学校の宿題で俳句を作らなければいけないけれど、「どう詠んでいいか分からない…」「少し興味はあるけれど難しそう…。」そんな風に思った経験はないでしょうか?
でも大丈夫!俳句は実はルールの少ない、取っつきやすい詩の一つなんです。
今回は、小学生でもわかる俳句のルールや作り方をご紹介していきます。
目次
俳句とは?基本的なルールを知ろう!
俳句は正確には定型詩(リズムの決まった詩)の一つですが、守るべきルールはこの二つのみ!
俳句のルール
①5・7・5・の形にする
②季語を入れる
➀5・7・5の形にする
音数を5・7・5に合わせて詠んでいきます。
例えば・・・
「古池や 蛙飛びこむ 水の音」
- ふるいけや(5音)
- かわずとびこむ(7音)
- みずのおと(5音)
となっている訳です。
②季語を入れる
二つめのルールは季節を表す言葉、季語を入れることです。
季語と言っても春・夏・秋・冬だけでなく、季節に関係する様々な言葉が季語とされています。
例えば・・・入学式は春の季語、海水浴は夏の季語、運動会は秋の季語、といった具合です。
この季語をどこかに盛り込むことが原則になります。
小学生でもわかる!!俳句の作り方&コツを紹介!
①季語を選ぼう
まずは自分が好きだったり、思い出があったりする季語を選んでみましょう。
例えば、プールは夏の季語ですし、遠足は春の季語になります。
思いつくものがないという場合でも、意外と身近なものが季語になっているんです。
夏であれば冷蔵庫・クーラー・サイダー・浴衣、などなど。自分の好きな季語を選んでみましょう。
ここでは、毎年楽しみにしている「海開き」にしてみたいと思います。
②「場面」や「気持ち」を切り取り、伝えたいものを決めよう
次に俳句の本体に取り掛かります。あなたが今、伝えたいと思っていることや気持ちはなんでしょうか?
今見ているものでも、思い出深かったこと、想像でも大丈夫です。
まだ形にならなくて良いので、そのシーンを具体的に思い浮かべて言葉にしてみましょう。
例えば、「海開き」の時に見えてくるもの、思うことはなんでしょうか?波がきらきらと光っているな、水平線がすごく長いな、そして段々と海岸線から離れていく…このように情景を思い浮かべて、一番伝えたいものを決めてみます。
③5・7・5に当てはまるように詠んでみよう
それでは思い浮かべた情景を5・7・5に当てはめてみましょう。
難しく考えずに、思ったことをそのまま言ってみればOK!意外とその方が素直で伝わりやすい俳句になります。
はじめのうちは、季語は上五(かみご、最初の5音)か下五(しもご、最後の5音)に入れるのがよいでしょう。
例えば・・・「海開き 〇〇〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇」、もしくは「〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇〇〇 海開き」という形です。
「波がきらきらと光っているなあ」と思った場合は、「海開き波がきらきら光ってる」とすればすぐに俳句になる訳です!
④読んでみて違和感があれば、言葉を変えてみよう
ここまでで5・7・5のリズムができ、季語も入れられたならば俳句を一つ詠めたことになります。
これからはちょっと上級者のステップ。もう一度自分の俳句を見てみて、何か違和感がないか、本当に自分の伝えたいことが言えているか検索して、言葉を変えてみます。
このステップを「推敲(すいこう)」と呼びます。より完成度の高い俳句を作るためにはこの推敲がとても重要。そして、場合によってはここで季語を変えることで俳句がぐっと良くなることだってあるのです。
例えば、先ほどの海開きの句で推敲をしてみましょう。「きらきら」という言葉を使いましたが、これで伝えたいことが盛り込めているでしょうか?
例えば、「あかあか」とすれば明け方や夕方の人が少ない海岸線を想像させることができますし、少し難しい言葉ですが「燦々と」とすれば真昼の太陽が降り注いでいる情景を詠むことができます。ここでは「あかあか」に変えてみましょう。
「海開き波があかあか光ってる」になりますね。
これができれば上級者!?切れ字を活用してみよう
さて、さらに次のステップ、「切れ字の使い方」になります。
皆さんも「松島やああ松島や松島や」という俳句を聞いたことがあるのではないでしょうか?
松島のあまりの美しさに感動しているという解釈が一般的です。
ではこの句の「や」とは何なのでしょうか。ずばりこれが切れ字です。
切れ字とは、俳句の中でも感動を表す言葉で、リズムの切れを生むことで前の言葉を印象付ける効果があります。
代表的な切れ字には「や」「かな」「けり」があります。口語(普段喋っている言葉)ではなく、このような文語(昔の言葉、書き言葉)を使うことでさらに俳句の味わいが増してくるのです!
例えば前の句では「光ってる」としましたが、このままでは普段の話し言葉です。
そこで切れ字を使って「海開き波があかあか光りけり」とすればさらに俳句らしくなります。「をり」を使って「海開き波があかあか光りをり」とすると、今まさに光っているのだという気分が出てきますね!
超うまい!お手本となる俳句を紹介!
最後に、小学生が詠んだお手本となる俳句をご紹介していきます。
俳句は「芭蕉蛤塚忌全国俳句大会 入選作品」から引用していますので、もっといろんな俳句を見たい!という場合はサイトに訪れてみてください!
【No.1】がっこうの プールにうつる かげぼうし
季語:プール・夏
【No.2】母の日に 秘密で父と 花買いに
季語:母の日・夏
【No.3】水でっぽう そらにむかって うってみた
季語:水鉄砲・夏
【No.4】金魚ばち ぼくも入って いいですか
季語:金魚鉢・夏
さいごに
ここまで、俳句の簡単なルールと作り方をご紹介しました。
最後の方は難しいテクニックもお伝えしましたが、基本的には「➀5・7・5のリズム ②季語を入れる」の二つさえ守れば俳句を詠むことができます。