【鎌倉の俳句 20選】修学旅行の思い出!!季語を含む有名俳句&学生向け俳句ネタを紹介

 

鎌倉はかつて鎌倉幕府があった古都であり、多くの寺社がある場所です。

 

江ノ島などの観光地にも行きやすいため、観光客や修学旅行生も多く訪れます。

 

 

今回は、「鎌倉」を舞台に詠まれた俳句を20句ご紹介します。

 

リス先生
有名俳句だけではなく、一般の方が作った作品まで紹介していくよ!ぜひ最後まで読んでね!

 

鎌倉を舞台に詠まれた有名俳句【10選】

 

リス先生
まずは有名俳人が詠んだ俳句を紹介していくよ!

【NO.1】松尾芭蕉

『 鎌倉を 生きて出でけん 初鰹 』

季語:初鰹(夏)

意味:鎌倉を生きたまま出荷されたのだろう、この活きのいい初鰹は。

俳句仙人

江戸時代になると初物は寿命がのびると珍重され、初鰹も好まれました。鎌倉から生きたまま届けられたのだろうと思うくらい新鮮な状態の初鰹を見たのでしょう。

【NO.2】正岡子規

『 鎌倉や 秋の夕日の 旅法師 』

季語:秋(秋)

意味:鎌倉に来たなぁ。秋の夕日が沈む頃に旅の法師が歩いている。

俳句仙人

古都鎌倉の風情を感じさせる一句です。まるでタイムスリップしたかのような一コマに思わず感嘆しています。

【NO.3】高浜虚子

『 鎌倉を 驚かしたる 余寒あり 』

季語:余寒(春)

意味:鎌倉を驚かせるような春の寒さだ。

俳句仙人

「余寒」とは立春以降の寒さのことです。鎌倉という都市全体が驚くような寒さが戻ってきたという、大げさに言うことでユーモアを感じる一句です。

【NO.4】夏目漱石

『 京に二日 また鎌倉の 秋憶ふ 』

季語:秋(秋)

意味:東京に2日いるが、また妻が療養している鎌倉の秋が思い出されることだ。

俳句仙人

この句は2014年に作者の未発表句が発見された際の一句です。作者の妻は病気のため鎌倉に療養していて、自分だけ東京に帰ったときの心配と心細さを秋に託しています。

【NO.5】阿波野青畝

『 鎌倉の 月高まりぬ いざさらば 』

季語:月(秋)

意味:鎌倉の月は高くのぼった。さあ別れのときだ。

俳句仙人

この句は作者が鎌倉に住んでいた師である高浜虚子の家を辞するときの句です。虚子はこのときすでに高齢で、去りがたい気持ちを励ますように「いざさらば」と詠んでいます。

【NO.6】星野立子

『 鎌倉の 空の青さよ 曼珠沙華 』

季語:曼珠沙華(秋)

意味:鎌倉の空はなんと青いのだろう。真っ赤な曼珠沙華がとても映える。

俳句仙人

空の青と曼珠沙華の赤を対比させています。抜けるように青い秋の空と曼珠沙華の組み合わせという、まるで写真のような句です。

【NO.7】種田山頭火

『 鎌倉はよい松の木の月が出た 』

季語:月(秋)

意味:鎌倉に来たが、松の木から月がひょっこりと顔を出している。

俳句仙人

この句は作者が放浪の旅を続けていて鎌倉に立ち寄った際に詠まれています。若宮大路などは松並木が群生していたとされているため、その松と月を見たのでしょう。

【NO.8】久保田万太郎

『 かまくらのとしまやの 雛あられかな 』

季語:雛あられ(春)

意味:鎌倉にある豊島屋の雛あられだなぁ。

俳句仙人

「豊島屋」は現在でもある老舗メーカーで、鳩サブレでも有名です。作者も同じものを食べていたと思うと感慨深いものがあります。

【NO.9】桂信子

『 鎌倉や ことに大きな 揚羽蝶 』

季語:揚羽蝶(夏)

意味:鎌倉に来たら、とても大きなアゲハ蝶を見た。

俳句仙人

大きな黒いアゲハ蝶を鎌倉のあたりでは「鎌倉蝶」と呼ぶ場合があります。作者が意識していたかはわかりませんが、踏まえて読むとまた変わった印象を持つ句です。

【NO.10】松本たかし

『 鎌倉の 夏も過ぎけり 天の川 』

季語:天の川(秋)

意味:鎌倉の夏も過ぎ去った。夜空には美しい天の川が輝いている。

俳句仙人

暑い夜の夏が過ぎ去り、澄んだ空気と涼しい風で過ごしやすい季節になっています。天頂に輝く天の川に一種の清涼感を感じている句です。

鎌倉を舞台に詠まれた一般俳句ネタ【10選】

 

リス先生
ここからは一般の方が詠んだ俳句を紹介していくよ!

【NO.1】

『 白靴を汚しに 鎌倉の海へ 』

季語:白靴(夏)

意味:真っ白な靴を砂浜の砂で汚しに鎌倉の海に行こう。

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「白靴」が夏の季語になります。砂浜で遊ぶと砂まみれになってしまいますが、あえて汚すために鎌倉に行こうという陽気な一句です。

【NO.2】

『 鎌倉や 春色をした 菓子のあり 』

季語:春(春)

意味:鎌倉に来た。春の色をしたお菓子があるなぁ。

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ここで詠まれている春色とは鶯餅の緑色です。ただ、春色と言われて浮かぶ色は人それぞれのため、さまざまなお菓子が連想されるのが面白い句になっています。

【NO.3】

『 底冷えや いざ鎌倉の むかしみち 』

季語:底冷え(冬)

意味:底冷えのする寒さだ。多くの武士が「いざ鎌倉」と行って通った昔の旧道を歩いている。

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「いざ鎌倉」とは鎌倉時代の武士たちが有事の際に鎌倉に駆けつけた様子のことです。そんな武士たちも通ったかもしれない古道を、過ぎ去った昔を示すような底冷えのする寒さの中で歩いています。

【NO.4】

『 鎌倉や 空ときれいな 春の海 』

季語:春の海(春)

意味:鎌倉は青い空ときれいな春の海だなぁ。

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鎌倉の美しい春の風景を切り取った一句です。冬の間の冴え渡るような色彩ではなく、どこか霞がかかったような朧気で優しい色合いが伝わってきます。

【NO.5】

『 袖散らす 亀ケ谷坂の 東風吹けり 』

季語:東風(春)

意味:亀ケ谷坂を歩く振袖を散らすように東の風が吹いてくる。

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「亀ケ谷坂」とは鎌倉にある古道の1つで、建長寺に行く際に通ります。昔ながらの道を卒業旅行に訪れた学生たちが楽しそうに歩いている様子が浮かぶ句です。

【NO.6】

『 早春の 古都鎌倉へ 江ノ電で 』

季語:早春(春)

意味:早春の古都鎌倉へ江ノ電で出かけよう。

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まるでキャッチコピーのような一句です。鎌倉は紫陽花が有名ですが、梅の名所でもあります。「江ノ電で」という終わり方が弾むような足取りを感じさせる一句です。

【NO.7】

『 鎌倉の 古の道 竹落葉 』

季語:竹落葉(夏)

意味:鎌倉の古道に生えている竹は、葉を黄色くして落葉している。

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「竹落葉」とは竹の葉が黄色くなって落葉する現象で、夏の季語です。鎌倉は多くの切通しと呼ばれる峠を切り開いた道があり、今も現役で使われています。

【NO.8】

『 鎌倉の 小町通に 梅見かな 』

季語:梅見(春)

意味:鎌倉の小町通りでは梅の花が見事に咲いているなぁ。

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「小町通」とは鎌倉駅から鶴岡八幡宮に続く参道の隣の通りで、多くの店舗で賑わう観光地です。そんな人もお店も多い通りですが、梅の花が見事に咲いていて観光と梅見の両方ができることを喜んでいます。

【NO.9】

『 人力車 鎌倉宮に 風薫る 』

季語:風薫る(夏)

意味:人力車で鎌倉宮に向かうと、風が良い香りを運んでくる季節になった。

俳句仙人

「鎌倉宮」とは鎌倉幕府打倒に尽力した護良親王を祀った神社です。人力車で移動できるので、初夏の鎌倉をゆったりと堪能しています。

【NO.10】

『 鎌倉に 昔ありけり 春の月 』

季語:春の月(春)

意味:鎌倉にも昔の出来事がたくさんあったのだ。春の月はすべて見ていたのだろう。

俳句仙人

「昔ありけり」とは古典でよく使われる昔話の導入に似ています。かつての鎌倉幕府の栄華をあの月も眺めていたのだろうかという諸行無常を感じさせる一句です。

 

以上、鎌倉を舞台に詠まれた俳句集でした!

 

 

俳句仙人

今回は、鎌倉を舞台に詠まれた有名な俳句とオリジナル俳句を10選ずつ紹介してきました。

古都ということで昔の出来事に思いを馳せる俳句や、鎌倉の自然を詠んだ俳句が多かった印象です。
花や大仏など見所も多い地域ですので、ぜひ訪れた際には一句詠んでみてください。