【星の有名俳句 20選】知っておきたい!!季語を含むおすすめ俳句集を紹介!

 

星は春夏秋冬、どの季節であっても俳句に詠まれる季語です。

 


今回は、星にまつわる俳句を20句ご紹介します。

 

リス先生
ぜひ、ご一緒に星の美しさを詠った句を味わってみてね!

星にまつわる有名俳句集【春編 5選】

 

【NO.1】柴田白葉女

『 春の星 ひとつ潤めば みなうるむ 』

季語:春の星(三春)

現代語訳:春の星が一つ潤みだせば、周りのどの星も潤みはじめる。

俳句仙人

冬の星の鋭い輝きから一転、大気が緩むように春の星々もまたゆるゆると潤むように瞬いていく様子を表しています。

【NO.2】夏目漱石

『 春の星を 落して夜半の かざりかな 』

季語:春の星(三春)

現代語訳:春の星が落ちてきて飾ったかのような髪飾りだ。

俳句仙人

この句は『草枕』の一節、月と女の題材で次々と連想していくシーンに登場します。この前後で女性について詠んでいるため、女性の髪飾りを連想しています。

【NO.3】稲畑汀子

『 駅を出て 街の灯抜けて 星朧 』

季語:星朧(三春)

現代語訳:駅を出て、街頭のある道を抜けると朧のような星が見える。

俳句仙人

賑やかな駅前から街頭の灯る市街地を抜け、暗くなるにつれて朧のような星空が出迎える光景が見えるようです。

【NO.4】前田普羅

『 乗鞍の かなた春星 かぎりなし 』

季語:春星(三春)

現代語訳:乗鞍岳の彼方に春の星が限りなく続いている。

俳句仙人
乗鞍岳は北アルプスにある3000m級の名山です。ただ星空が広がるだけでなく、山を詠むことで途方もないスケールが感じられます。

【NO.5】楠本憲吉

『 うるむ春星 亡母に手紙 書きたくて 』

季語:春星(三春)

現代語訳:春の星が潤んでいる。亡き母に手紙を書きたいのだ。

俳句仙人
春の星は潤むように見えることと、自らの目が潤んでいることを掛けています。

星にまつわる有名俳句集【夏編 5選】

【NO.1】若木一朗

『 梅雨の星 闇へピンセットで 飾る 』

季語:梅雨の星(仲夏)

現代語訳:梅雨の晴れ間に見える星を、夜の闇へピンセットで摘んで飾ろう。

俳句仙人
梅雨の星とは、梅雨の雲の隙間から見える星です。わずかな光の点と曇り空の闇の対比をピンセットで表しています。

【NO.2】岸風三楼

『 星涼し 遊歩甲板の 籐椅子に 』

季語:星涼し(三夏)

現代語訳:星が出ている夜は涼しい。船のデッキの藤椅子に座っている。

俳句仙人
海原を行くフェリーの甲板の椅子に寝転んで星空を眺めている様子が伝わってきます。

【NO.3】正岡子規

『 草枕の 我にこぼれよ 夏の星 』

季語:夏の星(三夏)

現代語訳:草の上に寝転んで夜空を見上げると、私の方にこぼれてきそうな夏の星だ。

俳句仙人
草枕とは草で作った枕が転じ、旅の意味もあります。屋外で寝転んで満天の空を見上げた情景です。

【NO.4】星野立子

『 アラビヤの 空を我ゆく 夏の星 』

季語:夏の星(三夏)

現代語訳:アラビアの空を私は行く、夏の星の間を。

俳句仙人
星野立子氏は高浜虚子の次女で、戦後は政府使節として北米やブラジル、ヨーロッパを回りました。アラビア半島の空を旅した時の句でしょうか。

【NO.5】有働亨

『 ふるさとや 豊年星の 旱星 』

季語:旱星(晩夏)

現代語訳:故郷は豊作だろうか、豊年星である旱星が見える。

俳句仙人
豊作の年は荷の重さで顔が赤くなります。そのため、火星やアンタレスのような赤い星を豊年星と呼ぶことから詠まれた一句です。

 

星にまつわる有名俳句集【秋編 5選】

 

【NO.1】正岡子規

『 暁の しづかに星の 別れかな 』

季語:星(七夕の意/初秋)

意味:明け方に、織姫と彦星が静かに別れを告げている。

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ここで言う星とは七夕のことで、明け方に白む空に静かに沈んでいく2つの星を表しています。

【NO.2】室生幸太郎

『 梟時計 鳴くこと忘れ 星月夜 』

季語:星月夜(三秋)

意味:フクロウ時計すら鳴くことを忘れるほどの満天の星夜よ。

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星月夜とは月が出ているほど明るい満天の星空を言います。時計すら止まる錯覚を覚えるほど見惚れている一句です。

【NO.3】高浜虚子

『 われの星 燃えてをるなり 星月夜 』

季語:星月夜(三秋)

意味:私の星はあの満天の星空の中に燃えているのだ。

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夜空に一際明るく輝く星を自分であると断定したとも、自分こそ満天の星空の中で1番輝いているという自信に満ち溢れた句とも言われています。

【NO.4】水原秋櫻子

『 流星の きらめき落つる 地獄谷 』

季語:流星(三秋)

意味:流れ星がきらめきながら地獄谷に落ちていく。

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地獄谷とつく地名は各地にありますが、共通するのは火山地形です。流れ星がそんな地形に輝きながら落ちていく様を詠んでいます。

【NO.5】飯田蛇笏

『 秋の星 遠くしづみぬ 桑畑 』

季語:秋の星(三秋)

意味:秋の星は桑畑の遠く彼方に沈んでいった。

俳句仙人
桑は旧暦の秋が刈り入れの時期です。夜に黒々と茂る桑畑に星がゆっくりと沈んでいく光景が見てとれます。

星にまつわる有名俳句集【冬編 5選】

【NO.1】塩野谷仁

『 やくそくの 数だけ落ちる 冬の星 』

季語:冬の星(三冬)

意味:約束や願い事の数だけ、冬の流れ星が落ちている。

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冬の流星群を表した句です。流れ星に願い事をする人の数だけ星が降ってくるという、皆が流星群を眺めている光景が浮かびます。

【NO.2】中村草田男

『 寒星や 神の算盤 ただひそか 』

季語:寒星(三冬)

意味:神様の算盤の玉のような冬の星が、密やかにただそこにある。

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満天の星を算盤玉に例え、人間が算盤を使うように、目に見えない神々が星の調和を保つ様を連想したと作者本人の解説にあります。

【NO.3】山口誓子

『 手を洗ひ 寒星の座に 向かいけり 』

季語:寒星(三冬)

意味:手を洗いに外に出ると、冬の星座に正面から向かうことだなぁ。

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当時のトイレは外にあり、ふと見上げた満天の星空と相対した感動を詠んでいます。

【NO.4】水原秋櫻子

『 枯木星 またたきいでし 又ひとつ 』

季語:枯木星(三冬)

意味:枯れ木越しに星がまた一つ瞬いて出てきたことだ。

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枯木星とは葉が落ちた木の枝から見る星のことです。近くの枯れ木と遠い星空の見事な対比の一句になっています。

【NO.5】正木浩一

『 傾きて オリオンは夜の 凧(いかのぼり) 』

季語:オリオン(三冬)

意味:傾いたオリオン座は、夜にあがる凧のようだ。

俳句仙人

直接星という単語はありませんが、オリオンも冬の季語です。傾いたオリオン座が凧揚げのように夜空に張り付いている光景が目に浮かびます。

以上、星にまつわる有名俳句集でした!

 

俳句仙人

今回は星の俳句を20句、珍しい季語を使用したものを含めて紹介してきました。
季節ごとに表している情景が変わっていくのが星の俳句の魅力です。
夜に見上げた星をどのように表現するのか考えながら、1句詠んでみてはいかがでしょうか。