【11月の有名俳句 30選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

 

俳句は五七五の韻律を持つ十七音の詩で、季語を詠むことによってさまざまな季節の風景を表します。

 

今回は、11月の季語を使ったおすすめ有名俳句を30句紹介していきます。

 

 

リス先生
お気に入りの俳句を探してみてね!
それじゃあ早速見ていこう!

 

俳句に11月らしさを出す!11月の季語を知ろう

 

俳句には、重要な役割を担っている「季語」というものがあります。

 

季語とは、いかにもその季節らしい言葉のことで、例として春なら「桜」夏なら「向日葵」などが挙げられます。

 

俳句ではその時その時の季語を用いることにより、期間が具体的にわかりその時の情景をよりリアルに伝えることができます。

 

ここでは、11月の季語をいくつか紹介していきます。

 

【初冬】

読み方:しょとう

意味:冬の始まり

【目貼】

読み方:めばり

意味:冬の寒さや風、雪を防ぐために、窓や戸棚の隙間に紙などを貼ること。

【熊穴に入る】

読み方:くまあなにはいる

意味:熊が雪が積もる頃から春彼岸の雪解けの頃まで、木の穴や洞窟で冬眠に入ること。

【綿虫】

読み方:わたむし

意味:アブラムシのうち、白腺物質を分泌する腺が存在するものの通称

【紅葉散る】

読み方:もみじちる

意味:冬の訪れとともに散っていく紅葉のこと。

 

上記のように、11月は冬の始まりを知らせる季語が多いように感じます。

 

今は秋だというイメージが強いのですが、昔は冬の始まりを告げる月だったのですね。

 

リス先生
このほかにも11月の季語には以下のようなものがあるよ!

 

11月の季語【一覧】

 

神無月 / 立冬 / 水始めて氷る / 小春 / 冬浅し / 冬めく /凩 / 星の入東風 / 神渡し / 初時雨 / 時雨 / 初霜 /後の更衣 / 冬構 / 北窓塞ぐ / 霜除 / 風除 / 炉開 / 塗炉縁 / 敷松葉 / 口切 / 蕎麦刈 / 大根引 / 大根干す / 切干 / 蕪引 / 干菜 / 蓮根掘る / 麦蒔 / 牡丹焚火 / 棕櫚剥ぐ / 馬下げる / 注連作 / 木の葉髪 / 年貢納 /氷魚の使 / 孟冬の旬 / 炉炭を進る / 射場始 / 新嘗祭 / 明治神宮祭 / 鎮魂祭 / 勤労感謝の日 / 九州場所 / 亥の子 / 十日夜 / 案山子揚 / 杜氏来る / 下元 / 七五三 / 神の旅 / 神在祭 / 神迎え / 恵比寿講 / 厳島鎮座祭 / 御火焚 / 鞴祭 / 尻摘祭 / 山の神祭 / 酉の市 / 出雲大社新嘗祭 / 神農祭 / 納の庚申 / 智積院論義 / 十夜 / 興福寺法華会 / 維摩会 / 栂尾虫供養 / 吉祥院八講 / 鉢叩 / 大師講 / 別時念仏 / 感謝祭 / 待降節 / 聖ザビエルの日 / 宗鑑忌 / 東叡山開山忌 / 達磨忌 / 浪化忌 / 芭蕉忌 / 嵐雪忌 / 東福寺開山忌 / 几董忌 / 白秋忌 / 亜浪忌 / 勇忌 / 八一忌 / 波郷忌 / 一葉忌 / 三島忌 /落鱸 / 柳葉魚 / 霜降かます / 蟷螂枯る / 冬の虫 / 冬の蝗 /帰り花 / 山茶花 / 八手の花 / 柊の花 / 茶の花 / 冬紅葉 / 落葉松散る / 朴落葉 / 銀杏落葉 / 冬葵 / 紫甘藍 / 山牛蒡 / 寒竹の子 / 麦の芽 / 石蕗の花 / 寒葵 / 寒蘭 / 雪割茸 / 榎茸 

 

 

11月の季語を使った有名俳句集【20選】

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それでは早速、11月の季語を使った俳句を20句紹介していきます。

 

【NO.1】中村草田男

『 あたゝかき 十一月も すみにけり 』

季語:十一月(冬)

意味:あたたかい十一月もすぎてしまった。

俳句仙人
11月は寒い日が続くからこそ晴れた日の暖かさは格別です。ひらがなを多く使うことによって、暖かさがより伝わってきます。当たり前のことではありますが、いつかは過ぎてしまう時間を思う気持ちは切ないものです。

 

【NO.2】服部嵐雪

『 木がらしの 吹き行くうしろ 姿かな 』

季語:木がらし(冬)

意味:木枯らしが旅立っていく芭蕉の後ろ姿を吹き過ぎてゆく。

俳句仙人
木がらしが旅に出ていく芭蕉の寂しげな後ろ姿に吹いている情景が眼の中にうつります。旅に出る芭蕉を見送る嵐雪はどんな気持ちで送り出したのでしょうか…。

 

【NO.3】小林一茶

『 母親を 霜よけにして 寝た子かな 』

季語:霜よけ(冬)

意味:霜よけのように母親に抱かれながら子は眠ってしまったのだな。

俳句仙人
霜が降りてきそうなほど寒い中、母親に抱かれているだけで安心して眠ってしまいます。そんな微笑ましい子供の姿が浮かびます。

 

【NO.4】水原秋桜子

『 返り花 満ちてあはれや 山ざくら 』

季語:返り花(冬)

意味:暖かくて穏やかな日に今の季節に咲くはずのない山ざくらが満開に咲いていて愛しいと思う。

俳句仙人
山ざくらが狂い咲いている姿を愛おしく思う気持ちを詠んでいます。間違えてしまうのは植物も同様なのでしょう。

 

【NO.5】星野立子

『 初時雨 人なつかしく 待ちにけり 』

季語:初時雨(冬)

意味:初時雨が降るなかで、人恋しく待っていた。

俳句仙人
初時雨とは、秋が冬にかけて雨が降ったり止んだりする天候のことです。少し肌寒く時雨が降る中、愛しいあの人を待つ姿を読んだとてもすてきな俳句です。

 

【NO.6】正岡子規

『 初霜に 負けて倒れし 菊の花 』

季語:初霜(冬)

意味:初霜の重さに耐えられず、倒れてしまっている菊の花。

俳句仙人
11月の寒さや静けさがこの句を通して伝わってきます。初霜の重さに耐えられなかった菊の花の姿を実際に見ているような気持ちになります。

 

【NO.7】松尾芭蕉

『 旅に病んで 夢は枯れ野を 駆け巡る 』

季語:枯れ野(冬)

意味:旅の途中で病気になってしまい、見る夢は私が枯れ野を駆け巡る夢ばかりである。

俳句仙人
旅の最中に病気になってしまった松尾芭蕉。彼の見る夢も旅のことで少し可哀想です。私も学生時代に病気で寝込んでいる時、夢の中で授業を受けていたことがあります。それと同じ気持ちなのでしょうか?

 

【NO.8】正岡子規

『 白露や 茨の針に ひとつづつ 』

季語:白露(秋)

意味:朝露が降りる秋の朝、茨の針の先にはひとつずつ露の玉が輝いている。

俳句仙人
朝露が降りてくる秋の朝、ひんやりと静かな朝だったのでしょう。茨の先に丁寧にひとつづつのっている露を想像するととても美しいです。

 

【NO.9】森川許六

『 行きあたる 谷のとまりや 散る紅葉 』

季語:散る紅葉(冬)

意味:行き当たった谷に止まると、紅葉が散っていた。

俳句仙人
散る紅葉を想像すると少し切ない句なのかなと思いましたが、谷の下から散る紅葉を見上げるという情景はとても美しいそうです。

 

【NO.10】秋元不死男

『 鳥わたる こきこきこきと 缶切れば 』

季語:鳥わたる(秋)

意味:鳥が渡っていく。缶詰切るコキコキコキという音に合わせて鳥がジグザグと飛んでいます。

俳句仙人
静かな夕暮れの中、窓辺で缶詰を開けながら飛び立っている鳥を見守る作者の温かい目が見えてきます。

【NO.11】池西言水

『 木枯らしの 果てはありけり 海の音 』

季語:木枯らし(冬)

意味:木枯らしにも果てはあるんだなあ。海の音で木枯らしの音がかき消されている。

俳句仙人
木枯らしが海の方へ向かって吹いている様子を詠んだ一句です。音を追うことで目に見えない木枯らしの行く先をうまく表現しています。

【NO.12】小林一茶

『 大根引き 大根で道を 教えけり 』

季語:大根引き(冬)

意味:大根を収穫している人たちが、引き抜いた大根で道を教えている。

俳句仙人
「大根引」とは大根を収穫している様子を表す冬の季語です。道を尋ねたところ、あっちの方だよと指さす代わりに引き抜いた大根で示されたのどかな風景を詠んでいます。

【NO.13】松尾芭蕉

『 人々を しぐれよやどは 寒くとも 』

季語:しぐれ(冬)

意味:人々よ、どんなにこの場所が寒くなろうとも時雨を楽しもうではないか。

俳句仙人
この句は句会で詠まれた句です。時雨が振り出せば一気に室温も下がりますが!それよりも人々とともに風流な気持ちをわかちあいたい作者の望みが感じ取れます。

【NO.14】山口誓子

『 海に出て 木枯らし帰る ところなし 』

季語:木枯らし(冬)

意味:海に出ても木枯らしには帰るところがないのだなぁ。

俳句仙人
この句は「木枯らしの 果てはありけり 海の音」を下敷きにしています。確かに木枯らしは海へと吹いていますが、海は木枯らしが帰る場所ではないのだと行き場のない風を思った一句です。

【NO.15】加藤楸邨

『 木の葉ふりやまず いそぐな いそぐなよ 』

季語:木の葉ふり/木の葉降る(冬)

意味:木の葉がはらはらとふりやまない。いそぐな、いそぐなよ。

俳句仙人
はらはらと散る木の葉に対して、あまり急いで落葉しないでくれと訴えかけている一句です。「いそぐな」の繰り返しが木に語りかけている様子をよく表現しています。

【NO.16】芥川龍之介

『 木枯らしや 目刺しに残る 海の色 』

季語:木枯らし(冬)

意味:木枯らしが吹いているなぁ。目刺しには海の色が残っているように感じる。

俳句仙人
木枯らしの俳句から海を連想し、食べようとしている目刺しにも海の名残があると詠んでいる連想ゲームのような句です。作者は目刺しのどこに海の色を感じたのか、解釈がいろいろあります。

【NO.17】星野立子

『 大勢の 中に我あり 冬紅葉 』

季語:冬紅葉(冬)

意味:大勢の中に私がいるのだ、冬紅葉のように主張している。

俳句仙人
「冬紅葉」とは冬に紅葉している状態のことを指します。周囲が落葉している中で一際目立つ色彩から、人混みの中から私はここにいるのだという作者の主張の象徴とされています。

【NO.18】村上鬼城

『 小春日や 石を噛み居る 赤蜻蛉 』

季語:小春日(冬)

意味:暖かい小春日だ。石を噛むようにそこに居る赤とんぼよ。

俳句仙人
赤とんぼは秋の季語のため、ここでは季節外れのとんぼがいたということになります。暖かさを実感するように石にしがみついているその姿は、寒さに耐える健気さとも読めます。

【NO.19】松本たかし

『 玉の如き 小春日和を 授かりし 』

季語:小春日和(冬)

意味:玉のように貴重な小春日和を授かった。

俳句仙人
寒い日々の中でふと暖かくなる小春日和は、作者にとって宝の玉のように貴重なものだったのでしょう。「授かりし」という表現からも天からの賜り物としてありがたがっている様子が伺えます。

【NO.20】友岡子郷

『 跳び箱の 突き手一瞬 冬が来る 』

季語:冬(冬)

意味:跳び箱を飛ぶ時に手を突いた、その一瞬に冬が来るのを感じる。

俳句仙人
「冬来る」であれは立冬の季語になりますが、ここでは「冬が来る」という言い回しなので季語は冬としています。跳び箱を飛ぶ際に突いた手がヒヤッとしたのか、一瞬感じた冬の気配を鋭く切り取った一句です。

 

11月の季語を使った一般おすすめ俳句作品集【10選】

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ここからは、一般の方が詠んだ俳句作品を10句紹介していきます。是非俳句作りの参考にしてみてください。

 

【NO.1】

『 文化祭 短冊前に 筆重く 』

季語:文化祭(秋)

俳句仙人
文化祭で願い事を書く短冊。どんなことを書けばいいのか悩んでいる作者の情景が浮かんできてとても微笑ましいです。

 

【NO.2】

犬小屋の 奥まで日差す 小春かな 』

季語:小春(冬)

俳句仙人
狭い犬小屋の中にまで暖かい日が差し込んでいる小春日和。とても暖かい1日になったでしょう。

 

【NO.3】

バス好きが バスで帰るも 七五三 』

季語:七五三(冬)

俳句仙人
バスが好きな作者がバスで帰ろうとしていたら七五三で満員だった情景が詠まれています。ちょっと悔しい気持ちになります。

 

【NO.4】

パン食べて 一人の夜長 もてあます 』

季語:夜長(秋)

俳句仙人
静かな夜に一人でパンを黙々と食べる作者の姿が浮かんできて、なんだか少し切なくなります。

 

【NO.5】

教会の 夕べの鐘や 秋の風 』

季語:秋の風(秋)

俳句仙人
教会の夕方を告げる鐘が秋の風に乗って聞こえてきている様子はとても美しかったことでしょう。

 

【NO.6】

初霜や 畑の野菜を 輝かす 』

季語:初霜(冬)

俳句仙人
野菜がなっている畑一面に霜が降りて、日光が当たっているとても美しい情景を詠んでいます。毎朝のちょっとした楽しみなのでしょう。

 

【NO.7】

石段を 余すことなく 紅葉散る 』

季語:紅葉散る(冬)

俳句仙人
石段が見えなくなるくらい綺麗に紅葉が載っている場面です。黄色や赤などの紅葉が散っていてとても綺麗な風景が浮かんできます。

 

【NO.8】

人よりも 防寒している 神無月 』

季語:神無月(冬)

俳句仙人
寒そうだと思ってしっかり着込んで外に出たら、意外とみんな薄手で出てきてたりしてて後悔することはないでしょうか?11月のあるある話を詠んだ句でとても面白いです。

 

【NO.9】

立冬や 朝刊くばる バイク音 』

季語:立冬(冬)

俳句仙人
新聞を配るバイクの音が響くと、肌寒い中早起きしてバイクにまたがっている新聞配達員さん。尊敬ものです。

 

【NO.10】

口切や ゆくゆくは継ぐ 和菓子職 』

季語:口切(冬)

俳句仙人
口切とは、お茶の入った壺を開封する儀式のことを言います。口切をして和菓子をおともにお茶をすする穏やかな時間…。作者は和菓子屋を営んでいる家系なのでしょうか?口切を通して決意を固めているようなそんな俳句に感じるます。
以上、11月の季語を使ったおすすめ俳句集でした!

 

俳句仙人
今回は、11月の有名俳句を20句、一般俳句作品を10句紹介しました。
11月という短い期間の中でも、たくさんの俳句があり沢山の人の気持ちが込められています。
ぜひこの機会に一句詠んでみてはいかがでしょうか?

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