています。

俳句仙人
手も足も動くにくく不便であるところ、寒さを滑稽に詠んでおるのう。

 

【No.3】年惜しむ 付箋の多き 旅行本

季語:年惜しむ

意味:旅行本を見て、いきたいところに付箋をつけていくとこんなにも増えていました。年末のほっとする一コマです。

俳句仙人
旅をしたいという膨らむような気持ちと、年末の慌ただしさとが相混じっておるのう。

 

【No.4】束の間の 色でありけり 冬夕焼

季語:冬夕焼

意味:鮮烈な赤をした夕焼。それを束の間のものでしかないように感じました。

俳句仙人
束の間という表現が夕焼の赤を際立たせておるのう。

 

【No.5】水鳥の 目に外つ国の 湖の色

季語:水鳥

意味:冬になると北の国からやってくる水鳥。その目には外国の地の冷ややかな湖の色が映っているようです。

俳句仙人
水鳥の細かな部分をしっかり描写しておる。少しの物悲しさも感じるのぉ。

 

【No.6】色放つ 銀のさざなみ 冬の湖

季語:冬の湖

意味:冬の湖はとても寒々しいですが、それが銀のさざなみに見えました。

俳句仙人
冬の湖の寒々しさ、厳かな雰囲気がしっかり伝わってくるぞぉ。

 

【No.7】人生は 片道切符 冬銀河

季語:冬銀河

意味:人生も片道切符と同じで一方向にしか進まない。冬銀河のなかで命の流れを感じました。

俳句仙人
人生と切符を重ね合わしているところが面白いのう。

 

【No.8】その中に いない猫なり 漱石忌

季語:漱石忌

意味:いつもいる場所に猫がいないということでしょうか。猫を愛した漱石を偲んでいます。

俳句仙人
猫の所在から漱石を思い出し偲んでいる様子が見えてくるぞぉ。

 

【No.9】絶滅の 鳥の剥製 冬の星 

季語:冬の星

意味:絶滅してしまった鳥の剥製が飾ってありました。窓からは冬の星が見えてそれを照らしています。

俳句仙人
もうこの世にいない鳥の剥製、どこか恐ろしいが美しい風景じゃ。

 

【No.10】空っ風 地球の軸に 自分置く

季語:空っ風

意味:強い空っ風が吹きました。それに負けないように、しっかりと立ってています。

俳句仙人
自分の芯はまっすぐしていくぞ、というような気概が感じられるのう。

 

 

以上、12月の季語を使った俳句集をご紹介しました!

 

俳句仙人
今回は、有名な俳人の俳句から一般の方が作った現代のものまで、12月の俳句をたくさん紹介してきたぞぉ。

リス先生
ぜひ俳句を作るの際の参考にしてみてね!