毎年、4月上旬頃に行われる「入学式」。
ほとんどの学校では春の入学が基本です。そのため、「入学」や「入学式」は「春の季語」になります。
今日は暖かな一日だった!桜も綺麗!!🌸🌸🌸
#桜並木#春#入学式 pic.twitter.com/Qqt23CrxFI— T2じろう (@T210684113) April 6, 2016
「入学児」「新入生」「一年生」というように、入学する児童・人そのものを指す言葉も俳句の世界ではよく使われます。いずれも「春」の季語になります。
今回は、「入学式」を題材にしたオススメ俳句作品を30句紹介していきます。
目次
小学生向け!入学式を題材にしたオススメ俳句作品【前編10句】
【NO.1】
『 入学式 みんなで準備 いすならべ 』
季語:入学式(春)
入学式の準備をしている様子を詠んだ句です。新一年生のために、六年生皆で、一生懸命椅子を並べている様子が目に浮かびます。「大変」という気持ちよりも、「一年生のために」という優しい気持ちがとても伝わります。
【NO.2】
『 新しい 一年生が やってきた 』
季語:一年生(春)
「新しい一年生」が来ることをとても楽しみしていたのでしょう。「やってきた」という言葉に喜びが詰まっています。作者の素直な気持ちがそのまま表現されています。
【NO.3】
『 ランドセル 一年生には 大きいね 』
季語:一年生(春)
ランドセルを背負った新一年生の姿を詠んだ一句です。まだまだ体が小さい一年生にはランドセルがとても大きく見えたのでしょう。そのような姿も愛おしい、可愛い一年生の姿が想像できます。
【NO.4】
『 友見つけ 笑顔満開 入学式 』
季語:入学式(春)
新しい環境になり、ドキドキ緊張していたのでしょう。お友だちを見つけて、嬉しい気持ちとともに、「安心」の気持ちも伝わります。笑顔いっぱいの様子を、満開の桜と合わせて「笑顔満開」と上手に表現しています。
【NO.5】
『 一年生 まんかいの中 はれぶたい 』
季語:一年生(春)
一年生の入学式を「晴れ舞台」と表現し、詠んだ句です。満開の桜が、とてもきれいで素敵な光景だったのでしょう。美しい満開の桜の中を歩く一年生の姿が目に浮かぶようです。
【NO.6】
『 風吹くな 入学式が 終わるまで 』
季語:入学式(春)
入学式まで、風が強く吹いて桜が散ってしまわないよう願う作者の切実な想いが表現されています。入学式といえば、桜ですよね。「風吹くな」と空に向かって一生懸命願っている作者の姿が想像できます。
【NO.7】
『 入学式 四月のさくら きれいだな 』
季語:入学式(春)
入学式が行われる四月の桜の美しさを詠んだ一句です。「四月のさくら」が美しくきれいであることはもちろんのこと、「入学式」とあわさった桜はより一層きれいである、ということを表現しています。
【NO.8】
『 桜さく 新一年生 やってくる 』
季語:一年生(春)
新一年生が学校に来ることをとても楽しみにしていたのでしょう。桜の開花は、新一年生が来る合図なのかもしれませんね。笑顔いっぱいで、新一年生のことを楽しみにしている作者の姿が目に浮かびます。
【NO.9】
『 入学式 背中で泳ぐ ランドセル 』
季語:入学式(春)
入学式での新一年生の姿を詠んでいます。まだまだ体に合わない大きなランドセルを背負った一年生がたくさんいたのでしょう。小さな体で背負う大きなランドセルは、きっとまだピッタリとフィットしていないですよね。その光景を「背中で泳ぐ」ととても上手に表現しています。
【NO.10】
『 桜の木 一年生を 待ってるよ 』
季語:一年生(春)
桜の木も一年生のことを歓迎して待っている、ということがとてもよく伝わる一句です。一年生を優しく包み込んでくれるようなあたたかさを感じます。小学校に関わるあらゆる人や物が、一年生が来ることを楽しみに待っている様子が上手に表現されています。
小学生向け!入学式を題材にしたオススメ俳句作品【中編10句】
【NO.11】
『 満面の 桜微笑む 入学式 』
季語:入学式(春)
入学式での光景を詠んだ句です。満開の桜の中での入学式だったのでしょう。たくさんの人の祝福と喜びに満ちた場で、満開の桜も喜んでいるように見えたのかもしれませんね。とても美しい光景が目に浮かぶ、きれいな一句です。
【NO.12】
『 桜さく 一年生の 笑い声 』
季語:一年生(春)
新一年生の笑い声があふれる場面を詠んでいます。桜が咲く通学路を歩いているのでしょうか。学校の桜の下で一年生が遊んでいるのでしょうか。さまざまな場面が想像できる一句です。笑顔いっぱいの可愛らしい一年生の姿が目に浮かびます。
【NO.13】
『 先生が 一番きんちょう 入学式 』
季語:入学式(春)
入学式での先生の様子を詠んだ一句です。「あれ?なんだか先生…いつもとは違う」と作者は気付いたのでしょう。いつもと違う先生の様子を「一番緊張」と、ユーモアたっぷりに表現しています。
【NO.14】
『 桜舞う 未来へ歩く 一年生な 』
季語:一年生(春)
新しい環境に一歩踏み出した新一年生の様子を「未来へ歩く」ととても素敵な言葉で表現しています。未来へと歩いている一年生をたくさんの人が優しく見守っている光景が想像できます。優しさがあふれているとても美しい一句です。
【NO.15】
『 一年生 すごく小さい かわいい手 』
季語:一年生(春)
一年生と手をつないだ時の様子を詠んでいます。一年生と手をつないだ六年生の優しい気持ちがあふれていて、心があたたかくなる一句です。「すごく小さいかわいい手」を優しくそっと握ってあげている様子が目に浮かびます。
【NO.16】
『 弟の 入学の朝 おめでとう 』
季語:入学(春)
弟さんが入学式なのでしょう。朝一番に「おめでとう」を伝えている素敵な光景が想像できます。弟さんにとっては、入学の朝、最初の「おめでとう」だったかもしれませんね。
【NO.17】
『 入学式 桜で迎え うれしいな 』
季語:入学式(春)
入学式といえば、「桜」ですね。やはり、満開の桜とともに入学式を迎えることができることはとても嬉しいことでしょう。嬉しくて、笑顔いっぱいで歩く姿が想像できます。
【NO.18】
『 お手々がね ミニミニサイズの 一年生 』
季語:一年生(春)
一年生の小さな手の愛おしさを詠んだ一句です。「ミニミニサイズ」という表現がとても可愛らしく、あまりにも小さなかわいい手に驚いている様子が伝わります。「お手々」という言葉から、とにかく可愛くて仕方ない様子がとてもよく表現されています。
【NO.19】
『 入学式 保育所からの 顔馴染み 』
季語:一年生(春)
新しく入学した小学校は、保育園からの幼馴染のお友だちがたくさんいたのでしょうね。「顔馴染み」の存在は、とても嬉しくて、心強いですね。緊張していた心がふわっと和らいだことでしょう。
【NO.20】
『 チューリップ 新一年生 お出迎え 』
季語:一年生(春)
学校の花壇のチューリップでしょうか。たくさんのチューリップがきれいに並んで新一年生をお出迎えしている光景が目に浮かびます。きっと在校生や先生方が、入学式にあわせてきれいに整えてくれたのではないでしょうか。優しさがあふれていて、心があたたかくなる一句です。
小学生向け!入学式を題材にしたオススメ俳句作品【後編10句】
ここからは次の10句を紹介していくよ!
【NO.21】
『 一年生 期待膨らむ つぼみかな 』
季語:一年生(春)
一年生が期待を膨らませている様子を花のつぼみに例えています。六年生の卒業式で花開くのを楽しみにしているのが見えるようです。今はまだつぼみのように緊張し、それでいて期待に膨らむ1年生の様子をよく表しています。
【NO.22】
『 花銀杏 下を駆け行く 一年生 』
季語:一年生(春)
「花銀杏」とは銀杏の花のことで、黄色い花をつけます。そんな銀杏の木の下を新入生たちが駆け抜けていく様子を詠んだ一句です。黄色の花と一年生がランドセルに付ける黄色いカバーが浮かんできます。
【NO.23】
『 あたたかや 一年生が する背伸び 』
季語:一年生(春)
暖かい陽気の季節に、一年生が背伸びをしています。普通に背伸びをしているのか、小学生になったことで年長者として背伸びをした言動をしているのか、想像が膨らむ句です。
【NO.24】
『 鉛筆の 長さ揃いて 一年生 』
季語:一年生(春)
鉛筆は使っているうちに長さが不揃いになっていきますが、新入生はまだ使用していないため揃っています。そんなささやかな様子からもこれから一年生が始まるのだとわかる一句です。
【NO.25】
『 花看板 一年生を お出迎え 』
季語:一年生(春)
紙の花で飾られた入学式の看板が一年生を出迎えています。お祝いごとがある時だけお目にかかれる花看板は子供たちの目にどううつったでしょうか。初めての小学校に緊張しつつ花看板を通過していきます。
【NO.26】
『 入学式 帰りの親子 連れ眺む 』
季語:入学式(春)
入学式帰りだろう親子連れを眺めている一句です。新入生らしく初々しい姿が印象に残ったのでしょう。親子で手を繋いでどこかうきうきとした気分で帰っているのかもし)ません。
【NO.27】
『 入学児 母のありかを 目で追いつ 』
季語:入学児(春)
入学してきた子供が、母の居場所を目で探している様子を見ている一句です。初めての環境にどこか不安そうにしているのが感じ取れます。目だけで追っているのは、一年生なのだという自覚を持っているからでしょう。
【NO.28】
『 入学式 終へて静もる 花看板 』
季語:入学式(春)
入学式を終えて静かに佇む花で囲まれた看板を詠んでいます。紙で作った花飾りで飾られた入学式の看板は、役目を終えて静かに子供たちを見送ったようです。
【NO.29】
『 ドキドキ感 溢れ出ている 入学式 』
季語:入学式(春)
初めての学校にドキドキ感を隠せない新入生を詠んだ句です。あちこち見回したり、知り合いがいるか探したりしているのでしょう。これから始まる6年間の小学校生活にどこか浮き足立っています。
【NO.30】
『 校庭は ぐるり桜の 入学式 』
季語:入学式(春)
入学式の日に、ぐるりと校庭を囲むように桜が咲いている様子を詠んだ句です。最近では卒業式に合わせて咲くことが多い桜ですが、この年は入学式に咲いたのでしょう。桜に囲まれた校庭は、一年生の子供たちにはめずらしく感じたのかもしれません。
以上、入学式を題材にして詠んだオススメ俳句作品集でした!
さいごに
「入学式」は、小学校・中学校・高校・大学、さまざまな場面で行われる祝福と喜びにあふれた素敵な日ですね。
なかでも、「初めての学校生活」となる小学校の入学式は思い出が多いのではないでしょうか。
学校によって異なるとは思いますが、「自分自身の入学式」と「一年生をお世話する入学式」、2つの入学式を経験する六年生はより一層思い出深いかもしれませんね。
「すごく小さいかわいい手」というとても素敵な表現があります。六年前、きっと同じように「小さなかわいい手」と愛おしく感じてもらっていたことでしょう。お兄さん・お姉さんにつないでもらった小さな手は、「今」、小さな手を優しくそっと握ってあげています。
成長というものの素晴らしさを改めて感じ、感慨深いです。