「バスケットボール」が日本に伝わったのは1908年のこと。
国際YMCAトレーニングスクールの卒業生である大森兵蔵氏が広めたとされています。
長い年月を経て、今では日本でもすっかりメジャーなスポーツになった「バスケットボール」。学校の部活動では、野球やサッカーとともに、3大部活ともいわれています。
高校バスケットボール部の練習風景です。ファイト、バスケ部! pic.twitter.com/Wi1FK7OiJJ
— 文化学園大学杉並中学・高等学校 (@bunsugi) August 27, 2015
今回は、「バスケ(部活)」をテーマにしたおすすめ俳句作品を30句紹介していきます。
目次
バスケ(部活)をテーマにしたおすすめ俳句ネタ【前編10句】
【NO.1】
『 リバウンドに 競い合ふ肩に 汗弾け 』
季語:汗(夏)
バスケットの試合の様子でしょう。リバウンドは、試合の勝敗を左右する重要な要素だと言われています。シュートが外れたボールをつかみ取るために、必死にボールに向かう様子がとてもよく伝わります。
【NO.2】
『 日が沈む ゴールネットを 揺らす玉 』
季語:なし
部活動の練習の後に自主練をしているのでしょうか。日が沈むまで、何度も何度もゴールの練習をする様子が目に浮かびます。この努力がつながることを願うばかりです。
【NO.3】
『 3年で やっともらえた ナンバー4 』
季語:なし
「ナンバー4」は基本的にキャプテンがつける番号。「やっともらえた」という言葉から、作者の大きな喜びを感じます。3年生までずっと頑張ってきたことが報われた瞬間ですね。
【NO.4】
『 滝の汗 ダンクシュートに 飛び散って 』
季語:汗(夏)
激しい運動量のバスケット。「滝の汗」という言葉から、皆が汗をたくさんかきながら必死にボールを追いかけている様子が目に浮かびます。「ダンクシュート」する際に、大きくジャンプし汗が飛び散る、臨場感あふれる一句です。
【NO.5】
『 ガードから センターになる 成長期 』
季語:なし
バスケットのポジション分けで基本的な基準としてあげられるのが身長。ポジションの番号が大きくなるほど身長の高いプレイヤーが適正になるといわれています。作者は、センター(5番)になるほど身長が伸びたのでしょう。学生時代の部活ならでは、といえますね。
【NO.6】
『 ターンする バスケの朝練 白露かな 』
季語:白露(秋)
夏から秋へと季節が移り変わる頃。昼夜の気温差が大きくなり始め、朝晩に空気が冷やされ露ができます。朝練の時間帯が、とても早い時間であること、そして段々と気温が下がり始めていることを上手に表現しています。
【NO.7】
『 決着の ディープスリー 風光る 』
季語:風光る(春)
「風光る」とは春の季語で、春風がきらきらと光り輝くように感じられることをいいます。春の時期のバスケットの試合の様子でしょうか。「ディープスリー」とは3Pラインよりもさらに離れた遠い場所から打つシュートのこといい、試合の流れを左右するともいわれています。「決着の」という言葉から、まさに試合の流れを大きく動かしたのでしょう。会場の大歓声が目に浮かびます。
【NO.8】
『 あと1秒 3点シュートで 大逆転 』
季語:なし
一瞬の静けさと祈りの中での「3点シュート」。決まった瞬間の大きな歓声や喜びが想像できる一句です。「あと1秒」というのが良いですね。17文字の中に、感動の素晴らしい展開がとても上手に表現されています。
【NO.9】
『 バスケット ゴールを狙う 夏の雲 』
季語:夏の雲(夏)
夏休み中の部活動の様子でしょうか。厳しい暑さの中、ひたすらゴールの練習をする作者の様子が目に浮かびます。夏の空に広がる雲も作者の頑張りを応援してくれているのかもしれませんね。
【NO.10】
『 ディフェンスは 足から先に 風光る 』
季語:風光る(春)
バスケットの試合中か練習中の様子でしょうか。ディフェンスは手からではなく足を先に踏み出す、ことが基本なのだそうです。作者はきっと部活のコーチにいつも言われているのかもしれませんね。「がんばれ」とエールを送りたくなる一句です。
バスケ(部活)をテーマにしたおすすめ俳句ネタ【中編10句】
【NO.11】
『 汗だくの 相手と争う リバウンド 』
季語:汗(夏)
体育館での練習がメインになるバスケット部。激しい練習を行っていることが伝わります。お互いに汗だくになりながら必死にボールをつかみとろうとする姿が想像できます。
【NO.12】
『 先輩と 卒業前に 1on1 』
季語:卒業(春)
バスケットの「1on1」とは、オフェンスとディフェンスが1対1で攻防戦を繰り広げることをいいます。作者にとって先輩は、良きライバルだったのかもしれませんね。先輩との1対1の真剣勝負。とても良い思い出になったのではないでしょうか。
【NO.13】
『 冷え切った 床にドリブル 小気味よく 』
季語:なし
冬の寒い時期の体育館の練習の様子でしょうか。しんしんと冷える体育館の床。寒さに負けることなく、一生懸命ドリブル練習をする姿が目に浮かびます。
【NO.14】
『 スターなく チームワークで シュートきめ 』
季語:なし
ずば抜けて上手いスター選手がいるわけではない。でもチームワークならどこにも負けない、このチームワークで勝つことができる。作者のとても強い心を感じます。皆で心を合わせてシュートを決める、最高の瞬間ですね。
【NO.15】
『 バスケット 汗がだくだく 夏休み 』
季語:汗(夏)
夏休み中の練習でしょうか。そうでなくても運動量が多く、汗だくになるバスケット。厳しい暑さの中であればなおさらのことですね。「汗がだくだく」という言葉から、とても暑い中で練習している光景が想像できます。
【NO.16】
『 初虹や バスケゴールを 擦る音 』
季語:初虹(春)
「初虹」は春の季語で、春がいよいよ終わりに近づき夏に向かうサインともいわれています。春の終わり頃の練習か試合の様子でしょうか。気持ちよくボールがゴールに入った様子が表現されています。
【NO.17】
『 久しぶり バスケするのは 気持ち良い 』
季語:なし
作者はしばらくバスケットをすることができない状態だったのでしょう。大好きなバスケットができないもどかしさをずっと感じながら耐えていたことでしょう。「気持ち良い」という言葉に作者の想いが全て込められているように感じます。
【NO.18】
『 駆け抜ける コートの風に なりたくて 』
季語:なし
コートの中では、常に状況をしっかりと見極め瞬時の判断でコートの中を素早く移動することがとても大切だといわれています。気付かれることなくスムーズに素早く動けるようになりたい、という作者の想いを感じます。「コートの風」という表現がとても素晴らしいです。
【NO.19】
『 汗も乗せ スリーポイント シュートかな 』
季語:汗(夏)
「スリーポイントシュート」を狙う作者。汗がボールに乗ってしまうくらい、全身汗だくなのでしょう。汗をたくさんかきながら、必死にボールを追い、ゴールを狙う作者の姿が想像できます。
【NO.20】
『 バスケット かじかむ指が シュートする 』
季語:かじかむ(冬)
寒い冬の時期もしっかりと練習に励む姿が目に浮かびます。寒さで指がかじかみながらも必死にドリブルし、シュートする。きっと何度も何度も繰り返し練習していることでしょう。作者の努力が実を結ぶことを祈るばかりです。
バスケ(部活)をテーマにしたおすすめ俳句ネタ【後編10句】
【NO.21】
『 真夜中に バスケコートで 虫の笛 』
季語:虫(秋)
真夜中のバスケットボールのコートで、虫の声がまるで審判の笛のように聞こえるという一句です。作者は偶然コートの横を通りかかったのか、夜中までバスケをプレイしていたのかどちらでも受け取れる一句です。笛に見立てた音から、バスケをしている姿がありありと作者には見えているのでしょう。
【NO.22】
『 歓声に ゴールをそれた 春の汗 』
季語:春の汗(春)
歓声に気を取られてゴールを逸らしてしまった様子を詠んでいます。「春の汗」とあることから新入部員の詠んだ句でしょうか。まだバスケの試合に慣れていない初々しい様子が伺える一句です。
【NO.23】
『 朝練で シュート百本 夏近し 』
季語:夏近し(春)
朝から100本シュートの練習をする部活動を詠んだ一句です。バスケと言えばシュート練習が浮かぶほど有名ですが、「夏近し」という季語からは入部してすぐの様子が伺えます。先輩たちが新入部員に対してあれこれ指導している様子が浮かぶ表現です。
【NO.24】
『 ゆったりと 月もシュートも ゆったりと 』
季語:月(秋)
月が沈んでいく様子をバスケットのゴールに例えた一句です。バスケットボールが弧を描いてゴールポストに入るように、月の入りの場所に弧を描いて沈んでいくことを掛けています。「ゆったりと」という表現やボールに例えていることから、満月が昇って沈んでいく10時間あまりの様子を例えたのでしょう。
【NO.25】
『 晩夏暮れ バスケの音聞く シャッター街 』
季語:晩夏(夏)
夏の終わりに、シャッター街の近くにあるバスケットコートからバスケをする音がする様子を詠んだ句です。シャッター街には人気がなく寂しい様子が伺えますが、コートでは練習や試合が行われて賑わっている様子が対比として詠まれています。
【NO.26】
『 体育の日 力尽くまで ボール追ふ 』
季語:体育の日(秋)
体育の日とあるので、球技大会だったのかもしれません。体力が尽きるまでボールを追いかけ、シュートの機会を伺う様子を詠んでいます。サッカーほど常に走り続けるわけではありませんが、ドリブルやシュートなど体力を使う競技であることがわかる一句です。
【NO.27】
『 スローイン 目そらす君に ボール出す 』
季語:無季
「スローイン」とは何らかの理由で競技が止まり、仕切り直しをする際にボールをコートに戻すことです。パスを出されたくないと目を逸らしている友人にわざとボールを投げる面白さを詠んでいます。
【NO.28】
『 バスケット シューズ干されて 蟷螂(かまきり)ゐ 』
季語:蟷螂(秋)
バスケットボール用のシューズを洗って干していたところ、カマキリが入っていたというユーモアのある一句です。カマキリがいることから一軒家や庭のある場所で干していたのでしょう。いざ取り込もうとしたらカマキリが入っていた驚きが「蟷螂ゐ」という表現から伺える一句です。
【NO.29】
『 バスケより 猫が大事な 小学生 』
季語:無季
バスケにも目をくれずに猫を可愛がる小学生の様子を詠んでいます。バスケットのコートに連れてきたはいいものの、野良猫を構っているのでしょうか。遊ぶよりも猫を見る方が楽しいという子供と大人の思惑の違いが受け取れる面白い一句です。
【NO.30】
『 アリーナに 逆転シュート 夏立ちぬ 』
季語:夏立ちぬ(夏)
逆転シュートが決まってアリーナが湧いているところを、「夏立ちぬ」という夏が始まるワクワク感で表している一句です。立夏を迎えてこれから暑くなる気候と、今まさに盛り上がっているバスケの試合がよい対比になっています。
以上、バスケ(部活)をテーマにしたおすすめ俳句作品集でした!
バスケットボールのスタメンは5人。
部活にはたくさんの生徒さんが所属しているので、激しいレギュラー争いもあることでしょう。
努力が必ず実を結ぶ、という世界ではないと思います。しかし、努力したこと・頑張ったことは必ず今後の人生で役立ってきます。
ぜひあなたもこれまでのバスケ部での経験を俳句にしたためてください。