「少年野球」と聞くと、学校や地域のグラウンド、河川敷グラウンド等で練習をしている姿をイメージする方も多いのではないでしょうか。
将来の夢に向かって、暑い日も寒い日も一生懸命練習する姿は心をうつものがあります。
少年野球の練習風景が微笑ましすぎる pic.twitter.com/tqR6PMYO
— 本 (@galaxy_sakamoto) March 3, 2012
今回は、そんな「少年野球」をテーマにした俳句を20句ご紹介します。
少年野球をテーマにしたオススメ俳句【前半10句】
【NO.1】
『 白球を 追う少年の 汗まぶし 』
季語:汗(夏)
少年が一生懸命野球の練習に取り組んでいることがとてもよく伝わります。「汗まぶし」という言葉から、少年の一生懸命さボールを真っすぐ見つめて全力で追う気合いを感じます。
【NO.2】
『 一球に かける少年 夏に入る 』
季語:夏(夏)
ただただ時間をかけて練習すれば良いわけではない。「一球」にしっかりと気持ちと気合いをこめて大切に投げる。量ではなく質である、とよく言われますがまさにそのようなことをうまく表現しているように思います。
【NO.3】
『 はじめての セカンド守る 冬うらら 』
季語:冬うらら(冬)
「冬うらら」とは、穏やかによく晴れてうららかな冬の日のことをいいます。作者は初めてセカンドを守ることになったのでしょう。その初めての瞬間の空の色、冬の寒さの中で感じた心地良いあたたかさ。その瞬間のことが心にしっかりと残っているのでしょうね。
【NO.4】
『 夏草や 少年野球 声枯らす 』
季語:夏草(夏)
「夏草」とは、夏に生い茂る草のことで、炎天下でも枯れることのない生命力のある草々をいいます。草が生い茂る広場のようなグラウンドで練習しているのでしょうか。暑さに負けずに一生懸命練習している様子がとても上手に表現されています。
【NO.5】
『 風薫る 白球追う 少年かな 』
季語:風薫る(夏)
新緑・若葉の頃、心地良い風が吹く中での練習風景。何度も何度もボールを必死に追いかける少年の一生懸命さが伝わる一句です。
【NO.6】
『 夏休み 汗で帽子が 白くなる 』
季語:汗(夏)
夏休み期間中の野球の練習の様子でしょう。野球の帽子が「白くなる」ほど、たくさんの汗をかいている。作者が、厳しい暑さの中で、どれだけ過酷な練習をしてきたかということがとてもよく分かります。
【NO.7】
『 初花や 少年野球の 声上がる 』
季語:初花(春)
「初花」はその年の春に最初に咲く桜の花のことをいいます。あたたかな春の陽気の中、野球の練習をしている少年の様子を詠んだ一句です。一生懸命大きな声を出し、お互いに声をかけあいながら練習している光景が目に浮かびます。
【NO.8】
『 逆転の 一打伸びゆく 秋の空 』
季語:秋の空(秋)
チーム内での練習試合の様子。作者の一打が逆転につながったのでしょう。きれいに澄み渡る空に伸びていくボールを見ながら、嬉しくて嬉しくて笑顔いっぱいになっている作者の様子が目に浮かびます。
【NO.9】
『 ボール追う 子らへ夕日よ あと少し 』
季語:なし
辺りが暗くなり始めてもまだ練習を続ける子どもたちの様子を見た作者のあたたかい想いが伝わります。夕日に向かって「あともう少し」とお願いする作者の優しさにほっこりします。
【NO.10】
『 夕焼けを こわしてしまった ホームラン 』
季語:夕焼け(夏)
作者の渾身の一振りで打球が大きく伸びて空高くへ飛んでいき、ホームランになった様子をとても上手に表現しています。「夕焼けを こわしてしまった」という言葉から、空に吸い込まれるかのようにとても大きく伸びていったことがよく分かります。作者の言葉のセンスがとても素晴らしいです。
少年野球をテーマにしたオススメ俳句【後半10句】
【NO.11】
『 秋晴れの 下で白球 追いかける 』
季語:秋晴れ(秋)
「秋晴れ」とは、秋にとても空気が澄んできれいに晴れ渡っている空の様子を意味します。とても心地良いお天気の中での野球の練習風景を詠んだ一句です。ボールを一生懸命追いかける子どもたちの頑張る姿が目に浮かびます。
【NO.12】
『 グラウンド ノックと響く 蝉の声 』
季語:蝉(夏)
子どもたちが練習しているグラウンドの様子を表現しています。暑い夏の時期、夏休み中の練習でしょうか。ノックする音ともにグラウンドに響く「蝉の声」。子どもたち皆、汗だくになりながら必死にボールを追いかけ、練習に励む様子が想像できます。
【NO.13】
『 一度だけ 代打三振 夏終わる 』
季語:夏(夏)
所属するチームで一度だけ巡ってきたチャンス。作者にとってとても大きなチャンスだったことでしょう。「夏終わる」という言葉がとても切なく、作者の悔しい想いが伝わります。結果は残念でしたが、今日の出来事が何か良い形につながっていくことを願います。
【NO.14】
『 炎天下 野球少年 夢中なり 』
季語:炎天下(夏)
暑い夏の日、じりじりと太陽の日差しが照り付ける中での練習風景でしょう。暑さに負けずに少年たちが必死に、一生懸命練習している様子が目に浮かびます。
【NO.15】
『 秋風や 少年野球の 声届く 』
季語:秋風(秋)
「秋風」は、秋が来たことを知らせる風のことをいいます。夏の終わり頃の時期、お互いに声をかけあいながら一生懸命練習している子どもたち。子どもたちの大きな声とともに秋を感じる風が吹いてきた。秋を感じはじめたことを、作者はとても上手に表現しています。
【NO.16】
『 夕暮れや ノックの音に 初夏の風 』
季語:初夏(夏)
辺りが暗くなり始めてもまだ練習を続ける子どもたち。夕暮れの中でノックをする様子を詠んでいます。練習を続ける中、ふと爽やかな風が吹きぬけ、季節の移り変わりを感じたことでしょう。
【NO.17】
『 夕立を ものともせずに 少年野球 』
季語:夕立(夏)
野球の練習をしている少年たち。ザーッと激しく降る夕立があっても気にすることなく、練習を続ける様子を表現しています。途中、雨宿りし雨が止むと同時にすぐに練習をはじめた子どもたちのひたむきな想いがとても素晴らしいです。
【NO.18】
『 夕焼けや 少年野球 練習中 』
季語:夕焼け(夏)
夕焼けが見える時間になっても一生懸命練習を続けているのでしょう。練習を積み重ねて自分の中での自信を積み重ねていく。子どもたちの頑張りが実を結ぶよう祈るばかりです。
【NO.19】
『 猛暑の日 少年野球で ぼく黒い 』
季語:なし
「猛暑」とは平常の気温と比べて著しく暑い時のことで、日本では2007年以降、1日の最高気温が35℃以上の日のことを「猛暑日」といいます。とても暑い日が続き、そのような状況の中でも作者は、一生懸命野球の練習に取り組んだのでしょう。「ぼく黒い」とユーモアのある言葉がとても可愛いですね。
【NO.20】
『 ラムネ抜く 少年野球 祝勝会 』
季語:ラムネ(夏)
作者の野球チームが優勝した様子を表現しています。「ラムネ抜く」という言葉は、子どもたちの祝勝会であることをとても上手に表現しています。子どもたちの喜びがあふれ、笑顔いっぱいの祝勝会の光景が目に浮かびます。
以上、少年野球をテーマにしたオススメ俳句でした!
今回は、少年野球をテーマにした俳句を20句紹介してきました。
少年野球チームに所属し、一生懸命練習を積み重ねていく子どもたち。
自分の夢のために、必死にボールを追い、さまざまな練習に取り組んでいることでしょう。
野球にかける想い。17文字の世界に想いをのせてみてはいかがでしょうか。