「オリンピック」は4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典です。
現代オリンピックは、フランスのピエール・ド・クーベルタン男爵の働きかけによって進められ、1896年ギリシャのアテネで記念すべき第1回オリンピック競技大会が開催されました。
オリンピックのシンボルとして馴染みのある五輪のマークは、クーベルタンが考案したもので、世界五大陸の団結を表しています。
1914年6月14日、世界の5大陸がオリンピック精神の下に交わることを象徴する「五輪旗」が制定。「W」に配置された5色は、世界の国旗が白地にこの5色からできているものが多いという、国際オリンピック協議会の創始者クーベルタンの発想。 pic.twitter.com/vL8l9dcj5R
— こーらいおん(ω)きくらげ (@neriame0411) June 14, 2016
2021年には、日本・東京にてオリンピック(夏季大会)が開催されたこともあり、より身近なものとして個々それぞれ、さまざまな想いを抱いたのではないでしょうか。
今回は、オリンピックをテーマにした俳句を20句ご紹介します。
オリンピックをテーマにした俳句ネタ【前半10句】
【NO.1】
『 花菖蒲 期待高まる リオ五輪 』
季語:花菖蒲(夏)
花菖蒲は、艶やかな紫や白の花を咲かせる水辺の草です。リオ五輪にて、「華のある真剣勝負をみたい」という作者の強い想いが込められた一句です。「菖蒲」と「勝負」をかけている部分もとても上手です。
【NO.2】
『 空を翔ぶ スノーボードを 羽にして 』
季語:なし
冬の競技であるスノーボード。まるで空を飛んでいるかのような大きなジャンプと華麗な滑りの素晴らしさをとても上手に表現しています。スノーボードを「羽」と表現しているのも素晴らしいです。
【NO.3】
『 夏休み オリンピックで なおあつい 』
季語:夏休み(夏)
作者の夏休み中に開催されたオリンピック。夏の暑さと、オリンピックでの盛り上がりや熱い戦いを上手くかけて詠んでいます。「なおあつい」という表現から、どちらもとても「あつい」ということがよく伝わります。
【NO.4】
『 五輪中 睡眠不足が 苦にならず 』
季語:なし
五輪の中継時間が夜の時間帯となり、少々寝不足気味の作者ですが、「苦にならず」と言い切るほど、五輪を楽しんでいる様子がとてもよく伝わります。「睡眠不足」でも夢中になってみてしまうほど、良い戦いがたくさん繰り広げられているのでしょうね。
【NO.5】
『 世界から 人々集まる お祭りだ 』
季語:なし
オリンピックは4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典です。一つの場所に、世界からたくさんの人が集まることは簡単なことではありませんが、皆の想いや心が一つになることで楽しい「お祭り」は実現するということを改めて感じる一句です。
【NO.6】
『 メダルより 褒めてあげたい 努力の日 』
季語:なし
メダルを獲得することはとても素晴らしいことです。そして、そこにたどり着くまでの日々の「努力」は簡単に言葉で言い表すことができないものではないでしょうか。「努力の日」を「褒めてあげたい」という作者の優しい想いに心がほっこりとします。
【NO.7】
『 4年間 待ちに待った オリンピック 』
季語:なし
4年に一度開催されるオリンピックを「待ちに待った」人がたくさんいることでしょう。選手やサポート等の関係者だけでなく、家族や友人・知人、地域の人々。たくさんの人の関わりがあって開催されるオリンピックですね。
【NO.8】
『 向日葵の 見上げる空に 五色雲 』
季語:向日葵(夏)
夏を象徴する植物の向日葵。太陽の光をたっぷりとあびて元気に大きく咲いている向日葵が目に浮かびます。太陽に向かう向日葵と、澄み渡るきれいな青空に広がるオリンピックマークの飛行機雲。美しい光景の重なりが想像できる一句です。
【NO.9】
『 ジリジリと 選手悩ます 酷暑かな 』
季語:酷暑(夏)
2021年開催の東京オリンピックは、夏真っ盛りの中で行われました。そのため「酷暑」対策がとても大変だった様子が、作者にとってとても印象的だったのでしょう。「ジリジリと」という言葉から、猛烈な暑さをとても強く感じます。
【NO.10】
『 向日葵に 笑み堂々の 金メダル 』
季語:向日葵(夏)
メダリストに贈られるビクトリーブーケは、2021年開催の東京オリンピックでは「向日葵」が使用されました。向日葵のブーケと共に美しく輝く金メダルを持つ選手の「堂々」とした笑顔は、作者にとってとても印象的な姿だったことでしょう。とても気持ちの良い笑顔ですね。
オリンピックをテーマにした俳句ネタ【後半10句】
【NO.11】
『 飛魚か トライアスロン 波を切る 』
季語:飛魚(夏)
トライアスロンは、スイム・バイク(自転車ロード)・ランを一人で行う大変過酷な競技で、鉄人レースとも言われます。個々それぞれの戦術があり、さまざまな駆け引きがある中、最初のスイムでの泳ぎが、「飛魚」のように素晴らしい泳ぎだったのでしょう。「波を切る」という表現から、速さをとても強く感じます。
【NO.12】
『 汗光る 首に重たき 金メダル 』
季語:汗(夏)
簡単には取ることができない金メダル。「首に重たき」という言葉は、オリンピックまでの4年間もしくはそれ以上の努力の日々をとても上手に表現しています。金メダルの重さだけではない「重さ」があることを感じる一句です。
【NO.13】
『 夏の雲 隠す五輪の 飛行機雲 』
季語:夏(夏)
夏の爽やかな青空に浮かぶ白い雲。それを隠してしまうほど大きく広がったオリンピックの飛行機雲は、作者にとってとても印象的な光景だったのでしょう。きれいに広がる飛行機雲が目に浮かびます。
【NO.14】
『 オリンピック 日々研鑽の 証出る 』
季語:なし
オリンピックは4年に一度開催されます。それまでの努力の日々の中で、自己研鑽に励む選手の皆さん。個々それぞれが積み重ねたものによって、きっと成果が変わってくることでしょう。でも、全ての力を出し切ることは簡単なことではないですよね。シンプルな句ですが、作者の深い想いを感じます。
【NO.15】
『 シャトル追い コートを鹿の ように跳ぶ 』
季語:鹿(秋)
バドミントンの試合の様子を詠んでいます。選手が素早い動きで追うシャトル。「鹿のように」軽やかに俊敏に動く姿が作者にとってとても印象的だったことでしょう。
【NO.16】
『 芝目読む ゴルファーの背や 蝉時雨 』
季語:蝉時雨(夏)
「蝉時雨」とは、たくさんの蝉が一斉に鳴いている声を時雨が降る音に例えた言葉です。夏の時期のゴルフの試合。真剣な表情で芝目を詠むゴルファーの後ろで、蝉が激しくないている様子が想像できます。
【NO.17】
『 夏空に 放つ五色の 希望かな 』
季語:夏空(夏)
夏真っ只中に開催された2021年の東京オリンピック。解消されないさまざまな不安要素がある中での開催でしたが、広く大きな空に広がる美しい五色の光景は、多くの人々の心に「希望」の明かりを灯したのかもしれませんね。
【NO.18】
『 オリンピック またきてほしい 東京に 』
季語:なし
今までにあまりないような対応での開催となった2021年の東京オリンピック。「もう一度東京で」「今度は間近で見てみたい」等、さまざまな想いをもったことでしょう。作者の「またきてほしい」という素直な想いがまっすぐに伝わる一句です。
【NO.19】
『 次期五輪 元気で待とう トレーニング 』
季語:なし
次期五輪は4年後です。その時もまた、元気に観戦したい・応援したい!という作者の強い想いが表現されています。「元気に待とう」という明るく前向きな表現がとても良いですね。
【NO.20】
『 向日葵の 花束胸に 金メダル 』
季語:向日葵(夏)
向日葵は、2021年の東京オリンピックのビクトリーブーケとして採用されました。美しく輝く黄色の向日葵の花束と、きらきらと美しく光る金メダル。どちらも素晴らしい輝きを放っています。特別な人だけが纏うことができる輝きですね。
以上、オリンピックをテーマにした俳句集でした!
オリンピックは、「平和の祭典」と言われています。
オリンピックの目的として、クーベルタンは「スポーツを通じて平和でよりよい世界の実現に寄与する」ことを掲げています。
オリンピックの五輪マークは、五輪旗の背景となる白色を加えた6色を使うと、世界のほとんどの国旗を描けることから「世界は一つ」という意味が込められています。
世界中が平和になることを願うばかりです。