日本の文化の一つである「俳句」。
俳句は5・7・5の17音で構成されているため、世界最短の詩とも言われています。
授業などで俳句を学習したり、最近ではテレビ番組で俳句が取り上げられたりすることも多いですね。
今回は、「1月」に詠みたいおすすめ有名俳句&一般俳句作品を紹介していきます。
「正月の 子供になって 見たき哉」:小林一茶
皆様、明けましておめでとう御座います!
本年も宜しくお願いいたします <(_ _)>
それにしても、
子供に戻ってお年玉が欲しいものですね ^ ^北日本は、正月三ヶ日は大荒れだそうです!
お気をつけてお正月をお過ごし下さい。 pic.twitter.com/yxjR7MG9yf— Kakasi923 (@kakasi923) December 31, 2017
おはようございます。本日1月5日は小寒。これから立春までの30日間を寒というそうです。今朝の鎌倉は驚くほど暖かいですが、夕方から荒れるとのこと。おでかけはお早めに。
【うす壁にづんづんと寒が入りにけり 小林一茶】
#鎌倉 pic.twitter.com/XVGgFAHBMs— 鎌倉と文学 (@kamakura_bunko1) January 6, 2015
俳句に1月らしさを出す!1月の季語を知ろう
俳句には「季語(きご)」というその時の情景や状況、作者の気持ちをより具体的に読み手へ伝えるため、用いられる言葉があります。
1月…といえば皆さんはなにを思い浮かべるでしょうか?
例えば…「年明け」や「正月」「冬休み」といった行事があります。こういった、季節と結びついてその季節を表す言葉を季語と言います。
【新年】
読み方:しんねん
意味:新しい年。年の初め。
【初詣】
読み方:はつもうで
意味:年が明けてから初めて神社や寺院などに参拝する行事
【初富士】
読み方:はつふじ
意味:元日に望み見る富士
【お年玉】
読み方:おとしだま
意味:新年のお祝いとして子供や使用人に贈る金品
【成人の日】
読み方:せいじんのひ
意味:1月の第2月曜日。おとなになったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます日。
以上のように、1月は新年や成人に関連する季語が多く「始まり」を知らせる季語が多かったように感じます。
1月は1という数字がつくだけあって、新たなスタートを意味する月なのでしょう。
1月の季語【一覧】
私大 / 晩冬 / 寒の入 / 小寒 / 鵲初めて巣くう / 大寒 / 鶏初めて交む / 寒の内 / 寒土用 / 厳寒 / しばれる / 氷餅造る / 寒晒 / 寒造 / 凍豆腐造る / 寒卵 / 寒天造る / 蒟蒻氷らす / 雁木 / 雪掻 / 大徳寺開山忌 / 几圭忌 / 蕪村忌 / 乙字忌 / 久女忌 / 草城忌 / 碧梧桐忌 /たご蛙 / 寒雀 / 寒鴉 / 雪鳥 / 白鳥 / 寒鰤 / 寒鯛 / 寒鯉 / 寒鮒 / 寒鮠 / 寒烏賊 / 八目鰻 / 寒蜆 /早梅 / 寒梅 / 臘梅 / 冬桜 / 寒椿 / 寒木瓜 / 雪折 / 水仙 / 葉牡丹 / 冬菫 / 冬蕨 / 寒芹 / 冬萌 / 寒海苔 / 黒海苔 などなど。
1月の季語を使った有名俳句集【15選】
ここからは、1月の季語を使った有名俳句(有名俳人が詠んだおすすめ俳句)を紹介していきます。
【NO.1】小林一茶
『 正月の 子供になって 見たき哉 』
季語:正月(新年)
意味:正月の子供たちは凧を飛ばしたりお年玉をもらったりしている。そんな無邪気な子供になってみたい。
【NO.2】高浜虚子
『 手毬唄 かなしきことを うつくしく 』
季語:手毬唄(新年)
意味:子供たちが手毬をつきながら手毬唄を歌っているので、聞き入っていると歌の歌詞が悲しいことに気づいた。子供たちはそれを知らず楽しそうに歌っている。
【NO.3】山口誓子
『 日本が ここに集まる 初詣 』
季語:初詣(新年)
意味:神社やお寺には初詣に来た人が多くまるで日本中から人が集まったように感じる。
【NO.4】中村草田男
『 膝に来て 模様に満ちて 春着の子 』
季語:春着(新年)
意味:甘えるように膝に寄ってきた幼な子が綺麗で華やかな模様があしらわれた春着を着ている。
【NO.5】西東三鬼
『 鏡餅 暗きところに 割れて坐す 』
季語:鏡餅(新年)
意味:正月も過ぎて、割れた鏡餅が暗いところで座っています。
【NO.6】芥川龍之介
『 元日や 手を洗ひをる 夕ごころ 』
季語:元日(新年)
意味:元日には朝から初詣へ行ったり来客が多かったりと賑やかな1日を過ごしたが、そんな合間にお手洗いに立って外を見たらもう夕方になっていた。
【NO.7】松尾芭蕉
『 元日や おもへばさびし 秋の暮 』
季語:元日(新年)
意味:賑やかな大晦日と比べて元日は静かで秋の暮れと同じような寂しさを感じます。
【NO.8】高浜虚子
『 去年(こぞ)今年 貫く棒の 如きもの 』
季語:去年今年(新年)
意味:去年から今年に変わると去った年が遠い昔のように感じますが、実際の時間は新年など関係なく静かに過ぎゆくもので一本の棒で貫かれたように一続きの時間なのです。
【NO.9】高浜虚子
『 草の戸に 賀状ちらほら 目出度さよ 』
季語:賀状(新年)
意味:この粗末な家にも年賀状がちらほら届く。めでたいことだ。
【NO.10】日野草城
『元日や はげしき風も いさぎよき 』
季語:元日(新年)
意味:元日には激しい風も潔く感じる。
【NO.11】小林一茶
『 元日や 上々吉の 浅黄空 』
季語:元日(新年)
意味:元日だなぁ。良い1年になりそうな水色の空だ。
【NO.12】山口誓子
『 スケートの 紐結ぶ間も はやりつつ 』
季語:スケート(冬)
意味:スケートの紐を結ぶ間も気がはやっている。
【NO.13】小林一茶
『 めでたさも 中くらいなり おらが春 』
季語:おらが春(新年)
意味:新年のめでたさも中くらいだなぁ。私の初春はそんなものだ。
【NO.14】飯田龍太
『 大寒の 一戸もかくれ なき故郷 』
季語:大寒(冬)
意味:大寒の日は、木々から葉が落ちて一戸も隠れていない故郷だ。
【NO.15】黛まどか
『 待ちし一枚 その中にあり 年賀状 』
季語:年賀状(新年)
意味:待っている一枚がその中にある。年賀状だ。
1月の季語を使った一般俳句作品集【15選】
ここからは、1月の季語を使った一般俳句作品を紹介していきます。
有名な俳句を読むことはもちろん勉強になりますが、一般の方が詠んだ俳句作品も非常に参考になります。
【No.1】
『 冬の朝 あと十分が 命取り 』
季語:冬の朝(冬)
意味:冬の朝は寒く、温かい布団の中で後10分と思い眠ると10分以上寝てしまって遅刻してしまう。
【No.2】
『 冬の朝 顔をあらうと 目がぱっちり 』
季語:冬の朝(冬)
意味:冬の朝に顔を洗うと水の冷たさで目がパッチリ覚める。
【No.3】
『 湯気立てた コーヒーを飲む 寒い朝 』
季語:寒い朝(冬)
意味:冬の朝に湯気を立てた温かいコーヒーを飲む。
【No.4】
『 冬の朝 布団の中だけ 春うらら 』
季語:冬の朝(冬)
意味:冬の朝は寒いが布団の中だけは春の始まりのように温かい。
【No.5】
『 日短かで 太陽のない 登下校 』
季語:日短か(冬)
意味:日が短い冬の日。登校時は太陽がまだ出ていなく下校時は太陽が沈んでいる。
【No.6】
『 冬の夜 恋人たちが ほほそめる 』
季語:冬の夜(冬)
意味:寒い冬の夜に恋人たちが頬を染めながらデートをしている。
【No.7】
『 寒の入り 紅茶に生姜 搾り入れ 』
季語:寒の入り(冬)
意味:冬の寒さを感じ始めた頃、体の体温を上げるため紅茶に生姜を搾り入れた。
【No.8】
『 かじかんで 解答用紙 まだ白紙 』
季語:かじかんで(冬)
意味:手がかじかんでいて解答用紙に文字を書き込めずまだ白紙のままだ。
【No.9】
『 寒稽古 黄色い声に 励まされ 』
季語:寒稽古(冬)
意味:寒稽古をしているときに応援してくれる声に励まされる。
【No.10】
『 大寒や 猫寄り添ひて 膝の上 』
季語:大寒(冬)(※大寒は1月20日ごろのこと)
意味:大寒の頃、猫が私の膝の上に寄り添ってきた。
【No.11】
『 土鍋炊く 七草粥の 熱きかな 』
季語:七草粥(新年)
意味:土鍋で炊く七草粥が熱いなぁ。
【No.12】
『 どんど焼き 餅は火だるま 芋焦げて 』
季語:どんど焼き(新年)
意味:どんど焼きをしている。餅は火だるまになり、芋は焦げてしまった。
【No.13】
『 三本の ペットボトルに 寒の水 』
季語:寒の水(冬)
意味:三本のペットボトルに寒の水を入れる。
【No.14】
『 ポケットに 入れた手出せぬ 寒の入り 』
季語:寒の入り(冬)
意味:ポケットに入れた手を出せないほど寒い寒の入りだ。
【No.15】
『 白野菜 シチューに仕立て 寒に入る 』
季語:寒に入る(冬)
意味:白い野菜をシチューに仕立てて寒の入りを迎える。
以上、1月に関するおすすめ俳句集でした!