「5月」と言えば、穏やかな日差し・青々とした新緑や若葉・心地良い風に吹かれて青空の中を雄大に泳ぐ「鯉のぼり」などなど…。
どの光景も清々しく、とても美しい光景です。
草花美しい、鯉のぼりがひるがえる5月の空.....#猫島 姫島 pic.twitter.com/HGeF2Usu9c
— Misa (@MisaDisney) May 8, 2016
今回は、そんな「5月」の季語を使用したオススメ俳句作品を30句紹介していきます。
5月の季語を使ったオススメ俳句作品【前編10句】
【NO.1】
『 一輪の カーネーションと 小さき手 』
季語:カーネーション(夏)
「小さき手」が持つ一輪のカーネーション。大好きな人へプレゼントするために大切にぎゅっと握りしめてカーネーションを持つ姿が目に浮かびます。「一輪」のカーネーションは、どんなに大きな花束よりも想いがこもっていることでしょう。
【NO.2】
『 かたつむり いつも背中に 家がある 』
季語:かたつむり(夏)
かたつむりを見ながら、「かたつむりの背中にあるものはなんだろう?」と作者は考えたのかもしれませんね。「家がある」という発想がとても可愛らしいです。家を背負いながら歩くかたつむりをじっと観察している作者の微笑ましい姿が想像できます。
【NO.3】
『 苺の実 口で弾ける 爽やかさ 』
季語:苺(夏)
甘酸っぱい苺の実。「口で弾ける」という言葉から、口の中に入れた瞬間に、口いっぱいに広がる苺の美味しさや爽やかさがとてもよく伝わります。
【NO.4】
『 五月晴れ 高く泳ぐや 鯉のぼり 』
季語:鯉のぼり(夏)
とても気持ちの良い青空が広がる晴天の中で、鯉のぼりが風に乗り自由に泳ぐ姿が想像できます。雄大に泳ぐ鯉のぼりは、見ているこちらも気持ちが良いですね。
【NO.5】
『 妹の そらまめつまむ 小さな手 』
季語:そらまめ(夏)
まだ小さい妹さんなのでしょう。小さな手で一生懸命そらまめをつまむ姿を愛おしく感じている作者の想いが伝わります。日常の中での些細なワンシーンですが、とてもあたたかく穏やかな空気を感じる一句です。
【NO.6】
『 カーネーション 大きなリボン むすんでね 』
季語:カーネーション(夏)
作者は、母の日にカーネーションを買いにいったのでしょう。どれが良いかな?と、大切な人のために一生懸命選んだカーネーション。贈り物用にラッピングしてもらうのをそばで嬉しそうにじっと見つめる作者の姿が目に浮かびます。
【NO.7】
『 こいのぼり 屋根の上から 景色見る 』
季語:こいのぼり(夏)
屋根の上を雄大に泳ぐ鯉のぼりの姿を詠んでいます。屋根の上の高いところ、とびっきりの特等席で、ゆったりと泳ぎながら街の様子を楽しんでいるのかもしれませんね。
【NO.8】
『 婆連れて おもちゃ屋巡り こどもの日 』
季語:こどもの日(夏)
こどもの日。おばあさまとお孫さんの様子を表現しています。一緒におもちゃ屋さんを回りながら、きっととても楽しい時間を過ごしたことでしょう。ほのぼのとした空気を感じる一句です。
【NO.9】
『 カーネーション ありがとうねと 涙声 』
季語:カーネーション(夏)
母の日にカーネーションをプレゼントしたのでしょう。その優しさは、お母様にとって、とても嬉しくて幸せで、心があたたかくなったことでしょう。「涙声」のありがとうは、作者もぐっときたのではないでしょうか。
【NO.10】
『 かたつむり 紫陽花の葉で 雨宿り 』
季語:かたつむり(夏)
雨の中を生き生きとお散歩しているイメージのあるかたつむり。でも、ちょっと一休みだったのでしょうか。「紫陽花の葉」に隠れて「雨宿り」するかたつむりの姿は、とても可愛らしいですね。
5月の季語を使ったオススメ俳句作品【中編10句】
【NO.11】
『 ばあちゃんの たけのこご飯が 大好きだ 』
季語:たけのこ(夏)
「ばあちゃん」がつくってくれるたけのこご飯。作者にとって、とても大切なものなのでしょう。「大好きだ」というシンプルな言葉ですが、作者のあつい思いがしっかりと伝わってきます。「ばあちゃん」も作者が喜んでくれてとても嬉しいでしょうね。
【NO.12】
『 母の日の 母にだらだら してもらふ 』
季語:つくしんぼ(春)
毎日忙しい働き者のお母様へ、ゆっくりのんびり、思いっきり「だらだら」できる時間をプレゼントしたのでしょう。そのためには、作者がしっかりとお母様の代わりにいろいろお仕事をしなくてはいけません。その姿を見るだけでも、お母様は嬉しくて幸せだったかもしれませんね。
【NO.13】
『 夕立に あなたと2人 傘をさす 』
季語:夕立(夏)
突然の夕立の中で、突然訪れた心がドキドキするようなシーン。「あなた」とは誰のことなのか?きっととても大切な人なのでしょう。傘をさしながら「2人」が歩く後ろ姿は、映画のワンシーンのようですね。
【NO.14】
『 以前より 見かけなくなった こいのぼり 』
季語:こいのぼり(夏)
時代とともに住宅事情が変わり、大きなこいのぼりを飾る場所がなくなってきたことを悲しんでいる作者の想いが表現されています。大小関係なくこいのぼり自体、なかなか飾る機会もなくなり、地域によっては「以前より」こいのぼりを見ることが減っていることはやはり少し残念ですね。
【NO.15】
『 母の日に 絵をプレゼント よろこんだ 』
季語:母の日(夏)
母の日にお母様のために、「絵」を描いたのでしょう。絵をプレゼントして、お母様が喜んでくれたことが嬉しくて仕方がない作者の様子が目に浮かびます。シンプルな表現ですが、作者の想いが真っすぐにしっかりと伝わってきます。
【NO.16】
『 かたつむり いつもいつでも マイペース 』
季語:かたつむり(夏)
いつものんびりゆっくり過ごしているかたつむり。その姿を「マイペース」と表現しています。「いつもいつでも」という言葉から、周りに流されることなく、常に自分のペースを軸に、自分の道を進むかたつむりに、作者は少しうらやましい気持ちをもっているように感じます。「いつもいつでも」はなかなか簡単なことではないですよね。
【NO.17】
『 彼を連れ 母の墓石に カーネーション 』
季語:カーネーション(夏)
お母様へ、作者にとってとても大切な人をご紹介したのでしょう。カーネーションに込められたたくさんの「ありがとう」の想いは、きっとお母様に伝わっていることでしょう。
【NO.18】
『 扇風機 回してついつい 「あ~」と言う 』
季語:扇風機(夏)
扇風機を前にした時、もしかしたら誰しも一度は経験していることではないでしょうか。何故か、「あ~」と言いたくなってしまう。「ついつい」という作者の言葉は、まさにその通り!という感じですね。
【NO.19】
『 たけのこよ どこまで伸びる 空までよ 』
季語:たけのこ(夏)
ぐんぐんと元気よく伸びるたけのこ。「どこまで伸びる」と作者がたけのこに質問し、「空までよ」と作者が答えています。とてもユーモアのある楽しいリズムの一句です。
【NO.20】
『 ごめんねと 感謝を込めた カーネーション 』
季語:カーネーション(夏)
カーネーションに込められる想いは「ありがとう」だけではなく、個々それぞれいろいろあることでしょう。迷惑をかけてごめんね、心配かけてごめんね、たくさんの謝罪の想いをこめる作者。自分の行動を振り返り、それに対してきちんと「ごめんね」が伝えられることは素晴らしいことです。作者の想いはきっと伝わっていることでしょう。
5月の季語を使ったオススメ俳句作品【後編10句】
【NO.21】
『 風の中 竹しなやかに 端午かな 』
季語:端午(夏)
風が吹いている中で竹がしなやかに揺れている端午の節句を詠んだ句です。鯉のぼりもゆるやかに揺れているのだろうなと想像できます。竹とともにゆらゆらと揺れている様子は風の強さも感じさせる表現です。
【NO.22】
『 花売りが 告げる本日 母の日と 』
季語:母の日(夏)
花屋さんが今日は母の日だと宣伝している様子を詠んだ句です。作者は宣伝にのって母の日の花を買ったのでしょうか。カーネーションを抱えて帰っていく様子が思い浮かびます。
【NO.23】
『 和菓子屋の 振舞はれたる 新茶かな 』
季語:新茶(夏)
和菓子屋で新茶が振る舞われていたので、試飲しています。お菓子に合うお茶を提供しているのか、香り高いお茶の香りが漂ってくるようです。思わず一緒にお菓子を買ってしまいそうな商売上手なお店です。
【NO.24】
『 新緑や 川のせせらぎ 鳥の声 』
季語:新緑(夏)
新緑の中で、川のせせらぎと鳥の声がするという自然を詠んだ一句です。視覚と聴覚に初夏であることを訴えかけています。心地の良い初夏の陽気と、堪能する作者の喜びが伝わってきます。
【NO.25】
『 新緑に 口笛吹きつ ペダル漕ぐ 』
季語:新緑(夏)
新緑の中を口笛を吹きながら自転車で走っている様子を詠んだ句です。心地よい気候の中で機嫌よくサイクリングを楽しんでいます。風が気持ちよく、初夏の若葉も美しいサイクリング日和です。
【NO.26】
『 初夏の日や 遠き街並み 輝きぬ 』
季語:初夏の日(夏)
初夏の日差しに遠くに見える街並みが輝いて見えると詠んでいます。ガラスに反射してキラキラと輝いているのでしょう。遠くから見ているので、作者はどこか高台や山の上にいるのかもしれません。
【NO.27】
『 連休は 返上出羽の 田植唄 』
季語:田植唄(夏)
連休を返上して、故郷である出羽の田植え唄を聞くのだと詠んでいます。連休中に田植えの手伝いに行く様子を詠んだ句です。最近は機械化が進んで田植え唄も消えた場所が多いですが、作者の故郷はまだ人力で行う慣例が残っているのでしょう。
【NO.28】
『 この先の 梅雨を気にする 五月かな 』
季語:五月(夏)
この先にくる梅雨を気にしている5月の日を詠んでいます。5月末ともなれば、いつ梅雨になるのか気になって仕方ないのだとソワソワしている様子が伺える句です。外出や遊びの予定をどうするか、居ても立っても居られない様子が伺えます。
【NO.29】
『 薫風を 感じて歩く 一万歩 』
季語:薫風(夏)
新緑の良い香りがする中を1万歩歩く散歩を詠んだ句です。心地よい気候の中ではさぞ散歩もはかどったことでしょう。風が吹いているため汗も乾きやすく、運動にはもってこいの日和です。
【NO.30】
『 カーテンが 夜風に揺れて 五月果つ 』
季語:五月果つ/五月尽(夏)
カーテンが夜風に揺れているのを見て、5月が終わることを惜しんでいます。梅雨が始まれば窓を開けていられないので、今のうちに夜風を堪能しているのでしょうか。
以上、5月に関するオススメ俳句作品30選でした!
「5月」の季語は、ちょうど春から夏にかけての季節を感じるようなものが多く見られます。
「母の日」「こどもの日」「初夏」「葉桜」「こいのぼり」「たけのこ」「新茶」など、「5月」と聞いてパッと思い出すような言葉もたくさんあります。
4月からはじまった新生活。新しい環境に慣れることにいっぱいいっぱいで、なかなかゆっくり周りをみる機会もなかったのではないでしょうか。
5月になり、少しずつ落ち着きはじめてきた頃でしょうか。
すこし周りの景色を楽しみながら、自分の今の気持ちを17文字にこめてみるのも良いかもしれませんね。