「陸上競技」とは、主に競技場のトラックやフィールド等で行われる、走る・跳ぶ・投げるの3基本技を中心とする競技の総称です。
学校での部活動では、短距離走や中・長距離走、ハードル、リレー等、さまざまな競技がありますが、それぞれの学校の事情により選択できる競技は異なります。
【部活紹介】陸上部。 練習風景。 pic.twitter.com/MMQTLWkg4F
— Yamato photo (@PhotoYamato) April 13, 2013
今回は、そんな陸上(部活)をテーマにしたおすすめ俳句を20句ご紹介します。
陸上(部活)をテーマにしたおすすめ俳句ネタ【前半10句】
【NO.1】
『 スタートの 緊張ほぐす 春の風 』
季語:春の風(春)
陸上部にはさまざまな競技があり、それぞれに「スタート」の瞬間があります。作者はどの競技なのでしょうか。スタートの瞬間はとても緊張しますよね。暖かく穏やかな心地良い春の風が作者の心をほぐしてくれたことでしょう。
【NO.2】
『 炎天下 駆けるその目は 何を見る 』
季語:炎天下(夏)
太陽の日差しが強い夏の日。一生懸命に走りこむ作者の姿が目に浮かびます。作者が目指すもの、見つめる先にあるものは何なのでしょうか。暑さに負けずにひたすらに練習を続けることがきっと良い結果につながっていくのではないでしょうか。
【NO.3】
『 ゴールした あとに聞こえる セミの声 』
季語:セミ(夏)
走っている瞬間はとても集中している、だから何も聞こえない。そのような様子がとてもよく伝わります。ゴールした瞬間に一気に耳に入ってくる様々な音。「セミの声」という言葉で、とても暑い夏の一日であることが上手に表現されています。
【NO.4】
『 バーの影 濃き炎昼の ハイジャンプ 』
季語:炎昼(夏)
「ハイジャンプ」とは、高く跳びあがることをいいます。陸上競技には、高く跳びあがるものがいくつかあります。作者がチャレンジしているものは高跳びでしょうか。影が濃くなってしまうほどの焼けつくような夏の暑さの中練習をしている光景が想像できます。
【NO.5】
『 炎天下 勝つと信じて 日々励む 』
季語:炎天下(夏)
夏の強い日差しの中での練習。夏休み中の部活練習でしょうか。「勝つと信じて」という力強い作者の言葉から、陸上競技に真っすぐ向き合いひたすら練習を続けている作者の姿が目に浮かびます。
【NO.6】
『 駆け抜ける 夏空の下 ゴールイン 』
季語:夏空(夏)
一生懸命ゴールを目指し走る作者。ジリジリと照り付ける暑さの中、ひたすらゴールを目指した末のゴール。力がふっとぬけてしまうくらいの感動と喜びを感じているのではないでしょうか。
【NO.7】
『 ジャンプして 五月の風を 独り占め 』
季語:なし
走り幅跳びの様子でしょうか。作者が高く跳びあがり、風にのっているかのように大きく跳ぶ姿が想像できます。「独り占め」という言葉がとても良いアクセントになっているように思います。
【NO.8】
『 友達に バトンと気持ちを つなぐ秋 』
季語:秋(秋)
陸上競技は個人競技だけではありません。リレーは全員の気持ちをあわせないと小さなミスが生じてしまい、うまく走れないそうです。陸上部の同級生は仲間であり友だち。友だちに大切なバトンを渡すと共に、「気持ちを つなぐ」作者。友だちはきっと、作者の熱い思いをしっかりと受け止めてくれたことでしょう。
【NO.9】
『 目標に 汗水流し ひた走れ 』
季語:汗(夏)
作者の目標はどのようなものなのでしょうか。自己ベストを更新すること、大会で優勝すること、きっとさまざまな目標があるのではないでしょうか。その目標に向かってとにかく走り続けること、自分を鼓舞している作者の姿が想像できます。
【NO.10】
『 マラソンの 足取り軽く 春近し 』
季語:春近し(冬)
マラソンのような長距離を走る競技は体力だけでなく、精神力も鍛える必要があるそうです。孤独なたたかいともいえますが、お天気が良いとそれだけで気持ちもあがってきますよね。走りこんでいる中で、春の暖かな心地良い空気を感じたのかもしれませんね。
陸上(部活)をテーマにしたおすすめ俳句ネタ【後半10句】
【NO.11】
『 春風が 走るぼくらを 追いかける 』
季語:春風(春)
暖かで心地良い春の風が吹く中、皆で一生懸命走りこんでいるのでしょう。「追いかける」という言葉がとても良いです。春風が一緒に走って「がんばれ」と応援してくれているのかもしれないですね。
【NO.12】
『 陸上部 短距離走る 蝉時雨 』
季語:蝉時雨(夏)
「蝉時雨」は、いっせいに鳴きはじめた蝉の声を時雨の降る音に見立てたもので、本格的な夏の訪れを告げる言葉です。陸上部の生徒たちが、暑くなり始めた気候の中で、皆で短距離走の練習を一生懸命している姿が目に浮かびます。
【NO.13】
『 炎天下 未来へダッシュ 燃やせ汗 』
季語:炎天下(夏)
日差しが強く暑い夏。炎天下の中、ひたすら練習を続ける作者の姿が想像できます。自分の目標に向かって汗をたくさん流しながら一生懸命にひたすら走る。作者の努力が良い形につながっていくことを願うばかりです。
【NO.14】
『 夏の空 走りながらも 影さがす 』
季語:夏の空(夏)
ジリジリと照り付ける強い日差しの中で走る練習をしていることがとてもよく伝わります。「影さがす」というのは、作者だけでなく周りの生徒たちも同じ想いなのではないでしょうか。
【NO.15】
『 秋の空 陸上大会 自己ベスト 』
季語:秋の空(秋)
秋の陸上大会での様子でしょうか。自分の中でベストな記録を出すことができた作者。とても嬉しくて喜びがあふれているのではないでしょうか。きっと思い出深い記念の大会になったことでしょう。
【NO.16】
『 吐く息の 白さの先に 待つゴール 』
季語:なし
寒い冬の時期。吐く息が白くなるほどの寒さの中、練習を重ねていることがとてもよく伝わります。自分の吐く息の白さで前がかすんでしまうほどの中でゴールを目指してひたすら走る作者の姿が目に浮かびます。
【NO.17】
『 自己ベスト ただそれだけを 目標に 』
季語:なし
陸上競技は、競技にもよりますが自分自身とのたたかいともいわれます。作者の目標は「自己ベスト」を更新すること。自分自身にしっかりと向き合い、目標に向かってひたすら練習に励む姿が想像できます。「ただそれだけを」という言葉がとても良いです。
【NO.18】
『 天高し スタートライン 脚揃う 』
季語:天高し(秋)
「天高し」とは、空気が澄んで晴れ渡っている空がいっそう高く感じられることをいいます。とても気持ちの良いお天気の中でスタートラインに立っている作者の姿が想像できます。「脚揃う」という言葉から、生徒たち皆がスタートラインに並んでいる様子が伝わります。スタートの瞬間は、練習でも本番でもドキドキ緊張しますよね。
【NO.19】
『 炎天に 向かって走る 陸上部 』
季語:炎天(夏)
気温が高くとても暑い中、陸上部の生徒たちが一生懸命に走る姿が目に浮かびます。日影があまりない場所を走りこむ姿が、太陽の日差しに向かって走っているように見えたのかもしれませんね。厳しい暑さ、強い日差しの中で一生懸命頑張ったことが良い形につながりますように。
【NO.20】
『 秋晴れや リレーのバトン にぎりしめ 』
季語:秋晴れ(秋)
陸上競技は個人競技がメインのようにみえますが、リレーのような団体競技もあります。個々それぞれの足が速くても、大切なバトンを最後まで皆できちんとつなぐという想いがなくては勝つことはできません。次の走者にバトンと想いをつなぐために、ぎゅっと「にぎりしめ」る作者の姿が目に浮かびます。応援したくなる一句です。
以上、陸上(部活)をテーマにしたおすすめ俳句でした!
今回は、【陸上(部活)をテーマにした俳句20選】と題し、陸上(部活)をテーマにした俳句をたくさんご紹介しました。
陸上部というと、ただ走っているだけ…というような印象をもっている方もいらっしゃるかもしれません。
陸上競技はとてもシンプルなものです。最初に書いたように、「走る・跳ぶ・投げる」という大変シンプルな動きが基本になります。
これらの動きは陸上に関わらず、誰もができる基本的な動きですよね。
その基本の動きを誰よりも極めること、そして自分自身の目標を達成していくことに大きな魅力があるのではないでしょうか。いろいろと考えてみると、とても深いですね。