ウインタースポーツと聞いて、定番である「スキー」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
学校の行事として、スキー教室がある学校も多いので馴染みがある方も多いかもしれませんね。
今回は、そんな「スキー」をテーマに学生さんが詠んだ俳句を20句紹介します。
初滑り ひやけた頬が雪の跡 としこ
☆スキー!!!
☆スノボってなに。#haiku #俳句 #菅平高原 pic.twitter.com/8y9dteemKd— ちゃんぐ (@Toshiko330) January 2, 2017
スキーに関する学生俳句ネタ例集【前半10句】
【NO.1】
『 ゲレンデの 景色は毎日 着替えする 』
季語:ゲレンデ(冬)
スキー場のゲレンデ。一面真っ白な世界はその日の天気によって見える景色が変わります。晴れているとき、雪が降っているとき…、日によって変わる状況を「着替えする」という言葉でとても上手に表現しています。
【NO.2】
『 富士山を 背中にしょって スキーした 』
季語:スキー(冬)
富士山が見える場所にあるスキー場なのでしょう。大きな富士山を見ながらのスキー、とても素敵です。「背中にしょって」という表現から、作者の後ろにある富士山の大きさを感じます。富士山に見守られながらのスキーを存分に楽しむ作者の様子が目に浮かびます。
【NO.3】
『 スキー場 転びつ眺む 空青し 』
季語:スキー場(冬)
スキー場で転んでしまった作者。転んでしまって仰向けになったときに見えた空の青さに感動したのかもしれません。転んでしまって痛くて辛いけれど、転んだからこそ見えたきれいな青空。雪の上で仰向けになって空を楽しんでいる作者の姿が想像できます。
【NO.4】
『 スキーして 帰ったあとの さつまいも 』
季語:スキー(冬)
スキー教室に参加した作者。スキーをたくさん楽しみ体がすっかり冷えてしまったようです。ほくほくの温かいさつまいも、美味しいですよね。冷えた体に染みわたる甘さと温かさがとても印象に残っているのでしょう。
【NO.5】
『 初スキー 転んでばかり でも楽しい 』
季語:スキー(冬)
初めてのスキー…なかなかうまく滑ることができない作者。「転んでばかり」という言葉からかなり苦戦している様子が想像できます。「でも」に続く「楽しい」という言葉。作者がスキーをとても楽しんでいることが伝わります。シンプルな言葉に、楽しい気持ちがいっぱい詰まっていますね。
【NO.6】
『 板を置き しばし楽しむ 雪遊び 』
季語:雪(冬)
スキーをたっぷりと楽しんだ作者は、体を休めるためにしばし休憩。でも目の前には一面きれいな雪の世界が広がっています。休憩のはずなのに、雪を目の前にしたらやはり遊びたくなってしまったのでしょう。とても可愛らしい一句です。
【NO.7】
『 新雪を 顔に浴びたる 初スキー 』
季語:スキー(冬)
初めてスキーにチャレンジした作者。なかなか上手く滑ることができず、たくさんの雪を顔に浴びることになってしまったのでしょう。新雪はとてもふかふかで柔らかいそうです。ふかふかふわふわの雪は、作者を柔らかく包み込んでくれたのではないでしょうか。
【NO.8】
『 転ぶなら 氷の上より 雪の上 』
季語:雪(冬)
初めてのスキーは転んでしまうことも多いですよね。転ぶとき痛いのはできるだけ避けたいところ。「氷の上より 雪の上」、まさにその通りです。氷のようにカチカチに固まった雪よりも柔らかい雪の上で転びたい、作者の正直な気持ちがそのまま表現されています。
【NO.9】
『 風になり 静かに滑る スキーかな 』
季語:スキー(冬)
スキーの特徴は、冬の冷たい風を全身に浴びながらスピード感のある滑走を楽しむことができることではないでしょうか。「風になり」という言葉から、風と一体化しているような感覚でスキーを楽しんでいる作者の姿が想像できます。
【NO.10】
『 オリオンが 空いっぱいの スキー場 』
季語:オリオン(冬)
「オリオン」とは、冬の代表的な星座で、2つの1等星を対角に大きな四辺形を形成しているものです。作者はナイタースキーを楽しんでいるのでしょう。「空いっぱいの」星空が広がるとても素敵なスキー場。幻想的な風景が目に浮かびます。
スキーに関する学生俳句ネタ例集【後半10句】
【NO.11】
『 風を切り シュプール描く 雪の山 』
季語:雪(冬)
「シュプール」とは、スキーで滑ったときに雪上に残る跡のことをいいます。ドイツ語の足跡・轍などを意味する「Spur」からきているそうです。風に乗ってスピードを楽しむことができるスキー。雪山を颯爽と滑降する作者の姿が想像できます。
【NO.12】
『 新雪に みんなが転ぶ スキー場 』
季語:スキー場(冬)
降り積もって間もない雪である新雪は、とてもふかふかで柔らかいそうです。スキーをしていて転んでしまっても柔らかいふかふかの雪だと安心ですね。「みんなが転ぶ」という言葉から、ふかふか雪に転ぶことが楽しくなってきたのかもしれません。きっとスキー場に楽しそうな笑い声が響き渡っていることでしょう。
【NO.13】
『 飼い主を 置いて風切る スキー板 』
季語:スキー(冬)
自分自身のことを「飼い主」と表現し、スキー板が外れてしまった様子をユーモアいっぱいに表現しています。スキー板だけが、颯爽と一気に雪山をおりていく光景が想像できます。作者のセンスが素晴らしく、とても楽しい気持ちになる一句です。
【NO.14】
『 キラキラと 粉雪が舞う ゲレンデに 』
季語:ゲレンデ(冬)
「粉雪」とは粉のようにさらさらした細かい雪のことをいいます。スキーを楽しんでいるゲレンデに舞う粉雪が太陽の光をうけてキラキラと光っているのでしょう。宝石のように美しくきれいに輝く粉雪。幻想的な光景が目に浮かびます。
【NO.15】
『 スキー板 はこうとしても にげていく 』
季語:スキー(冬)
スキー初心者の作者。スキー板をはこうとしてもなかなかうまく履くことができないようです。バランスが取れず、スキー板が離れていってしまう様子が想像できます。「にげていく」という表現がとても良いですね。
【NO.16】
『 初スキー 下る八の字 筋肉痛 』
季語:スキー(冬)
初めてスキーをするときに、スキー板を「八の字」になるように意識して滑るようにすると上手く滑ることができるそうです。とはいえ、初めてのスキー。「八の字」を意識しすぎて力が入りすぎてしまうこともあるでしょう。筋肉痛になってしまった作者の気持ちに共感する方も多いのではないでしょうか。
【NO.17】
『 スキー場 冷たい雪が 積もってる 』
季語:スキー(冬)
スキーをしていて感じた雪の冷たさ。作者は、通常の雪よりも冷たいように感じたのかもしれませんね。スキー場に降り積もる雪は「冷たい雪」。とてもシンプルな言葉で、感じたことをそのまままっすぐに表現しています。
【NO.18】
『 雪山で ほっぺた凍る がまんする 』
季語:雪山(冬)
スキー場は山の中にあり、辺り一面に雪が積もっているので通常よりも気温が低いことが多いそうです。気温が低い中で風をきって滑降するスキー。頬が凍ってしまうと感じるほどの寒さなのでしょう。とても楽しいけれど寒い、けれどスキーを楽しみたい!という気持ちが「がまんする」という言葉に込められているように感じます。
【NO.19】
『 ゴーグルに 反射きれいな 雪晴れや 』
季語:ゴーグル(冬)
「雪晴れ」とは、雪がやんで雲一つない青空に恵まれること・空が綺麗に晴れることをいいます。辺り一面真っ白なスキー場に太陽の光が反射しているのでしょう。キラキラきれいに輝くゲレンデが想像できます。
【NO.20】
『 スキー帽に 雪の結晶 かくれんぼ 』
季語:スキー帽(冬)
スキー帽をかぶってスキーを楽しんでいる作者。リフトにのって、上から颯爽と風にのって滑降する姿が目に浮かびます。下についてスキー帽につく小さな雪の結晶に気付いた作者。ニットのすき間に見つけた雪の結晶を「かくれんぼ」という言葉でとても上手に表現しています。
以上、スキーに関する学生向け俳句集でした!
今回は、スキーをテーマに学生さんが詠んだ俳句を20句紹介しました。
「スキー」は「やったことがあるウインタースポーツ」として1位を獲得したこともあるスポーツです。
一時、スノーボードの人気に負けてしまっているような印象もありましたが、最近再び人気を盛り返しているようです。
「スキー」はスピードに乗って滑走することを楽しむ、「スノーボード」は技を決めることを楽しむ等、それぞれ楽しみ方が違うようです。
どちらも雪の世界を存分に楽しめることは同じ。
冬ならではのスポーツ・スキー。皆さんのスキーの思い出、俳句にして楽しんでみてはいかがでしょうか?