【梅に関する俳句集 20選】小学生&中学生におすすめのネタ!!季語を含むものを紹介

 

梅は春の初めを象徴する季語です。

 

2月から3月にかけて咲き、春の先駆けとして木々を色付かせます。

 

梅の花には冬の終わりである「晩冬」の咲くか咲かないかという時期の季語と、春の初めである「初春」の梅の花が咲いている時期の季語があります。春告草や好木草など、異名が多いのが特徴です。

【参考】梅に関連する季語一覧

  • 晩冬…冬の梅、寒梅、探梅
  • 初春…梅、梅の花、白梅、紅梅、梅の香、春告草、好文木、匂草

 

今回は「梅の花」にテーマをしぼって、学生向けのオリジナル俳句を20句ご紹介していきます。

 

リス先生
ぜひ俳句作りの参考にしてね!

 

小学生向け!梅を題材にした俳句作品ネタ【10選】

 

リス先生
まずはおすすめ俳句を10句紹介していくよ!

【NO.1】

『 梅ふふむ 今日も明日も 明後日も 』

季語:梅(春)

意味:梅の花のつぼみがふくらんでいる。今日も明日も明後日もふくらんだまま、いつか花を咲かせるだろう。

俳句仙人

「ふふむ」とは花のつぼみがふくらんでいる状態のことです。花は一朝一夕では咲きませんが、それでもいつかは開花します。その「いつか」が「今日も明日も明後日も」という時間経過の繰り返しに掛かっている句です。

【NO.2】

『 理科室の フラスコに挿す 梅一輪 』

季語:梅(春)

意味:理科室のフラスコに梅の枝が一輪挿してある。

俳句仙人

一輪挿しの花瓶ではなくフラスコという、学校でのやり取りを思い起こされせる俳句です。梅の枝を持ってきたのは教師か生徒か、整然としている理科室に花をいけようとする心意気が感じられます。

【NO.3】

『 飼い犬に 紅梅(こうばい)の香を 嗅がせたり 』

季語:紅梅(春)

意味:飼い犬にこれが紅梅の香りだよと嗅がせてみた。

俳句仙人

犬は好奇心旺盛かつ嗅覚に優れるため、匂いを嗅ぎたがります。白梅でも成立する句ですが、敢えて紅梅と表現することにより、鮮やかな春の香りを飼い犬に教えたい飼い主と、飼い主が持っているものが気になる飼い犬という微笑ましい光景が浮かぶ一句です。

【NO.4】

『 紅梅や 小さき花粒 金平糖 』

季語:紅梅(春)

意味:紅梅が咲いている。小さい花の粒がまるで金平糖のように見えることだ。

俳句仙人

梅の花は1cmから3cmと小さく、遠くから見るとまるで色のついた粒のように見えます。この句ではそんな花を金平糖と例えていて、粒と金平糖という上手な言葉選びをしている表現です。

【NO.5】

『 一輪の 梅の香りし 茶席かな 』

季語:梅の香(春)

意味:一輪の梅が活けられている。香りがただよう茶席であることだ。

俳句仙人

茶の湯の茶会では、季節の花が活けられます。この茶席は春の初めに行われたため、梅が活けられていますが、たくさんの梅ではなくたった一輪の梅というところが、いっそう香りが際立つ表現です

【NO.6】

『 紅梅の 木の枝じぐざぐ 迷路みたい 』

季語:紅梅(春)

意味:紅梅が咲く木の枝はじぐざぐした形だ。まるで迷路みたい。

俳句仙人

梅の枝は桜や桃と比べてじぐざぐした形をしているのが特徴です。枝自体が絡み合っているわけではありませんが、梅林を遠くから見たら枝の伸び方が迷路に見えるかもしれません。

【NO.7】

『 白梅や 千年前も ここに人 』

季語:白梅(春)

意味:白梅が咲いている。千年前にもここに人が住んでいたのだなぁ。

俳句仙人

梅は万葉集など古い和歌から詠まれ続けている題材です。千年の都といえば京都ですが、かつての人の営みを思い起こしていることから奈良の平城京跡で詠まれた句でしょう。

【NO.8】

『 路線バス 高き座席や 探梅(たんばい)行 』

季語:探梅(冬)

意味:路線バスの高い座席に座ろう。バスの中から梅の花を探す旅だ。

俳句仙人

探梅とは、梅林で梅の花を観賞して歩くことです。路線バスにはタイヤの上や1番後ろの席など、高くなっている席があります。外の風景が見渡しやすい席に座って、道すがら梅の花を探す遊びは春の初めにしかできない遊びです

【NO.9】

『 探梅(たんばい)の 小さき先客の 足跡 』

季語:探梅(冬)

意味:梅の花を探していると、小さい先客の足跡がある。

俳句仙人

春の初めにぬかるんだ土か、残雪のある土か、想像が広がります。小さな先客とは猫を想像しますが、地域によってはタヌキなど他の小動物かもしれません。

【NO.10】

『 砂利を踏む 巫女(みこ)の足音 冬の梅 』

季語:冬の梅(冬)

意味:砂利を踏む巫女の足音がする。神社に咲く冬の梅よ。

俳句仙人

梅は樹によってまだ冬の時期に咲くものもあります。巫女さんの足音がするというのとは、お正月もあけてすぐの出来事でしょうか。砂利の音しかしかない静謐な空間が思い浮かびます

中学生向け!梅を題材にした俳句作品ネタ【10選】

 

リス先生
ここからは残りの10句を紹介していくよ!

【NO.1】

『 白梅の 闇にふくらみ ありにけり 』

季語:白梅(春)

意味:白い梅のつぼみが夜の闇に、まるで白い何かのふくらみのようにあることだ。

俳句仙人

夜の闇に白いふくらみが浮かび上がっている幻想的な句です。ふくらみと思ったものが近づいてみたら白い梅のつぼみであったという経過が「ありにけり」という表現から読み取れます。

【NO.2】

『 ゆれる木に 鳥のいるらし 梅ばやし 』

季語:梅(春)

意味:揺れているあの木には鳥がいるらしい。梅林のできごとだ。

俳句仙人

鳥が花をついばんでいると、枝が揺れます。遠目からでは鳥の姿は枝と花で見えませんが、風もないのに揺れている木を見て鳥の存在を感じ取る写実的な表現です。

【NO.3】

『 一抹の 侘び心あり 梅に雨 』

季語:梅(春)

意味:花を散らしてしまう雨だが、ほんの少しだけ侘びの心を感じる梅の咲く時期の雨だ。

俳句仙人

雨は花を散らしてしまうほか、花が水を吸って重くなり花びらが下を向いてしまうなど、花見には適しません。そんな雨でも、しとしとと降る中で重たげに咲いている花に侘びの心を見出す、詩的な表現です。

【NO.4】

『 真青なる 湖北の空や 梅二月 』

季語:梅(春)

意味:真っ青な琵琶湖の空だ。梅が咲いている2月だなぁ。

俳句仙人

湖北とは琵琶湖の北東部の地域です。真っ青な空が映る湖面と、青い空と湖面に映える梅の花の対比が、絵画のように美しい一句になっています

【NO.5】

『 おみやげの 梅は落雁(らくがん) 紅と白 』

季語:梅(春)

意味:お土産の梅は梅の花ではなく、紅白の梅の形の落雁だ。

俳句仙人

落雁とは、米などのでんぷん質の粉に水飴などを混ぜて固めるお菓子です。季節のものをかたどった落雁が多く、初春の雰囲気を感じさせる紅白の梅の落雁が登場しています

【NO.6】

『 梅の香を 裏返したる 絵馬の風 』

季語:梅の香(春)

意味:梅の香りがする風が、絵馬を裏返している。

俳句仙人

倒置法を使用した俳句です。絵馬を裏返すほどの強い風が印象付けられるとともに、それほど強い風にのって漂ってくる梅の花の香りが感じられます。

【NO.7】

『 そこだけが 暮れ残りゐて 梅白し 』

季語:白梅(春)

意味:花が咲いているそこだけが、日が暮れ残っているような梅の花の白さだ。

俳句仙人

夕闇にほんのりと白く浮かぶ梅の花を、「日が暮れ残る」という独特の表現で表した叙情的な表現です。「梅白し」を最後に持ってくることで、梅の花の白さが際立っています。

【NO.8】

『 梅の香や 明の三日月 冴え冴えと 』

季語:梅の香(春)

意味:梅の香りがするなぁ。明け方の三日月が冴(さ)えざえと輝いている。

俳句仙人

三日月と詠んでいますが、三日月は朝9時頃に月の出を迎え、21時頃に沈みます。そのため、ここで詠まれている月はおそらく三日月の逆、二十六夜月と呼ばれる月でしょう。

【NO.9】

『 在りそうな 場所は最後に 探梅行 』

季語:探梅(冬)

意味:梅の花がありそうな場所の心当たりの最後にようやく見つけた、梅を探す行程であることよ。

俳句仙人

いくつか梅が咲いていそうな場所を絞り込んで探していたのに見つからず、ここが最後と思った場所に咲いていたときの句です。ようやく見つけた嬉しさと、最初からここに来ていればなぁという思いが「在りそうな」という表現から見て取れます

【NO.10】

『 見覚えの 道の細りて 探梅行 』

季語:探梅(晩冬)

意味:見覚えのある道が去年より細くなっている、梅を探す道行だ。

俳句仙人

下草が増えたのか、何らかの要因で道が塞がっているのか、毎年のように梅を探している野山での出来事です。道は細くなっていますが、その先から見覚えのある梅の花が出てくる様子が浮かんできます。

 

以上、梅を題材にして詠んだオススメ俳句でした!

 

 

香りを称えたものや、梅の花を探して野山を巡る探梅など、他の花にはない季語が多いのが梅の特徴です。

 

俳句仙人

梅の花を見かけたら、春の訪れについてぜひ一句詠んでみてください。