【夏祭りの俳句 40選】小・中学生向け!!季語を含んだ有名句&おすすめ俳句作品を紹介!

 

子どもから大人までが楽しめる「夏祭り」。

 

地域によって様々な伝統やスタイルがあり、地元の祭りも旅行先での祭りも楽しいものです。

 

特に学生時代に行った夏祭りは忘れられない思い出になることもしばしば…、俳句にするにはぴったりのイベントです。

 

今回はそんな「夏祭り」にちなんだ有名俳句と小学生・中学生向けの俳句を全部で40句紹介していきます。

 

 

リス先生
上手な俳句がたくさん登場するよ!俳句作りの参考にしてみてね!

 

夏祭りの有名おすすめ俳句集【15選】

 

まずは、「夏祭り」について詠んだ有名俳句を俳人ごとに紹介していきます。

 

リス先生
お気に入りの一句を見つけてみてね!

 

【NO.1】相馬遷子

『 綿菓子も 紅もて装ふ 夏祭り 』

季語:夏祭り(夏)

意味:綿菓子も紅をつけて装って、ああ夏祭りだなぁ。

俳句仙人
紅白幕や赤い提灯、赤い法被など、お祭りといえば赤い装飾が目につくものです。また、踊り手の女性も紅であでやかにお化粧をしています。作者は薄紅色の綿菓子をみつけて、「おや、綿菓子もお祭り風にお化粧しているな」と思ったのでしょう。

 

【NO.2】森澄雄

『 娘らも 勢子の鉢巻き 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:夏祭りだ。娘たちも勢子の鉢巻きをしています。

俳句仙人
祭りで神輿を担いだり、山車を曳いたりする人を勢子(せこ・せご)と言います。本来なら男性用の鉢巻きをきりりとしめた若い女性。いつもとは違うりりしい横顔が見えてくるようです。

 

【NO.3】中村汀女

『 真円き 月と思へば 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:今夜の月はまん丸だなあと見ていましたが、そうか、今日は夏祭りでした。

俳句仙人
「真円き」の読みは「まんまるき」です。きれいな月を眺めていたら、お囃子がきこえてきたのか、あるいは提灯の明かりが見えたのか、満月のころがお祭りと知っていたのか、どれとも言えませんが、ふっと祭に気づいた作者の楽しい気持ちが伝わってきます。

 

【NO.4】杉田久女

『 夏祭 髪を洗つて 待ちにけり 』

季語:夏祭(夏)

意味:夏祭りなので、きれいに髪を結ってもらえるよう洗って待っています。

俳句仙人
夏祭りに出かけるため、髪を洗って髪結いさんを待っているのでしょうか?ですが、最終的に作者が待っているのは夏祭り。身ぎれいにして出かけたいという女性らしい気持ちが詠まれています。

 

【NO.5】久保田万太郎

『 どぜうやの 大きな猪口や 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:どじょうやへ行ってみたら、大きな猪口が置いてありました。夏祭りなんですね。

俳句仙人
猪口(ちょく、ちょこ)とは、お酒をつぐ陶器の小さな杯のことです。どじょう鍋などを食べさせる店に立ち寄ってみたら大きなお猪口が並んでいた(お神輿の担ぎ手などにお神酒を振るまうため)ので、「ああ夏祭りだぁ」と実感した作者の様子がしっかり伝わってきます。

 

【NO.6】桂信子

『 原色の 土産物屋の 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:夏祭りに出店している土産物屋は原色ばかり。なんと楽しいことでしょう。

俳句仙人
夏祭りの土産物屋(みやげものや)さんは、テントやのぼり、売っているものも派手な原色ばかり。夏の光のせいもあるでしょう。目をひかれる楽しさを詠っています。

 

【NO.7】山口誓子

『 崎の海は 荒びたれども 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:岬に立つと海は荒れてるいが、今は夏祭りです。

俳句仙人
岬の向こうの海は荒れて波がたっていますが、何はともあれ今日は夏祭りであるという、少々波が荒れていても気にせずに皆祭りを楽しんでいる風景でしょうか?ちなみに、能登半島の最先端である禄剛崎には作者の記念碑があります。

 

【NO.8】林翔

『 冷めがての 飴はびいどろ 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:夏祭りの飴細工はまだ冷めきれていなくて、まるでびいどろのようです。

俳句仙人
お祭りで買った飴細工…作りたてでまだ熱がのこっているのでとろりとしています。そこがびいどろのように美しいと感じた一句です。

 

【NO.9】山口誓子

『 妹が居の 宰相山も 夏祭り 』

季語:夏祭り(夏)

意味:妻の居る宰相山も夏祭りだなあ。

俳句仙人
妹とは、妻のことを万葉風に詠んだものです。結婚したばかりの妻の故郷である宰相山(さいしょうやま)に新居を構えた頃に詠まれたものと言われています。

 

【NO.10】長谷川かな女

『 雨をよぶ 山車を出しけり 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:夏祭りの山車を出していますが、まるで山車が雨を呼んだように雨が降りそうです。

俳句仙人
山車(だし)とは、祭のときに飾り物をして引き出す車のことです。祭りで山車を出す日、お天気がいいのが望ましいのは言うまでもありませんが、山車をだすと降るんだよねというジンクスもよく耳にします。作者の見た光景も、おそらく今にも降りそうなお天気だったのでしょう。

 

【NO.11】平畑静塔

『 杣道(そまみち)を 檜(ひのき)はかくす 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:木こりの通る細い道をヒノキが覆い隠している夏祭りだ。

俳句仙人
「杣道」は杣人、木こりたちが通る細い道です。夏祭りの日にはそんな仕事の道も覆い隠されるようにしてみんなが楽しんでいます。

【NO.12】橋本多佳子

『 足袋買ふや 木曾の坂町 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:足袋を買おう。木曽の坂の町で行われている夏祭りで。

俳句仙人
「坂町」とは具体的な地名ではなく、坂の多い町という意味でしょう。木曽という道の険しい場所の夏祭りでも、実用品を補充しておこうという作者の心が伝わってきます。

【NO.13】野沢節子

『 読まず書かぬ 月日俄に 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:読まず書かない月日だったが、もう夏祭りの日になってしまった。

俳句仙人
体調不良かスランプか、何も読まず書かない日々を送っていたようです。「俄に」とあることから気がついたらもう夏祭りだと驚いているのがわかります。

【NO.14】山口誓子

『 夏祭 その夜ちか星と 月照れり 』

季語:夏祭(夏)

意味:夏祭りだ。その夜に月の近くに星が照っているのが見えた。

俳句仙人
「ちか星」とは「近星」のことで、月の近くに出る星のことを言います。災いが起きる前兆とされていますが、この句が詠まれた後はどうだったのでしょうか。

【NO.15】角川源義

『 夕ごころ まだ定まらず 夏祭 』

季語:夏祭(夏)

意味:もう夕方だなぁ。まだ心が定まらない夏祭りの日だ。

俳句仙人
「夕ごころ」とは夕方であると感じる心ですが、「定まらず」とあるので心ここにあらずといった感じがします。夏祭りが楽しかったのか、まだ落ち着かない作者を詠んだ句です。

 

小学生向け!!夏祭りの俳句作品集【12選】

 

ここからは、小学生が詠んだ俳句作品を紹介していきます。

 

リス先生
上手な俳句がたくさんそろっているのでぜひ参考にしてみてね!

 

【No.1】

夏祭り ひみつのぬけ道 かけぬける 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りに、ひみつの抜け道をかけぬけて向かっています。

俳句仙人
祭りで混雑する人混みをさけて通れるぬけ道。大人には思いつかない小さな冒険を子どもたちは知っているんだなあと思わされます。

 

【No.2】

夏祭り やまからたくさん かみふぶき 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りの山車から紙吹雪がたくさん降ってきました。

俳句仙人
お祭りのクライマックス!舞い踊る紙吹雪を見上げるたくさんの笑顔が想像できます。

 

【No.3】

なつまつり 楽しくおどる げたの音 』

季語:なつまつり(夏)

意味:夏祭りで下駄の音が楽しく踊っているようでした。

俳句仙人
夏祭りに行って下駄の音に耳を澄ませた作者。祭りの盛り上がりで、下駄の音も楽しく踊っているように聞こえたのでしょう。

 

【No.4】

夏まつり 父さん母さん 子どもみたい 』

季語:夏まつり(夏)

意味:一緒に夏祭りにきたお父さんとお母さんがまるで子どもみたいです。

俳句仙人
夏祭りは不思議と大人を童心に戻ります。いかにも楽しそうな家族の風景が詠まれている句です。

 

【No.5】

夏祭り ゆうれいたちも おどってる 』

季語:夏祭り(夏)

意味:お盆の夏祭り。ゆうれいたちも踊っているんだなあ。

俳句仙人
夏祭りでみんなが踊る中、ご先祖さまたちもきっと一緒に楽しく踊っているのだなあと想像した作者。ユーモアの中に死者への敬いも感じます。

 

【No.6】

どれにしよ 店ならんでる 夏まつり 』

季語:夏まつり(夏)

意味:夏祭りではお店がたくさん並んでます。どれにしようかな。

俳句仙人
ずらっとならんだお店を見て回りながら、好きなものをちょこちょこ買うのも夏祭りの楽しみです。

 

【No.7】

どどんどん たいこがひびく なつまつり 』

季語:なつまつり(夏)

意味:夏祭りで太鼓の音がどどんどん、と響いています。

俳句仙人
最初の「どどんどん」がとても句にインパクトをつけています。街にも、耳にも、ときにはお腹にも響いてきます。

 

【No.8】

はじめての ゆかたきていく なつまつり 』

季語:なつまつり(夏)

意味:はじめて浴衣を着て、夏祭りにいきます。

俳句仙人
はじめての浴衣はとても嬉しいものです。華やぐ気持ちが伝わってきます。

 

【No.9】

はなれても みんなにあえる なつまつり 』

季語:なつまつり(夏)

意味:はなれてしまっても、夏祭りでみんなにあえるのがうれしいです。

俳句仙人
作者は引っ越ししたのでしょうか。もしくは別々の小学校に通うことになったお友達がいたのでしょうか。めったに会えないお友達に会えるのもお祭りの楽しみですね。

 

【No.10】

思い切り あばれるつもり 夏祭り 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りだ。思いきりあばれるぞ。

俳句仙人
作者はきっとお神輿をひいたり、担いだりする役目があるのでしょう。地域によってはいろいろなパフォーマンスもあります。男の子らしい意気込みが伝わってくるすばらしい句です。

 

【No.11】

『 お囃子の 賑わう通り 夏祭り 』

季語:夏祭り(夏)

意味:お囃子の賑わう通りだ。今日は夏祭りが行われている。

俳句仙人
お囃子がどこからともなく聞こえてくる通りを歩いている様子です。これからお祭りに向かうのか、どこかへ行くのか、どちらでしょうか。

【No.12】

『 太鼓打て 総身でたたけ 夏祭り 』

季語:夏祭り(夏)

意味:太鼓を打とう。体全てを使って叩くんだ、夏祭りの日だ。

俳句仙人
懸命に太鼓を叩いている様子が「総身」という表現から伺えます。子供たちがお囃子を行う夏祭りもあるので、目に浮かぶ人も多いでしょう。

 

中学生向け!!夏祭りの俳句作品集【13選】

「ac 写真 夏祭り」の画像検索結果

 

ここからは、中学生が詠んだ俳句作品を紹介していきます。

 

【No.1】

久しぶり 会話が続く 夏祭り 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りで会った友とひさしぶりの会話が続きます。

俳句仙人
日頃なかなか会えない旧友と会えるのもお祭りのいいところです。話題は尽きないことでしょう。

 

【No.2】

誘われた だけで嬉しい 夏祭り 』

季語:夏祭り(夏)

意味:一緒にいこうよと誘われただけでも、夏祭りってうれしいものです。

俳句仙人
もうすぐ夏祭り…一緒に行こうと誘われたところから、お祭りのワクワクする楽しさははじまります。嬉さが伝わってくる一句です。

 

【No.3】

からんころん 下駄の音響く 夏祭り 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りの日、下駄の音がからんころんと響いています。

俳句仙人
日頃聞きなれない下駄の音…浴衣でそぞろ歩く見物客の下駄の音でしょうか。それとも作者の履いた下駄の音でしょうか。すばらしい句です。

 

【No.4】

ばあちゃんの 歩幅にあわせ 夏祭り 』

季語:夏祭り(夏)

意味:おばあちゃんの歩幅にあわせて夏祭りにいきました。

俳句仙人
歩幅の小さいおばあちゃんにあわせて、ゆっくり歩いてあげたという優しい気持ちが伝わる一句です。

 

【No.5】

夏祭り 君の背中を 探してる 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りにきているけど、気がついたら気になる人の背中を探しています。

俳句仙人
祭りの人混みの中、気になる人の背中を偶然みつけると、なんだかとっても嬉しいものです。

 

【No.6】

夏祭り 友を待ち待ち 足踏を 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りに一緒に行く友達を、足踏みしながらまっている。

俳句仙人
お友達はすこし遅れているのじゃろうか。待ち待ちという表現がとても上手です。早く来ないと先にいっちゃうよ!という感じですね。

 

【No.7】

夏祭り 屋台のすきま なく並び 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りの屋台が隙間のないほど並んでいます。

俳句仙人
夏祭りにいって、所せましとならんでいる屋台を見たときの率直で冷静な感想が伝わってきます。

 

【No.8】

今年から 祖母の手をひく 夏祭り 』

季語:夏祭り(夏)

意味:今年から夏祭りは僕が祖母の手をひいていくことにしました。

俳句仙人
ずっと以前はおばあちゃんが作者の手をひいて、夏祭りに行っていたのかもしれません。今年からは自分が手をひいてあげるという、作者の心優しさがしみる一句です。

 

【No.9】

夏祭り 父の背中が 大きくて 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りに、父の背中がいつもより大きくみえるようです。

俳句仙人
作者のお父さんは浴衣姿が法被姿でしょうか?仮にいつもと服装は変わらなかったとしても、夏祭りという非日常のなかで、お父さんの背中が広くて頼もしいことに気づいたのでしょう。自分の心の素敵な一瞬をとらえたすばらしい一句です。

 

【No.10】

夏祭り たけをのばして ゆかた着る 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りなので、丈をのばして浴衣を着ました。

俳句仙人
背が伸びた作者…浴衣を大切にして着ている感じが伝わってきます。きっとお気に入りの浴衣だったのでしょう。

 

【No.11】

『 とりどりの 浴衣嬉しや 夏祭り 』

季語:浴衣(夏)、夏祭り(夏)

意味:色とりどりの浴衣が嬉しいなぁ。夏祭りだ。

俳句仙人
浴衣は普段着る機会がなかなか無いため、非日常を演出する衣類としてピッタリです。様々な色や柄があることに喜んでいます。

【No.12】

『 夏祭り 出掛けに落ちる 雨の音 』

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りに出かけようとしたら雨の音が落ちてきた。

俳句仙人
「雨が降る」ではなく「雨の音」が落ちると表現している面白い句です。せっかくの夏祭りに雨が降り出したことを残念に思っています。

【No.13】

『 夏祭り 今日も好きだと 言えぬまま

季語:夏祭り(夏)

意味:夏祭りの日だ。今日も好きだと言えないまま終わってしまう。

俳句仙人
好きな人と2人で夏祭りに出かけているのでしょう。それでも好きだと言い出せない青春を詠んだ一句です。

 

以上、「夏祭り」について詠まれたおすすめ俳句集でした!

 

 

俳句仙人
夏祭りはにぎやかでとても華やかですが、終わってしまうと帰り道は妙に淋しい気持ちになりますね。

リス先生
あっという間に過ぎていく楽しさや美しさ・おもしろく感じたことを、ぜひ俳句にして思い出づくりをしてみてね!

こちらの記事もおすすめ!