「空の暴君」と表現されるほど、大きな被害をもたらすことが多い台風。
台風は大正時代にできた造語で、少し難しい漢字ですが「颱風」とも書きます。
俳句の世界では「9月」「仲秋」の季語として位置づけられています。
今日は仲秋の名月。台風接近でそれどころじゃないですな。気分だけでもと、団子他を並べてみた pic.twitter.com/m5n0Tgb
— ケロヲル (@kerohru) September 30, 2012
今回は、「台風」をテーマにしたオススメ俳句を20句ご紹介します。
小学生向け!台風をテーマにした俳句ネタ【10句】
【NO.1】
『 台風が 海をねじって やってきた 』
季語:台風(秋)
台風の威力の凄さを「海をねじって」と表現しています。大きな海をねじってしまうほどの台風。とても表現が上手く、光景が目に浮かびます。「ねじる」という言葉を選んだ作者のセンスが素晴らしいです。
【NO.2】
『 台風で おぼえた漢字 飛んでった 』
季語:台風(秋)
台風の凄さをユーモアを交えながら、とても上手に表現しています。一生懸命覚えた漢字が頭の中から飛んでいくほどの衝撃、凄まじい台風だったのでしょう。「飛んでった」という言葉が可愛らしいですね。
【NO.3】
『 台風の 音に家族は 身をよせて 』
季語:台風(秋)
台風の時に耳に入るさまざまな音は、とても恐怖を感じます。台風の音に怯える家族の様子がとても上手に表現されています。「身をよせて」という言葉に家族の絆を強く感じます。
【NO.4】
『 野菜らの 被害気になる 台風や 』
季語:台風(秋)
育てている野菜の様子が気になるのでしょう。凄まじい勢いの台風を目の当たりにし、野菜たちに被害がないか…とても心配している様子が伝わります。日頃からとても大切に野菜を育てている作者の姿が目に浮かびます。
【NO.5】
『 台風や 水噴き上げる 路面かな 』
季語:台風(秋)
台風の影響により、マンホール等から水が噴き上げてしまっている様子を詠んでいます。そのような大きな被害がでてしまうほど、強い威力の凄まじい台風なのでしょう。恐怖を感じる光景が想像できる一句です。
【NO.6】
『 風強し 来るか来ないか 台風よ 』
季語:台風(秋)
風が段々と強くなってきている様子を表現しています。大きな台風がやって来るのか、来ないのか。風や空の様子を見ながら心配している作者の姿が目に浮かびます
【NO.7】
『 風が吹く いよいよ来るぞ 台風が 』
季語:台風(秋)
台風の前兆のような風が吹き始めたのでしょう。「いよいよ来るぞ」と台風に備えて準備をしている作者の姿が想像できます。大きな被害が出ないことを祈りながら、空の様子や状況を見ていることでしょう。
【NO.8】
『 台風で 杉のにおいの 登校路 』
季語:台風(秋)
台風が通り過ぎた後の様子でしょうか。作者が登校途中で感じた「杉のにおい」を詠んだ一句です。街中をかき乱し、多くの木々を倒しながら暴れまわった台風の置き土産なのかもしれませんね。
【NO.9】
『 台風は 何も恐れず 進んでく 』
季語:台風(秋)
怖いものは何もないように凄まじい勢いで暴れまわる台風。「何も恐れず」どんどん進んでいく台風の強い威力をとても上手に表現しています。万全の準備をし、後はただただ静かに台風の様子を見守るしかないような光景が想像できます。
【NO.10】
『 台風が きれいな夕日 連れてきた 』
季語:台風(秋)
猛威を振るった台風。台風が過ぎ去ったあとに空一面に広がった「きれいな夕日」は、台風が「連れてきた」ものだと表現しています。ついマイナス的に捉えてしまう台風を、「きれいな夕日を連れてきてくれた」とプラスに捉えている作者。とても素敵で心地良い一句です。
中学生向け!台風をテーマにした俳句ネタ【10句】
【NO.11】
『 台風が 白波蹴散らし 渡ってく 』
季語:台風(秋)
「白波」とは、あわだって白く見える波のことです。台風の影響で、海が荒れ、波がかき乱され泡立ってしまっているのでしょう。「白波蹴散らし」という言葉から、台風の凄まじい威力を強く感じます。
【NO.12】
『 台風が 壊したハウス 建て直す 』
季語:台風(秋)
作者のお家にあるビニールハウスの様子でしょうか。強い威力の台風により、壊れてしまったハウスを一生懸命建て直す作者の様子が目に浮かびます。ハウスをも簡単に壊してしまうほどの台風の威力がとてもよく伝わります。
【NO.13】
『 台風禍 コスモス揺れて 倒れ伏す 』
季語:台風禍(秋)
「台風禍」とは、台風によって引き起こされる災害のことをいいます。台風の影響により、花壇のコスモスが強い風に吹かれ大きく揺れている様子が想像できます。凄まじい勢いでなぎ倒されてしまったコスモスの様子はとても切なく悲しいものだったことでしょう。
【NO.14】
『 9月末 迫る台風 明日憂鬱 』
季語:台風(秋)
台風が近づいてきている様子を詠んでいます。9月末にやってきた台風。作者は何か予定があったのかもしれませんね。「明日憂鬱」という言葉から、作者の心はどんよりとした重い気持ちであることを感じます。
【NO.15】
『 台風に コロッケつくる 私の手 』
季語:台風(秋)
これからやってくる台風に備えて、先に食事の準備をしているのでしょう。大きな被害が出ないことを祈りながら、ご家族皆でコロッケを作っている様子が目に浮かびます。
【NO.16】
『 もう来るな 空の暴君 台風よ 』
季語:台風(秋)
凄まじい威力で暴れまわり、街中をめちゃくちゃにした台風を「暴君」と表現しています。「暴君」とは、勝手気ままに振る舞う横暴な人、という意味があり、作者にとって台風は、暴君そのものだったのでしょう。「もう来るな」という作者の強い想いから、台風の被害の大きさを感じます。
【NO.17】
『 台風は 予定くるわす 風物詩 』
季語:台風(秋)
台風といえば、「人々の全ての予定を狂わしてしまう風物詩である」と、とても上手に表現しています。「風物詩」という言葉の選び方がとてもセンスが良いです。
【NO.18】
『 台風や 暑さ連れ去る 秋の風 』
季語:台風(秋)
台風は、7~10月にかけて最も多いといわれています。夏の終わりごろにやってきた台風。大暴れしたその勢いで、夏の暑さも一緒に連れ去ってしまったのでしょうか。夏から秋へ、季節が変わってしまうほどの威力の台風だったのかもしれませんね。
【NO.19】
『 台風に 風鈴忘れ たるを知る 』
季語:台風(秋)
台風の影響により、猛烈な風に吹かれて揺れる風鈴。激しく鳴る風鈴の音に、風鈴を片付け忘れてしまったことに気づいた様子を詠んでいます。もうどうすることもできない風鈴は、ずっと激しく鳴り続けていたことでしょう。
【NO.20】
『 台風の 朝も律義に 鶏が鳴く 』
季語:台風(秋)
凄まじい勢いの台風が猛威を振るう中でも、「朝も律義に」鳴いている鶏。「律義に」という表現がとても上手で、ユーモアを交えながら、良いアクセントになっているように感じます。
以上、台風をテーマにしたオススメ俳句ネタでした!
台風は、熱帯低気圧の一種です。
その熱帯低気圧は世界中のいろいろなところで生まれるため、発生した地域によって呼ばれ方が異なります。
太平洋西部では「タイフーン(typhoon)」、「カリブ海周辺ではハリケーン(hurricane)」、インド洋や南太平洋西部では「サイクロン(cyclone)」と呼ばれています。
同じ台風でも、風速や発生した地域で名前が変わる等、興味深いですね。
「空の暴君」と表現されるほど、大きな被害をもたらすことが多い台風。発生しないことを願うばかりです。