俳句は小学校の低学年から習うようになります。
しかし、季節や思い、情景などを十七音で詠むことは意外に難しく、俳句作りに苦戦しているお子さんは多いと思います。
学校の宿題で俳句日記があるんだけど息子のやる気の無さがすごい pic.twitter.com/l0Un0bED9z
— サチヨ🦋 (@sachiyodx2010) January 19, 2015
そこで今回は、そんなお子さんのために「初夏」に詠みたい小学生向けオススメ俳句を20句ご紹介します。
【参考】初夏の季語
日本では季節を二十四に分け、それを「二十四節気(にじゅうしせっき)」と呼んでいます。
夏の三ヶ月は初夏・仲夏・晩夏の三節気に区分され、立夏・小満の期間である五月五日頃~六月五日頃が「初夏」とされています。
初夏の季語には、このような時候があります。
- 初夏(しょか/はつなつ):夏の初めのこと
- 五月(ごがつ):陽暦では五月五日頃に立夏を迎える
- 卯月(うづき):卯の花が咲く月で、陽暦の五月にあたる
- 清和(せいわ):温和で気候が清らかなこと
- 立夏(りっか):二十四節気の一つで、陽暦の五月五日頃
- 小満(しょうまん):二十四節気の一つで、陽暦の五月二十一日頃
- 夏浅し(なつあさし):まだ日が浅い夏のこと
- 夏めく(なつめく):夏らしくなってきたこと
- 薄暑(はくしょ):やや暑さを感じる気候のこと
- 麦の秋(むぎのあき):麦を収穫する初夏のこと
- 五月尽(ごがつじん):五月の最終日のこと
小学生向け!初夏に詠みたいオススメ俳句ネタ【前半10句】
【NO.1】
『 母の日に なんにもしない それがうち 』
季語:母の日(初夏)
お母さんに感謝の気持ちを伝える日だとされている母の日ですが、いつもと変わらない一日を過ごすという素直で飾らない気持ちが詠まれています。
【NO.2】
『 反抗期 カーネーションは 照れながら 』
季語:カーネーション(初夏)
反抗期で上手にコミュニケーションをとれないけれど、大好きなお母さんのために用意したカーネーションを照れながら渡す様子が詠まれている微笑ましい一句です。
【NO.3】
『 母の日に バラの値段に 驚いた 』
季語:母の日(初夏)
カーネーションではなく、バラを贈ろうと奮発した作者の想い、バラの値段を知った時の動揺、お母さんへの感謝の気持ちの流れが素直にバランスよく表現された一句です。
【NO.4】
『 こいのぼり 自由になったら どこへいく 』
季語:こいのぼり(初夏)
大空を悠々と泳ぐ鯉のぼりが、紐で繋がれていることに着眼した素晴らしい一句です。作者が鯉のぼりへ想いを馳せている光景が浮かびます。
【NO.5】
『 初夏の風 ぼくのピアノの 音運ぶ 』
季語:初夏(初夏)
気持ちの良い季節に窓を開けた部屋でピアノを奏でている様子、柔らかな風が吹いている情景が目に浮かぶような爽やかな句です。
【NO.6】
『 筍が ぼくといっしょに のびていく 』
季語:筍(初夏)
成長が早い筍を見つけた少年は、背比べをするかのように作者と筍がすくすくと伸びていく様子が詠われています。
【NO.7】
『 ころもがえ わたしのタンス 姉の服 』
季語:ころもがえ(初夏)
衣替えの後には、小さくなったお姉さんの夏服でいっぱいになった作者の箪笥の様子が描かれています。箪笥にカタカナを用いている所に、嬉しさとお下がりの切なさが見え隠れしているようです。
【NO.8】
『 図書館車 新緑の中 やって来る 』
季語:新緑(初夏)
新しい本を積んだ図書館車が新緑の中を走ってくる様子が詠まれています。爽やかな緑と光は、新たな本との出会いにワクワクする作者の心情を描いているようです。
【NO.9】
『 野良猫も 乾く暇なし 梅雨の入り 』
季語:梅雨の入り(初夏)
雨ばかりが続くお天気に、散歩をすれば雨に濡れてしまう野良猫に憂いた様子を描いている一句です。
【NO.10】
『 手のひらに 初夏の香りと 観覧車 』
季語:初夏(初夏)
目の錯覚を使って、手のひらに観覧車をのせている様子が描かれています。初夏の爽やかな風が吹いている様子と眩しく見える観覧車のコントラストが綺麗な一句です。
小学生向け!初夏に詠みたいオススメ俳句ネタ【後半10句】
【NO.11】
『 ははの日に えがおのお花 プレゼント 』
季語:ははの日(初夏)
何か大きなプレゼントを用意するのではなく、日々の感謝の気持ちとして、最高の笑顔をプレゼントすることにした作者。お母さんへの「ありがとう」と「大好き」が最大限に表現されている可愛らしい句です。
【NO.12】
『 こどもの日 二か月まえは ひなまつり 』
季語:こどもの日(初夏)
子どもたちが楽しみにしている子どもの日とひな祭りのお祝いを詠んでいる句です。男の子と女の子の兄妹(又は姉弟)のお祝いをしている様子が描かれ、とても微笑ましい姿が目に浮かびます。
【NO.13】
『 じめじめと 夏が近づく 梅雨の空 』
季語:梅雨の空(初夏)
「じめじめ」から梅雨の鬱陶しい気分が読み取れる一方で、「夏が近づく」からは真っ青な空や強い日差しを連想できる句で、作者の鬱々とした気持ちと夏への希望が上手に描写されています。
【NO.14】
『 母の日は ホットケーキが 朝ごはん 』
季語:母の日(初夏)
お母さんへの感謝の気持ちを込めて、一生懸命にホットケーキの朝ごはんを作ってプレゼントをした様子が描かれています。お母さんが喜んでくれている笑顔と作者の笑顔が目に浮かんでくるような優しい一句です。
【NO.15】
『 かしわもち 弟三つ 姉一つ 』
季語:かしわもち(初夏)
端午の節句でいただく柏餅ですが、こどもの日を祝う弟には三つあげて、作者(姉)は一つで我慢している姿が可愛らしく描かれています。
数字を使うことで、姉の弟への思いやりや優しさが上手に表現されている一句です。
【NO.16】
『 赤いふく 黄色い水玉 いちごひめ 』
季語:いちご(初夏)
黄色い水玉模様の赤い洋服を着た作者が、まるでいちご姫のような気分になって、スキップをしている様子が浮かんでくるような可愛らしい句です。
【NO.17】
『 生まれた木 地球の赤ちゃん 大きく育て 』
季語:生まれた木(初夏)
生まれたばかりの木や苗木を見つけた作者は、温暖化が進んでいく地球を守ってくれるようにと、木が大きく健やかに育ってくれることを願っている一句です。少子高齢化社会が進む日本において、子どもたちの成長を願う大人のように、作者の深い願いか込められています。
【NO.18】
『 風歌う 自由気ままな あばれんぼう 』
季語:風(初夏)
風は春夏秋冬を表す季語として広く使われていますが、「風歌う」の表現から爽やかな印象を受けます。そのため、よく晴れた青空に吹く強い風が、みずみずしい青葉を揺らしている情景を描いている印象を受ける一句です。
【NO.19】
『 五月雨に 顔をぬらして 笑う君 』
季語:五月雨(初夏)
途切れながら降り続く雨の中、傘を持たず歩く友人と作者は互いの濡れた顔を見て笑い合う二人の微笑ましい様子が描かれています。傘を忘れて登下校している時間さえも、とても尊いと思える作者の心情が伝わるよです。
【NO.20】
『 ほんのりと 香るいちごは 春の色 』
季語:いちご(初夏)
春を連想するパステルカラーが、ほんのりと赤みを帯びてきたいちごと重なり、ふんわりとした甘い香りをも読者に伝えてくれるようです。いちごは初夏の季語ではありますが、「ほんのりと」という表現を用いることで、夏の訪れを示唆しています。
以上、初夏に詠みたいオススメ俳句ネタでした!
十七音の中で季節や思い、情景などを詠むことに躊躇いや戸惑いがあり、難しく構えてしまうお子さんが多くいらっしゃるかもしれません。
しかし、子どもならではの豊かな感性や感情をありのままに表現することで、唯一無二の素晴らしい俳句が出来上がります。
ぜひ、ありのままの感性や言葉を紡いでみてください。