【9月の有名俳句 30選】すごく上手い!!季語を含んだおすすめ俳句作品集を紹介!

 

秋を徐々に感じる「9月」。

 

昼間は夏の暑さがなかなか抜けませんが、夕方になれば肌寒くなります。

 

少し切なくなる季節ですが、そんな季節だからこそ自分の気持ちや景色を俳句に詠んでみたくなります。

 

一段と自分の気持ちに敏感になるこの季節だからこそ詠める俳句もあります。

 

 

そこで今回は、9月の季語を含んだおすすめ俳句を30句紹介していきます。

 

リス先生
ぜひ俳句作りの参考にしてね!それでは、さっそく見ていこう!

 

俳句に9月らしさを出す!9月の季語を知ろう

 

まず、俳句を書く前に確認しなければいけないことがあります。

 

俳句は古くから伝わっている文学だけあってルールが存在します。

 

それは「①5・7・5の17音にする」「②季語を使う」この2つです。

 

①は聞いたことある人も多いと思いますが、②の「季語」と言う言葉はあまり聞いたことない人が多いのでないでしょうか?

 

「季語」とは、俳句で用いられる表現方法の一つで、日本には春夏秋冬と4つの季節があります。この季節にはそれぞれ特徴があります。

 

その特徴を表した言葉…つまりその季節らしい言葉のことを「季語」と言うのです。

 

リス先生
ここで、9月の季語をいくつか紹介していくよ!

 

【九月】

読み方:くがつ

【夜長】

読み方:よなが

意味:夜間が長いこと

【夕月夜】

読み方:ゆうづくよ

意味:月がかかっている夕方

【鈴虫】

読み方:すずむし

説明:夏の終わりから秋にかけて鳴く虫。「リィーンリィーン」という鈴のような美しい音色が特徴

【月見】

読み方:つきみ

意味:月見とは月、主に満月を眺めて楽しむこと

 

リス先生
ほかにも9月の季語には以下のような言葉があるよ!

 

9月の季語【一覧】

 

葉月/仲秋/秋意/八朔/震災忌/風の盆/二百十日/秋の朝/秋の昼/秋の虹/秋夕焼/秋の夜/初月/二日月/三日月/秋の燈/燈火親し/夜学/夜業/夜なべ/夜食/白露/野分/台風/秋出水/世阿弥忌/守武忌/西鶴忌/花野/秋草/秋の七草/薄/撫子/桔梗/女郎花/男郎花/藤袴/葛/葛の花/萩/藍の花/露/虫/松虫/馬追/蚯蚓鳴く/地虫鳴く/蓑虫/蟷螂/芋虫/秋蚕/秋繭/敬老の日/秋場所/月/待宵/名月/良夜/無月/雨月/初潮/秋の潮/枝豆/芋/衣被/芋茎/芋嵐/十六夜/立待月/居待月/宵闇/かな女忌/霧/蜻蛉/秋の蝶/秋の蝿/秋の蚊/秋の蚊帳秋扇/秋日傘/秋袷/秋彼岸/秋分の日/秋遍路/蛇穴に入る/穴まどひ/雁/雁渡し/青北風/鰯雲/牡丹植う/曼珠沙華/鶏頭/早稲/秋の海/秋鯖/太刀魚/秋刀魚/鰯/鮭//鰍/竹の春/竹伐る/草の花/紫苑/蘭/松虫草/龍胆/秋薊/秋桜/吾亦紅/露草/糸瓜/蕎麦の花/鬼灯/唐辛子/秋茄子/生姜/菜虫/胡麻/粟/桃/梨/葡萄/木犀/爽やか/冷やか/秋の水/水澄む/秋団扇/富士の初雪/鯖雲/九月尽

 

リス先生
9月の季語を観察してみると「秋の始まりを告げる言葉」が多いように感じるね!

 

9月の季語を使った有名俳句集【20選】

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ここからは、9月の季語を使った有名俳句を紹介していきます。

 

リス先生
もしかしたら教科書などで目にした俳句もあるかもしれないよ!
ぜひお気に入りの一句を見つけてみてね!

 

【NO.1】野村喜舟

『 裏山に 一つの道や 葛の花 』

季語:葛(くず)の花(秋)

意味:裏山に一つの道があるなぁ。そこに咲いている葛の花がある。

俳句仙人
裏山のひっそりとある一つの道に静かに咲く葛の花は、儚げで美しいことでしょう。

 

【NO.2】岩田涼菟

『 椽側に さし入る月や 蘭の花 』

季語:蘭の花(秋)

意味:縁側に月の光が差し入っている。目の前には蘭の花が咲いている。

俳句仙人
秋に見る月はお月見があるくらい美しいです。そこに白とピンクの蘭の花が有れば、なお幻想的な雰囲気になることでしょう。

 

【NO.3】山口青邨

『 縁側の 一番端の 月見かな 』

季語:月見(秋)

意味:縁側の一番端から見える月を見て月見をしている。

俳句仙人
縁側からまったりとお酒でも飲みながらする月見は心も体も満たされますね。

 

【NO.4】小林一茶

『 鶏頭(けいとう)が 立往生を したりけり 』

季語:鶏頭(秋)

意味:鶏頭が立ったまま往生したように枯れている。

俳句仙人
鶏頭とは鶏の頭に似ている赤色の花なのですが、立ちながら枯れている様子を読んだ少し切ないながらも美しい句です。

 

【NO.5】星野立子

『 コスモスの 花ゆれて来て 唇に 』

季語:コスモス(秋)

意味:コスモスの香りを嗅ごうと思い顔を近づけたら風で花が揺れて唇に着いた。

俳句仙人
コスモスが風で揺れて思わずキスをしてしまう可愛らしい句ですね。この句を読むと思わず笑顔が溢れてしまいます。

 

【NO.6】臼田亞浪

『 旅の日の いつまで暑き 彼岸花(ひがんばな) 』

季語:彼岸花(秋)

意味:旅をしている日々だが、いつまで暑いのだろうか、彼岸花はもう咲いているのに。

俳句仙人
旅は暑い中、歩かなくてはならないので夏は大変そうです。早く涼しい日が来て欲しいですね。

 

【NO.7】正岡子規

『 野分の夜 書読む心 定まらず 』

季語:野分(秋) ※現代で言われる「台風」のこと

意味:台風の夜は、風が吹いて家が壊れたりしないかと不安になり、本に集中ができない。

俳句仙人
台風の夜はガタガタと音が鳴って本を読もうと思ってもなかなか集中できません…テストの数日前に台風が来て勉強に集中ができなかったことを思い出します。

 

【NO.8】加賀千代女

『 三日月に ひしひしと物の 静まりぬ 』

季語:三日月(秋)

意味:三日月をみてひしひしという廊下を歩く足音が静まった。

俳句仙人
三日月にはみんな見とれてしまって思わず歩く足を止めてしまったのでしょう。

 

【NO.9】正岡子規

『 夜をこめて 麦つく音や きりぎりす 』

季語:きりぎりす(秋)

意味:まだ夜が開けないころの暗いうちに麦つきの歌ときりぎりすの鳴き声が響いている。

俳句仙人
麦つきとは臼 (うす) で麦をついて精白するときに歌う仕事歌のことです。朝早いうちから働く農業の人はまだ暗いうちに働いていて本当にかっこいいです。

 

【NO.10】向井去来

『 眠たる 目をあらはばや 秋の水 』

季語:秋の水(秋)

意味:眠い目を覚まそうと水で目を洗ったら水の冷たさに秋を感じた。

俳句仙人
秋を感じる瞬間は、紅葉や月だけでなく、水という何気ないところからでも感じられます。

 

 

【NO.11】松尾芭蕉

『 秋深き 隣は何を する人ぞ 』

季語:秋深き(秋)

意味:秋が深くなってきたが、隣の人は何をしている人なのだろうか。

俳句仙人
この句は作者の晩年に詠まれた句で、体調不良で句会を欠席した際に詠まれたものです。隣の人は何をしているのだろうという寂しさを、「秋深き」という余韻の残る表現で表しています。

【NO.12】松尾芭蕉

『 あかあかと 日はつれなくも 秋の風 』

季語:秋の風(秋)

意味:あかあかと輝く太陽はつれないが、秋の風が吹いてきた。

俳句仙人
残暑が厳しい中で、ふと吹いてきた風が秋の雰囲気を漂わせている様子を詠んでいます。「あかあかと」という表現からかなり日差しが辛いことが伺える面白い句です。

【NO.13】小林一茶

『 名月を 取ってくれろと 泣く子かな 』

季語:名月(秋)

意味:あの名月を取ってくれと泣く子がいるなぁ。

俳句仙人
この句は作者が自分の子供を背負っている時の様子を詠んだ一句です。背負われながら空を見上げて、無邪気にあの月が欲しいと泣く子供を微笑ましく感じています。

【NO.14】夏目漱石

『 あるほどの 菊投げ入れよ 棺の中 』

季語:菊(秋)

意味:ここにあるほどの菊を投げ入れてくれ、あの人の眠る棺の中に。

俳句仙人
この句は作者が婿養子候補となっていた女性の葬儀について詠まれています。結婚相手になっていたかもしれない女性の死を悼み、菊の花を手向けている様子です。

【NO.15】山口誓子

『 突き抜けて 天上の紺 曼珠沙華 』

季語:曼珠沙華(秋)

意味:突き抜けるような天上の紺色の空に向かって、曼珠沙華の花が咲いている。

俳句仙人
天上の紺色と曼珠沙華の赤色を対比させた句です。「突き抜けて」が空の高さと、空に向かって花を咲かせる曼珠沙華の両方に掛かっています。

【NO.16】飯田蛇笏

『 おりとりて はらりとおもき すすきかな 』

季語:すすき(秋)

意味:折って取ってみると、はらりと重いススキであることだ。

俳句仙人
全てひらがなで書かれているのが特徴的な俳句です。穂を垂れるススキを折ってみると重かった、という事実もひらがなの効果でどこか軽やかに感じます。

【NO.17】中村草田男

『 秋の航 一大紺 円盤の中 』

季語:秋(秋)

意味:秋の航海だ。周りは全て紺色の海で、まるで円盤の中を進んでいるように感じる。

俳句仙人
全て名詞で止めているのが印象的な一句です。周りに島影などが無く、まるで紺色の円盤の中を進んでいるような錯覚をよく表現しています。

【NO.18】三橋鷹女

『 この樹登らば 鬼女となるべし 夕紅葉 』

季語:紅葉(秋)

意味この見事な紅葉している樹を登ったなら、私もかの鬼丸紅葉のようになるのだろう。

俳句仙人
「鬼女紅葉」という伝説と、見事に赤く染まった紅葉を掛けた一句です。今にも鬼女が出てきそうなほど赤い紅葉に感動しています。

【NO.19】橋本多佳子

『 星空へ 店より林檎 あふれをり 』

季語:林檎(秋)

意味:星空に向かって店からあふれたリンゴが積み上がっている。

俳句仙人
青果店の店頭で積み上げられたリンゴと、その先にある星空を詠んだ絵画のような一句です。星明かりに照らされたリンゴの赤色が見えるようです。

【NO.20】中村汀女

『 あはれ子の 夜寒の床の 引けば寄る 』

季語:夜寒(秋)

意味:可愛いわが子が秋の終わりごろの寒さの夜に寝ている。布団を引っ張ればこちらに寄ってきた。

俳句仙人
「あはれ」とは「可愛い」という意味で使われています。少し寒い夜に子供が布団を乱していたのか、引っ張ったところこちらに寄ってきたと可愛らしい様子を詠んだ句です。

 

こんな俳句もある!一般オリジナル俳句集【10選】

 

ここからは、一般の方が詠んだ俳句作品を紹介していきます。

 

リス先生
上手な俳句がたくさんそろっているよ!

 

【No.1】

『 見送りて よりコスモスの 立ち話 』

季語:コスモス(秋)

意味:お客様を見送ろうと一緒に外へ出たがコスモスの前で立ち話をしてしまう。

俳句仙人
私も楽しいとついつい帰り道でも立ち話をしてしまいます。コスモスの前というのが何気ない日常に彩りを添えていて素晴らしい句です。

 

【No.2】

台風の あとの梯子(はしご)は 濃き影す 』

季語:台風(秋)

意味:台風の後は空がよく晴れて梯子の影はより濃く影を残す。

俳句仙人
台風の後の晴天は梯子の影すらもよりはっきり濃く映し出します。しっかり情景を読み取った一句です。

 

【No.3】

台風の 近づく町に 眠りけり 』

季語:台風(秋)

意味:台風が近づいてきている町でねむっている。

俳句仙人
台風で大変なことにならないか不安になりながら眠っている作者の様子が浮かんできます。大丈夫だと良いのですが…。

 

【No.4】

大切な 話九月の 冷奴 』

季語:九月(秋)

意味:大切な話を九月に冷奴を食べながらしている。

俳句仙人
冷奴をお互いに食べながら大切な話をしんみりとしている様子が伝わってきます。

 

【No.5】

葡萄(ぶどう)来る 正しく箱に 収められ 』

季語:葡萄(秋)

意味:葡萄が届いた。規則正しく綺麗に箱に収められていた。

俳句仙人
旬の果物をもらうと箱の中に綺麗に収められていて、可愛らしくより美味しそうに見えます。

 

【No.6】

葡萄食ふ 口の大きさ 揃ひけり 』

季語:葡萄(秋)

意味:葡萄を食べる時の口の大きさがみんな同じで揃っている。

俳句仙人
家族みんなで葡萄を食べている様子が浮かんでとても微笑ましく感じました。

 

【No.7】

見つめれば しきりに走る 秋の雲 』

季語:秋の雲(秋)

意味:じっと空を見つめていると雲がしきりに走っているように見える。

俳句仙人
雲を止まってじっと見つめていると動いているように見えます。秋はそれがより一層速く見えます。作者の観察力に感動しました。

 

【No.8】

のびのびと はみ出してゐる 秋刀魚かな 』

季語:秋刀魚(秋)

意味:秋刀魚を食べようとお皿に置くと伸び伸びとはみ出している。

俳句仙人
秋になると一際大きくなる秋刀魚。お皿からもはみ出してしまうその大きさに思わずお腹がなってしまいそうです。

 

【No.9】

もとめれば 逃げていきそな 秋の空 』

季語:秋の空(秋)

意味:秋の空は求めれば逃げていきそうなほど儚げである。

俳句仙人
秋の寒さとすんだ空気の空を逃げていきそうだと表現しているところに心を打たれました。

 

【No.10】

ふと夫に 寄りそうてみる 秋の雲 』

季語:秋の雲(秋)

意味:気温も寒くなってきて人肌恋しくふと夫に寄り添ってみる。空には秋の雲が出ている。

俳句仙人
秋になると寂しくなって人肌恋しくなります。そんな時にふと夫へと寄りかかる作者にキュンとしました。

 

以上、9月のオススメ俳句(有名俳句+一般俳句)を30選でした!

 

 

俳句仙人
9月は昔の俳人が愛した季節、秋の始まりを告げる月です。お盆も過ぎてだんだん落ち着いてくるこの時期だからこそ、新たなことに挑戦してみるのも良いかもしれません。

リス先生
ぜひ9月のうちに俳句を一句詠んでみてね!

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