【1月の俳句 おすすめ30選】中学生向け!!1月の季語を含んだ有名俳句&一般俳句作品集を紹介!

 

日本の文化の一つである「俳句」。

 

俳句は5・7・5の17音で構成されているため、世界最短の詩とも言われています。

 

授業などで俳句を学習したり、最近ではテレビ番組で俳句が取り上げられたりすることも多いですね。

 

今回は、「1月」に詠みたいおすすめ有名俳句&一般俳句作品を紹介していきます。

 

 

リス先生
ぜひ俳句作りの参考にしてみてね!

 

俳句に1月らしさを出す!1月の季語を知ろう

 

俳句には「季語(きご)」というその時の情景や状況、作者の気持ちをより具体的に読み手へ伝えるため、用いられる言葉があります。

 

1月…といえば皆さんはなにを思い浮かべるでしょうか?

 

例えば…「年明け」や「正月」「冬休み」といった行事があります。こういった、季節と結びついてその季節を表す言葉を季語と言います。

 

リス先生
今回は1月がテーマだから、1月の季語をいくつか紹介していくよ!

 

【新年】

読み方:しんねん

意味:新しい年。年の初め。

【初詣】

読み方:はつもうで

意味:年が明けてから初めて神社や寺院などに参拝する行事

【初富士】

読み方:はつふじ

意味:元日に望み見る富士

【お年玉】

読み方:おとしだま

意味:新年のお祝いとして子供や使用人に贈る金品

【成人の日】

読み方:せいじんのひ

意味:1月の第2月曜日。おとなになったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます日。

 

以上のように、1月は新年や成人に関連する季語が多く「始まり」を知らせる季語が多かったように感じます。

 

1月は1という数字がつくだけあって、新たなスタートを意味する月なのでしょう。

 

リス先生
1月の季語にはほかにも以下のようなものがあるよ!

 

1月の季語【一覧】

 

私大 / 晩冬 / 寒の入 / 小寒 / 鵲初めて巣くう / 大寒 / 鶏初めて交む / 寒の内 / 寒土用 / 厳寒 / しばれる / 氷餅造る / 寒晒 / 寒造 / 凍豆腐造る / 寒卵 / 寒天造る / 蒟蒻氷らす / 雁木 / 雪掻 / 大徳寺開山忌 / 几圭忌 / 蕪村忌 / 乙字忌 / 久女忌 / 草城忌 / 碧梧桐忌 /たご蛙 / 寒雀 / 寒鴉 / 雪鳥 / 白鳥 / 寒鰤 / 寒鯛 / 寒鯉 / 寒鮒 / 寒鮠 / 寒烏賊 / 八目鰻 / 寒蜆 /早梅 / 寒梅 / 臘梅 / 冬桜 / 寒椿 / 寒木瓜 / 雪折 / 水仙 / 葉牡丹 / 冬菫 / 冬蕨 / 寒芹 / 冬萌 / 寒海苔 / 黒海苔 などなど。

 

 

 

1月の季語を使った有名俳句集【15選】

 

ここからは、1月の季語を使った有名俳句(有名俳人が詠んだおすすめ俳句)を紹介していきます。

 

【NO.1】小林一茶

『 正月の 子供になって 見たき哉 』

季語:正月(新年)

意味:正月の子供たちは凧を飛ばしたりお年玉をもらったりしている。そんな無邪気な子供になってみたい。

俳句仙人
お正月にはしゃぐ子供の姿は見ている側もとても元気になれますね。

 

【NO.2】高浜虚子

『 手毬唄 かなしきことを うつくしく 』

季語:手毬唄(新年)

意味:子供たちが手毬をつきながら手毬唄を歌っているので、聞き入っていると歌の歌詞が悲しいことに気づいた。子供たちはそれを知らず楽しそうに歌っている。

俳句仙人
昔から伝わる歌…「花一匁」や「かごめかごめ」などもよく聞くと悲しい歌詞だったりします。それを楽しそうに歌っている子供達を見ると悲しいものも美しく伝える日本の文化になんだか感動します。

 

【NO.3】山口誓子

『 日本が ここに集まる 初詣 』

季語:初詣(新年)

意味:神社やお寺には初詣に来た人が多くまるで日本中から人が集まったように感じる。

俳句仙人
確かに初詣に来る人で賑わう神社は人が多く賑やかですね。日本中からという表現に納得させられます。

 

【NO.4】中村草田男

『 膝に来て 模様に満ちて 春着の子 』

季語:春着(新年)

意味:甘えるように膝に寄ってきた幼な子が綺麗で華やかな模様があしらわれた春着を着ている。

俳句仙人
綺麗な春着を来て楽しくなってしまったのでしょうか?とても微笑ましい光景が浮かびます。

 

【NO.5】西東三鬼

『 鏡餅 暗きところに 割れて坐す 』

季語:鏡餅(新年)

意味:正月も過ぎて、割れた鏡餅が暗いところで座っています。

俳句仙人
正月が過ぎると役目のなくなった鏡餅をどうすれば良いのかわからないですよね…。

 

【NO.6】芥川龍之介

『 元日や 手を洗ひをる 夕ごころ 』

季語:元日(新年)

意味:元日には朝から初詣へ行ったり来客が多かったりと賑やかな1日を過ごしたが、そんな合間にお手洗いに立って外を見たらもう夕方になっていた。

俳句仙人
賑やかで華やかな元日を過ごしてもいつかは過ぎていく時間を感じると切なくなるものです。

 

【NO.7】松尾芭蕉

『 元日や おもへばさびし 秋の暮 』

季語:元日(新年)

意味:賑やかな大晦日と比べて元日は静かで秋の暮れと同じような寂しさを感じます。

俳句仙人
元日の静けさを秋の暮とつけることで、具体的に作者の気持ちが伝わってきます。

 

【NO.8】高浜虚子

『 去年(こぞ)今年 貫く棒の 如きもの 』

季語:去年今年(新年)

意味:去年から今年に変わると去った年が遠い昔のように感じますが、実際の時間は新年など関係なく静かに過ぎゆくもので一本の棒で貫かれたように一続きの時間なのです。

俳句仙人
年が過ぎるとなんだか物悲しくなりますが、実際はただ時間が過ぎているだけです。人間の心情を厳しくついているような句ですね。

 

【NO.9】高浜虚子

『 草の戸に 賀状ちらほら 目出度さよ 』

季語:賀状(新年)

意味:この粗末な家にも年賀状がちらほら届く。めでたいことだ。

俳句仙人
自分の家にも届く年賀状を見て「めでたいことだ」と思う作者のあったかくなった心がよまれている素敵な句です。

 

【NO.10】日野草城

『元日や はげしき風も いさぎよき 』

季語:元日(新年)

意味:元日には激しい風も潔く感じる。

俳句仙人
元日はどんな些細なことさえも潔く感じる気持ちはみんな共通です。

 

【NO.11】小林一茶

『 元日や 上々吉の 浅黄空 』

季語:元日(新年)

意味:元日だなぁ。良い1年になりそうな水色の空だ。

俳句仙人
「浅黄」とは水色の空で、元日の空が晴れ渡っていることを詠んでいます。一年の幸先の良いスタートを「上々吉」と表現している一句です。

【NO.12】山口誓子

『 スケートの 紐結ぶ間も はやりつつ 』

季語:スケート(冬)

意味:スケートの紐を結ぶ間も気がはやっている。

俳句仙人
早く遊びたいのにとスケート靴の紐を結んでいる様子を詠んでいます。意外と紐を結ぶのに手間がかかるので、余計に気がはやっているのできょう。

【NO.13】小林一茶

『 めでたさも 中くらいなり おらが春 』

季語:おらが春(新年)

意味:新年のめでたさも中くらいだなぁ。私の初春はそんなものだ。

俳句仙人
「おらが春」とは初春のことで、新年をむかえた作者の心境を詠んでいます。「中くらい」とは「良くも悪くもない」「そこそこである」という意味で、自分にはこのくらいがちょうど良いと感じている一句です。

【NO.14】飯田龍太

『 大寒の 一戸もかくれ なき故郷 』

季語:大寒(冬)

意味:大寒の日は、木々から葉が落ちて一戸も隠れていない故郷だ。

俳句仙人
寒い大寒の日では家を隠すものが何も無いと詠んでいる句です。夏は木々が生い茂って家を隠しているのでしょうか。

【NO.15】黛まどか

『 待ちし一枚 その中にあり 年賀状 』

季語:年賀状(新年)

意味:待っている一枚がその中にある。年賀状だ。

俳句仙人
誰かからの年賀状を待っていて探している様子を詠んだ句です。現在ではメールで済ませることが多くなりましたが、どんな年賀状が来るのだろうとワクワクしている様子が見て取れます。

 

1月の季語を使った一般俳句作品集【15選】

 

ここからは、1月の季語を使った一般俳句作品を紹介していきます。

 

有名な俳句を読むことはもちろん勉強になりますが、一般の方が詠んだ俳句作品も非常に参考になります。

 

リス先生
俳句作りの参考になる上手な俳句がたくさん揃っているよ!

 

【No.1】

冬の朝 あと十分が 命取り 』

季語:冬の朝(冬)

意味:冬の朝は寒く、温かい布団の中で後10分と思い眠ると10分以上寝てしまって遅刻してしまう。

俳句仙人
冬の朝は布団があったかくて出たくない…。そんな時にあと10分と思って寝ると寝坊してしまう…冬の朝の辛さを命取りと表現していてとてもユーモアがある句です。

 

【No.2】

冬の朝 顔をあらうと 目がぱっちり 』

季語:冬の朝(冬)

意味:冬の朝に顔を洗うと水の冷たさで目がパッチリ覚める。

俳句仙人
冬の水はとても冷たく、朝に顔を洗うとその水の冷たさで目が覚めますね。

 

【No.3】

湯気立てた コーヒーを飲む 寒い朝 』

季語:寒い朝(冬)

意味:冬の朝に湯気を立てた温かいコーヒーを飲む。

俳句仙人
寒い朝に飲む温かいコーヒーは心も体も温まりますね。

 

【No.4】

冬の朝 布団の中だけ 春うらら 』

季語:冬の朝(冬)

意味:冬の朝は寒いが布団の中だけは春の始まりのように温かい。

俳句仙人
冬の朝に感じる布団の温かさを春うららと表現しているところに感動しました。

 

【No.5】

日短かで 太陽のない 登下校 』

季語:日短か(冬)

意味:日が短い冬の日。登校時は太陽がまだ出ていなく下校時は太陽が沈んでいる。

俳句仙人
冬の日の短さを太陽のない登下校と書くことで、具体的に時間帯が分かるとても素晴らしい句です。

 

【No.6】

冬の夜 恋人たちが ほほそめる 』

季語:冬の夜(冬)

意味:寒い冬の夜に恋人たちが頬を染めながらデートをしている。

俳句仙人
寒い冬の夜も、好きな人といれば心があたたかくなりますね。

 

【No.7】

寒の入り 紅茶に生姜 搾り入れ 』

季語:寒の入り(冬)

意味:冬の寒さを感じ始めた頃、体の体温を上げるため紅茶に生姜を搾り入れた。

俳句仙人
体温を上げてくれる生姜を紅茶に入れるという情景を、俳句に書くことによって冬の始まりが感じられます。素晴らしい句です。

 

【No.8】

かじかんで 解答用紙 まだ白紙 』

季語:かじかんで(冬)

意味:手がかじかんでいて解答用紙に文字を書き込めずまだ白紙のままだ。

俳句仙人
手がかじかむと文字を書こうにも書けなくてモヤモヤします。学生時代に太ももの下に手を入れて暖を取っていた自分の情景が浮かびます。

 

【No.9】

寒稽古 黄色い声に 励まされ 』

季語:寒稽古(冬)

意味:寒稽古をしているときに応援してくれる声に励まされる。

俳句仙人
寒稽古をしている時に応援される声は本当に練習の励みになります。青春を詠んだ一句です。

 

【No.10】

大寒や 猫寄り添ひて 膝の上 』

季語:大寒(冬)(※大寒は1月20日ごろのこと)

意味:大寒の頃、猫が私の膝の上に寄り添ってきた。

俳句仙人
大寒の寒さに思わず猫と寄り添う作者の姿が浮かんでとても微笑ましい一句です。

 

【No.11】

『 土鍋炊く 七草粥の 熱きかな 』

季語:七草粥(新年)

意味:土鍋で炊く七草粥が熱いなぁ。

俳句仙人
土鍋でしっかりと作った七草粥が美味しそうな一句です。熱々のお粥を食べている様子が浮かんできます。

【No.12】

『 どんど焼き 餅は火だるま 芋焦げて

季語:どんど焼き(新年)

意味:どんど焼きをしている。餅は火だるまになり、芋は焦げてしまった。

俳句仙人
「どんど焼き」とは前年の御札や松の内の飾りなどを燃やす行事で、115日に行われることが多いです。どんど焼きの火で焼いた餅を食べると無病息災で過ごせると言われており、ここでもチャレンジしている様子が伺えます。

【No.13】

『 三本の ペットボトルに 寒の水 』

季語:寒の水(冬)

意味:三本のペットボトルに寒の水を入れる。

俳句仙人
「寒の水」とは寒の入り付近に汲んだ水で、柔らかい口当たりになると言われています。無病息災になるとの言い伝えもあり、ペットボトルで持ち帰ったのでしょう。

【No.14】

『 ポケットに 入れた手出せぬ 寒の入り 』

季語:寒の入り(冬)

意味:ポケットに入れた手を出せないほど寒い寒の入りだ。

俳句仙人
寒の入りは1月の5日前後の小寒のことです。本格的に寒くなってくる時期で、暖を取るためのポケットから手を出せない様子を詠んでいます。

【No.15】

『 白野菜 シチューに仕立て 寒に入る 』

季語:寒に入る(冬)

意味:白い野菜をシチューに仕立てて寒の入りを迎える。

俳句仙人
一際寒い寒の入りを乗り切るために、温かいシチューを作っています。「白野菜」として連想されるのは白菜でしょうか。

 

以上、1月に関するおすすめ俳句集でした!

 

 

俳句仙人
1月は日本全体が新年を祝う月だったり、冬の本格的な寒さを感じる月だったり…。昔の俳人も今の俳人も1月を楽しんでいることが俳句を通して伝わってきます。

リス先生
みんなもこの機会に1月を題材にした俳句を作ってみてね!

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