入学式や卒業式・教室での授業・実験・ランチタイム・掃除・部活動・課外活動・文化祭・体育祭・修学旅行などなど…、学校でのさまざまな日常の生活シーンはたくさんあります。
沢山ある中で「学校生活とは?」といわれたら、個々それぞれ、思い浮かべるシーンが違うことでしょう。
今回は、【学校生活をテーマにした俳句30選】と題し、様々な「学校生活」でのシーンを題材に表現した俳句を30句紹介していきます。
中学で考えた俳句
千利休になれるかも pic.twitter.com/tPba3vCB62— むかいきょうた (@ANntwUod4WxvicR) July 24, 2016
目次
中学生向け!学校生活をテーマにした俳句作品集【前編10句】
【NO.1】
『 秋空に 君が輝く 体育祭 』
季語:体育祭(秋)
「君」は作者が想う人なのかもしれませんね。体育祭の間、「君」の姿を追いかける作者の姿が目に浮かぶようです。誰よりも輝く「君」はきっととても素敵な人なのでしょう。
【NO.2】
『 梅雨空に ため息ひとつ 登校す 』
季語:梅雨空(夏)
梅雨の時期の登校の様子を詠んでいます。どんよりとした重い空、このような天気では、気持ちも下がってしまいますね。「ため息ひとつ」という言葉から作者の想いがとてもよく伝わる、表現が上手な一句です。
【NO.3】
『 数学が 終わればうれし 風薫る 』
季語:風薫る(夏)
作者は数学があまり好きではないのかもしれませんね。「終わればうれし」に、作者の気持ちがそのまままっすぐ表現されています。数学が終わり、心地良く穏やかな風が吹き抜け、さらに気分も良いことでしょう。
【NO.4】
『 テスト後の 雲一つない 夏の空 』
季語:夏(夏)
テストが終わった後のすがすがしい気持ちを表現しています。「終わった!」という解放感を、「雲一つない」すっきりとしたきれいな空につなげています。とても表現が上手で素敵な一句です。
【NO.5】
『 炎天下 ラケットすぶり 今日は打つ 』
季語:炎天下(夏)
夏の時期の部活動の様子でしょうか。炎天下の中、一生懸命ラケットをすぶりして気合を入れて練習に励む作者の姿が想像できます。「今日は打つ」という力強い言葉から、作者の勢いがまっすぐに伝わってきます。
【NO.6】
『 ユニフォーム 戻れぬ夏の においする 』
季語:夏(夏)
部活動のユニフォームを懐かしく見ているのでしょうか。作者は、夏で引退した学年なのかもしれませんね。ユニフォームから思い出深い夏の香りを感じているのでしょう。「もっと続けたい」、作者の想いがとてもよく伝わる一句です。
【NO.7】
『 体育祭 準備で十分 あせまみれ 』
季語:体育祭(秋)
体育祭の準備の様子を詠んでいます。体育祭に向けて、一生懸命準備したのでしょう。汗まみれになりながら準備している作者の姿が想像できます。「準備で十分」という作者の言葉が、とても面白い一句です。
【NO.8】
『 汗だくの 相手と争う リバウンド 』
季語:汗(夏)
バスケットボールの試合の様子でしょうか。「汗だく」になりながら、一生懸命ボールを追いかける作者の姿が想像できます。「相手と争う」という言葉から、試合の場面の緊迫感を感じる一句です。
【NO.9】
『 運動会 予行は一位 本番ビリ 』
季語:運動会(秋)
運動会での様子を詠んだ一句です。ユーモアたっぷりに予行練習と本番の違いを表現しています。ビリでも、クラス皆で大笑いしているような光景が目に浮かびます。とてもリズムの良い句で、詠んでいてとても気持ちが良いです。
【NO.10】
『 制服も 桜咲いたら さようなら 』
季語:桜(春)
3年間毎日お世話になった制服への想いを表現しています。「桜咲いたら」という、開花の喜びと共に別れの悲しさ、寂しさがやってくる。なんとも切ない気持ちになる一句です。「さようなら」という言葉から、作者の感謝の想いと寂しい気持ちが感じ取れます。
中学生向け!学校生活をテーマにした俳句作品集【中編10句】
【NO.11】
『 ワイシャツに 涼風ためて 通学路 』
季語:涼風(夏)
夏の時期の通学の様子でしょうか。日中はまだまだ暑い日が続く中、朝晩は心地良い涼しい風が吹き始めていることをとても上手に表現しています。「ワイシャツに涼風をためて」という表現がとても素敵で、光景が目に浮かぶようです。
【NO.12】
『 文化祭 準備楽しい 花飾り 』
季語:文化祭(秋)
文化祭が近いのでしょう。クラスでわいわい楽しく準備している光景が想像できます。文化祭本番よりも事前準備の方が楽しくて思い出深い出来事なのでしょうね。
【NO.13】
『 水筒に 集まる蟻も 体育祭 』
季語:体育祭(秋)
暑い時期の体育祭の様子を詠んでいます。たくさん水分を補給しながら盛り上がっているのでしょう。「集まる蟻も」というフレーズから、暑さをより強く感じることができる一句です。
【NO.14】
『 夕立や 飼育当番 一人きり 』
季語:夕立(夏)
飼育当番を一人で頑張っていた作者。夕立があり、とても切なく悲しい気持ちになっていることが伝わる一句です。「一人きり」という言葉はインパクトがあり、光景をとても上手に表現しています。
【NO.15】
『 青空を 使い放題 運動会 』
季語:運動会(秋)
とても気持ち良く晴れたきれいな空の中で運動会が行われたのでしょう。「使い放題」という言葉の表現がとても上手です。すっきりと晴れた空の様子が想像できる一句です。
【NO.16】
『 グローブの すき間から見る 夏の雲 』
季語:夏(夏)
夏の時期の部活動の様子を詠んでいます。暑い中、練習を一生懸命頑張っている作者の姿が想像できます。ふと、グローブを空に掲げた時、とても美しい空ときれいな雲がみえたのでしょう。すっきりと晴れ渡る夏の空は作者に元気をくれたかもしれませんね。
【NO.17】
『 炎天下 応援の声 叫ぶ声 』
季語:炎天下(夏)
試合等での応援の様子でしょうか。炎天下の中での心をこめて一生懸命応援している姿はとても素敵ですね。必死に叫ぶ応援団の力強い想いは、きっと選手たちにしっかりと届いたことでしょう。
【NO.18】
『 日焼けして やきとりみたいな うでの色 』
季語:日焼け(夏)
夏の時期、部活動等で日焼けしたのでしょうか。腕の色は、作者が頑張った証ですね。「やきとりみたいな」という言葉は、作者の腕の色がよく分かるとてもユーモアのある上手な表現です。
【NO.19】
『 夕立や 部活に燃える 泥男子 』
季語:夕立(夏)
部活動を頑張っている男子生徒の姿を詠んでいます。夕立の中でも、やめることなく、雨と土でどろどろになりながらも一生懸命練習をしている光景が目に浮かびます。「泥男子」という表現がとても上手な一句です。
【NO.20】
『 騎馬戦の 姿凛々しき 体育祭 』
季語:体育祭(秋)
体育祭での騎馬戦の様子を詠んだ一句です。騎馬戦は、体育祭のメインイベントともいわれる競技ですね。「姿凛々しき」という言葉に、騎馬戦に出場している生徒の勇ましさや格好良さが集約されています。白熱した戦いだったことでしょう。
中学生向け!学校生活をテーマにした俳句作品集【後編10句】
【NO.21】
『 何年何組でもない 春休みの黒板 』
季語:春休み(春)
春休みはクラス替えや学年移動が行われるため、黒板も「何年何組」のものでは無くなります。春休みが終わり、入学式や卒業式を経てはじめて黒板は「何年何組」と書かれ、日直の名前や授業内容が書かれるのです。
【NO.22】
『 蝉の声 夏の教室 にぎやかに 』
季語:蝉(夏)
暑くて教室の窓を開けているのでしょうか。セミの大合唱が夏の教室の中に飛び込んできて賑やかに音を立てています。「にぎやかに」という表現から、先生の授業の内容が聞こえているのか不安になってくる一句です。
【NO.23】
『 雪止んで 体育の授業 雪合戦 』
季語:雪合戦(冬)
雪がやんだため、体育の授業が急遽雪合戦に変わったと楽しんでいる一句です。雪があまり降らない地方では、雪が降ると授業が雪遊びに変わることがあります。この句でも雪合戦を行っているので、存分に楽しんだことでしょう。
【NO.24】
『 追い込みの 課外授業や 冬休み 』
季語:冬休み(冬)
受験に向けて追い込みの課外授業をする冬休みの様子を詠んだ句です。冬休みが終わるとどの年代も受験シーズンに突入します。「課外授業」とあるため学校で補講をしてくれているのでしょう。年末年始返上の様子が「追い込みや」という表現から伝わってきます。
【NO.25】
『 授業中 眠りを誘う 秋雨よ 』
季語:秋雨(秋)
しとしとと降る秋雨が、ただでさえ眠い授業中に眠りを誘ってきます。暴風雨など音を立てる雨であれば起きていられるでしょうが、密やかな音を立てて降る雨は思わず眠気を誘うものです。作者は授業が終わるまで耐えられたでしょうか。
【NO.26】
『 文化祭 去年の先輩 緊張です 』
季語:文化祭(秋)
文化祭に去年卒業した先輩たちが来て緊張する様子を詠んだ句です。作者の部活はどんなものなのでしょう。演劇部や体育会系の部活ならば、かつての先輩たちに恥じない様子を見せなければならないという気合いも感じます。
【NO.27】
『 体育祭 応援団の 彼みつめ 』
季語:体育祭(秋)
体育祭で応援団をつとめる「彼」を見つめています。作者は「彼」に片思いしているのでしょう。いつもとは違う彼の姿をじっと見つめて目に焼き付けているように感じる一句です。
【NO.28】
『 通学路 外れて田んぼの 霜柱 』
季語:霜柱(冬)
通学路を外れて田んぼの縁にいくと霜柱が立っていた、という冬を感じさせる一句です。霜柱を踏み潰しながら通学路を歩いた人も多いと思いますが、作者は田んぼに入って遊んだのでしょうか。それとも眺めるだけで終わったのでしょうか。
【NO.29】
『 いざ行かん 三者三様 雪眼鏡 』
季語:雪眼鏡(冬)
「雪眼鏡」とは雪による光の反射で受ける目のダメージを減らす、冬用のサングラスのようなものです。スキーゴーグルのようなもので、「いざ行かん」とやる気十分なことからこれからスキーで遊ぶのかもしれません。
【NO.30】
『 冬休み 三歩手前の テストかな 』
季語:冬休み(冬)
冬休みが来る3歩手前にテストが待ち構えている、と嫌そうにしている子供たちが浮かぶ一句です。あと少しで年末年始なのに、テストを乗り越えなければ休みにならないという学生特有の葛藤が読み取れます。
以上、中学校生活をテーマにしたおすすめ俳句作品集でした!
今回は、「学校生活」を題材に表現した俳句を30句を紹介しました。
「学校生活」はとても幅広いテーマですので、「なにをテーマにしようかな?」と思い悩む人も多いかもしれません。
しかし、幅広いテーマだからこそ、どのようなシーンを選択しても良いのです。そう考えると、少し楽になりませんか?
きっと、個々それぞれの捉え方が異なり、さまざまな俳句ができることでしょう。
皆さんが思い浮かべる「学校生活」のシーンはどのようなものでしょうか。
是非、思い浮かべたシーンを5.7.5のリズムにのせてみてください。